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第2章 胎動
第20話 変わる意識
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食事を食べ終え、今はデザートのパウンドケーキを堪能している最中だ。
女将さんは相変わらず遠慮なくおかわりをしてバクバク食べている。
「えぇーっと、そろそろ話を聞かせてくれますか?ロンは肉屋だったよな、おっちゃんとこの人?」
「そうさロンは肉屋の息子だよ、親父の方は大きい獲物専門で、ロンは鳥とか小さい獲物専門の店を任されてんのさ」
「それで俺に話って言うのは?」
「オレ、シンさんが作ったウィンナー食べたんです。スッゲェー旨かったっす!肉を細かくするとあんなに旨いなんて考えた事も無かったです。」
「あれは腸詰めにしてるってのがポイントなんだ」
「確かにあの食感は腸詰めだからこそなんだと思います。でも腸詰めにするってその発想がスゲェーッて思うんす!」
「素直に嬉しいよ、でも感想を言いに来た訳では無いんだろ?」
「そうっすね、オレんとこは鳥がメインの肉屋なんすけど、デカイ獲物の肉は柔らかいのに対して、小さいのは歯応えがある肉ってのが特徴なんです。
あの食感が好きって人が結構いるんす。でもシンさんが作ったウィンナー食べて思ったんす、このままじゃ駄目だって」
「俺も鳥は屋台の串焼きを食べたけどそんなに悪くは無かったけどな」
「でもスゲェー旨い訳ではなかったんですよね?」
「・・・まあそうだな」
「上手く言えないんすけど、そういう事なんだと思うんです。今まではそんなに旨いとか味がどうかなんて考えて無かったと思うんです、なんて言うか食えれば満足っていう、、、」
バシッ、バシッ!、、、バシバシバシバシバシバシ!
「ちょっ、ヘレンさん痛いっす!頭は痛いっす(泣)」
「ロン、あんたはたいした学も無いのに考え過ぎなんだよ。
ようするにウィンナーを食べてもっと色んな美味しい物を食べたくなったって事だろ?」
「そうなんすけど、、、でもオレじゃあ旨い料理なんて分かんなくて、試しに鳥肉を細かくしてみたんすけどなんか臭くなっただけでした」
「まぁどの肉にも少なからず臭みがあるから、きちんと処理する必要はあるぞ」
「やっぱそうなんすね。シンさん!お願いです、オレに料理を教えて下さい!
でもオレに払える金はコレが精一杯なんです!だからこの金で教えられる事だけでいいです、お願いします!」
テーブルに出された金を見ると、金貨が1枚に銀貨と銅貨が10数枚ある、本当に払える金をかき集めて来たって事か?とりあえず銀貨を数枚取り後はロンに返してやる
「え?!」
「勘違いするなよ、金に関しては後払いでいい、今は手間賃だけ貰っとくよ」
「ありがとうございます!!」
「しかし教えるといっても、胡椒と砂糖を使わないとなるとなぁ、、、あっ!女将さん生姜とニンニクって手に入りますか?」
「生姜とニンニクだって?!確か薬屋が仕入れてたと思うけど、、、あんたの知識には驚く事ばっかだねぇ」
若干呆れた感じの女将さんだが、まだパウンドケーキが残って無いのかと厨房をチラチラ見ている
それはせめて話が終わってからにして欲しい。
「なあロンの店では鳥の骨ってどうしてるんだ?」
「骨は捨てるだけっすけど」
「じゃあ捨てずに取っといてくれよ、料理に使うからさ」
「骨を使うんすか?!、、、そういう事ならオレ今から店に帰りますね、早くしないと骨捨てられるんで」
「じゃあまた明日な」
「失礼します!」
「よかったのかい?きちんと報酬を決めないで。どのみちあんたはそれほど報酬を貰うつもりは無さそうだけどさ」
「いいんですよ、ちゃんと報酬を貰って教えたって事実があれば。」
「ははは!報酬はあんたの気分次第で銅貨にも白金貨にもなるって言いたいんだろ?
