7 / 10
第7話、準備は整ったようです。
しおりを挟む
side:ジャクリーン
予想は出来ていましたけれど、父はバルフェンバーグに対して怒っているようですが、それは必然というものです。
このままでは
バルフェンバーグ対グロンクヴィスト+周辺国の連合軍
という構図で世界戦争に発展しかねないのですから。
「早速だがジャクリーン、手紙にもあったようにバルフェンバーグが同盟破棄をした理由は分からないんだな?」
「残念ながら。あくまでも私の個人的な意見としましては、スコット国王がバカなだけかと」
「むぅ、、、バカと見せかけている可能性は?」
「見せかけで同盟破棄をするなど愚作中の愚作としか思えません」
「確かに、となると最悪の事態は避けられなくなるぞ」
「そこで、陛下に会って頂きたい者がおります。部屋の外に待たせているので入室の許可を頂けますか?」
「構わん」
「では」『パンパン』
『ガチャ』
私が手を鳴らし合図をすると、その人物は部屋に入って来た
「失礼致します。エルネスト・グロンクヴィスト国王陛下の御尊顔を賜り恐悦至極に存じます。
わたくしバルフェンバーグ国が近衛隊隊長を任されているスミスと申します。以後お見知りおきを」
「陛下、スミスはバルフェンバーグからの道中私の警護を担当して下さった優秀な者です。
少なくともバカで無い事は私が保証致します。」
「うむ、ここまで来て私の首を取ろうとしないのがその証と言えよう。スミス、用件を話せ」
「はっ!畏れながら申し上げます!
エルネスト・グロンクヴィスト国王陛下におかれましては、スコット・バルフェンバーグを逆賊として討って頂けますよう伏してお願い申し上げるしだいでございます。」
「自国の王を逆賊呼ばわりとは如何なる訳だ?」
「グロンクヴィスト王国との同盟を一方的に破棄し、王国民の命を脅かす者など既に王にあらず!
実は、ジャクリーン様護衛の名目で約6個師団の兵をここに連れて来ています。これはバルフェンバーグ国の総兵力の約1/3に相当し
バルフェンバーグに残っている兵の大半も私の意見に賛同しております。
スコット・バルフェンバーグに忠誠を誓っている者も居ますが、それは我々が命をかけて抑えますので直ちにバルフェンバーグ王国に軍を派遣し
王城を逆賊から奪還して頂きたい!」
「同盟破棄という大義名分があるので軍を派遣する事は構わんが、スコット・バルフェンバーグを逆賊とするにはちと無理があろう」
「畏れながら申し上げます!スコットは既に王にあらず!我々はジャクリーン・バルフェンバーグ女王陛下に忠誠を誓う者也!」
ふふふっ
私がスコットに離婚を言い渡されてからバルフェンバーグを出るまで
この数日間でスコットを説得出来なかった時の最後の手段として聞かされた時は驚きましたが
城の重臣達は既にスコットがこのまま王位に就く事を望んでいませんでした、だからと言って自分達でクーデターを起こせば
スコット派の者達と血で血を洗う争いになりますから、それを避ける為のかなり無茶苦茶な作戦になります。
書類上の事だけではありますが、私はスコットから王位を譲り受けバルフェンバーグの新たな王になる事で
逆賊スコットを討つという構図の出来上がりです。
最早書類を作成する者も、書類を確認する者もスコットを支持する者は皆無ですから、秘密裏に正式な書類を作成するなど簡単なのです。
これは当然勝つ事が絶体条件!
どんな無茶な事も勝てば正義となり、敗者は悪になるのは長い歴史が証明しています。
後でスコットがなんと言おうとも敗者の戯れ言など誰も聞きませんからね
準備は整いました
願わくは、罪無き者達が巻き込まれる事の無きように。
つづく。
予想は出来ていましたけれど、父はバルフェンバーグに対して怒っているようですが、それは必然というものです。
このままでは
バルフェンバーグ対グロンクヴィスト+周辺国の連合軍
という構図で世界戦争に発展しかねないのですから。
「早速だがジャクリーン、手紙にもあったようにバルフェンバーグが同盟破棄をした理由は分からないんだな?」
「残念ながら。あくまでも私の個人的な意見としましては、スコット国王がバカなだけかと」
「むぅ、、、バカと見せかけている可能性は?」
「見せかけで同盟破棄をするなど愚作中の愚作としか思えません」
「確かに、となると最悪の事態は避けられなくなるぞ」
「そこで、陛下に会って頂きたい者がおります。部屋の外に待たせているので入室の許可を頂けますか?」
「構わん」
「では」『パンパン』
『ガチャ』
私が手を鳴らし合図をすると、その人物は部屋に入って来た
「失礼致します。エルネスト・グロンクヴィスト国王陛下の御尊顔を賜り恐悦至極に存じます。
わたくしバルフェンバーグ国が近衛隊隊長を任されているスミスと申します。以後お見知りおきを」
「陛下、スミスはバルフェンバーグからの道中私の警護を担当して下さった優秀な者です。
少なくともバカで無い事は私が保証致します。」
「うむ、ここまで来て私の首を取ろうとしないのがその証と言えよう。スミス、用件を話せ」
「はっ!畏れながら申し上げます!
エルネスト・グロンクヴィスト国王陛下におかれましては、スコット・バルフェンバーグを逆賊として討って頂けますよう伏してお願い申し上げるしだいでございます。」
「自国の王を逆賊呼ばわりとは如何なる訳だ?」
「グロンクヴィスト王国との同盟を一方的に破棄し、王国民の命を脅かす者など既に王にあらず!
実は、ジャクリーン様護衛の名目で約6個師団の兵をここに連れて来ています。これはバルフェンバーグ国の総兵力の約1/3に相当し
バルフェンバーグに残っている兵の大半も私の意見に賛同しております。
スコット・バルフェンバーグに忠誠を誓っている者も居ますが、それは我々が命をかけて抑えますので直ちにバルフェンバーグ王国に軍を派遣し
王城を逆賊から奪還して頂きたい!」
「同盟破棄という大義名分があるので軍を派遣する事は構わんが、スコット・バルフェンバーグを逆賊とするにはちと無理があろう」
「畏れながら申し上げます!スコットは既に王にあらず!我々はジャクリーン・バルフェンバーグ女王陛下に忠誠を誓う者也!」
ふふふっ
私がスコットに離婚を言い渡されてからバルフェンバーグを出るまで
この数日間でスコットを説得出来なかった時の最後の手段として聞かされた時は驚きましたが
城の重臣達は既にスコットがこのまま王位に就く事を望んでいませんでした、だからと言って自分達でクーデターを起こせば
スコット派の者達と血で血を洗う争いになりますから、それを避ける為のかなり無茶苦茶な作戦になります。
書類上の事だけではありますが、私はスコットから王位を譲り受けバルフェンバーグの新たな王になる事で
逆賊スコットを討つという構図の出来上がりです。
最早書類を作成する者も、書類を確認する者もスコットを支持する者は皆無ですから、秘密裏に正式な書類を作成するなど簡単なのです。
これは当然勝つ事が絶体条件!
どんな無茶な事も勝てば正義となり、敗者は悪になるのは長い歴史が証明しています。
後でスコットがなんと言おうとも敗者の戯れ言など誰も聞きませんからね
準備は整いました
願わくは、罪無き者達が巻き込まれる事の無きように。
つづく。
45
お気に入りに追加
349
あなたにおすすめの小説
護国の聖女、婚約破棄の上、国外追放される。〜もう護らなくていいんですね〜
ココちゃん
恋愛
平民出身と蔑まれつつも、聖女として10年間一人で護国の大結界を維持してきたジルヴァラは、学園の卒業式で、冤罪を理由に第一王子に婚約を破棄され、国外追放されてしまう。
護国の大結界は、聖女が結界の外に出た瞬間、消滅してしまうけれど、王子の新しい婚約者さんが次の聖女だっていうし大丈夫だよね。
がんばれ。
…テンプレ聖女モノです。
逆行転生した侯爵令嬢は、自分を裏切る予定の弱々婚約者を思う存分イジメます
黄札
恋愛
侯爵令嬢のルーチャが目覚めると、死ぬひと月前に戻っていた。
ひと月前、婚約者に近づこうとするぶりっ子を撃退するも……中傷だ!と断罪され、婚約破棄されてしまう。婚約者の公爵令息をぶりっ子に奪われてしまうのだ。くわえて、不貞疑惑まででっち上げられ、暗殺される運命。
目覚めたルーチャは暗殺を回避しようと自分から婚約を解消しようとする。弱々婚約者に無理難題を押しつけるのだが……
つよつよ令嬢ルーチャが冷静沈着、鋼の精神を持つ侍女マルタと運命を変えるために頑張ります。よわよわ婚約者も成長するかも?
短いお話を三話に分割してお届けします。
この小説は「小説家になろう」でも掲載しています。
天才少女は旅に出る~婚約破棄されて、色々と面倒そうなので逃げることにします~
キョウキョウ
恋愛
ユリアンカは第一王子アーベルトに婚約破棄を告げられた。理由はイジメを行ったから。
事実を確認するためにユリアンカは質問を繰り返すが、イジメられたと証言するニアミーナの言葉だけ信じるアーベルト。
イジメは事実だとして、ユリアンカは捕まりそうになる
どうやら、問答無用で処刑するつもりのようだ。
当然、ユリアンカは逃げ出す。そして彼女は、急いで創造主のもとへ向かった。
どうやら私は、婚約破棄を告げられたらしい。しかも、婚約相手の愛人をイジメていたそうだ。
そんな嘘で貶めようとしてくる彼ら。
報告を聞いた私は、王国から出ていくことに決めた。
こんな時のために用意しておいた天空の楽園を動かして、好き勝手に生きる。
王太子に婚約破棄されたら、王に嫁ぐことになった
七瀬ゆゆ
恋愛
王宮で開催されている今宵の夜会は、この国の王太子であるアンデルセン・ヘリカルムと公爵令嬢であるシュワリナ・ルーデンベルグの結婚式の日取りが発表されるはずだった。
「シュワリナ!貴様との婚約を破棄させてもらう!!!」
「ごきげんよう、アンデルセン様。挨拶もなく、急に何のお話でしょう?」
「言葉通りの意味だ。常に傲慢な態度な貴様にはわからぬか?」
どうやら、挨拶もせずに不躾で教養がなってないようですわね。という嫌味は伝わらなかったようだ。傲慢な態度と婚約破棄の意味を理解できないことに、なんの繋がりがあるのかもわからない。
---
シュワリナが王太子に婚約破棄をされ、王様と結婚することになるまでのおはなし。
小説家になろうにも投稿しています。
やって良かったの声「婚約破棄してきた王太子殿下にざまぁしてやりましたわ!」
家紋武範
恋愛
ポチャ娘のミゼット公爵令嬢は突然、王太子殿下より婚約破棄を受けてしまう。殿下の後ろにはピンクブロンドの男爵令嬢。
ミゼットは余りのショックで寝込んでしまうのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる