強制変更アプリ

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強制変更 その6

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(気づかれたっ…!)

一瞬悩んだがこれ以上、下手な嘘はバレるだろうし、スマホがなければ元の姿に戻る事もできない。かといって、奪いとってケガをさせるのもダメだ。
俺は諦めて、本当の事を春香に言った。

「・・・そうだよ。」
「声も姿も違うのに、よくわかったな…?」

「だって怪しいんだもん。それに何年幼馴染やってると思ってるの?」
「というか、その姿どうしちゃったの?これって本物?」


春香は不思議そうな顔をしながら、いきなりFカップになったしまった俺の胸を、優しくプニプニと揉みだした。


「おいっ…!いきなり何触ってんだよっ…!?」
「アッ…。ちょっ…、やめろってッ…!」


春香に突然ノーブラの胸を揉まれてしまい、それに刺激を受けたかのように、乳首がブラウスを尖らせるほど起ってしまう。そして、不覚にも思わず変な声も出てしまったっ。


「うわっ。おっきい…。やっぱこれ本物なんだ?」

「どんな確認方法なんだよっ‼」
「とりあえず、元に戻るからスマホを返せっ!」


しかし、春香からスマホを奪おうと手を伸ばすが、かわされてしまった。
春香の顔を見ると、目は笑っているのに表情は怒っている。めったに怒らない春香だが、幼馴染だからなのか俺の前では、素になったりする一面がある。
この怒っている顔は、昔にも何度か見たことがあり、この顔を通称”ブラック春香”と俺はそう呼んでいる。


「どうやって、夏希は女の子になっちゃったかなぁ?」

「それは…、そのスマホに入ってる”強制変更アプリ”で、ステータスを変更したら”♀”に変わってしまって…。」

「そうなんだぁ。それで、夏希は女の子になって、何しようとしてたのかなぁ?」

「えぇっと、、何と言われましても…。」


初めはただ、おっぱいを揉むために女になったとは、幼馴染には言えず、視線をそらしてしまう。
しかも学校の中で、こんな姿になってうろついてたとなれば、それはただの変態だ。
そして、春香が俺にアプリの画面を見せてきた。


「じゃあ質問を変えるね。どうしてあたしのブラが、夏希のスマホの待ち受けみたいになってるのかなぁ?」

「はぁ?待ち受けだと?そんなもんするわけが…」
「そういえば、アプリの編集画面のまま落としたっけ。だから、画面にブラが表示されていたわけか。」

「アプリで編集?私のブラを編集してどうするつもりだったのかなぁ?」

「って、これお前のブラなのか!? そもそも俺は、お前のだって知らなかったんだって…。俺はただ、中庭にいた女子の写真を取り込んだら、こんな格好になってしまってだな…」

「そうなんだぁ。夏希、視力悪いもんねぇ。だけど、あたしの写真を勝手に撮った上に、そのアプリに取り込んで、あたしと同じ服を着てるんだぁ?」

「一応、そうなるのか…。だからブラウスもやたらきつかったわけか。お前、細見だもんな?」


春香は普段Sサイズの服を着用していて、”♀”に変更になった俺は、おそらくデフォルトがMサイズなのだろう。
(Sサイズのブラウスを着ていたから、Dカップだった時はピッタリぐらいだったのに、Fカップになると、パツパツだったのか。)

「それって自分の胸が大きいっていう嫌味かなぁ?」

「いやっ…そうじゃなくて…。不可抗力でこの大きさになってしまって、苦しい思いをしたんだが…。」

「ふぅーん。じゃああたしの下着、一度着けたんだ?ってか今、履いてるよね?転んだとき、見えたんだけど?」

どうやらブラック春香は怒っているようである。
自分と同じ下着を、異性だった幼馴染が履いていると知って。

「…脱いで…。」

「はい…?何をでしょう…?」

「下着を脱いでって、言ってんの…!あんたと同じ下着履いてるだなんて絶対にイヤッ!」

「と、言われても俺にノーパンになれ…と?」

「そうよ!」

「いや、無理があるだろ!?」

「自分で脱がないんだ?いいよ。たしか、このアプリって変えることができるんでしょ?」

「ちょっと待て!まさかお前っ…やめろって…」


春香は、強制変更アプリの入った俺のスマホを操作しだした。俺が答えた言葉で、ある程度理解したのだろうか。シンプルなデザインなので、春香でも簡単に操作ができてしまっている。春香は、俺の”装着物”から下着を外すように変更したのだ。

すると下半身からノイズ音が鳴り、慌ててスカートの上から手で押さえたが、それでもショーツは一瞬でなくなってしまう。
スカートは履いてるが、密着する布が無くなっているので、下半身を丸出しになっているような感覚になり、スースーするようになってしまった。


「これでヨシっと。どう?ちゃんとできた?」

「おいっ…。ノーパンになったじゃねーかよっ…!」

「簡単にできるんだねっ!それは、あたしの下着を着けていた罰だよっ♪。しばらくは、そのままでいてね?」

「しばらくって…まさかっ、これで午後の授業出ろっていうのかっ!?」

「そゆこと~♪ほら、早く教室戻んないと遅れちゃうよ?」


春香は満足したのか、機嫌が戻り俺のスマホを、自分の物のようにポケットにしまって、教室に戻ろうと歩きはじめる。あのアプリがないと、元に戻ることができない俺は、春香を止めようと左腕で揺れる胸を抑えながら追いかけるが、

「待て待て、元に戻すんじゃないのか!?」

「うん。せっかくだし戻さないよ?だから、罰だって言ったじゃん。」
「それに、このスマホ譲ってあげた時、覚えてる?ランドの年間パスでって約束なのに、いまだに買ってくれないんだもん。だから、これは担保として押収させてもらいますっ♪」

(担保だってっ!?たしかに、年間パスで手を打つと言われて、先にスマホを譲ってもらって使ってたけど…。)
「覚えてはいたんだけど、遠いから買いに行く機会がなくて…」
「せめて、男の服だけでも頼むから…。上だってブラがないから、乳首が透けてるんだって…。それに、下もスースーするし…。」

「まーだ、そんなこと言ってるの?しょうがないなぁ。ちょっと待ってね。」

春香が俺の説得に応じたのか、担保として取られているスマホを取り出し操作しはじめた。俺は、やっとまともな服が着れると思い一安心して、春香が操作している画面を覗くと、編集モードになっている。

(編集モード?たしか取り込んだ素材の、サイズを変更するモードだったような?)
春香は、「でーきたっ」というと、笑顔で<確定>ボタンを押した。

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