あんたのそういうところ、あたしは好きだよ♪それにしても今度は骨かい、捨てる物で旨い料理が出来るとはねぇ」
今回もよく分からん内に、女将さんから好感度ポイントをゲットしたようだ♪
その後、女将さんにおかわりのパウンドケーキと酒を出して
俺は女将さんとの差し飲みを楽しむのだった。
つづく。
女将さんは相変わらず遠慮なくおかわりをしてバクバク食べている。
「えぇーっと、そろそろ話を聞かせてくれますか?ロンは肉屋だったよな、おっちゃんとこの人?」
「そうさロンは肉屋の息子だよ、親父の方は大きい獲物専門で、ロンは鳥とか小さい獲物専門の店を任されてんのさ」
「それで俺に話って言うのは?」
「オレ、シンさんが作ったウィンナー食べたんです。スッゲェー旨かったっす!肉を細かくするとあんなに旨いなんて考えた事も無かったです。」
「あれは腸詰めにしてるってのがポイントなんだ」
「確かにあの食感は腸詰めだからこそなんだと思います。でも腸詰めにするってその発想がスゲェーッて思うんす!」
「素直に嬉しいよ、でも感想を言いに来た訳では無いんだろ?」
「そうっすね、オレんとこは鳥がメインの肉屋なんすけど、デカイ獲物の肉は柔らかいのに対して、小さいのは歯応えがある肉ってのが特徴なんです。
あの食感が好きって人が結構いるんす。でもシンさんが作ったウィンナー食べて思ったんす、このままじゃ駄目だって」
「俺も鳥は屋台の串焼きを食べたけどそんなに悪くは無かったけどな」
「でもスゲェー旨い訳ではなかったんですよね?」
「・・・まあそうだな」
「上手く言えないんすけど、そういう事なんだと思うんです。今まではそんなに旨いとか味がどうかなんて考えて無かったと思うんです、なんて言うか食えれば満足っていう、、、」
バシッ、バシッ!、、、バシバシバシバシバシバシ!
「ちょっ、ヘレンさん痛いっす!頭は痛いっす(泣)」
「ロン、あんたはたいした学も無いのに考え過ぎなんだよ。
ようするにウィンナーを食べてもっと色んな美味しい物を食べたくなったって事だろ?」
「そうなんすけど、、、でもオレじゃあ旨い料理なんて分かんなくて、試しに鳥肉を細かくしてみたんすけどなんか臭くなっただけでした」
「まぁどの肉にも少なからず臭みがあるから、きちんと処理する必要はあるぞ」
「やっぱそうなんすね。シンさん!お願いです、オレに料理を教えて下さい!
でもオレに払える金はコレが精一杯なんです!だからこの金で教えられる事だけでいいです、お願いします!」
テーブルに出された金を見ると、金貨が1枚に銀貨と銅貨が10数枚ある、本当に払える金をかき集めて来たって事か?とりあえず銀貨を数枚取り後はロンに返してやる
「え?!」
「勘違いするなよ、金に関しては後払いでいい、今は手間賃だけ貰っとくよ」
「ありがとうございます!!」
「しかし教えるといっても、胡椒と砂糖を使わないとなるとなぁ、、、あっ!女将さん生姜とニンニクって手に入りますか?」
「生姜とニンニクだって?!確か薬屋が仕入れてたと思うけど、、、あんたの知識には驚く事ばっかだねぇ」
若干呆れた感じの女将さんだが、まだパウンドケーキが残って無いのかと厨房をチラチラ見ている
それはせめて話が終わってからにして欲しい。
「なあロンの店では鳥の骨ってどうしてるんだ?」
「骨は捨てるだけっすけど」
「じゃあ捨てずに取っといてくれよ、料理に使うからさ」
「骨を使うんすか?!、、、そういう事ならオレ今から店に帰りますね、早くしないと骨捨てられるんで」
「じゃあまた明日な」
「失礼します!」
「よかったのかい?きちんと報酬を決めないで。どのみちあんたはそれほど報酬を貰うつもりは無さそうだけどさ」
「いいんですよ、ちゃんと報酬を貰って教えたって事実があれば。」
「ははは!報酬はあんたの気分次第で銅貨にも白金貨にもなるって言いたいんだろ?
あんたのそういうところ、あたしは好きだよ♪それにしても今度は骨かい、捨てる物で旨い料理が出来るとはねぇ」
今回もよく分からん内に、女将さんから好感度ポイントをゲットしたようだ♪
その後、女将さんにおかわりのパウンドケーキと酒を出して
俺は女将さんとの差し飲みを楽しむのだった。
つづく。
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