無限に繰り返す時の彼方へ

世界の真理に気付くまで

無知と純粋だった過去

「あなたは忘れていると思うけどこの世界はあなたと私で作った物なんだよね～世界を作ったのは私だけどこの仕組みを作ったのはあなたなんだよ～。まぁ名乗り遅れたけど、私の名前は咲。あなたの眷属でありこの世界の遷移を見守る者。君はこの地上の時と意識を支配している調停者なんだよね。って言っても今のあなたはそんなことを忘れて自分の世界に入り浸ってループは今で7回目なんだからそんな力はないと思うよ。でもさすがに統治者アルコーンから指令を受けてあなたを元の世界に連れ戻して元の時空軸に戻す。あなたが別の世界に酷似した世界を作り出した影響で生命の循環がおかしくなってあなたが以前暮らしていた世界が消えかけてるんだよ。だからあなたの力で時と記憶を戻して元の世界を救う。それが目的。」
何を言いたいのか全く分からない。彼女の顔は夢で見たことがあったが時間なんて操れないし意識を操れるならもうすでにやっている。簡単に言えば彼女は厨二病と言うものだろう。簡単に分かった。しかし本当に世界を作れる可能性もないわけではないので彼女に力を見せるように要求した。すると彼女はいとも簡単に手の上に島を浮かせた。自分は彼女をとりあえず信じることにしたがどうやってその力を発揮するのかがわからなかった。どうやってもその力は使えなかった。
「今のままじゃ使えないから〔天理の心〕と〔天理の魔導書〕を天空の夢見島から奪取しないといけないんだよね。あったらいいんだけど。」
心当たりあった。最近淡い水色に光り始めた飾りと装飾がやけに豪華な分厚い本だ。本には日記と思われる内容が書いてあった。「何もいらない何も知らずにあの頃の僕たちに戻れたら」聞いたことのあるフレーズだ。自分で考えた言葉でもありどこかから聞いた言葉でもある。その時、飾りが閃光を発した。


数分後自分は目を覚ました。自分はおもむろに机の上を探すと、その年にあるはずのないキーホルダーを取り出してそれに一言つぶやいた。
「君には現実を知ってほしくないな。だってその純粋な目から光が消えてしまいそうだからだ。でも知りたくても知れないね。だって君は二次元の存在なんだから。」
彼女は言った。
「これでひとまずは大丈夫。記憶が戻ったのなら天空の夢見島に行って私の指示に従ってくれれば十分。さて、では早速天空の夢見島に向かって出発だね。」