強制変更アプリ

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強制変更 その3

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「それにしても、胸が苦しいな…。脇下のブラの紐が食い込んで痛いし…、おっぱいが押さえつけられている感じがするし…。」
「このブラ、絶対に俺のサイズに合ってなさそう…。」

初めて付けたブラは、夏希のDカップある胸を押し潰すように窮屈にさせていた。
ブラウスごとブラを引っ張ったりして、余裕をもたせようとしても、ブラのカップとアンダーが小さいため、何度やっても楽にはならない。
悪戦苦闘の末、諦めて違う方法を考える事にした。

「フゥー…何なんだよ…このブラ…。もしかして、写真の素材通りのサイズになるのか?」
「だとすれば、写真に写ってた女子生徒は細身でCカップ以下の水色の下着を着けていた、ということか…。」


俺のステータス画面を見ると、身長”154㎝”体重”48kg”バスト”85㎝”ウエスト”59㎝”ヒップ”84㎝”らしい。

「体重とか10kgも軽くなったんだな。」
「いや、待てよ…!? 身長の数値を変えたら、伸ばす事が出来たんだから、この胸だって変更できるはず…だよな⁉」
「だったら、バストの数値を小さくしてやればいいのか!」


解決策が浮かび、さっそくステータスの数値を変更しようとするが、”強制変更アプリ”のバージョンアップの通知がきていたみたいだ。とりあえず、更新することに。


「このタイミングでバージョンアップかよっ! でも、不具合とかあって修正されてないと困るしなぁ。」
「座って待っておくか。すぐ終わるだろうし。」


地面にお尻を付けたくなくて、膝を抱えるようにしゃがんでみると、脚に自分の弾力ある胸が、プニッと当たる感触がわかる。
触りたくはなるが、こんな場所で触って万が一誰かに、見つかるようなリスクは負いたくはない。ここは、我慢だ…。
目の前におっぱいがあり、触ってみたい欲求を抑えながら、悶々としていると、更新が終わったみたいだ。


「よしっ!バージョンアップの更新終わった! それじゃあさっそく、バストの数値を変えてっと、あれ!?」
「前は、スライドバーじゃなかったよな…!? 更新されて変わったのか?」


どうやら、数値入力からスライドバーで、変更するタイプに変わったらしい。
とりあえずこの苦しい原因である、自分の胸の大きさを減らしてみることにした。
バストのメーターを左にスライドさせていくと、画面に自分そっくりなキャラクターの胸が、ゆっくりと無くなっていくのがわかる。試しに<確定>を押してみる。

すると、85㎝ほどあった俺のDカップの胸がゆっくりと中へ吸われるかのように、無くなっていく。ブラウスとの密着感は無くなり、下を向くとスラっとしていた。


「おぉぉっ!胸が縮んで、まっ平になっていく!」
「これだと、ちょっとはマシにはなったけど、脇の下の食い込みのキツさは、対して変わんないね…。」


これでカップ部分は、キツくはなくなったが、やはりせっかく女としての魅力が、今一つ欠けるような気がした。


「だったら、少し我慢して元に戻しておくか…。」
「”♂”に変更したときに、俺の元のサイズのステータスが変わってしまうかもれないしな…」


次は、バストのメーターを右にスライドさせると、画面のキャラクターの胸が、脇のラインより見えないくらい、ゆっくりと大きくなっていく。
まるで、スイカみたいになりこれは、マズイだろっと思った。そこで、元のバスト”85㎝”戻そうと調整するが、

82…、88…、83…、89…、8x…、…、


「・・・」
「あのー、すごくメモリ合わせにくいんですが―…。丁度のところでメモリが、止まってくれなーい…。」


アプリ画面のバストのスライドバーを、”85㎝”に合わせようと、左へ右へ細かく調整しようにも、なかなか思うように止まってくれない…。


「しかも、スライドバーのメモリと、表示されてる数値が絶対違うよねっ!?」
「メモリを90に合わせると、表示が80って表示されるんですケドッ!?」
「・・・って早速、不具合じゃねーかっ…!」

 (フガーーーッ!!!)

思わずスマホを地面に叩きつけたくなったが、壊れでもしたら俺は、元に戻ることはできなくなるだろう。と思い踏みとどまった。

(どっちが、本当の数字なんだ…?メモリか?表示か?バージョンアップされてから変更された、スライドバーが不具合なのか?それとも、入力表示の方に不具合が見つかったから、修正されてスライドバーになったか?または、その中間が正しい数値になるのか…。いったい、どれなんだ…?)


アプリは、ヘルプ画面や説明書といったものがなく、今までゲーム慣れしていた直感だけで操作してきた俺だった。
まさか、こんなことで悩まされるだなんて思いもしなかった。しばらくスマホを睨みながら考え

「うぅーん…。」

「よし!決めた!これでどうだ!」

考えた末、メモリが90、表示が80、だから間をとって85㎝が正解だと導き出したのだ。
メモリを”85㎝”に設定することは難しいし、身長を伸びた時、表示入力だったけど、ちゃんと元に戻ることができた経験も踏まえた答えなのだ。
仮に、メモリが正解だったとしても、ちょっと大きくなるくらいで済むし、表示が正解だったとしてもちょっと小さくなるだけで済む。
これが一番リスクが少ないかと、考えたのだ。


「合っていてくれ…頼む…!」


俺は、そう願いながら<確定>を押した。

確認しやすいように、リボンを緩めブラウスの上のボタンを外すと見えやすくなり、次第に俺の胸がゆっくりとムクムクと膨張していく。そして余裕だったブラのカップの隙間を埋め尽くし、再びブラを圧迫しながら谷間を作っていく。


「くぅぅぅ…っ!まだ、大きくなるの…っ!?」


どんどん膨らんでいく胸。脂肪の重量も増し、さらにブラの肩紐とホックをキツクさせ始め、ブラウスもバスト部分を張り始めた。
どうやら、間違ってしまったようだ。


「違うかったの…!?だったらこうして…」
「ちょっと待って!止まらないっ!」


バストのスライドバーを左に動かし、小さくしようとするが…
すぐに確定された”90”に、勝手に戻ってしまう。
どうやら一度、<確定>を押すと、止まるまでやり直しできないらしい。


「うわわわわっ!これは、ヤバいッ!ブラがキツくて息が詰まりそうだ…。」
「と、とりあえず外さないと…!」


まだまだ大きくなっていく胸は、脇のラインより大きくなり半円を描くように膨らみつづける。小さなブラでは、収まるわけもなく、乳肉をはみ出させカップからこぼれだす。ブラウスも元のサイズでピッタリぐらいだったのに、ちょっとでも余裕がある広げた胸元へと膨らみ、勝手に谷間を作り強調しだした。

「…ちょっと…。ヤバいって…!」
「んぅ…。だったら…、これでどうだっ…。」

苦しくなりながらも、アプリを操作し”装着物”から”ブラ”を外し、”持ち物一覧”に移し<確定>を押した。
すると、ブラからノイズを発したかと思うと、一瞬で無くなってしまったのだ。
一気に支えが無くなった胸は、ブルンッと重力に従うように揺れ、ブラウスの限界ぱっつぱつになるぐらいで、ようやく止まった。

「ハァ…ハァ…。ようやく止まった…?」


息を整えようと、大きく空気を吸い込み落ち着かせると、アプリ画面を確認する。
明らかに元のサイズより大きくなった胸が、俺の目の前にあった…。

 (え、Fカップだとぉッ…。) 

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