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6章 いらないなら、捨てればいいのに
6-19 言い訳は通用しない
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先にサイ・モルト対スレイ・フラワーの準決勝が行われた。
予想された通りサイの勝利だったが、それでも、観覧席は盛り上がっている。
多少の休憩時間をとった後、次の準決勝である。
「順当だな」
「はあーーーっ」
俺の隣で深い溜息を吐いたのはシン・オーツである。
「どうした、シン」
「わかっているクセに。トーナメントで強者が揃っていたのが俺たちの組み合わせの方だ。俺も組み合わせが良ければ、準決勝や決勝に残っていた可能性もあったのに」
シンが拳を握って悔しがっている。
騎士団三番隊に何か言われていたかな?
準決勝まで残っていれば、ご褒美でも出たのだろうか。
「可能性はないだろう。国王陛下の望みに忖度されたトーナメントだ。こちらの組み合わせがどう転んでも、クオ王子対オルレアにしたいのなら、強者はすべて隣に追いやるハメになる。そちらはサイがいる時点でサイが勝つ」
俺の言葉にシンが膨れる。
シンが訓練しているのは知っているよ。
「スレイにもあと一歩だったのにー。惜しかっただろー、俺」
「ま、シンはクオ王子に勝てるから、こちらの組み合わせにいれば準決勝までは行けたんだろうな」
「あ、やっぱりそう思う?」
シンがにぱっと笑顔になった。
「クオ王子が暴食の魔剣を握らなければ、な」
ニヤリと笑って、突き落としてやる。
伯爵家では魔剣を手に入れるのは、どんな魔剣でも難しい。
「その暴食の魔剣ってヤベエの?」
「持ち主の魔力を食い漁り、魔力が尽きれば生命力を貪り尽くす。クオ王子の魔力量だと五分も持たない」
「勝ちたいとはいえ、よくそんな魔剣を持てるな」
うわぁーっ、という顔はその先がどうなるかもしっかり理解している。
「クオ王子は説明されてないし、知る気もないのだろう」
「自分の命を消費するのにー?」
マジかよ、って顔するな。
信じられないも何も、お前だって何も説明されずにシンの魔法の実験に付き合わされているじゃないか。アレとほぼ同じことだぞ。危ないという点では。
「知っているのなら開始直後に負けろ、オルレア・バーレイ」
横から違う声が強い口調で飛んできた。
その格好は宮廷魔導士。
若くもなく高齢というわけでもなく、中堅どころ。
おそらくこの場での暴食の魔剣の管理を担っている者だろう。
けれど、俺が静かに視線を向けたら、動きがとまった。
「お前が何者かは知らないが、それを準決勝の対戦相手の私に言うのは筋違いだ。暴食の魔剣を使用するのは自己責任に他ならない」
「、、、クオ王子殿下は詳細を知らぬのだ。私は国王陛下に口止めされている」
「それならそれでいいのではないか」
「だが、現在、暴食の魔剣は殿下の魔力を吸わないように鞘で阻害している。それを外してしまったら、取り返しのつかないことに」
宮廷魔導士は震えている。ローブのフードを深く被って顔が見えにくいが、憔悴しているようだ。
「それを進言する先は私ではない。間違えるな」
「進言したさ。詳細を報告している。けれど、大丈夫なように調整しろとしか言われなかった。無理なのにっ」
「、、、どうだろうな。国王が罰を与えたいのは、誰なのか」
俺だと思っていたが、この宮廷魔導士も標的にされてないか?
ここに暴食の魔剣を持って来ていないということは、他にも担当している宮廷魔導士が何人もいるということだろう。
無理なものは、どう命令されても無理だ。
どんなに優秀な人間だろうと、できないものはできない。
不可能を可能にする術などない存在が、この世には生息しているのである。
それを理解できない者が部下を殺していく。
暴食や悪食の魔剣はどうやっても手に負えないから、国が管理するようになったのだ。
バーレイ侯爵家でも管理しようとすればできるが、意味がないのでやらないだけだ。まったく実益がない。
暴食や悪食以外の他の魔剣なら私兵団で持つのにふさわしい人物が現れたら譲ることができる。
「何も考えていないんじゃないか?」
シンがぽつりと言った。
「、、、いや、一国の王が考えなしにそんなことしていたら、違う意味で問題じゃないか?」
「甘い考えや見通しを持つヤツはどこにでもいる。一国の王といえども人間だ。政ならともかく、家族のことを感情で動いてしまうのは仕方ないんじゃないか」
「王子たちの教育に恐ろしいほどの税金が投入されているのに、個人の感情で動くようならさっさと引退した方がいい」
庶民なら一生遊んで暮らせるほどの金額だ。
それを蔑ろにできるのなら、王族なんて必要ない。この国は王による独裁国家ではないのだから。
「手厳しいな、オルは」
「息子を殺すための武器を渡す馬鹿に、感情もクソも言い訳が許されてたまるか。そんなもの愛情ですらない」
相手がオルレアだからといって、正当化されていいはずがない。
「オル、時間だ。舞台の脇で呼ばれているぞ」
「ああ」
オルレアとして負けることが唯一の道であってたまるか。
暴食の魔剣を持ち出した責任は自分たちで取れ。
俺は舞台に上がる階段の方へ歩みを進めた。
「オルレア・バーレイっ」
司会者に呼ばれてオルレアとして舞台に上がると、ものすごい歓声に包まれる。
異様な熱気に支配されていると言ってもいい。
舞台の横で見ているのと、舞台に上がるのとでは全く別物だ。
オルレアスマイルで、周囲に手を振る。
令嬢たちがきゃあきゃあ騒いでいるのが目に入る。
オルレアは今日も人気だ。
本日の俺の格好は青銀色の衣装に、青のマントである。
なんかキラッキラっである。マイア様が指示した物だからキラッキラっでも上品な物なのだが。
俺からすると、王子様?って首を捻る衣装なのだが、マイア様とソニア嬢は喜んでいたようだ。
貴族の正装として長ったらしいマントを羽織る者は多いが、、、戦いの舞台では邪魔なだけだと思うのは俺だけだろうか?
闘技大会出場者でマントを羽織る者が意外と多いのに驚いた。
サイは魔導士のローブだったが、剣を握る者はマントを羽織っている。
この会場にいる騎士団の騎士や親衛隊を見ろっ。
誰もマントなんか羽織っていない。
実戦では邪魔なだけだ。
本気で動きの邪魔になれば、投げ捨てれば良いだけだ。
今のところそこまでの強敵に当たっていない。
「クオ王子殿下ーーーっ」
司会者が対戦相手を呼んだところで、さらなる熱が闘技場を支配する。
雲行きは怪しくなるどころか、空には雲一つない。
晴れてるなあ。。。
令嬢だけでなく、男子生徒からも親族からも人気のクオ王子。
今の俺への声援もオルレアへの声援だから、本当なら俺は関係ないんだけど。
クオ王子は暴食の魔剣をしっかりと携えていた。
クオ王子が横を向いた。
ああ、そうだった。
王族の席に国王夫妻がいたんだった。
毎回、国王夫妻に深い礼を始めにしなければならない。
深い礼をした後、クオ王子に向き直そうとした、そのとき。
「クオ、悔いなき戦いにするよう励みなさい」
「はいっ」
息子に対して国王からの激励の言葉か。
どうも邪推してしまう。
魔剣でオルレアを叩きのめせ、と言っているように。
親子の会話をこの場でするのなら仕方ないので、臣下の礼をとり、跪いて待っていた。
「オルレア・バーレイ、」
国王がオルレアの名前を呼んだ。
何か俺に話すことがあるのか。
「はっ」
「我が息子、クオの胸を借りて、善戦するよう努めなさい」
はあっ?
クソ国王め。
言わなくてもいいセリフを馬鹿みたいに垂れ流す。
キレなかっただけありがたいと思ってほしいくらいだ。
「国王陛下、そこまでおっしゃられるのでしたら、この場におけるすべてを不問にされることをお誓いください」
俺は超笑顔だったと思う。
「、、、ああ、誓おうではないか、お互いに。それなら反対にバーレイ侯爵家が出て来ることもない。愛娘を傷つけて、バーレイ侯爵に恨まれるのも目覚めが悪いからな」
国王の嫌味な笑顔を浮かべた。そう見えるのは俺だけなのか?
闘技場に多少の笑い声が起こる。
「ならば、暴食の魔剣をクオ王子に持たせた責任は国王陛下が取るということでよろしいのですよね」
「私にいったい何の責任があるんだ?」
「暴食の魔剣を使用すれば、持ち主は無事ではいられません。その責任です」
「そういうセリフはクオに勝てるようになって、いや、善戦できるようになってから言いたまえ」
国王は肘置きに体重をかけて、見下すかのように言った。
予想された通りサイの勝利だったが、それでも、観覧席は盛り上がっている。
多少の休憩時間をとった後、次の準決勝である。
「順当だな」
「はあーーーっ」
俺の隣で深い溜息を吐いたのはシン・オーツである。
「どうした、シン」
「わかっているクセに。トーナメントで強者が揃っていたのが俺たちの組み合わせの方だ。俺も組み合わせが良ければ、準決勝や決勝に残っていた可能性もあったのに」
シンが拳を握って悔しがっている。
騎士団三番隊に何か言われていたかな?
準決勝まで残っていれば、ご褒美でも出たのだろうか。
「可能性はないだろう。国王陛下の望みに忖度されたトーナメントだ。こちらの組み合わせがどう転んでも、クオ王子対オルレアにしたいのなら、強者はすべて隣に追いやるハメになる。そちらはサイがいる時点でサイが勝つ」
俺の言葉にシンが膨れる。
シンが訓練しているのは知っているよ。
「スレイにもあと一歩だったのにー。惜しかっただろー、俺」
「ま、シンはクオ王子に勝てるから、こちらの組み合わせにいれば準決勝までは行けたんだろうな」
「あ、やっぱりそう思う?」
シンがにぱっと笑顔になった。
「クオ王子が暴食の魔剣を握らなければ、な」
ニヤリと笑って、突き落としてやる。
伯爵家では魔剣を手に入れるのは、どんな魔剣でも難しい。
「その暴食の魔剣ってヤベエの?」
「持ち主の魔力を食い漁り、魔力が尽きれば生命力を貪り尽くす。クオ王子の魔力量だと五分も持たない」
「勝ちたいとはいえ、よくそんな魔剣を持てるな」
うわぁーっ、という顔はその先がどうなるかもしっかり理解している。
「クオ王子は説明されてないし、知る気もないのだろう」
「自分の命を消費するのにー?」
マジかよ、って顔するな。
信じられないも何も、お前だって何も説明されずにシンの魔法の実験に付き合わされているじゃないか。アレとほぼ同じことだぞ。危ないという点では。
「知っているのなら開始直後に負けろ、オルレア・バーレイ」
横から違う声が強い口調で飛んできた。
その格好は宮廷魔導士。
若くもなく高齢というわけでもなく、中堅どころ。
おそらくこの場での暴食の魔剣の管理を担っている者だろう。
けれど、俺が静かに視線を向けたら、動きがとまった。
「お前が何者かは知らないが、それを準決勝の対戦相手の私に言うのは筋違いだ。暴食の魔剣を使用するのは自己責任に他ならない」
「、、、クオ王子殿下は詳細を知らぬのだ。私は国王陛下に口止めされている」
「それならそれでいいのではないか」
「だが、現在、暴食の魔剣は殿下の魔力を吸わないように鞘で阻害している。それを外してしまったら、取り返しのつかないことに」
宮廷魔導士は震えている。ローブのフードを深く被って顔が見えにくいが、憔悴しているようだ。
「それを進言する先は私ではない。間違えるな」
「進言したさ。詳細を報告している。けれど、大丈夫なように調整しろとしか言われなかった。無理なのにっ」
「、、、どうだろうな。国王が罰を与えたいのは、誰なのか」
俺だと思っていたが、この宮廷魔導士も標的にされてないか?
ここに暴食の魔剣を持って来ていないということは、他にも担当している宮廷魔導士が何人もいるということだろう。
無理なものは、どう命令されても無理だ。
どんなに優秀な人間だろうと、できないものはできない。
不可能を可能にする術などない存在が、この世には生息しているのである。
それを理解できない者が部下を殺していく。
暴食や悪食の魔剣はどうやっても手に負えないから、国が管理するようになったのだ。
バーレイ侯爵家でも管理しようとすればできるが、意味がないのでやらないだけだ。まったく実益がない。
暴食や悪食以外の他の魔剣なら私兵団で持つのにふさわしい人物が現れたら譲ることができる。
「何も考えていないんじゃないか?」
シンがぽつりと言った。
「、、、いや、一国の王が考えなしにそんなことしていたら、違う意味で問題じゃないか?」
「甘い考えや見通しを持つヤツはどこにでもいる。一国の王といえども人間だ。政ならともかく、家族のことを感情で動いてしまうのは仕方ないんじゃないか」
「王子たちの教育に恐ろしいほどの税金が投入されているのに、個人の感情で動くようならさっさと引退した方がいい」
庶民なら一生遊んで暮らせるほどの金額だ。
それを蔑ろにできるのなら、王族なんて必要ない。この国は王による独裁国家ではないのだから。
「手厳しいな、オルは」
「息子を殺すための武器を渡す馬鹿に、感情もクソも言い訳が許されてたまるか。そんなもの愛情ですらない」
相手がオルレアだからといって、正当化されていいはずがない。
「オル、時間だ。舞台の脇で呼ばれているぞ」
「ああ」
オルレアとして負けることが唯一の道であってたまるか。
暴食の魔剣を持ち出した責任は自分たちで取れ。
俺は舞台に上がる階段の方へ歩みを進めた。
「オルレア・バーレイっ」
司会者に呼ばれてオルレアとして舞台に上がると、ものすごい歓声に包まれる。
異様な熱気に支配されていると言ってもいい。
舞台の横で見ているのと、舞台に上がるのとでは全く別物だ。
オルレアスマイルで、周囲に手を振る。
令嬢たちがきゃあきゃあ騒いでいるのが目に入る。
オルレアは今日も人気だ。
本日の俺の格好は青銀色の衣装に、青のマントである。
なんかキラッキラっである。マイア様が指示した物だからキラッキラっでも上品な物なのだが。
俺からすると、王子様?って首を捻る衣装なのだが、マイア様とソニア嬢は喜んでいたようだ。
貴族の正装として長ったらしいマントを羽織る者は多いが、、、戦いの舞台では邪魔なだけだと思うのは俺だけだろうか?
闘技大会出場者でマントを羽織る者が意外と多いのに驚いた。
サイは魔導士のローブだったが、剣を握る者はマントを羽織っている。
この会場にいる騎士団の騎士や親衛隊を見ろっ。
誰もマントなんか羽織っていない。
実戦では邪魔なだけだ。
本気で動きの邪魔になれば、投げ捨てれば良いだけだ。
今のところそこまでの強敵に当たっていない。
「クオ王子殿下ーーーっ」
司会者が対戦相手を呼んだところで、さらなる熱が闘技場を支配する。
雲行きは怪しくなるどころか、空には雲一つない。
晴れてるなあ。。。
令嬢だけでなく、男子生徒からも親族からも人気のクオ王子。
今の俺への声援もオルレアへの声援だから、本当なら俺は関係ないんだけど。
クオ王子は暴食の魔剣をしっかりと携えていた。
クオ王子が横を向いた。
ああ、そうだった。
王族の席に国王夫妻がいたんだった。
毎回、国王夫妻に深い礼を始めにしなければならない。
深い礼をした後、クオ王子に向き直そうとした、そのとき。
「クオ、悔いなき戦いにするよう励みなさい」
「はいっ」
息子に対して国王からの激励の言葉か。
どうも邪推してしまう。
魔剣でオルレアを叩きのめせ、と言っているように。
親子の会話をこの場でするのなら仕方ないので、臣下の礼をとり、跪いて待っていた。
「オルレア・バーレイ、」
国王がオルレアの名前を呼んだ。
何か俺に話すことがあるのか。
「はっ」
「我が息子、クオの胸を借りて、善戦するよう努めなさい」
はあっ?
クソ国王め。
言わなくてもいいセリフを馬鹿みたいに垂れ流す。
キレなかっただけありがたいと思ってほしいくらいだ。
「国王陛下、そこまでおっしゃられるのでしたら、この場におけるすべてを不問にされることをお誓いください」
俺は超笑顔だったと思う。
「、、、ああ、誓おうではないか、お互いに。それなら反対にバーレイ侯爵家が出て来ることもない。愛娘を傷つけて、バーレイ侯爵に恨まれるのも目覚めが悪いからな」
国王の嫌味な笑顔を浮かべた。そう見えるのは俺だけなのか?
闘技場に多少の笑い声が起こる。
「ならば、暴食の魔剣をクオ王子に持たせた責任は国王陛下が取るということでよろしいのですよね」
「私にいったい何の責任があるんだ?」
「暴食の魔剣を使用すれば、持ち主は無事ではいられません。その責任です」
「そういうセリフはクオに勝てるようになって、いや、善戦できるようになってから言いたまえ」
国王は肘置きに体重をかけて、見下すかのように言った。
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