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9章 理想と現実と、嫌がらせ
9-11 地獄の入口へようこそ ◆リーフ視点◆
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◆リーフ視点◆
心臓の音がうるさい。
私の鼓動が周囲にいる人間にも響いていそうだ。
王城の玄関に歩を進めれば進めるほど、緊張が高まる。
隣にいて私をエスコートしてくれているキュジオ隊長は落ち着いているように見える。
コレが年齢差というものか?
年齢を重ねたら、私も落ち着きを醸し出せるようにできるだろうか。
王城の使用人がいる場所まで来た。
招待状を渡す。
使用人が恭しく深い礼をする。
「リーフ王女殿下、まずは控室までご案内致します。こちらへどうぞ」
すぐさま案内される。
他の馬車もゆるりと来ているし、他の貴族も案内されている。
案内や警備以外の城の者以外にもこの場にいる。
招待客は私たちだけではないことに、少々ホッとすると同時に、公開処刑なのかとも勘繰ってしまう。
どれだけ招待客がいるのかもわからない。
警備の者は他の客の影がなさそうな通路にも等間隔に配置されている。
暗がりで襲われる、という心配はない。物語であるようなヒロインが人気のない場所で襲われるとか、攫われるとかそういうことは、きちんと警備が配備されているこの王城ではありえない。
この王城であり得るとしたら、お姉様が指示をした場合だけである。
つまり施設責任者以外がそういうことを企てることができないし、されてしまったら管理能力を疑われる。
そもそも、暗がりや人気のない場所というのは立入禁止だ。
舞踏会だからといって王城を勝手気ままに散策できないし、そんなことしようものなら警備に止められる。招待客でも自由に行動できる場所など限られているのだ。
とんでもない方向音痴だとしても、デント王国のこの広い王城では迷子というのもあり得ない話なのである。
だから、秘密裏に殺害されることはなさそうだ。
罪を並び立てられ、王族として処刑される方が可能性が高い。
通された控室で、お姉様は待っていなかった。
広く静かな部屋だ。
テーブルに軽食も用意されている。
軽食とは言っても、サンドウィッチやらスコーン、クレープ、お菓子類も数多く並んでいる。
女王主催の舞踏会なのだから、城は失礼のないように客をもてなす。
私はここまで来てもなお、ささやかに期待している。
今までのはデント王国に必要不可欠な粛清だったのであり、これ以上は必要ないとお姉様が言ってくれるのを。
そんなことはあり得ないことだと知っているのに。
「始まるまで多少時間があるようだが、自分の部屋に戻ってみるとか、行きたいところとかあるのか?」
軽食をつまんでいるキュジオ隊長が尋ねてきた。
毒が入っていないのか、とかの警戒心はないのだろうか?
「え、」
「ここが自宅なんだろ。マイア様の旦那は生きていれば舞踏会で会えるだろう。ここで捜すこともない」
そう、こここそが私の自宅だった。
産まれてからずっとここで暮らしていたのに。
今は私をよそよそしく迎える。
「私の部屋は残っているのかしら」
「部屋数が山ほどあるのだから、残っているんじゃないか?」
そう言われるとそんな気もしてくるが。
首を横に振った。
「自分の部屋に行くほどではないわ。身を守るものも置いてないし」
行ったところで、昔と同じままの部屋だったとしても、あそこには思い出しかない。
今、優しい思い出に浸るのは危険だ。
当時、守ってくれた両親はもういないのだから。
「じゃあ、食べられそうなら、少し腹に入れておけ。舞踏会はお前の戦いの場なのだから」
「キュジオ隊長の戦いでもあるのでは?」
「見も知らぬ兄など、向こうは知ったことではない。俺の存在がただの切り捨てられる駒としているだけだと、女王も思っているのではないか」
「お姉様から見ると、キュジオ隊長の存在は不思議しかないでしょうね」
恋人を守るためにとか、国から命令されたから渋々とか、そういう話はないからお姉様の元にはキュジオ隊長の情報がない。
事情を知らなければ、最強の盾の代わりに護衛しているとしか思えないのだが。
お姉様が自分の生き別れの兄の存在を知っているのか、というと疑問である。
