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9章 理想と現実と、嫌がらせ
9-3 その頃の国境の街 ◆アニエス視点◆
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◆アニエス視点◆
ソイ王国との国境の街に馬車で着いた。
情報源は帝国のアルティ皇太子。
私の婚約者である。
あえて言うと、この馬車を出してくれたのも、この旅の資金を提供してくれたのもアルティ皇太子である。
何のために私が動くことを許可してくれたのか、私は理由を追求することもしない。
ただ、私に報告義務だけは課せられている。
私がいるのは、オルレア様のためにソイ王国のソイファ王太子が購入した屋敷の前である。
「アニエス様、この屋敷の者が言うにはオルレア様はすでにソイ王国へ入国しているのだそうです」
「おかしいわね」
帝国が私につけた侍女が話を聞いて、馬車に戻ってきた。
オルレア様はこの屋敷で足止めを食らっているという話なのだが。
次期最強の盾、オルト・バーレイが行方不明になっているために、ウィト王国を出国できなかった。
だからこそ、ソイファ王太子は国境の街に屋敷を購入したということだ。
「出入国管理事務所に行ってみましょう」
オルレア様の出国が正しければ、もうこの屋敷にはいないことになるが。
ただし、出入国管理事務所が男爵家令嬢に正直に教えてくれるとは思えない。
帝国の圧力など、出入国管理事務所に効果はない。
もしオルレア様がすでに出国していても、私はソイ王国まで追いかけられない。
友好国であってもそれ相応の理由がなければ、ウィト王国の国民が国外に出るというのはなかなかに難しい。
貴族でもただの観光旅行で国外に出るのは稀。
外遊や商売目的でもなければ、安全なウィト王国から出ようとする者はいない。
出入国管理事務所に馬車が到着した。
簡素過ぎず、豪華過ぎない、事務手続きにちょうど良い建物である。
ソイ王国からの入国者を迎えるのに軽んじていないぐらいの。
侍女とともに事務所に入る。
すぐ近くの受付に行く。
若い女性の職員がいる。
あくまでも堂々と。
正攻法しかないのだから。
とにかく柔らかい微笑みを絶やさずに。
「私は貴族学校に通っているグロス男爵家長女アニエス・グロスと申します。さる御方がこの出入国管理事務所から出国したかどうかを確認する手続きを教えていただきたいのですが」
「ちなみに、さる御方のお名前を聞いてもよろしいですか」
「貴族学校で一学年上の先輩であるバーレイ侯爵家令嬢オルレア・バーレイ様です」
「オルレア様でしたら出国されてますよ。銀髪が長くてお綺麗な方ですよね」
女性職員がニッコリ笑いながら、あっさりと言った。
「うぇっ?」
令嬢が出してはいけない声を発してしまった。
あまりにも驚いてしまったから。
女性職員にとっては子供に世間話をしたようなものだったのだろうか。
私に悪意がなさそうに見えたのだろうか。
それでも、守秘義務というのがここの職員には課されていると思うのだが。
後ろにいた男性職員がバッと動いた。
「大変申し訳ございません。今の話は聞かなかったことに」
受付が違う女性職員に代わってしまった。
若い女性職員は奥に連れて行かれた。
この対応で彼女が言ってはいけないことを言ったのは私でもわかる。
「、、、あの、他にご用はございますか?」
「あ、いえ、失礼致します」
聞きたいことは聞けてしまった。
出入国管理事務所の建物から出る。
馬車に戻ると、力が抜けてしまった。
椅子に座ってしまったら、この後の指示もできなくなった。
オルレア様はすでにウィト王国にはいない。
「アニエス様、今日のところは宿をとってお休み致しましょう」
できる侍女だ。
「、、、そう、ですね」
辛うじて返事ができた。
ものすごく掠れた声で。
こんなにも早く出国が許可されているとは。
屋敷を購入するくらいなのだから、せめて一か月くらい粘ってほしかった。いや、一、二週間出国させなければ、私はオルレア様の出国に間に合っていただろう。
オルレア様の婚約情報を得るのも遅かった上、アルティ皇太子に連絡を取るのも時間がかかった。
本当ならグロス男爵家の馬車を使う予定だった。
アルティ皇太子に連絡を入れたのは、婚約者たる人物が勝手に行動をしたらどういう処罰があるのかわからない。自分自身だけならともかく実家が処罰を受けたら嫌だからだ。
その上で帝国が何か情報を握っていないか期待したのだ。
連絡を取った成果はあった。
屋敷の住所まで手に入った。
帝国の馬車は紋章は入っていないが、快適な馬車も御者も侍女もついてきた。
宿で部屋に通されると、私はベッドに横になった。
今日はもう何もする気力が湧かない。
報告も明日にする。
いや、報告は侍女がしているのだろう。
侍女は帝国が雇っている者だから。
それでも、彼女は必要最小限のことをしてくれると、部屋で一人にしてくれた。
暗い部屋。
病人だと言われて私を見れば、誰もが納得するだろう。
いてもたってもいられなくてオルレア様を追いかけた。
ソイファ王太子がオルレア様のために屋敷を購入したと聞いて、追いつけると思った。
次期最強の盾オルト・バーレイが行方不明になっているのが功を奏したというのは不謹慎だろうが、私にとってはその程度のものだ。
けれど、冷静になって考えてみると、さすがに出入国管理事務所が、双子なのだからソックリなオルレア様を次期最強の盾ではないかと疑っても、性別が違うのだ。
女性であるオルレア様が通せと言ったら、通さざる得ないだろう。彼女はバーレイ侯爵家。侯爵家に喧嘩を売れる職員はいない。
オルレア様に追いついて、私はどうするつもりだったのか。
ソイファ王太子ではなく、アルティ皇太子と婚約したらどうかと勧めるつもりだったのか、私は。
私がオルレア様と一緒にいられる術はあったのだろうか。
アルティ皇太子だってオルレア様と結婚したら正妃に押し上げる。正妃になったら、当然帝国に連れて行くに決まっている。
その場合、側妃であってもウィト王国にいる私は。
すべてが八方塞がりだ。
オルレア様がウィト王国を出国していなくとも。
友好国であるソイ王国のソイファ王太子に望まれたら、バーレイ侯爵家でも拒否できなかったのだろう。だから、この結果である。
オルレア様がまだ第三王子、もしくはこの国の貴族の子弟と結婚すれば、ウィト王国で過ごしていたはずだ。
まだ、ウィト王国内にいてくれたら。
私がオルレア様を無邪気に眺められた期間は、貴族学校での生活はあまりにも短かった。
ソイファ王太子もオルレア様の卒業まで待ってくれれば良かったのに。
私はなぜ男として産まれなかったのだろう。
男爵家に産まれてしまったのだろう。
何もかもが足りない。
愛する者を手に入れるのに。
「、、、オルレア様」
最愛の人の名を呼んだ。
どこまでも落ちる。
暗くて黒い底の中。
淀んだ空気に息苦しくなる。
その先に蠢くものが存在する。
「お前の望み、叶えてやろうか」
声が聞こえた。
底冷えするような女性の声だ。
普通の精神状態なら、そこまでの望みがなかったのなら、誰もその声に耳を貸さない。
けれども、縋るものが何一つない状態の人間がコレを聞いてしまったのなら藁をもつかむ。
望みが叶うのなら。
相手が悪魔でも、魔女でも手を差し出してくれるのなら、私はその黒い手を取る。
現実では絶対に手に入らないから。
どんなに努力しようと、策略を企てようと、自分の手ではどうしようもない。
オルレア様には手が届かない。
いつか、その手を取ったことを後悔しようとも。
今、ここで何もせずに、オルレア様に未練だけを残したくない。
私はどこまでも暗い底に手を伸ばした。
「アニエス様、うなされていたようですがお身体の方はいかがですか」
侍女がタオルで優しく顔を拭き始めた。
汗が流れていた。
ベッドであのまま寝てしまったようだ。
「夢?」
それにしては生々しい。
冷たい声がまだ耳に残っている。
上半身を起こした。
「お水です」
「ありがとう」
私は水を飲む。
もし、アレが夢ではないとしても。
私は後悔しないだろう。
代償でこの国が多くのものを失っても。
ソイ王国との国境の街に馬車で着いた。
情報源は帝国のアルティ皇太子。
私の婚約者である。
あえて言うと、この馬車を出してくれたのも、この旅の資金を提供してくれたのもアルティ皇太子である。
何のために私が動くことを許可してくれたのか、私は理由を追求することもしない。
ただ、私に報告義務だけは課せられている。
私がいるのは、オルレア様のためにソイ王国のソイファ王太子が購入した屋敷の前である。
「アニエス様、この屋敷の者が言うにはオルレア様はすでにソイ王国へ入国しているのだそうです」
「おかしいわね」
帝国が私につけた侍女が話を聞いて、馬車に戻ってきた。
オルレア様はこの屋敷で足止めを食らっているという話なのだが。
次期最強の盾、オルト・バーレイが行方不明になっているために、ウィト王国を出国できなかった。
だからこそ、ソイファ王太子は国境の街に屋敷を購入したということだ。
「出入国管理事務所に行ってみましょう」
オルレア様の出国が正しければ、もうこの屋敷にはいないことになるが。
ただし、出入国管理事務所が男爵家令嬢に正直に教えてくれるとは思えない。
帝国の圧力など、出入国管理事務所に効果はない。
もしオルレア様がすでに出国していても、私はソイ王国まで追いかけられない。
友好国であってもそれ相応の理由がなければ、ウィト王国の国民が国外に出るというのはなかなかに難しい。
貴族でもただの観光旅行で国外に出るのは稀。
外遊や商売目的でもなければ、安全なウィト王国から出ようとする者はいない。
出入国管理事務所に馬車が到着した。
簡素過ぎず、豪華過ぎない、事務手続きにちょうど良い建物である。
ソイ王国からの入国者を迎えるのに軽んじていないぐらいの。
侍女とともに事務所に入る。
すぐ近くの受付に行く。
若い女性の職員がいる。
あくまでも堂々と。
正攻法しかないのだから。
とにかく柔らかい微笑みを絶やさずに。
「私は貴族学校に通っているグロス男爵家長女アニエス・グロスと申します。さる御方がこの出入国管理事務所から出国したかどうかを確認する手続きを教えていただきたいのですが」
「ちなみに、さる御方のお名前を聞いてもよろしいですか」
「貴族学校で一学年上の先輩であるバーレイ侯爵家令嬢オルレア・バーレイ様です」
「オルレア様でしたら出国されてますよ。銀髪が長くてお綺麗な方ですよね」
女性職員がニッコリ笑いながら、あっさりと言った。
「うぇっ?」
令嬢が出してはいけない声を発してしまった。
あまりにも驚いてしまったから。
女性職員にとっては子供に世間話をしたようなものだったのだろうか。
私に悪意がなさそうに見えたのだろうか。
それでも、守秘義務というのがここの職員には課されていると思うのだが。
後ろにいた男性職員がバッと動いた。
「大変申し訳ございません。今の話は聞かなかったことに」
受付が違う女性職員に代わってしまった。
若い女性職員は奥に連れて行かれた。
この対応で彼女が言ってはいけないことを言ったのは私でもわかる。
「、、、あの、他にご用はございますか?」
「あ、いえ、失礼致します」
聞きたいことは聞けてしまった。
出入国管理事務所の建物から出る。
馬車に戻ると、力が抜けてしまった。
椅子に座ってしまったら、この後の指示もできなくなった。
オルレア様はすでにウィト王国にはいない。
「アニエス様、今日のところは宿をとってお休み致しましょう」
できる侍女だ。
「、、、そう、ですね」
辛うじて返事ができた。
ものすごく掠れた声で。
こんなにも早く出国が許可されているとは。
屋敷を購入するくらいなのだから、せめて一か月くらい粘ってほしかった。いや、一、二週間出国させなければ、私はオルレア様の出国に間に合っていただろう。
オルレア様の婚約情報を得るのも遅かった上、アルティ皇太子に連絡を取るのも時間がかかった。
本当ならグロス男爵家の馬車を使う予定だった。
アルティ皇太子に連絡を入れたのは、婚約者たる人物が勝手に行動をしたらどういう処罰があるのかわからない。自分自身だけならともかく実家が処罰を受けたら嫌だからだ。
その上で帝国が何か情報を握っていないか期待したのだ。
連絡を取った成果はあった。
屋敷の住所まで手に入った。
帝国の馬車は紋章は入っていないが、快適な馬車も御者も侍女もついてきた。
宿で部屋に通されると、私はベッドに横になった。
今日はもう何もする気力が湧かない。
報告も明日にする。
いや、報告は侍女がしているのだろう。
侍女は帝国が雇っている者だから。
それでも、彼女は必要最小限のことをしてくれると、部屋で一人にしてくれた。
暗い部屋。
病人だと言われて私を見れば、誰もが納得するだろう。
いてもたってもいられなくてオルレア様を追いかけた。
ソイファ王太子がオルレア様のために屋敷を購入したと聞いて、追いつけると思った。
次期最強の盾オルト・バーレイが行方不明になっているのが功を奏したというのは不謹慎だろうが、私にとってはその程度のものだ。
けれど、冷静になって考えてみると、さすがに出入国管理事務所が、双子なのだからソックリなオルレア様を次期最強の盾ではないかと疑っても、性別が違うのだ。
女性であるオルレア様が通せと言ったら、通さざる得ないだろう。彼女はバーレイ侯爵家。侯爵家に喧嘩を売れる職員はいない。
オルレア様に追いついて、私はどうするつもりだったのか。
ソイファ王太子ではなく、アルティ皇太子と婚約したらどうかと勧めるつもりだったのか、私は。
私がオルレア様と一緒にいられる術はあったのだろうか。
アルティ皇太子だってオルレア様と結婚したら正妃に押し上げる。正妃になったら、当然帝国に連れて行くに決まっている。
その場合、側妃であってもウィト王国にいる私は。
すべてが八方塞がりだ。
オルレア様がウィト王国を出国していなくとも。
友好国であるソイ王国のソイファ王太子に望まれたら、バーレイ侯爵家でも拒否できなかったのだろう。だから、この結果である。
オルレア様がまだ第三王子、もしくはこの国の貴族の子弟と結婚すれば、ウィト王国で過ごしていたはずだ。
まだ、ウィト王国内にいてくれたら。
私がオルレア様を無邪気に眺められた期間は、貴族学校での生活はあまりにも短かった。
ソイファ王太子もオルレア様の卒業まで待ってくれれば良かったのに。
私はなぜ男として産まれなかったのだろう。
男爵家に産まれてしまったのだろう。
何もかもが足りない。
愛する者を手に入れるのに。
「、、、オルレア様」
最愛の人の名を呼んだ。
どこまでも落ちる。
暗くて黒い底の中。
淀んだ空気に息苦しくなる。
その先に蠢くものが存在する。
「お前の望み、叶えてやろうか」
声が聞こえた。
底冷えするような女性の声だ。
普通の精神状態なら、そこまでの望みがなかったのなら、誰もその声に耳を貸さない。
けれども、縋るものが何一つない状態の人間がコレを聞いてしまったのなら藁をもつかむ。
望みが叶うのなら。
相手が悪魔でも、魔女でも手を差し出してくれるのなら、私はその黒い手を取る。
現実では絶対に手に入らないから。
どんなに努力しようと、策略を企てようと、自分の手ではどうしようもない。
オルレア様には手が届かない。
いつか、その手を取ったことを後悔しようとも。
今、ここで何もせずに、オルレア様に未練だけを残したくない。
私はどこまでも暗い底に手を伸ばした。
「アニエス様、うなされていたようですがお身体の方はいかがですか」
侍女がタオルで優しく顔を拭き始めた。
汗が流れていた。
ベッドであのまま寝てしまったようだ。
「夢?」
それにしては生々しい。
冷たい声がまだ耳に残っている。
上半身を起こした。
「お水です」
「ありがとう」
私は水を飲む。
もし、アレが夢ではないとしても。
私は後悔しないだろう。
代償でこの国が多くのものを失っても。
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