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第7話、準備は整ったようです。

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side:ジャクリーン




予想は出来ていましたけれど、父はバルフェンバーグに対して怒っているようですが、それは必然というものです。

このままでは

バルフェンバーグ対グロンクヴィスト+周辺国の連合軍

という構図で世界戦争に発展しかねないのですから。



「早速だがジャクリーン、手紙にもあったようにバルフェンバーグが同盟破棄をした理由は分からないんだな?」

「残念ながら。あくまでも私の個人的な意見としましては、スコット国王がバカなだけかと」


「むぅ、、、バカと見せかけている可能性は?」

「見せかけで同盟破棄をするなど愚作中の愚作としか思えません」

「確かに、となると最悪の事態は避けられなくなるぞ」

「そこで、陛下に会って頂きたい者がおります。部屋の外に待たせているので入室の許可を頂けますか?」

「構わん」

「では」『パンパン』

『ガチャ』


私が手を鳴らし合図をすると、その人物は部屋に入って来た


「失礼致します。エルネスト・グロンクヴィスト国王陛下の御尊顔を賜り恐悦至極に存じます。

わたくしバルフェンバーグ国が近衛隊隊長を任されているスミスと申します。以後お見知りおきを」

「陛下、スミスはバルフェンバーグからの道中私の警護を担当して下さった優秀な者です。

少なくともバカで無い事は私が保証致します。」


「うむ、ここまで来て私の首を取ろうとしないのがその証と言えよう。スミス、用件を話せ」


「はっ!畏れながら申し上げます!

エルネスト・グロンクヴィスト国王陛下におかれましては、スコット・バルフェンバーグを逆賊として討って頂けますよう伏してお願い申し上げるしだいでございます。」

「自国の王を逆賊呼ばわりとは如何なる訳だ?」


「グロンクヴィスト王国との同盟を一方的に破棄し、王国民の命を脅かす者など既に王にあらず!

実は、ジャクリーン様護衛の名目で約6個師団の兵をここに連れて来ています。これはバルフェンバーグ国の総兵力の約1/3に相当し

バルフェンバーグに残っている兵の大半も私の意見に賛同しております。

スコット・バルフェンバーグに忠誠を誓っている者も居ますが、それは我々が命をかけて抑えますので直ちにバルフェンバーグ王国に軍を派遣し

王城を逆賊から奪還して頂きたい!」


「同盟破棄という大義名分があるので軍を派遣する事は構わんが、スコット・バルフェンバーグを逆賊とするにはちと無理があろう」

「畏れながら申し上げます!スコットは既に王にあらず!我々はジャクリーン・バルフェンバーグ女王陛下に忠誠を誓う者也!」



ふふふっ

私がスコットに離婚を言い渡されてからバルフェンバーグを出るまで

この数日間でスコットを説得出来なかった時の最後の手段として聞かされた時は驚きましたが

城の重臣達は既にスコットがこのまま王位に就く事を望んでいませんでした、だからと言って自分達でクーデターを起こせば

スコット派の者達と血で血を洗う争いになりますから、それを避ける為のかなり無茶苦茶な作戦になります。


書類上の事だけではありますが、私はスコットから王位を譲り受けバルフェンバーグの新たな王になる事で

逆賊スコットを討つという構図の出来上がりです。

最早書類を作成する者も、書類を確認する者もスコットを支持する者は皆無ですから、秘密裏に正式な書類を作成するなど簡単なのです。


これは当然勝つ事が絶体条件!

どんな無茶な事も勝てば正義となり、敗者は悪になるのは長い歴史が証明しています。


後でスコットがなんと言おうとも敗者の戯れ言など誰も聞きませんからね

準備は整いました

願わくは、罪無き者達が巻き込まれる事の無きように。





つづく。
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