113 / 207
6章 いらないなら、捨てればいいのに
6-25 悲惨な結末を ◆クオ王子視点◆
しおりを挟む
◆クオ王子視点◆
貴族学校もあの騒ぎがようやく落ち着いてきた。
学校の敷地内の闘技場やその周辺の立ち入り禁止はまだ解かれていないが、学校での調査はすでに終了したと言ってもいい。
私は王城の自分の部屋で、あの事件の報告書を読む。
ワート商会が販売した魔石の腕輪が呪具であり、身につけた者を黒いモノへと変化させた。
ワート商会の商会長から、販売した者の名簿も魔石の仕入れ先も判明している。
魔石に呪いが込められていて、ワート商会が利用されたものだったらしいが、今後仕入れ先を追いかけていけば黒幕がわかるだろう。
後は騎士団からの報告待ちだ。
あの場に最強の盾がいたおかげで、被害に遭った生徒たちはまだ学校を休んでいるものの怪我はなかった。
私も明日から学校に復帰する。
学内交流会の闘技大会の決勝戦も中断したままだと気づく。
白熱した試合だったと聞いたオルト・バーレイとサイ・モルトとの決勝戦のやり直しは可能だろうか。
バーレイ侯爵家にいるのだろうが、オルトもオルレアもどちらも貴族学校にはいない。
とりあえず話し合いたい。
学校側と対応を協議しなければならないことも多い。
「クオ王子殿下、バーレイ侯爵家から書簡が届いております」
「ああ、返事か」
親衛隊の隊員から手紙を受け取る。
王城での護衛はキュジオもバロンもいないことが多い。
隊長や副隊長であるにもかかわらず。
彼らは王城では指示しているだけで、表舞台に出て来ない。
「最強の剣、クリスト・バーレイが王都に戻って来ているのか」
侯爵代理で返事が来ている。
封を開けてみると。
今回の件でのバーレイ侯爵に対しての御礼はまったくの見当外れであること。
この危機を予見して次期最強の盾オルト・バーレイを動かしていたわけではなく、闘技大会にてオルレアに扮していたのは侯爵家の別の都合であったことが書かれていた。
つまりは、闘技大会の件では、次期最強の盾オルト・バーレイが独自に動いていたことになる。
闘技大会でオルレアを勝たせるためにバーレイ侯爵家が替え玉としてオルトを用意したと、人々に勘繰られていないことだけは良かった。
あの事件のせいで、我々と同じように、バーレイ侯爵が危機を察して潜入させていたと思っているからだ。
侯爵家の別の都合とは何なのだろう。
「、、、キュジオはいないのかー?」
呼んでみる。
目で呼びに行かせる。親衛隊の隊員が心のなかで何を思っているのかなんか知ったことか。
数分後。
「殿下ー、何かお呼びでー?特に用事がなければ、王城内にいるときはあまり呼ばないでくださいよー」
キュジオが顔を覗かせる。
緊張感のない奴め。
「キュジオ以外は、とりあえず部屋の外に出ておいてくれ」
「えー?」
他の隊員は私の前では表に出さないのに、何でお前が不平不満を顔に出すんだよ。
部屋の扉は閉まって、二人きりになった。
「キュジオ、お前は知っていたのか?」
「、、、何をですかあ」
キュジオの視線が私の手元にある手紙に来ている。
さっと他の書類の下に紛れ込ませる。
「オルト・バーレイがオルレア・バーレイに代わっていたことを」
「はあ、気づかない方がおかしいのではないかと」
「、、、私がおかしいのか?」
闘技場では誰も気づいていなかったと思うのだが。
「戦闘力が格段に違いますからね。わかるでしょ、雰囲気で」
「雰囲気、、、」
んなもんでわかるか。
はあー、とため息を吐きながら、手元の書類を集めた。
「顔は似ていても、雰囲気が全然違うでしょ。オルの友人たちも全員気づいていましたよ」
「っ、」
私は弾かれたように顔を上げた。
キュジオを見る。
「そうだ、お前はオルレアをオルと呼んでいたっ」
それはオルレアと親し気に話していた男子生徒と一致する。
「へ?」
「闘技大会だけ入れ替わっていたわけじゃないんだなっ」
鬼の首をとったように言ってしまったか。
キュジオはマジマジと私を見た。
「あのー、本気で言っているわけじゃないですよねえ」
何で恐る恐る聞くんだ。
「求婚しているのに、闘技大会でも対峙したのに、相手が誰だかわからなかったんですか?」
グサリ。
胸に言葉が突き刺さったぞ。
正論過ぎて痛い。
「せめて、闘技大会にいたのと、その前とが、同一人物だったかどうか素でわからないんだったら、結婚したいなんて言わないでくれますか」
「キュジオ、それは」
言い訳を言おうとした。
だが、私は次の言葉を告げることができなかった。
「オルとオルレアの区別もつかない輩に、オルを任せることなんかできるわけがない」
静かに発せられた言葉は、恐ろしいほどの怒気が含まれていた。
一瞬ですべてを黙らせるほどの。
目が、態度が、すべてが私に対して怒っていた。
キュジオはオルと呼んだ。
ようやく私は悟る。
キュジオは学校でもオルレアに親しくしたことはないということを。
私が見ていなかっただけでなく、オルレアには自ら話しかけることなどなかったのだ。
オルトだからこそいつもの不機嫌な表情ながらも、気安くくだけている態度を見せていた。
兄のような意識だろうか?
そして、つい思い出してしまった。
オルト・バーレイが婚約したことを。
バーレイ侯爵が国に報告書を提出していた。
キュジオの静かな怒りを一身に浴びながら、私は口を開いた。
「な、ならば、イーティ・ランサスはどうなんだ?彼ならば、オルレ、じゃない、オルトの相手として許せるというのか?」
「クオ王子はウィト王国の王子でありながら、、、この国で権力を持ちながら、オルトを助けられないじゃないですか」
「何を」
イーティ・ランサスのことを問うたのに、なぜ私のことを言い始める。
「この国の国王がオルトを地獄に突き落とした元凶でもあるのに、王族こそがバーレイ侯爵を唯一とめられるストッパーだったのに、国王ですらオルトを助けられないのなら、たかが王子が助けられるわけがない」
「何を言っている」
「確かにイーティ・ランサス個人には物理的な強さはありません。一対一で戦えば俺にだって即負けるでしょう。けれど、彼の強さはそこではない。オルトを守るのには拳の力も剣の力も魔法の力も必要ない。それらはオルトが身につけているのだから」
「、、、だから、キュジオは何が言いたいんだ?」
「イーティ・ランサスはこの大陸全土の国からオルトを守れる権力を持っている。この国で貴方でも守れるなら、それでも良かったが、貴方にはその覚悟がない。覚悟を持たない人間はオルト・バーレイから身を引いてください」
キュジオが言い切った。
私がオルレアではなく、オルト・バーレイに惹かれていることを知っていて。
まさか、キュジオは弟分としてオルトを見ているのではなく。
「キュジオ、それならお前は貴族の養子になっていた方が良かったんじゃないか?手っ取り早く権力が手に入る」
ものすごい目で見られた。
王子に向ける目ではない。
「この国の貴族で、バーレイ侯爵家以上の権力を持つ家はありません」
「ならば、バーレイ侯爵家の養子にしてもらえば良かったんじゃないか」
赤い魔剣を譲られるぐらいだ。
キュジオの力はバーレイ侯爵だって認めている。
「何を言っているんですか、クオ王子。バーレイ侯爵からオルトを守りたいのに、本末転倒じゃないですか。それならまだ平民の方がマシだ」
「はっ、諦めるってことか」
戦いもせずして。
私はまだキュジオという人物を理解しきれていなかったから、こんな発言をしてしまった。
オルトに惚れながら、身分のせいにして諦めるのなら、それだけの想いだと。
「その方がしがらみがない。本当にこの国がどうしようもないのなら、すべてを叩き切ってこの国から連れて出る」
目が本気だった。
キュジオの覚悟は、とうの昔に決まっていたのだ。
それならば、オルレアとオルトの区別さえつかなかった私は歯痒かったに違いない。
「だが、それは」
「けれど、それは最終手段です。そんな解決方法をオルトは望まない。そして、オルトが望んだ通りに生きられるのなら、隣にいるのは別に俺じゃなくてもいい」
「え、、、」
キュジオは自分に何が足りないのかを知っている。
だからこそ。
それはキュジオにとって辛い選択ではないのか。
この世にオルトにとって理想の王子様が存在しているのなら。
キュジオに気押された。
無意識に動かした手だけが書類に触れて、書類の下に隠していた手紙が二枚あることに気づいた。
するりとその二枚目を手にする。
ドンドンと激しいノックの後。
「クオ王子殿下、失礼致します」
親衛隊隊員が扉を開けた。
緊急のようだ。
「今、騎士団から連絡が。王都郊外にて、切られた長い銀髪とシャツが落ちていたと。それらには夥しいほどの血が付着しており、他者の血も混じっていたそうですが、大部分が本人の血だったということです」
長い銀髪というのは、おそらくこの国には二人しかいない。バーレイ侯爵もバーレイ伯爵もクリスト・バーレイも髪は短い。
オルレア・バーレイとオルト・バーレイの二人だ。
「本人とは誰のことだ」
「オルト・バーレイです」
手紙の二枚目が手から落ちた。
そこにはオルト・バーレイが侯爵家には戻って来ていない旨が記載されていた。
貴族学校もあの騒ぎがようやく落ち着いてきた。
学校の敷地内の闘技場やその周辺の立ち入り禁止はまだ解かれていないが、学校での調査はすでに終了したと言ってもいい。
私は王城の自分の部屋で、あの事件の報告書を読む。
ワート商会が販売した魔石の腕輪が呪具であり、身につけた者を黒いモノへと変化させた。
ワート商会の商会長から、販売した者の名簿も魔石の仕入れ先も判明している。
魔石に呪いが込められていて、ワート商会が利用されたものだったらしいが、今後仕入れ先を追いかけていけば黒幕がわかるだろう。
後は騎士団からの報告待ちだ。
あの場に最強の盾がいたおかげで、被害に遭った生徒たちはまだ学校を休んでいるものの怪我はなかった。
私も明日から学校に復帰する。
学内交流会の闘技大会の決勝戦も中断したままだと気づく。
白熱した試合だったと聞いたオルト・バーレイとサイ・モルトとの決勝戦のやり直しは可能だろうか。
バーレイ侯爵家にいるのだろうが、オルトもオルレアもどちらも貴族学校にはいない。
とりあえず話し合いたい。
学校側と対応を協議しなければならないことも多い。
「クオ王子殿下、バーレイ侯爵家から書簡が届いております」
「ああ、返事か」
親衛隊の隊員から手紙を受け取る。
王城での護衛はキュジオもバロンもいないことが多い。
隊長や副隊長であるにもかかわらず。
彼らは王城では指示しているだけで、表舞台に出て来ない。
「最強の剣、クリスト・バーレイが王都に戻って来ているのか」
侯爵代理で返事が来ている。
封を開けてみると。
今回の件でのバーレイ侯爵に対しての御礼はまったくの見当外れであること。
この危機を予見して次期最強の盾オルト・バーレイを動かしていたわけではなく、闘技大会にてオルレアに扮していたのは侯爵家の別の都合であったことが書かれていた。
つまりは、闘技大会の件では、次期最強の盾オルト・バーレイが独自に動いていたことになる。
闘技大会でオルレアを勝たせるためにバーレイ侯爵家が替え玉としてオルトを用意したと、人々に勘繰られていないことだけは良かった。
あの事件のせいで、我々と同じように、バーレイ侯爵が危機を察して潜入させていたと思っているからだ。
侯爵家の別の都合とは何なのだろう。
「、、、キュジオはいないのかー?」
呼んでみる。
目で呼びに行かせる。親衛隊の隊員が心のなかで何を思っているのかなんか知ったことか。
数分後。
「殿下ー、何かお呼びでー?特に用事がなければ、王城内にいるときはあまり呼ばないでくださいよー」
キュジオが顔を覗かせる。
緊張感のない奴め。
「キュジオ以外は、とりあえず部屋の外に出ておいてくれ」
「えー?」
他の隊員は私の前では表に出さないのに、何でお前が不平不満を顔に出すんだよ。
部屋の扉は閉まって、二人きりになった。
「キュジオ、お前は知っていたのか?」
「、、、何をですかあ」
キュジオの視線が私の手元にある手紙に来ている。
さっと他の書類の下に紛れ込ませる。
「オルト・バーレイがオルレア・バーレイに代わっていたことを」
「はあ、気づかない方がおかしいのではないかと」
「、、、私がおかしいのか?」
闘技場では誰も気づいていなかったと思うのだが。
「戦闘力が格段に違いますからね。わかるでしょ、雰囲気で」
「雰囲気、、、」
んなもんでわかるか。
はあー、とため息を吐きながら、手元の書類を集めた。
「顔は似ていても、雰囲気が全然違うでしょ。オルの友人たちも全員気づいていましたよ」
「っ、」
私は弾かれたように顔を上げた。
キュジオを見る。
「そうだ、お前はオルレアをオルと呼んでいたっ」
それはオルレアと親し気に話していた男子生徒と一致する。
「へ?」
「闘技大会だけ入れ替わっていたわけじゃないんだなっ」
鬼の首をとったように言ってしまったか。
キュジオはマジマジと私を見た。
「あのー、本気で言っているわけじゃないですよねえ」
何で恐る恐る聞くんだ。
「求婚しているのに、闘技大会でも対峙したのに、相手が誰だかわからなかったんですか?」
グサリ。
胸に言葉が突き刺さったぞ。
正論過ぎて痛い。
「せめて、闘技大会にいたのと、その前とが、同一人物だったかどうか素でわからないんだったら、結婚したいなんて言わないでくれますか」
「キュジオ、それは」
言い訳を言おうとした。
だが、私は次の言葉を告げることができなかった。
「オルとオルレアの区別もつかない輩に、オルを任せることなんかできるわけがない」
静かに発せられた言葉は、恐ろしいほどの怒気が含まれていた。
一瞬ですべてを黙らせるほどの。
目が、態度が、すべてが私に対して怒っていた。
キュジオはオルと呼んだ。
ようやく私は悟る。
キュジオは学校でもオルレアに親しくしたことはないということを。
私が見ていなかっただけでなく、オルレアには自ら話しかけることなどなかったのだ。
オルトだからこそいつもの不機嫌な表情ながらも、気安くくだけている態度を見せていた。
兄のような意識だろうか?
そして、つい思い出してしまった。
オルト・バーレイが婚約したことを。
バーレイ侯爵が国に報告書を提出していた。
キュジオの静かな怒りを一身に浴びながら、私は口を開いた。
「な、ならば、イーティ・ランサスはどうなんだ?彼ならば、オルレ、じゃない、オルトの相手として許せるというのか?」
「クオ王子はウィト王国の王子でありながら、、、この国で権力を持ちながら、オルトを助けられないじゃないですか」
「何を」
イーティ・ランサスのことを問うたのに、なぜ私のことを言い始める。
「この国の国王がオルトを地獄に突き落とした元凶でもあるのに、王族こそがバーレイ侯爵を唯一とめられるストッパーだったのに、国王ですらオルトを助けられないのなら、たかが王子が助けられるわけがない」
「何を言っている」
「確かにイーティ・ランサス個人には物理的な強さはありません。一対一で戦えば俺にだって即負けるでしょう。けれど、彼の強さはそこではない。オルトを守るのには拳の力も剣の力も魔法の力も必要ない。それらはオルトが身につけているのだから」
「、、、だから、キュジオは何が言いたいんだ?」
「イーティ・ランサスはこの大陸全土の国からオルトを守れる権力を持っている。この国で貴方でも守れるなら、それでも良かったが、貴方にはその覚悟がない。覚悟を持たない人間はオルト・バーレイから身を引いてください」
キュジオが言い切った。
私がオルレアではなく、オルト・バーレイに惹かれていることを知っていて。
まさか、キュジオは弟分としてオルトを見ているのではなく。
「キュジオ、それならお前は貴族の養子になっていた方が良かったんじゃないか?手っ取り早く権力が手に入る」
ものすごい目で見られた。
王子に向ける目ではない。
「この国の貴族で、バーレイ侯爵家以上の権力を持つ家はありません」
「ならば、バーレイ侯爵家の養子にしてもらえば良かったんじゃないか」
赤い魔剣を譲られるぐらいだ。
キュジオの力はバーレイ侯爵だって認めている。
「何を言っているんですか、クオ王子。バーレイ侯爵からオルトを守りたいのに、本末転倒じゃないですか。それならまだ平民の方がマシだ」
「はっ、諦めるってことか」
戦いもせずして。
私はまだキュジオという人物を理解しきれていなかったから、こんな発言をしてしまった。
オルトに惚れながら、身分のせいにして諦めるのなら、それだけの想いだと。
「その方がしがらみがない。本当にこの国がどうしようもないのなら、すべてを叩き切ってこの国から連れて出る」
目が本気だった。
キュジオの覚悟は、とうの昔に決まっていたのだ。
それならば、オルレアとオルトの区別さえつかなかった私は歯痒かったに違いない。
「だが、それは」
「けれど、それは最終手段です。そんな解決方法をオルトは望まない。そして、オルトが望んだ通りに生きられるのなら、隣にいるのは別に俺じゃなくてもいい」
「え、、、」
キュジオは自分に何が足りないのかを知っている。
だからこそ。
それはキュジオにとって辛い選択ではないのか。
この世にオルトにとって理想の王子様が存在しているのなら。
キュジオに気押された。
無意識に動かした手だけが書類に触れて、書類の下に隠していた手紙が二枚あることに気づいた。
するりとその二枚目を手にする。
ドンドンと激しいノックの後。
「クオ王子殿下、失礼致します」
親衛隊隊員が扉を開けた。
緊急のようだ。
「今、騎士団から連絡が。王都郊外にて、切られた長い銀髪とシャツが落ちていたと。それらには夥しいほどの血が付着しており、他者の血も混じっていたそうですが、大部分が本人の血だったということです」
長い銀髪というのは、おそらくこの国には二人しかいない。バーレイ侯爵もバーレイ伯爵もクリスト・バーレイも髪は短い。
オルレア・バーレイとオルト・バーレイの二人だ。
「本人とは誰のことだ」
「オルト・バーレイです」
手紙の二枚目が手から落ちた。
そこにはオルト・バーレイが侯爵家には戻って来ていない旨が記載されていた。
4
お気に入りに追加
341
あなたにおすすめの小説
兄たちが弟を可愛がりすぎです
クロユキ
BL
俺が風邪で寝ていた目が覚めたら異世界!?
メイド、王子って、俺も王子!?
おっと、俺の自己紹介忘れてた!俺の、名前は坂田春人高校二年、別世界にウィル王子の身体に入っていたんだ!兄王子に振り回されて、俺大丈夫か?!
涙脆く可愛い系に弱い春人の兄王子達に振り回され護衛騎士に迫って慌てていっもハラハラドキドキたまにはバカな事を言ったりとしている主人公春人の話を楽しんでくれたら嬉しいです。
1日の話しが長い物語です。
誤字脱字には気をつけてはいますが、余り気にしないよ~と言う方がいましたら嬉しいです。
その男、有能につき……
大和撫子
BL
俺はその日最高に落ち込んでいた。このまま死んで異世界に転生。チート能力を手に入れて最高にリア充な人生を……なんてことが現実に起こる筈もなく。奇しくもその日は俺の二十歳の誕生日だった。初めて飲む酒はヤケ酒で。簡単に酒に呑まれちまった俺はフラフラと渋谷の繁華街を彷徨い歩いた。ふと気づいたら、全く知らない路地(?)に立っていたんだ。そうだな、辺りの建物や雰囲気でいったら……ビクトリア調時代風? て、まさかなぁ。俺、さっきいつもの道を歩いていた筈だよな? どこだよ、ここ。酔いつぶれて寝ちまったのか?
「君、どうかしたのかい?」
その時、背後にフルートみたいに澄んだ柔らかい声が響いた。突然、そう話しかけてくる声に振り向いた。そこにいたのは……。
黄金の髪、真珠の肌、ピンクサファイアの唇、そして光の加減によって深紅からロイヤルブルーに変化する瞳を持った、まるで全身が宝石で出来ているような超絶美形男子だった。えーと、確か電気の光と太陽光で色が変わって見える宝石、あったような……。後で聞いたら、そんな風に光によって赤から青に変化する宝石は『ベキリーブルーガーネット』と言うらしい。何でも、翠から赤に変化するアレキサンドライトよりも非常に希少な代物だそうだ。
彼は|Radius《ラディウス》~ラテン語で「光源」の意味を持つ、|Eternal《エターナル》王家の次男らしい。何だか分からない内に彼に気に入られた俺は、エターナル王家第二王子の専属侍従として仕える事になっちまったんだ! しかもゆくゆくは執事になって欲しいんだとか。
だけど彼は第二王子。専属についている秘書を始め護衛役や美容師、マッサージ師などなど。数多く王子と密に接する男たちは沢山いる。そんな訳で、まずは見習いから、と彼らの指導のもと、仕事を覚えていく訳だけど……。皆、王子の寵愛を独占しようと日々蹴落としあって熾烈な争いは日常茶飯事だった。そんな中、得体の知れない俺が王子直々で専属侍従にする、なんていうもんだから、そいつらから様々な嫌がらせを受けたりするようになっちまって。それは日増しにエスカレートしていく。
大丈夫か? こんな「ムササビの五能」な俺……果たしてこのまま皇子の寵愛を受け続ける事が出来るんだろうか?
更には、第一王子も登場。まるで第二王子に対抗するかのように俺を引き抜こうとしてみたり、波乱の予感しかしない。どうなる? 俺?!
美少年に転生したらヤンデレ婚約者が出来ました
SEKISUI
BL
ブラック企業に勤めていたOLが寝てそのまま永眠したら美少年に転生していた
見た目は勝ち組
中身は社畜
斜めな思考の持ち主
なのでもう働くのは嫌なので怠惰に生きようと思う
そんな主人公はやばい公爵令息に目を付けられて翻弄される
幼い精霊を預けられたので、俺と主様が育ての父母になった件
雪玉 円記
BL
ハイマー辺境領主のグルシエス家に仕える、ディラン・サヘンドラ。
主である辺境伯グルシエス家三男、クリストファーと共に王立学園を卒業し、ハイマー領へと戻る。
その数日後、魔獣討伐のために騎士団と共に出撃したところ、幼い見た目の言葉を話せない子供を拾う。
リアンと名付けたその子供は、クリストファーの思惑でディランと彼を父母と認識してしまった。
個性豊かなグルシエス家、仕える面々、不思議な生き物たちに囲まれ、リアンはのびのびと暮らす。
ある日、世界的宗教であるマナ・ユリエ教の教団騎士であるエイギルがリアンを訪ねてきた。
リアンは次代の世界樹の精霊である。そのため、次のシンボルとして教団に居を移してほしい、と告げるエイギル。
だがリアンはそれを拒否する。リアンが嫌なら、と二人も支持する。
その判断が教皇アーシスの怒髪天をついてしまった。
数週間後、教団騎士団がハイマー辺境領邸を襲撃した。
ディランはリアンとクリストファーを守るため、リアンを迎えにきたエイギルと対峙する。
だが実力の差は大きく、ディランは斬り伏せられ、死の淵を彷徨う。
次に目が覚めた時、ディランはユグドラシルの元にいた。
ユグドラシルが用意したアフタヌーンティーを前に、意識が途絶えたあとのこと、自分とクリストファーの状態、リアンの決断、そして、何故自分とクリストファーがリアンの養親に選ばれたのかを聞かされる。
ユグドラシルに送り出され、意識が戻ったのは襲撃から数日後だった。
後日、リアンが拾ってきた不思議な生き物たちが実は四大元素の精霊たちであると知らされる。
彼らとグルシエス家中の協力を得て、ディランとクリストファーは鍛錬に励む。
一ヶ月後、ディランとクリスは四大精霊を伴い、教団本部がある隣国にいた。
ユグドラシルとリアンの意思を叶えるために。
そして、自分達を圧倒的戦闘力でねじ伏せたエイギルへのリベンジを果たすために──……。
※一部に流血を含む戦闘シーン、R-15程度のイチャイチャが含まれます。
※現在、改稿したものを順次投稿中です。
詳しくは最新の近況ボードをご覧ください。
小悪魔系世界征服計画 ~ちょっと美少年に生まれただけだと思っていたら、異世界の救世主でした~
朱童章絵
BL
「僕はリスでもウサギでもないし、ましてやプリンセスなんかじゃ絶対にない!」
普通よりちょっと可愛くて、人に好かれやすいという以外、まったく普通の男子高校生・瑠佳(ルカ)には、秘密がある。小さな頃からずっと、別な世界で日々を送り、成長していく夢を見続けているのだ。
史上最強の呼び声も高い、大魔法使いである祖母・ベリンダ。
その弟子であり、物腰柔らか、ルカのトラウマを刺激しまくる、超絶美形・ユージーン。
外見も内面も、強くて男らしくて頼りになる、寡黙で優しい、薬屋の跡取り・ジェイク。
いつも笑顔で温厚だけど、ルカ以外にまったく価値を見出さない、ヤンデレ系神父・ネイト。
領主の息子なのに気さくで誠実、親友のイケメン貴公子・フィンレー。
彼らの過剰なスキンシップに狼狽えながらも、ルカは日々を楽しく過ごしていたが、ある時を境に、現実世界での急激な体力の衰えを感じ始める。夢から覚めるたびに強まる倦怠感に加えて、祖母や仲間達の言動にも不可解な点が。更には魔王の復活も重なって、瑠佳は次第に世界全体に疑問を感じるようになっていく。
やがて現実の自分の不調の原因が夢にあるのではないかと考えた瑠佳は、「夢の世界」そのものを否定するようになるが――。
無自覚小悪魔ちゃん、総受系愛され主人公による、保護者同伴RPG(?)。
(この作品は、小説家になろう、カクヨムにも掲載しています)
完結·助けた犬は騎士団長でした
禅
BL
母を亡くしたクレムは王都を見下ろす丘の森に一人で暮らしていた。
ある日、森の中で傷を負った犬を見つけて介抱する。犬との生活は穏やかで温かく、クレムの孤独を癒していった。
しかし、犬は突然いなくなり、ふたたび孤独な日々に寂しさを覚えていると、城から迎えが現れた。
強引に連れて行かれた王城でクレムの出生の秘密が明かされ……
※完結まで毎日投稿します
推しの完璧超人お兄様になっちゃった
紫 もくれん
BL
『君の心臓にたどりつけたら』というゲーム。体が弱くて一生の大半をベットの上で過ごした僕が命を賭けてやり込んだゲーム。
そのクラウス・フォン・シルヴェスターという推しの大好きな完璧超人兄貴に成り代わってしまった。
ずっと好きで好きでたまらなかった推し。その推しに好かれるためならなんだってできるよ。
そんなBLゲーム世界で生きる僕のお話。
すべてを奪われた英雄は、
さいはて旅行社
BL
アスア王国の英雄ザット・ノーレンは仲間たちにすべてを奪われた。
隣国の神聖国グルシアの魔物大量発生でダンジョンに潜りラスボスの魔物も討伐できたが、そこで仲間に裏切られ黒い短剣で刺されてしまう。
それでも生き延びてダンジョンから生還したザット・ノーレンは神聖国グルシアで、王子と呼ばれる少年とその世話役のヴィンセントに出会う。
すべてを奪われた英雄が、自分や仲間だった者、これから出会う人々に向き合っていく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる