15 / 305
第1章 転生
第13話 テンプレは突然に
しおりを挟む
商業ギルドを後にした俺達は、干し芋を売るためにいつもの広場に向かう。
「メリルは新たに人を雇う事についてどう思う?」
「いいと思う。おにいちゃんの商品なら絶対売れるから人手は多い方が良いよ。」
とはいえ信用出来る従業員となるとテンプレなら奴隷を雇うところなんだよなぁ
その前に宿屋暮らしから脱出して部屋を借りるのが先だな
などと考えているうちに広場に到着した。
早速準備をしていると、直ぐに人が集まって来て列が出来始める。
よぉーし、今日もはりきって売りますか!
ーー1時間30分後ーー
無事に干し芋1000枚を売り切った。
今日はドライフルーツを欲しがる客も多くいたため売上げは約50万円になった。
よく考えたら1日で数ヶ月分の生活費を稼いでる事になる
しかも仕入れはスキルの「店」でmpを対価にして購入しているから、実質無料同然だ。
だから売上はそのまま利益になるし、元世界の感覚だと個人の稼ぎとしたらスゲェーな、今更だけど。
「おいっ!そこのお前!」
急に背後から声をかけられたので振り向くと、役人っぽい雰囲気の服を着た2人組が立っていた。
「はい、なんでしょうか?」
「最近珍しい保存食を売り始めたっていうのはお前か?」
「珍しいかどうかは分かりませんが、数日前からここで干し芋とドライフルーツを売っていますけど」
「フンッ、ガキの癖に一人前の商人気取りとは生意気だな。俺達は冒険者ギルドの職員だ、お前のせいでギルドで売ってる保存食の売上が減ってんだよ!」
「お前が売ってる保存食を食べた連中は、ギルドのクソ不味い保存食は2度と食わんって言ってんだぞ!どうしてくれんだ!!」
まさかここで異世界テンプレ
『ガキの癖に生意気だ』が発動するなんて(悲)
このテンプレは面倒だからあえて冒険者ギルドを避けていたというのに
しかも言ってる事が完全に悪質クレーマーと一緒だよ。
「だが俺達もオーガじゃねぇ、保存食ひとつ銅貨1枚で買い取ってやるからギルドに卸せ。断ってもいいがこれからもここで商売出来ると思うなよ!」
「「ギャハハハハハ」」
一方的に言い終わると下品な笑い声を響かせながら2人組は帰っていった。
あいつら日本じゃ『鬼』と言う所を『オーガ』って言ってたな、さすが異世界
まっ、どうでもいいけど
俺から言わせりゃあいつらは人の皮を被ったゴミだ、ゴミに売る物など何ひとつ無い!
2人組が来てから俺の後ろに隠れていたメリルに声をかける
「もう大丈夫だよ」
「おにいちゃん、どうするの?」
「あんなゴミのような奴等の言う事なんか聞く必要は無い!
これから干し芋は商業ギルドで売って貰おうと思うんだ、それにそろそろ部屋を借りて腰を落ち着けたいからね」
「えっ?・・・宿出ちゃうの?わたしもう必要ない?」
「何言ってるんだよ、『俺達』の商売はこれから面白くなるんだぜ♪だからメリルにもバリバリ働いて貰うに決まってるだろ。」
「・・・」
「それに、従業員の事とか次に売り出す商品の事とか俺1人で出来ると思う?」
「そっ、そうだよね、おにいちゃんは頼りないからわたしがちゃんと見ててあげるんだから!」
「頼りにしてるよ。改めてこれからもよろしくな、メリル♪」
「うん!こちらこそよろしくね♪」
メリルさん、やっぱあんたにゃ笑顔が1番似合ってるよ!
夕陽に照らされ眩しそうにしているメリルの横顔を見ながら
俺はいつの間にかこの子の笑顔をずっと見ていたいと思うようになっていた。
第1章 完
「メリルは新たに人を雇う事についてどう思う?」
「いいと思う。おにいちゃんの商品なら絶対売れるから人手は多い方が良いよ。」
とはいえ信用出来る従業員となるとテンプレなら奴隷を雇うところなんだよなぁ
その前に宿屋暮らしから脱出して部屋を借りるのが先だな
などと考えているうちに広場に到着した。
早速準備をしていると、直ぐに人が集まって来て列が出来始める。
よぉーし、今日もはりきって売りますか!
ーー1時間30分後ーー
無事に干し芋1000枚を売り切った。
今日はドライフルーツを欲しがる客も多くいたため売上げは約50万円になった。
よく考えたら1日で数ヶ月分の生活費を稼いでる事になる
しかも仕入れはスキルの「店」でmpを対価にして購入しているから、実質無料同然だ。
だから売上はそのまま利益になるし、元世界の感覚だと個人の稼ぎとしたらスゲェーな、今更だけど。
「おいっ!そこのお前!」
急に背後から声をかけられたので振り向くと、役人っぽい雰囲気の服を着た2人組が立っていた。
「はい、なんでしょうか?」
「最近珍しい保存食を売り始めたっていうのはお前か?」
「珍しいかどうかは分かりませんが、数日前からここで干し芋とドライフルーツを売っていますけど」
「フンッ、ガキの癖に一人前の商人気取りとは生意気だな。俺達は冒険者ギルドの職員だ、お前のせいでギルドで売ってる保存食の売上が減ってんだよ!」
「お前が売ってる保存食を食べた連中は、ギルドのクソ不味い保存食は2度と食わんって言ってんだぞ!どうしてくれんだ!!」
まさかここで異世界テンプレ
『ガキの癖に生意気だ』が発動するなんて(悲)
このテンプレは面倒だからあえて冒険者ギルドを避けていたというのに
しかも言ってる事が完全に悪質クレーマーと一緒だよ。
「だが俺達もオーガじゃねぇ、保存食ひとつ銅貨1枚で買い取ってやるからギルドに卸せ。断ってもいいがこれからもここで商売出来ると思うなよ!」
「「ギャハハハハハ」」
一方的に言い終わると下品な笑い声を響かせながら2人組は帰っていった。
あいつら日本じゃ『鬼』と言う所を『オーガ』って言ってたな、さすが異世界
まっ、どうでもいいけど
俺から言わせりゃあいつらは人の皮を被ったゴミだ、ゴミに売る物など何ひとつ無い!
2人組が来てから俺の後ろに隠れていたメリルに声をかける
「もう大丈夫だよ」
「おにいちゃん、どうするの?」
「あんなゴミのような奴等の言う事なんか聞く必要は無い!
これから干し芋は商業ギルドで売って貰おうと思うんだ、それにそろそろ部屋を借りて腰を落ち着けたいからね」
「えっ?・・・宿出ちゃうの?わたしもう必要ない?」
「何言ってるんだよ、『俺達』の商売はこれから面白くなるんだぜ♪だからメリルにもバリバリ働いて貰うに決まってるだろ。」
「・・・」
「それに、従業員の事とか次に売り出す商品の事とか俺1人で出来ると思う?」
「そっ、そうだよね、おにいちゃんは頼りないからわたしがちゃんと見ててあげるんだから!」
「頼りにしてるよ。改めてこれからもよろしくな、メリル♪」
「うん!こちらこそよろしくね♪」
メリルさん、やっぱあんたにゃ笑顔が1番似合ってるよ!
夕陽に照らされ眩しそうにしているメリルの横顔を見ながら
俺はいつの間にかこの子の笑顔をずっと見ていたいと思うようになっていた。
第1章 完
599
お気に入りに追加
869
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
これダメなクラス召喚だわ!物を掌握するチートスキルで自由気ままな異世界旅
聖斗煉
ファンタジー
クラス全体で異世界に呼び出された高校生の主人公が魔王軍と戦うように懇願される。しかし、主人公にはしょっぱい能力しか与えられなかった。ところがである。実は能力は騙されて弱いものと思い込まされていた。ダンジョンに閉じ込められて死にかけたときに、本当は物を掌握するスキルだったことを知るーー。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
俺! 神獣達のママ(♂)なんです!
青山喜太
ファンタジー
時は、勇者歴2102年。
世界を巻き込む世界大戦から生き延びた、国々の一つアトランタでとある事件が起きた。
王都アトスがたったの一夜、いや正確に言えば10分で崩壊したのである。
その犯人は5体の神獣。
そして破壊の限りを尽くした神獣達はついにはアトス屈指の魔法使いレメンスラーの転移魔法によって散り散りに飛ばされたのである。
一件落着かと思えたこの事件。
だが、そんな中、叫ぶ男が1人。
「ふざけんなぁぁぁあ!!」
王都を見渡せる丘の上でそう叫んでいた彼は、そう何を隠そう──。
神獣達のママ(男)であった……。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした
高鉢 健太
ファンタジー
ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。
ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。
もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。
とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ
ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
憧れのテイマーになれたけど、何で神獣ばっかりなの⁉
陣ノ内猫子
ファンタジー
神様の使い魔を助けて死んでしまった主人公。
お詫びにと、ずっとなりたいと思っていたテイマーとなって、憧れの異世界へ行けることに。
チートな力と装備を神様からもらって、助けた使い魔を連れ、いざ異世界へGO!
ーーーーーーーーー
これはボクっ子女子が織りなす、チートな冒険物語です。
ご都合主義、あるかもしれません。
一話一話が短いです。
週一回を目標に投稿したと思います。
面白い、続きが読みたいと思って頂けたら幸いです。
誤字脱字があれば教えてください。すぐに修正します。
感想を頂けると嬉しいです。(返事ができないこともあるかもしれません)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
【ヤベェ】異世界転移したった【助けてwww】
一樹
ファンタジー
色々あって、転移後追放されてしまった主人公。
追放後に、持ち物がチート化していることに気づく。
無事、元の世界と連絡をとる事に成功する。
そして、始まったのは、どこかで見た事のある、【あるある展開】のオンパレード!
異世界転移珍道中、掲示板実況始まり始まり。
【諸注意】
以前投稿した同名の短編の連載版になります。
連載は不定期。むしろ途中で止まる可能性、エタる可能性がとても高いです。
なんでも大丈夫な方向けです。
小説の形をしていないので、読む人を選びます。
以上の内容を踏まえた上で閲覧をお願いします。
disりに見えてしまう表現があります。
以上の点から気分を害されても責任は負えません。
閲覧は自己責任でお願いします。
小説家になろう、pixivでも投稿しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
異世界でゆるゆるスローライフ!~小さな波乱とチートを添えて~
イノナかノかワズ
ファンタジー
助けて、刺されて、死亡した主人公。神様に会ったりなんやかんやあったけど、社畜だった前世から一転、ゆるいスローライフを送る……筈であるが、そこは知識チートと能力チートを持った主人公。波乱に巻き込まれたりしそうになるが、そこはのんびり暮らしたいと持っている主人公。波乱に逆らい、世界に名が知れ渡ることはなくなり、知る人ぞ知る感じに収まる。まぁ、それは置いといて、主人公の新たな人生は、温かな家族とのんびりした自然、そしてちょっとした研究生活が彩りを与え、幸せに溢れています。
*話はとてもゆっくりに進みます。また、序盤はややこしい設定が多々あるので、流しても構いません。
*他の小説や漫画、ゲームの影響が見え隠れします。作者の願望も見え隠れします。ご了承下さい。
*頑張って週一で投稿しますが、基本不定期です。
*無断転載、無断翻訳を禁止します。
小説家になろうにて先行公開中です。主にそっちを優先して投稿します。
カクヨムにても公開しています。
更新は不定期です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる