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第1章 転生
第12話 商業ギルドリターンズ
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トマトソースの委託販売をしてもらう為に商業ギルドに来た俺達は、ギルドマスターでエルフのミリアリアさん、通称ミリーさんに話を聞いて貰う事になった。
「わざわざミリーさんに聞いて貰うような話では無いのですが、、、」
「ふふふ、そう思ってるのはシン君だけよ。君はもっと自分の価値を理解する必要があるわね、でも今は委託販売の話をしましょうか」
なんとも腑に落ちないが、気にしたら負けだと思いテーブルにトマトソースを入れた瓶を置く
「これが売って頂きたいソースです。」
「赤いソースなんて珍しいわね、味見してもいいかしら?」
「勿論です、どうぞ」
そう言うとミリーさんは木匙でソースを掬いペロッと舐めた途端目を見開いて俺を見ている、、、すんごい見ている、、、めっちゃ見ている、、、そして動かない
ただのしかばねのようだ、、、
冗談はほどほどにして、このリアクションは反応に困る
「シン君このソースはいったい何なの?」
「トマトで作ったソースですね」
「トマト?!あの毒のあるトマト?」
「毒があるのは主に葉と茎ですね、普通に熟した実を食べるのは問題ありませんよ」
「シン君が言うなら大丈夫なのでしょうけど、トマトが食べられてしかもこんなに美味しいなんて大発見だわ!早速領主様に報告しないといけないわ!」
「領主様に?!そっ、そこまでの事ではないと思うのですが」
「いいえ、そこまでの事です!そもそもトマトは観賞目的だから、綺麗な実をつければ一般的な野菜の約10倍の値段で取引される事もあるわ
でもトマトの値段自体が安いからそこまで高値でも無いのだけれど、農家からすれば少しでも現金収入になるならと、余った農地をトマト畑にする人が後を絶たないの
その結果、需要と供給のバランスが完全に崩壊してしまっているのよ。毒があると思っていたから家畜の餌にも出来なかったしね。」
まさか潰して煮込むだけの簡単ソースで、領主を巻き込む事になるとか誰が予想出来ただろうか
「なんだかとても大変な事になっているのですね(汗)」
「それで領主様から商業ギルドにトマトの使い道を探す依頼が出されていた所に、シン君がトマトを使ったソースを持って来たという訳なの。それでこのソースはどれぐらい卸して貰えるのかしら?」
「隣に座ってるメリルと2人だけで作りますから、1日で10~20キロを作るのがやっとでしょうか」
「まぁそれくらいよね。でもこのソースは絶対に売れるから10倍は欲しいわね、しばらくは2人で頑張って貰うとして、人手を増やす事も考えて貰えないかしら?」
「もう少し余裕が出来たら考えてみますよ、精神的にも金銭的にも」
「勿論それで構わないわよ。トマトの仕入れに関してはこちらに任せて頂戴、こういう事はギルドを通してきっちりしとかないと後々クレームを付けられてトラブルしか産み出さないわ」
「そう言って頂けるとこちらとしてはありがたいので構いません。それとトマトソースの利用法ですけど、オムレツとかウィンナー、パスタにソースとして使うと良いと思います。」
「おむれつ?」
「あぁ~、ワカラナイデスヨネー、今は材料が無いので明日にでも見本を作って持ってきますよ」
「うふふ、何だか分からない事ばかりだけどとっても楽しくなりそうな予感がするわ♪シン君とは末長く良い関係を築きたいわ」
「こちらこそ末長く良い関係を」
ガシッ!
そう言って俺はミリーさんとガッチリ硬い握手をしてギルドを後にした。
つづく。
「わざわざミリーさんに聞いて貰うような話では無いのですが、、、」
「ふふふ、そう思ってるのはシン君だけよ。君はもっと自分の価値を理解する必要があるわね、でも今は委託販売の話をしましょうか」
なんとも腑に落ちないが、気にしたら負けだと思いテーブルにトマトソースを入れた瓶を置く
「これが売って頂きたいソースです。」
「赤いソースなんて珍しいわね、味見してもいいかしら?」
「勿論です、どうぞ」
そう言うとミリーさんは木匙でソースを掬いペロッと舐めた途端目を見開いて俺を見ている、、、すんごい見ている、、、めっちゃ見ている、、、そして動かない
ただのしかばねのようだ、、、
冗談はほどほどにして、このリアクションは反応に困る
「シン君このソースはいったい何なの?」
「トマトで作ったソースですね」
「トマト?!あの毒のあるトマト?」
「毒があるのは主に葉と茎ですね、普通に熟した実を食べるのは問題ありませんよ」
「シン君が言うなら大丈夫なのでしょうけど、トマトが食べられてしかもこんなに美味しいなんて大発見だわ!早速領主様に報告しないといけないわ!」
「領主様に?!そっ、そこまでの事ではないと思うのですが」
「いいえ、そこまでの事です!そもそもトマトは観賞目的だから、綺麗な実をつければ一般的な野菜の約10倍の値段で取引される事もあるわ
でもトマトの値段自体が安いからそこまで高値でも無いのだけれど、農家からすれば少しでも現金収入になるならと、余った農地をトマト畑にする人が後を絶たないの
その結果、需要と供給のバランスが完全に崩壊してしまっているのよ。毒があると思っていたから家畜の餌にも出来なかったしね。」
まさか潰して煮込むだけの簡単ソースで、領主を巻き込む事になるとか誰が予想出来ただろうか
「なんだかとても大変な事になっているのですね(汗)」
「それで領主様から商業ギルドにトマトの使い道を探す依頼が出されていた所に、シン君がトマトを使ったソースを持って来たという訳なの。それでこのソースはどれぐらい卸して貰えるのかしら?」
「隣に座ってるメリルと2人だけで作りますから、1日で10~20キロを作るのがやっとでしょうか」
「まぁそれくらいよね。でもこのソースは絶対に売れるから10倍は欲しいわね、しばらくは2人で頑張って貰うとして、人手を増やす事も考えて貰えないかしら?」
「もう少し余裕が出来たら考えてみますよ、精神的にも金銭的にも」
「勿論それで構わないわよ。トマトの仕入れに関してはこちらに任せて頂戴、こういう事はギルドを通してきっちりしとかないと後々クレームを付けられてトラブルしか産み出さないわ」
「そう言って頂けるとこちらとしてはありがたいので構いません。それとトマトソースの利用法ですけど、オムレツとかウィンナー、パスタにソースとして使うと良いと思います。」
「おむれつ?」
「あぁ~、ワカラナイデスヨネー、今は材料が無いので明日にでも見本を作って持ってきますよ」
「うふふ、何だか分からない事ばかりだけどとっても楽しくなりそうな予感がするわ♪シン君とは末長く良い関係を築きたいわ」
「こちらこそ末長く良い関係を」
ガシッ!
そう言って俺はミリーさんとガッチリ硬い握手をしてギルドを後にした。
つづく。
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