お姉様がテオシント王国の王族の末裔だからこそ、デント王国への復讐として粛清を行っているのなら、粛清はこれからも終わらない。
デント王国の国民が誰もいなくなるまで。
それは、私も対象だ。
「ま、お前は自分が生き残ることを考えろ。俺には俺の役割がある」
「ええ、そうね」
デント王国の王族がとめなければいけない。
それが前国王や国民に選ばれた女王であったとしても。
誰もこんな凶行を行うとは思わずに、お姉様は幼い頃から次期女王として決定していた。
「、、、部屋をウロウロしてもどうにもならないぞ」
「、、、意外と食べるわね、キュジオ隊長」
最初は可愛らしく少量ずつを皿に盛っていたが、今はもう普通に椅子に座って本格的に食べている。
この辺りは最強の盾と通ずるものがある。
「食べられるときに食べておかないと、次はいつ食べられるかわからないぞ。舞踏会で何もなく終わるということはないだろ」
最強の盾と同じで、食べると決めたときは大量に食べる。
部屋の壁にいる護衛たちも顔には出さないが少々呆れているようだ。
控室でドカ食いする招待客というのは非常に少ない。
会場で食べられない者たちは、自分の家でつまんでくるのが普通だ。
今回の旅、移動中で口にした食事はほとんどウィト王国から持ち込んだものだった。
デント王国内で宿屋に泊まっても、食事はほとんど出て来ない。素泊まりならという宿屋が多かった。
食料を奪おうとする輩も多かった。
そういうヤツらはキュジオ隊長とスレイが退治したが。
スレイはウィト王国の国民なので、お姉様に何かしなければ処罰されることもないだろう。
王城からできるだけ離れてくれると良いのだが。
無事に最強の盾と再会してくれればと思う。最強の盾の魔剣を持っていることだし。
「すべてが終わったら、心置きなく食べるわ」
「そういう考え方もあるが、腹が減っては戦ができない」
キュジオ隊長は魔剣を持って戦う者だ。
彼は腰に魔剣を携えたままだ。
実際のところ、ここまでキュジオ隊長が化けるとは思わなかった。
お姉様の兄なのだから、考えてみれば当然なのだが。
服装、姿勢を整えると、貴族と遜色がないほど見た目が良い。
彼の出自は滅びた王国だが、テオシント王国王族の末裔だ。
魔力もない平民ではない。事実を知ってしまえば、最強の剣と同じ訓練ができるのも納得だ。
王族だからといってすべての者が魔力が高いわけではないが、素質がまったくない者がいくら魔法を使えるように鍛えてもどうにもならない。
すれ違う女性たちもキュジオ隊長に視線が行き、ほとんど公の場に出ていなかった私のことを覚えている者はいない。この城でも私を世話していた使用人だけが私を認識している状態である。
「リーフ王女殿下、お時間ですので会場にご案内致します」
係が呼びに来た。
さて、これからが戦いだ。
「行くか」
「ええ」
キュジオ隊長に私は強く頷いた。
お姉様に会いに行く。
どのような結果になろうとも。
女王陛下主催の舞踏会会場は煌びやかなものだ。
王女である私は、入場は最後の方である。
叔父であるホップ公爵はいないようだ。
見渡しても、その姿は見えない。
臣下の貴族になった現在、通常なら私の前に会場入りしているはずだ。
けれど、お姉様をエスコートするのが叔父ならば。
お姉様がいない内に私たちが話し合うことを防ぐためなら。
あの従者は使用人であるため、お姉様をエスコートすることはないだろう。姉に婚約者はいない。となれば、やはり親族である叔父はお姉様のそばにいさせられる可能性は高い。
私とお姉様の戦いはどのようなものになるだろう。
想像がつかない。
魔力でも体術でも敵わない。力なら秒で負ける。
病弱な第二王女に期待する者もいない。
それでも、私は叔父の存在に賭けた。
デント王国が滅びるならば。
王族の血は叔父とマイア様の息子のレオ様につながる。
そう、つながってさえいれば、私でなくともいい。
「フリント女王陛下、御入場」
緊張が走る。
ざわついていた会場に静寂が訪れ、皆が深い礼を取る。
階段の上の幕が開いた。
心臓の音がうるさい。
私の鼓動が周囲にいる人間にも響いていそうだ。
王城の玄関に歩を進めれば進めるほど、緊張が高まる。
隣にいて私をエスコートしてくれているキュジオ隊長は落ち着いているように見える。
コレが年齢差というものか?
年齢を重ねたら、私も落ち着きを醸し出せるようにできるだろうか。
王城の使用人がいる場所まで来た。
招待状を渡す。
使用人が恭しく深い礼をする。
「リーフ王女殿下、まずは控室までご案内致します。こちらへどうぞ」
すぐさま案内される。
他の馬車もゆるりと来ているし、他の貴族も案内されている。
案内や警備以外の城の者以外にもこの場にいる。
招待客は私たちだけではないことに、少々ホッとすると同時に、公開処刑なのかとも勘繰ってしまう。
どれだけ招待客がいるのかもわからない。
警備の者は他の客の影がなさそうな通路にも等間隔に配置されている。
暗がりで襲われる、という心配はない。物語であるようなヒロインが人気のない場所で襲われるとか、攫われるとかそういうことは、きちんと警備が配備されているこの王城ではありえない。
この王城であり得るとしたら、お姉様が指示をした場合だけである。
つまり施設責任者以外がそういうことを企てることができないし、されてしまったら管理能力を疑われる。
そもそも、暗がりや人気のない場所というのは立入禁止だ。
舞踏会だからといって王城を勝手気ままに散策できないし、そんなことしようものなら警備に止められる。招待客でも自由に行動できる場所など限られているのだ。
とんでもない方向音痴だとしても、デント王国のこの広い王城では迷子というのもあり得ない話なのである。
だから、秘密裏に殺害されることはなさそうだ。
罪を並び立てられ、王族として処刑される方が可能性が高い。
通された控室で、お姉様は待っていなかった。
広く静かな部屋だ。
テーブルに軽食も用意されている。
軽食とは言っても、サンドウィッチやらスコーン、クレープ、お菓子類も数多く並んでいる。
女王主催の舞踏会なのだから、城は失礼のないように客をもてなす。
私はここまで来てもなお、ささやかに期待している。
今までのはデント王国に必要不可欠な粛清だったのであり、これ以上は必要ないとお姉様が言ってくれるのを。
そんなことはあり得ないことだと知っているのに。
「始まるまで多少時間があるようだが、自分の部屋に戻ってみるとか、行きたいところとかあるのか?」
軽食をつまんでいるキュジオ隊長が尋ねてきた。
毒が入っていないのか、とかの警戒心はないのだろうか?
「え、」
「ここが自宅なんだろ。マイア様の旦那は生きていれば舞踏会で会えるだろう。ここで捜すこともない」
そう、こここそが私の自宅だった。
産まれてからずっとここで暮らしていたのに。
今は私をよそよそしく迎える。
「私の部屋は残っているのかしら」
「部屋数が山ほどあるのだから、残っているんじゃないか?」
そう言われるとそんな気もしてくるが。
首を横に振った。
「自分の部屋に行くほどではないわ。身を守るものも置いてないし」
行ったところで、昔と同じままの部屋だったとしても、あそこには思い出しかない。
今、優しい思い出に浸るのは危険だ。
当時、守ってくれた両親はもういないのだから。
「じゃあ、食べられそうなら、少し腹に入れておけ。舞踏会はお前の戦いの場なのだから」
「キュジオ隊長の戦いでもあるのでは?」
「見も知らぬ兄など、向こうは知ったことではない。俺の存在がただの切り捨てられる駒としているだけだと、女王も思っているのではないか」
「お姉様から見ると、キュジオ隊長の存在は不思議しかないでしょうね」
恋人を守るためにとか、国から命令されたから渋々とか、そういう話はないからお姉様の元にはキュジオ隊長の情報がない。
事情を知らなければ、最強の盾の代わりに護衛しているとしか思えないのだが。
お姉様が自分の生き別れの兄の存在を知っているのか、というと疑問である。
お姉様がテオシント王国の王族の末裔だからこそ、デント王国への復讐として粛清を行っているのなら、粛清はこれからも終わらない。
デント王国の国民が誰もいなくなるまで。
それは、私も対象だ。
「ま、お前は自分が生き残ることを考えろ。俺には俺の役割がある」
「ええ、そうね」
デント王国の王族がとめなければいけない。
それが前国王や国民に選ばれた女王であったとしても。
誰もこんな凶行を行うとは思わずに、お姉様は幼い頃から次期女王として決定していた。
「、、、部屋をウロウロしてもどうにもならないぞ」
「、、、意外と食べるわね、キュジオ隊長」
最初は可愛らしく少量ずつを皿に盛っていたが、今はもう普通に椅子に座って本格的に食べている。
この辺りは最強の盾と通ずるものがある。
「食べられるときに食べておかないと、次はいつ食べられるかわからないぞ。舞踏会で何もなく終わるということはないだろ」
最強の盾と同じで、食べると決めたときは大量に食べる。
部屋の壁にいる護衛たちも顔には出さないが少々呆れているようだ。
控室でドカ食いする招待客というのは非常に少ない。
会場で食べられない者たちは、自分の家でつまんでくるのが普通だ。
今回の旅、移動中で口にした食事はほとんどウィト王国から持ち込んだものだった。
デント王国内で宿屋に泊まっても、食事はほとんど出て来ない。素泊まりならという宿屋が多かった。
食料を奪おうとする輩も多かった。
そういうヤツらはキュジオ隊長とスレイが退治したが。
スレイはウィト王国の国民なので、お姉様に何かしなければ処罰されることもないだろう。
王城からできるだけ離れてくれると良いのだが。
無事に最強の盾と再会してくれればと思う。最強の盾の魔剣を持っていることだし。
「すべてが終わったら、心置きなく食べるわ」
「そういう考え方もあるが、腹が減っては戦ができない」
キュジオ隊長は魔剣を持って戦う者だ。
彼は腰に魔剣を携えたままだ。
実際のところ、ここまでキュジオ隊長が化けるとは思わなかった。
お姉様の兄なのだから、考えてみれば当然なのだが。
服装、姿勢を整えると、貴族と遜色がないほど見た目が良い。
彼の出自は滅びた王国だが、テオシント王国王族の末裔だ。
魔力もない平民ではない。事実を知ってしまえば、最強の剣と同じ訓練ができるのも納得だ。
王族だからといってすべての者が魔力が高いわけではないが、素質がまったくない者がいくら魔法を使えるように鍛えてもどうにもならない。
すれ違う女性たちもキュジオ隊長に視線が行き、ほとんど公の場に出ていなかった私のことを覚えている者はいない。この城でも私を世話していた使用人だけが私を認識している状態である。
「リーフ王女殿下、お時間ですので会場にご案内致します」
係が呼びに来た。
さて、これからが戦いだ。
「行くか」
「ええ」
キュジオ隊長に私は強く頷いた。
お姉様に会いに行く。
どのような結果になろうとも。
女王陛下主催の舞踏会会場は煌びやかなものだ。
王女である私は、入場は最後の方である。
叔父であるホップ公爵はいないようだ。
見渡しても、その姿は見えない。
臣下の貴族になった現在、通常なら私の前に会場入りしているはずだ。
けれど、お姉様をエスコートするのが叔父ならば。
お姉様がいない内に私たちが話し合うことを防ぐためなら。
あの従者は使用人であるため、お姉様をエスコートすることはないだろう。姉に婚約者はいない。となれば、やはり親族である叔父はお姉様のそばにいさせられる可能性は高い。
私とお姉様の戦いはどのようなものになるだろう。
想像がつかない。
魔力でも体術でも敵わない。力なら秒で負ける。
病弱な第二王女に期待する者もいない。
それでも、私は叔父の存在に賭けた。
デント王国が滅びるならば。
王族の血は叔父とマイア様の息子のレオ様につながる。
そう、つながってさえいれば、私でなくともいい。
「フリント女王陛下、御入場」
緊張が走る。
ざわついていた会場に静寂が訪れ、皆が深い礼を取る。
階段の上の幕が開いた。
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