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8章 頼り切った者たち

8-12 襲われる前に未然の対策 ◆ソイファ視点◆

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◆ソイファ視点◆

「あー、いい湯だな。ソイ王国で温泉に入れるとは思っていなかった」

 この国の活火山の魔力の流れっておかしいからね。
 温泉にも影響を与える。
 人が入浴できる温泉にならない。
 魔物が入浴しているのは見かけたことはあるけどね。。。

「、、、俺、ソイファ王太子殿下に災害級の魔物の討伐完了を報告に行ったんですけどねえ」

 最強の盾がボヤいている。

 遮る木々がない見渡す限りの星空に囲まれている。
 広々としたお風呂。
 しかも、温泉。
 なんて贅沢なひととき。

 夢幻回廊で大浴場に入れると言えば入れるのだけど、それとこれとは別物。
 開放感が半端ない。

「良いじゃないか、このくらい融通してくれても。最強の盾も入りなよ」

「俺は昼前にここに入ったし、宿屋のシャワーも浴びた」

 完全にメンドイって顔だ。

「ソイファ王太子殿下は一人なら空間転移魔法を使えるのだから、入りたいときに入りに来たら良いじゃないか」

「ここが西の街の者に知られるまでだよ、この贅沢は。この国では俺は顔が知られているからな」

「へー、そー」

 俺のことにまったく興味ない返事だな。

『この人は意外と寂しがり屋さんなんですよー』

『そうそう、一人だとこんなところまで来ませんよー』

 二枚の魔法の盾がフォローしてくれる。
 可愛いヤツらめ。

「へー、そー」

 相槌が変わらんっ。

「ソイ王国にある他の源泉でもやってくれないか?」

 最強の盾が半目で俺を見ている。

「どうせ王都に着いても、帝国に向かうのだろう。とりあえず北側の二か所を人が入れる温泉地にしてくれない?」

 ソイ王国には温泉と呼べない温泉がかなりの数存在する。
 なぜか魔力が凝縮されていて、水が沸騰以上の状態になっている。
 不思議なんだよな。
 呪いではないと調べはついているのだが。

「魔力を調整したら、いい湯にはなることはなるが、俺のやる気がわかない」

「、、、わかった、依頼料を出す。けど、ここは無料でここまでしてくれたのにぃぃぃ」

「別に俺は温泉が大好きなわけじゃない。あまりにも血塗れになっていたから、血を洗い流すのにちょうどいいここを整備しただけだ」

 相手の災害級の魔物は巨大だし、血塗れになるのも仕方ないか。
 最強の盾のことだから、俺の夢幻回廊の大浴場でも使うかと思った。
 勝手に風呂に入ってそうだよ。
 今の逆の立場になっていないのが不思議なくらいだったよ。

「この五番目の湯はまだ赤黒いくらいだ。まあ、数日経てば流れていくだろう」

 掃除すればさっさと綺麗になるとは思うけど、そこまではしないということだろう。
 温泉施設を管理するのは西の街の領民がする。ここはあそこの領地内なのだから。

『あ、』

 魔法の盾の一枚が持っていたメモが湯船に浸かってしまった。
 文字が滲んで読めなくなる。

 魔法の盾が湯船の縁で泣きそう。

「おっと、さすがに濡らしたらダメなのか。最強の盾、このメモ用紙の予備はないのか?」

 最強の盾がいるときで良かったとばかりに聞いた。
 ついでに追加をもらえるのなら、残りの三枚にも渡したい。
 魔法の盾五枚とも意志疎通できるのなら便利じゃないか?

 最強の盾は微妙に首を傾げる。

「、、、それ、どこのメモ用紙だ?」

『どこかの宿屋のー』

 最強の盾が少し思案顔になった。
 どこの宿屋で売っているんだ、その特別な紙は。

「、、、王城にメモ用紙ぐらい山ほどあるだろ。それを渡せば良いじゃないか」

「ん?コレ、特別な紙だろ?だって文字が浮かび上がるぞ」

「魔法の盾が魔法を使って文字を浮かび上がらせるが、紙は何でもかまわない。汚くなってきたら新しい物と取り換えてやってくれ」

「、、、え?何でも?」

「見やすさを望むなら大きい紙でも良いんだが、持ち運びが面倒だとその場に捨てていくぞ、コイツら」

「、、、え?」

 俺は俺についてきた、つぶらな瞳の二枚の魔法の盾を見た。いや瞳は描かれていないけど。
 確かに紙について質問したことはなかったけどさあ。
 普通の紙でいいのかよ。
 さっさと渡しておけば良かった。
 残りの三枚と意志疎通するときは、この二枚がいないとできなかったからさあーっ。

 ならなんで、この魔法の盾はメモ用紙が濡れたくらいでこんなに悲しそうな雰囲気を醸し出すんだよ。。。

「後でメモ用紙あげるから、落ち込むな」

 魔法の盾が小躍りした。
 メモ用紙ぐらいで喜びのダンスを踊るのか、お前。。。
 お菓子も紙もたくさんあげるからな。

 ちょっとどころか、最強の盾の視線がかなり痛い。




「風呂入って来たのか、息子よ」

 前国王の父が魔法の盾の一枚をクッキーで餌付けしている。
 持ち回りで一枚は父の元にいるようだ。
 俺の肩にのっていた二枚もクッキーに飛びついていった。

 オルレアの空間に残っている二枚もお菓子を食べていることだろう。

「その後ろの最強の盾がものすごく嫌そうな顔をしているのだが、お前何をやったんだ?」

「温泉に入って来ただけだ」

「うっらやまっしいぃーっ。外に出られない私への当てつけか?」

「聞いたから答えただけだろっ。我が国内に初の温泉ができた」

「温泉は昔からあったじゃろ」

「人が入れないのがな。今回のは人が入れる温泉だ」

「ずっるーいっ、私も入りたかったー。ソイファが入りに行くなんて、絶対貸し切り状態だったに違いないのにー」

「、、、貸し切りじゃないと入らないんですか?別に貧弱なカラダなわけでも、傷を隠しているわけでもないのに?」

 俺を不思議そうに見るな。

「俺はカッコイイじゃないかっ」

 最強の盾だけじゃなくて、父も半目になった。
 自分で言うなって?
 魔法の盾三枚も食べる手をとめて半目になっている気がするが、話しを進める。

「まわりが男でも襲われそうになるんだっ」

「、、、その評価は本当にカッコイイなんですか?可愛いの間違いじゃあ?」

「抱いてくださいと言われるならまだしも、抱きたいと言われて承服できるかっ」

「そういや、ソイファ王太子殿下は現役の騎士学校の生徒でしたねえ。男同士の裸の付き合いとかもあるんですかねえ」

「想像するなっ。王太子を守るべき取り巻き連中も微妙な視線を向けてくるっ。そりゃ、俺はカッコイイよっ。けど、受け入れられないんだっ」

「まあ、王太子は王族の血をつなぐための道具ですからねえ」

 呆れ果てたように言うな。
 ソファに座って、魔法の盾とともにクッキーを頬張るな。

「いつもながら美味しいですよね、ここのクッキー」

「そうじゃろそうじゃろ。いっぱいお食べ」

「ありがたく」

「俺の話を聞けーっ。最強の盾なら正妃にしてもいいけどさっ」

「ソイファ王太子殿下にはオルレアがいるじゃないですかぁ」

 最強の盾の視線がクッキーにしか向いてない。

「お前こそっ、相手が男でもいいのかっ。婚約相手は女性がいいんじゃないのかっ」

 ようやく視線がこちらを向いたが。
 だが、向けられたその目は好意的ではない。

「確かに子を成すなら異性の方が良いのだろうが、俺には家の存続に関して求められていないどころか、最強の盾は婚姻さえできないはずだった。性別はどちらでもいい。俺を必要と思ってくれるのならば」

「じゃあ、俺でもいいじゃんっ」

「お前は俺を利用したいと思っているに過ぎない。王族のヤツらは大概そうだ」

 あー、ウィト王国の王族とひっくるめられたね、コレ。
 確かにあの王族は最強の盾を必要だと思っているが、利用するだけだ。
 最強の盾が言っている必要と思ってくれるのならば、というのは利用するために必要だという意味ではない。

 彼自身の存在が必要だと言ってほしいのだ。

「それを言うなら、イーティ・ランサスだって最強の盾を利用したいだけだろ」

「ああ、結局、俺の価値は最強の盾ということしかない。それでも、俺にあの国から外に出られる可能性を示してくれて、こんな俺の婚約者になってくれて、俺は嬉しかった」

 俺はそんなに悲しそうな顔をさせたいわけじゃなかったのに。
 それは自分が最強の盾でもなければ愛されるわけもないという、どこまでも自己評価が低い彼がいた。

 世界が欲しがる最強の盾なのに、こんな俺、と言ってしまう彼が。
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