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第1章 無人島篇

第14話 要望

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side:桜井美智瑠



ふむふむ

なっちゃんがネットでハムサンド等々を買ってパソコンに届いたという、配達完了のメールを見ている

相手のメールアドレスはご丁寧に文字化けして全く読めないし、送り主に関する情報も無し

このメールから分かるのは宛先の住所が『304号室』になっているから

相手は確実にこの部屋の存在を認識しているって事かな

そして、宛名が書いて無いって事はやっぱりランダムで異世界?に人を送って観察するのが目的なのだろうか?


メールを見てもこれ以上の事は分かりそうに無いから、次にネットショップの方を見てみる

パッと見は普通のネットショップなんだけど、商品を見ていて気付いた

おにぎり、お弁当、スイーツ等々、凄く見覚えのあるパッケージばかりだ

そして学校帰りによく買って食べたチキンも売っているのを発見して確信する

これはコンビニの商品がそのまま売られているのだろう

それが分かったところで何も変わらないけど、生鮮食品や冷凍食品がほぼ無いから

どうせ売ってくれるのならスーパーの商品を売って欲しかった(悲)



「みっちゃんお待たせ~、洗濯機回して来たよ。ネット見て何か買うの?」

「何が売ってるか見ててんけど、肉とか野菜が売って無いのが残念やなって」

「そうなんや、あれ?

さっき見た時は気付かんかったけど、メールフォームからご意見を送れるって書いてるやん」

「え?!何処に書いてんの?」

「左下の所にちっちゃく書いてあるで」

「えーと、ちっちゃ!こんな小さい字で書かれたら分からんやん」

「とりえあえず、肉と野菜も売れ!って送ってみようや」

「そんなんして大丈夫かな?」

「わざわざネットショップなんて用意してるんやから、ここで長く生活して欲しいって事やん

宇宙船欲しいって言ってる訳じゃないし行けるって!」

「そうなんかな、とりあえず生鮮食品とかスーパーにある物は売って欲しいって送ってみるな」




「さてと、みっちゃんこれからどうしよっか、ご飯の心配が無くなったからわざわざ外に出て何か探す意味も少ななってしもたし」

「確かに外には魔物が居てるし、日記にも書いてあったこの島に来る人って言うのも、山賊とか海賊みたいな人かもしれんもんね」


「はぁ、なんか身体ダルいからちょっと寝るわ」

「うん、ゆっくり寝てて良いよ、洗濯物は干しとくから」

「みっちゃんありがとう、おやすみ」

「なっちゃんおやすみ」



さてと、洗濯機が止まるまでネットショップで必要そうな物を買っとこう

下着は、、、売って無いね、クローゼットに着替えはそれなりにあったけど、他人の下着はちょっと、、、

薬も欲しいけどコンビニには売って無いよなぁ


あっ!

新商品として肉と野菜が売られてるやん♪

さっき送った要望をちゃんと読んでくれたんや(笑)

そういう事なら薬と下着も欲しいって送っとこ♪


肉と野菜が売られてるならお昼ご飯はお好み焼にしようかな

小麦粉、豚バラ肉、キャベツ、卵、山芋、ちくわ、天かす、紅ショウガ、カツオ節、青のり、ソース、マヨネーズ

を購入っと

支払いの画面とか出ぇへんけど、これでほんまに買えたんかな?


おっ!

もう配達完了のメールが届いたやん(驚)

宅配ボックスは水道メーターの所にあるって言ってたっけ



どれどれ

あったあった、初めて見たけど金庫みたいな感じなんやね

カギは部屋のと同じでいいと『カチャ』

へぇー、ほんまに買った物が入ってるやん

これを送ってくれるのは、ただの親切心からなのか

私達の事なんて実験動物かなんかと同じように思ってて『餌』として送ってるのか

どっちか全く分からんけど


とりあえず今は感謝して、お好み焼の下準備しようっと♪





つづく。

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