クロスオーバー 上

赤のコンバースep7

買いに来たものの靴のサイズが
わからなかった。
東野も呆れて数々の暴言をはいてくる。
とりあえず頼れる女は真帆か三嶋しかいない。三嶋のことを東野に話すと
「真帆がいてよかったな」
といい真帆に連絡先を聞いた。
真帆も連絡先を持っていなかったが
又聞きで連絡先をゲットしてくれた。
なんだかんだ幼馴染でちょっといいところもある。
だがしかし
サイズが27！？
女の割に大きいなと思った
でもバレー部だし身長も171
まあそんなものか思いながらも
真っ赤なコンバースを買った。
中学校の俺の財力では痛すぎる出費だった。その上付き合ってもらった東野に
昼飯のマック代も出しているから
節約生活を強いられる事になった。
彼女のプレゼントも数えるほどしか
買っていないが付き合ってもいないやつに買うなんてと東野と苦笑いしながら帰っていった。
クラスに行くとまた視線が集まるのは避けたかったので
田中に頼んで昼休み用具庫前に呼んで置いてもらう事にした。
意外にも尚美さんは時間通りに来てくれた。
目も合わせることなく無言で
コンバースの入った袋を突き出すと
予想以上に喜んでいるとわかった。
屈託の無い笑顔で「ありがと！」
俺は想像以上の反応に戸惑うも
その笑顔に魅了されていた。
こんな風に人を見たのはいつぶりだろうと。
これを機に尚美さんと話すことも増えていった。
数日後尚美さんはあのコンバースを
履いて登校してきた。
俺の視線に気づいたのか履き直すようにぴょこぴょこしながら「これよくなーい？」おどけて聞いてくる。
それ俺が買った...と思ったけどその思いはあっさり潰されてまた彼女に魅力されていた。無言を貫くと
「そーいえば来週大会でしょ？」
「2回戦からなら観れるから勝ちなさいよ！」と遠回りに応援してくれた。
コンバースの件も吹っ飛び俺はまた部活に集中し始めた。