20 / 332
第2章 胎動
第16話 スタートラインとなんやかんや
しおりを挟む
商業ギルドを後にした俺とメリルは、賃貸の部屋を探すために不動産屋に来たのだが、結論から言うと部屋はあっさり見つかった。
見つかったというより選べる物件が無かったと言うのが正しい。
この街は定住希望の人に対して圧倒的に物件が少ないのだそうで、紹介された物件も高齢の男性が飲食店をやっていたのだが、最近亡くなった為にたまたま空いていただけ。
それに商業ギルドに登録していた事で信用されて部屋を借りれたみたいだ。
読み書きが出来るだけでも信用度が違うけど、計算が出来れば尚良しって感じらしい。
だがしかし
貴族や商人でも2桁の足し算と引き算が出来れば良い方で、掛け算と割り算に至っては商人といえどかなり悲惨な状況らしく
商業ギルドの試験にも掛け算と割り算は出たが、小学校の算数ドリルの1ページ目でやるような基礎問題ばかりだった。
そういう事で無事部屋を借りれたのだが、手続きがあるため住めるのは少し先の予定だ。
ーー1週間後ーー
今日は借りた物件の手続きが終わったので、入居する為に元飲食店の建物の前にメリルとやって来た。
「なぁメリル」
「どうしたの?」
「借り物とはいえここが今日から俺たちの家だ」
「うん」
なんとなくメリルの目がウルウルしている気がする。
スラムで暮らしていたメリルとしては、やっぱりちゃんとした帰る家があるというのは特別な想いがあるんだろうか?
「やっとスタートラインに立てたって感じだな」
「うん」
「ここが俺とメリルの商人伝説の始まりの場所になるんだ!」
「ふふっ、伝説ってなにそれ?なんだか凄くダサいけど、伝説作れるように私がちゃんと見ててあげるね♪」
メリルさん、やっぱあんたにゃ笑顔が1番似合ってるよ♪
「よし!早く中を片付けて準備しなくちゃ、今日から商人として仕事再会だからな」
「うん♪」
この1週間
俺はお気楽にただ遊んで過ごしていた訳ではない
肉屋の親父が樽いっぱいに動物の腸を持って来たから、宿の女将さんとウィンナーを試作したり
柔らかいパンに合うメニューを考えたりしていたんだ♪
そう
柔らかいパンだ!
この世界、、、かどうかは知らんが少なくともこの街で売ってるパンは超堅い、無発酵のパンだからというだけでは説明がつかないくらい堅い
それが最近柔らかいパンのレシピが商業ギルドから販売されたんだ
元世界のパンに比べればまだまだ堅いんだけど、スープに浸さなくても食べれるだけで充分だろう。
まあ俺がレシピを登録したんだけどな(笑)
果物から作る酵母と発酵パンのレシピなんだけど、訳あってわざわざ隣街のギルドまで行って登録してきた。
レシピは全商業ギルドに魔道具を使って共有されるけど、登録した場所が発祥の地とされて観光名物的な扱いになるらしい
この街には既にトマトソースやウィンナー等があるし、これからも増えそうだから色々と配慮した結果なんだ。
そういえば数日前から女将さんの宿で、トマトソースとウィンナーとオムレツを食堂で出し始めたんだけど、さっそく話題になっている
トマトソースの赤い色が衝撃的らしいけど、味は好評だからレシピの売上も期待している♪
それと商業ギルドで委託販売をしている干し芋の売上も好調だ。
だがしかし
干し芋の売れ行きを確認しに行った時に職員さんに
「ドライフルーツとはなんですか?!」
と問い詰められてしまった。
商業ギルドにはドライフルーツの事は話すのをすっかり忘れていたよ(汗)
露店で売ってた時の客には商人もかなりいたから、そこから噂が広がって伝わったんだろうなぁ
結局ドライフルーツと、何故か干し肉も今後ギルドに卸す事に決まった。
なんやかんやで売上額が凄い事になっているのだが、ある程度お金が貯まれば経済を回すって事も考えないと駄目だろう。
これも異世界小説ではよくある展開、いわゆるテンプレだからな
そうなると次は商売を大きくする為に必要な従業員の確保
裏切らない従業員、すなわち奴隷の購入か・・・
奴隷、、、訳アリ、、、トラブル、、、フラグ、、、etc.etc.etc.etc
つづく。
見つかったというより選べる物件が無かったと言うのが正しい。
この街は定住希望の人に対して圧倒的に物件が少ないのだそうで、紹介された物件も高齢の男性が飲食店をやっていたのだが、最近亡くなった為にたまたま空いていただけ。
それに商業ギルドに登録していた事で信用されて部屋を借りれたみたいだ。
読み書きが出来るだけでも信用度が違うけど、計算が出来れば尚良しって感じらしい。
だがしかし
貴族や商人でも2桁の足し算と引き算が出来れば良い方で、掛け算と割り算に至っては商人といえどかなり悲惨な状況らしく
商業ギルドの試験にも掛け算と割り算は出たが、小学校の算数ドリルの1ページ目でやるような基礎問題ばかりだった。
そういう事で無事部屋を借りれたのだが、手続きがあるため住めるのは少し先の予定だ。
ーー1週間後ーー
今日は借りた物件の手続きが終わったので、入居する為に元飲食店の建物の前にメリルとやって来た。
「なぁメリル」
「どうしたの?」
「借り物とはいえここが今日から俺たちの家だ」
「うん」
なんとなくメリルの目がウルウルしている気がする。
スラムで暮らしていたメリルとしては、やっぱりちゃんとした帰る家があるというのは特別な想いがあるんだろうか?
「やっとスタートラインに立てたって感じだな」
「うん」
「ここが俺とメリルの商人伝説の始まりの場所になるんだ!」
「ふふっ、伝説ってなにそれ?なんだか凄くダサいけど、伝説作れるように私がちゃんと見ててあげるね♪」
メリルさん、やっぱあんたにゃ笑顔が1番似合ってるよ♪
「よし!早く中を片付けて準備しなくちゃ、今日から商人として仕事再会だからな」
「うん♪」
この1週間
俺はお気楽にただ遊んで過ごしていた訳ではない
肉屋の親父が樽いっぱいに動物の腸を持って来たから、宿の女将さんとウィンナーを試作したり
柔らかいパンに合うメニューを考えたりしていたんだ♪
そう
柔らかいパンだ!
この世界、、、かどうかは知らんが少なくともこの街で売ってるパンは超堅い、無発酵のパンだからというだけでは説明がつかないくらい堅い
それが最近柔らかいパンのレシピが商業ギルドから販売されたんだ
元世界のパンに比べればまだまだ堅いんだけど、スープに浸さなくても食べれるだけで充分だろう。
まあ俺がレシピを登録したんだけどな(笑)
果物から作る酵母と発酵パンのレシピなんだけど、訳あってわざわざ隣街のギルドまで行って登録してきた。
レシピは全商業ギルドに魔道具を使って共有されるけど、登録した場所が発祥の地とされて観光名物的な扱いになるらしい
この街には既にトマトソースやウィンナー等があるし、これからも増えそうだから色々と配慮した結果なんだ。
そういえば数日前から女将さんの宿で、トマトソースとウィンナーとオムレツを食堂で出し始めたんだけど、さっそく話題になっている
トマトソースの赤い色が衝撃的らしいけど、味は好評だからレシピの売上も期待している♪
それと商業ギルドで委託販売をしている干し芋の売上も好調だ。
だがしかし
干し芋の売れ行きを確認しに行った時に職員さんに
「ドライフルーツとはなんですか?!」
と問い詰められてしまった。
商業ギルドにはドライフルーツの事は話すのをすっかり忘れていたよ(汗)
露店で売ってた時の客には商人もかなりいたから、そこから噂が広がって伝わったんだろうなぁ
結局ドライフルーツと、何故か干し肉も今後ギルドに卸す事に決まった。
なんやかんやで売上額が凄い事になっているのだが、ある程度お金が貯まれば経済を回すって事も考えないと駄目だろう。
これも異世界小説ではよくある展開、いわゆるテンプレだからな
そうなると次は商売を大きくする為に必要な従業員の確保
裏切らない従業員、すなわち奴隷の購入か・・・
奴隷、、、訳アリ、、、トラブル、、、フラグ、、、etc.etc.etc.etc
つづく。
601
お気に入りに追加
873
あなたにおすすめの小説

【ヤベェ】異世界転移したった【助けてwww】
一樹
ファンタジー
色々あって、転移後追放されてしまった主人公。
追放後に、持ち物がチート化していることに気づく。
無事、元の世界と連絡をとる事に成功する。
そして、始まったのは、どこかで見た事のある、【あるある展開】のオンパレード!
異世界転移珍道中、掲示板実況始まり始まり。
【諸注意】
以前投稿した同名の短編の連載版になります。
連載は不定期。むしろ途中で止まる可能性、エタる可能性がとても高いです。
なんでも大丈夫な方向けです。
小説の形をしていないので、読む人を選びます。
以上の内容を踏まえた上で閲覧をお願いします。
disりに見えてしまう表現があります。
以上の点から気分を害されても責任は負えません。
閲覧は自己責任でお願いします。
小説家になろう、pixivでも投稿しています。
異世界でスローライフを満喫する為に
美鈴
ファンタジー
ホットランキング一位本当にありがとうございます!
【※毎日18時更新中】
タイトル通り異世界に行った主人公が異世界でスローライフを満喫…。出来たらいいなというお話です!
※カクヨム様にも投稿しております
※イラストはAIアートイラストを使用

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ
ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

転生テイマー、異世界生活を楽しむ
さっちさん
ファンタジー
題名変更しました。
内容がどんどんかけ離れていくので…
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
ありきたりな転生ものの予定です。
主人公は30代後半で病死した、天涯孤独の女性が幼女になって冒険する。
一応、転生特典でスキルは貰ったけど、大丈夫か。私。
まっ、なんとかなるっしょ。

のほほん異世界暮らし
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。
それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。

これダメなクラス召喚だわ!物を掌握するチートスキルで自由気ままな異世界旅
聖斗煉
ファンタジー
クラス全体で異世界に呼び出された高校生の主人公が魔王軍と戦うように懇願される。しかし、主人公にはしょっぱい能力しか与えられなかった。ところがである。実は能力は騙されて弱いものと思い込まされていた。ダンジョンに閉じ込められて死にかけたときに、本当は物を掌握するスキルだったことを知るーー。
俺だけ永久リジェネな件 〜パーティーを追放されたポーション生成師の俺、ポーションがぶ飲みで得た無限回復スキルを何故かみんなに狙われてます!〜
早見羽流
ファンタジー
ポーション生成師のリックは、回復魔法使いのアリシアがパーティーに加入したことで、役たたずだと追放されてしまう。
食い物に困って余ったポーションを飲みまくっていたら、気づくとHPが自動で回復する「リジェネレーション」というユニークスキルを発現した!
しかし、そんな便利なスキルが放っておかれるわけもなく、はぐれ者の魔女、孤高の天才幼女、マッドサイエンティスト、魔女狩り集団、最強の仮面騎士、深窓の令嬢、王族、謎の巨乳魔術師、エルフetc、ヤバい奴らに狙われることに……。挙句の果てには人助けのために、危険な組織と対決することになって……?
「俺はただ平和に暮らしたいだけなんだぁぁぁぁぁ!!!」
そんなリックの叫びも虚しく、王国中を巻き込んだ動乱に巻き込まれていく。
無双あり、ざまぁあり、ハーレムあり、戦闘あり、友情も恋愛もありのドタバタファンタジー!

異世界キャンパー~無敵テントで気ままなキャンプ飯スローライフ?
夢・風魔
ファンタジー
仕事の疲れを癒すためにソロキャンを始めた神楽拓海。
気づけばキャンプグッズ一式と一緒に、見知らぬ森の中へ。
落ち着くためにキャンプ飯を作っていると、そこへ四人の老人が現れた。
彼らはこの世界の神。
キャンプ飯と、見知らぬ老人にも親切にするタクミを気に入った神々は、彼に加護を授ける。
ここに──伝説のドラゴンをもぶん殴れるテントを手に、伝説のドラゴンの牙すら通さない最強の肉体を得たキャンパーが誕生する。
「せっかく異世界に来たんなら、仕事のことも忘れて世界中をキャンプしまくろう!」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる