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6章 いらないなら、捨てればいいのに
6-15 夢のようなひとときの後 ◆マイア視点◆
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◆マイア視点◆
創作魔法発表会は最優秀賞をオルレアが獲得して幕を閉じた。
レオが歓喜のあまり、大好きーと何度も叫んでいた。
オルレアの耳に届いていたのかどうかは不明である。
運がいいのか悪いのか、昨夜、乳母に妖精が出て来る絵本を読んでもらっていたというから、あの光景にその興奮は冷めやらない。
そして、その感動をオルレア本人に伝えられないから、余計に興奮が収まらない。
結局、護衛たちに囲まれながら帰りの馬車に乗る。
オルレアに別れの挨拶もできないどころか、ソニアとも視線で挨拶を交わした程度だ。
この護衛の融通の利かなさは昔からだ。
「お姉様は妖精を召喚できるのでしょうか」
「んー、真相はオルレアに聞いてみないとわからないわねー」
オルレアに扮する最強の盾へと尋ねると、ごくごく普通に魔法ですと答えそうだ。
レオの夢はことごとく潰される気がするのだけど。
お姉様の言うことなら、どんな結果になろうともレオも素直に受け入れるだろう。
この大陸にある国々でも妖精の逸話は数多く残されており、眉唾ものの目撃談だけは数多く存在するが、本物が発見されたという報告はない。
妖精というのはあくまでも夢物語の範疇である。
ただ、この国でまことしやかに流れているのは、将来を誓い合った二人が妖精を一緒に見ると、生涯仲睦まじく暮らせるとか何とか言われている。
恋人たちが妖精スポットである観光地に行くのはそういった理由である。
それらは観光地ならではの、客寄せの作り話でしかないのだが。
婚約者と一緒に来れば良かったーっ、という叫び声まがいの声が闘技場の観客席から多く聞こえてきたのはそのせいだ。
王城に戻ると、普通に通路を歩くクオの親衛隊隊長がいた。
「あら、キュジオ隊長」
「おや、マイア様、レオ様、今お帰りですか」
一応キュジオ隊長は深い礼をしてくれるが、私を取り囲む護衛たちは良い顔をしていない。
そもそも、脇に避けていろとでも言いたげな顔をしている。
「ええ、そうよ。そういえば、今日クオは学校に行ってないの?」
クオは第三王子である。
オルレアの発表を見たければ、その時間だけでも王族の席に座っていたはずだ。
学校にいたのならば、何が何でも見に来たに違いない。
「あー、午前中に一回ほど顔を出しに行きましたが、魔剣の調整で戻って来てますよ」
兄がクオに渡した魔剣。
オルレアも残念なことと懸念を表明した。
私もキュジオ隊長の表情に引っかかる。
「ちょっとキュジオ、部屋に寄って行きなさい。お茶くらい出すわよ」
「えー、俺、仕事があるんですけどー」
嫌そうな顔をしたが、腕をつかみズルズルと引き摺って行く。
キュジオ隊長が女性の力に負けることはないのだが、抵抗はしない。
既婚者というのは楽だ。
結婚するまでは男性に微かに触れただけでも目くじらを立てた侍女頭や教育係も何も言わない。
息子のレオがいれば、部屋に男女二人きりでもない。護衛も侍女も追い払いやすい。
護衛たちは部屋の扉の前で解散だ。
本当なら王城の門のところで解散してもらって構わないのだけど。
キュジオ隊長にソファを勧め、侍女もお茶をいれてもらうと退室してもらった。
レオも座っておとなしくお菓子を頬張る。
「兄がクオに渡した魔剣って何かあるの?オルレアも残念と表現したのだけど」
「、、、マイア様とあろう者がご存じないと?」
キュジオ隊長の顔も曇る。
ということは、アレは魔力を食うだけの魔剣ではないのだろうか。
「魔剣と呼ばれる物は通常クセがあります。持ち主を魔剣の方が選びます」
キュジオは自分の赤い魔剣を示しながら説明を始めてくれた。
女性は武器のことは知らなくていい、という環境で育ってしまった私は魔剣についてさほど詳しくない。だが、さすがにそのぐらいは知っているが。
「ただし、持ち主を選ばない魔剣があります」
「それなら、強い武器を誰でも持てるから良いことではないの?」
「普通の人間ならそう考えるでしょう。問題は魔力量がその魔剣を持つには足りない者でも持ててしまうことにあります」
「そうなの?」
私は特にソレが問題だとは思わなかった。
魔力が足りなくなれば、魔剣を扱えなくなるだけだと思っていたからだ。
「そういう魔剣はその持ち主の魔力が足りなければ、生命力を食らい尽くします。つまり、その魔剣の持ち主が行きつく先は死。運が良くて、重い後遺症が出ます」
「え、」
それは。
「クオ王子に渡されたのはそういう魔剣です。調整と言えば聞こえは言いですが、魔剣を鞘から抜くまでは近くにいるクオ王子の魔力を吸わないように魔導士が魔力の阻害を調整しているだけです」
オルレアが残念だと言った意味がようやくわかった。
あの兄は、バーレイ侯爵家に勝つために手段を選ばなかったということだ。
息子の命すらどうでもいいのか。
そんな魔剣を使ってでもバーレイ侯爵家に勝ちたいのか。
いや、対戦相手が本当にオルレアだったのなら、瞬時に勝負が決すると思ってのことか。
「この王城にある魔剣は基本的に暴食、悪食と呼ばれるものたちです。魔剣だからと高額で手に入れた者たちがどれだけひどい目に遭ったか、ここの保管庫にあるだけの本数分の過去があるわけです」
「けれど、クオも魔力量は多い方よね。多少の時間は鞘から抜いても平気じゃないのかしら」
「、、、マイア様。魔力量が多いというのはバーレイ侯爵家の化け物どもを指して言う言葉です。王族は凡人の域を脱してません。鞘から抜いた途端、すぐにタイムリミットです」
キュジオ隊長の言葉は的確だけど、第三者に聞かせちゃいけない言葉だ。だからこそ、キュジオ隊長は誤解されていることが多いのだけど。
王族の魔力量は多いとされている。
確かにバーレイ侯爵家の最強の剣や最強の盾と比較したら、ごくごく普通でしょうけど。
「すぐにタイムリミットって言ったけど、どのくらいの時間なの?」
「、、、あの魔剣なら安全な時間はせいぜい二、三分ってところじゃないですか。あの王子は五分もしない内に帰らない人となるかと」
「五分?」
それは短い。
本物のオルレアが相手だったら、魔剣を扱うクオが完全に優位だった。
だが、今回の対戦相手は。
「オルレアが自分の魔剣を侯爵家から持って来てくれたと言っていたけど」
「オルがいつも腰に差しているのも魔剣ですけど、公式の場だからオルレアの魔剣を使うことにしたのかと」
「それは誰にでも扱えるものなの?」
「元々オルの魔剣をオルレアが奪ったものですから、オルは難なく扱えます。というか、オルレアはあの魔剣を扱えません」
「、、、扱えないのに、奪ったの?」
オルレアは我がままだと聞いていたが、そこまでだったとは。
扱えないのならば、奪って何をしたかったのか。飾るだけでも魔剣は魔力を消費するので保管が大変だと聞いたことがある。
王城での管理費もかなり高額だ。
「オルのものはすべて欲しいーッと言うお嬢様でしたから。オルはオルレアが扱えないなんて思っていないんじゃないですか?魔剣を扱えないのに奪う馬鹿はいないという考えだから、今後、オルレアが厳しい状況になろうともどうだっていいのでは」
オルレアがその魔剣を使えないのに、闘技大会で魔剣を振るっていたとしたら。
もし、好成績を収めてしまったら。いや、確実に収めるだろう。彼は最強の盾なのだから。
オルレア本人が戻って来たとき、他人から今後も魔剣を扱うように言われるのは確実だ。
オルレアの魔剣なのだから、オルレアが振るうことは何の問題もない。
ただし、魔剣がオルレアを拒否しているのだとしたら、振るうことさえできない可能性もある。
そうなったとき、オルレアはどう言い訳するのか。
私の考察する時間が長くなり、会話が終わったと考えてしまったレオが口を開いた。
「キュジオ隊長ー、今日、お姉様が妖精を出したんだよー」
「妖精?」
私は今日の創作魔法発表会でオルレアが披露した魔法をキュジオ隊長に説明した。
レオがその素晴らしさをカラダで表現して微笑ましい、、、のに。
「ああ。」
会話が平坦に終了した。
キュジオ隊長にとっては特に驚きも何もないのか。
「私はオルレアがあんな繊細な魔法を使うとは思っていなかったのだけど」
「は?繊細?いや、、、おそらく魔力量をオルレアレベルに落として、どれだけ効果的に派手で心に残る印象を与えることができるかをオルなりに考えた結果なだけだと思いますよ」
「けれど、魔法の蝶や妖精の動きはそれぞれ別なのよ。操作も大変じゃないのかしら」
「いや、アイツら化け物だから。そもそも、オルが日常的にどれだけの魔法の盾の数を操作していると思っているんですか、マイア様。無数の魔法の盾が国を覆ってこの国を守っているんですよ」
「結界の魔法としての役割よね」
「結界の役割だけの魔法の盾なら良かったんですけどね。機能を詰め込んだオルの魔法の盾は万能ですよ」
嫌そうな表情のキュジオ隊長は、私に万能の意味は説明してくれなかった。
創作魔法発表会は最優秀賞をオルレアが獲得して幕を閉じた。
レオが歓喜のあまり、大好きーと何度も叫んでいた。
オルレアの耳に届いていたのかどうかは不明である。
運がいいのか悪いのか、昨夜、乳母に妖精が出て来る絵本を読んでもらっていたというから、あの光景にその興奮は冷めやらない。
そして、その感動をオルレア本人に伝えられないから、余計に興奮が収まらない。
結局、護衛たちに囲まれながら帰りの馬車に乗る。
オルレアに別れの挨拶もできないどころか、ソニアとも視線で挨拶を交わした程度だ。
この護衛の融通の利かなさは昔からだ。
「お姉様は妖精を召喚できるのでしょうか」
「んー、真相はオルレアに聞いてみないとわからないわねー」
オルレアに扮する最強の盾へと尋ねると、ごくごく普通に魔法ですと答えそうだ。
レオの夢はことごとく潰される気がするのだけど。
お姉様の言うことなら、どんな結果になろうともレオも素直に受け入れるだろう。
この大陸にある国々でも妖精の逸話は数多く残されており、眉唾ものの目撃談だけは数多く存在するが、本物が発見されたという報告はない。
妖精というのはあくまでも夢物語の範疇である。
ただ、この国でまことしやかに流れているのは、将来を誓い合った二人が妖精を一緒に見ると、生涯仲睦まじく暮らせるとか何とか言われている。
恋人たちが妖精スポットである観光地に行くのはそういった理由である。
それらは観光地ならではの、客寄せの作り話でしかないのだが。
婚約者と一緒に来れば良かったーっ、という叫び声まがいの声が闘技場の観客席から多く聞こえてきたのはそのせいだ。
王城に戻ると、普通に通路を歩くクオの親衛隊隊長がいた。
「あら、キュジオ隊長」
「おや、マイア様、レオ様、今お帰りですか」
一応キュジオ隊長は深い礼をしてくれるが、私を取り囲む護衛たちは良い顔をしていない。
そもそも、脇に避けていろとでも言いたげな顔をしている。
「ええ、そうよ。そういえば、今日クオは学校に行ってないの?」
クオは第三王子である。
オルレアの発表を見たければ、その時間だけでも王族の席に座っていたはずだ。
学校にいたのならば、何が何でも見に来たに違いない。
「あー、午前中に一回ほど顔を出しに行きましたが、魔剣の調整で戻って来てますよ」
兄がクオに渡した魔剣。
オルレアも残念なことと懸念を表明した。
私もキュジオ隊長の表情に引っかかる。
「ちょっとキュジオ、部屋に寄って行きなさい。お茶くらい出すわよ」
「えー、俺、仕事があるんですけどー」
嫌そうな顔をしたが、腕をつかみズルズルと引き摺って行く。
キュジオ隊長が女性の力に負けることはないのだが、抵抗はしない。
既婚者というのは楽だ。
結婚するまでは男性に微かに触れただけでも目くじらを立てた侍女頭や教育係も何も言わない。
息子のレオがいれば、部屋に男女二人きりでもない。護衛も侍女も追い払いやすい。
護衛たちは部屋の扉の前で解散だ。
本当なら王城の門のところで解散してもらって構わないのだけど。
キュジオ隊長にソファを勧め、侍女もお茶をいれてもらうと退室してもらった。
レオも座っておとなしくお菓子を頬張る。
「兄がクオに渡した魔剣って何かあるの?オルレアも残念と表現したのだけど」
「、、、マイア様とあろう者がご存じないと?」
キュジオ隊長の顔も曇る。
ということは、アレは魔力を食うだけの魔剣ではないのだろうか。
「魔剣と呼ばれる物は通常クセがあります。持ち主を魔剣の方が選びます」
キュジオは自分の赤い魔剣を示しながら説明を始めてくれた。
女性は武器のことは知らなくていい、という環境で育ってしまった私は魔剣についてさほど詳しくない。だが、さすがにそのぐらいは知っているが。
「ただし、持ち主を選ばない魔剣があります」
「それなら、強い武器を誰でも持てるから良いことではないの?」
「普通の人間ならそう考えるでしょう。問題は魔力量がその魔剣を持つには足りない者でも持ててしまうことにあります」
「そうなの?」
私は特にソレが問題だとは思わなかった。
魔力が足りなくなれば、魔剣を扱えなくなるだけだと思っていたからだ。
「そういう魔剣はその持ち主の魔力が足りなければ、生命力を食らい尽くします。つまり、その魔剣の持ち主が行きつく先は死。運が良くて、重い後遺症が出ます」
「え、」
それは。
「クオ王子に渡されたのはそういう魔剣です。調整と言えば聞こえは言いですが、魔剣を鞘から抜くまでは近くにいるクオ王子の魔力を吸わないように魔導士が魔力の阻害を調整しているだけです」
オルレアが残念だと言った意味がようやくわかった。
あの兄は、バーレイ侯爵家に勝つために手段を選ばなかったということだ。
息子の命すらどうでもいいのか。
そんな魔剣を使ってでもバーレイ侯爵家に勝ちたいのか。
いや、対戦相手が本当にオルレアだったのなら、瞬時に勝負が決すると思ってのことか。
「この王城にある魔剣は基本的に暴食、悪食と呼ばれるものたちです。魔剣だからと高額で手に入れた者たちがどれだけひどい目に遭ったか、ここの保管庫にあるだけの本数分の過去があるわけです」
「けれど、クオも魔力量は多い方よね。多少の時間は鞘から抜いても平気じゃないのかしら」
「、、、マイア様。魔力量が多いというのはバーレイ侯爵家の化け物どもを指して言う言葉です。王族は凡人の域を脱してません。鞘から抜いた途端、すぐにタイムリミットです」
キュジオ隊長の言葉は的確だけど、第三者に聞かせちゃいけない言葉だ。だからこそ、キュジオ隊長は誤解されていることが多いのだけど。
王族の魔力量は多いとされている。
確かにバーレイ侯爵家の最強の剣や最強の盾と比較したら、ごくごく普通でしょうけど。
「すぐにタイムリミットって言ったけど、どのくらいの時間なの?」
「、、、あの魔剣なら安全な時間はせいぜい二、三分ってところじゃないですか。あの王子は五分もしない内に帰らない人となるかと」
「五分?」
それは短い。
本物のオルレアが相手だったら、魔剣を扱うクオが完全に優位だった。
だが、今回の対戦相手は。
「オルレアが自分の魔剣を侯爵家から持って来てくれたと言っていたけど」
「オルがいつも腰に差しているのも魔剣ですけど、公式の場だからオルレアの魔剣を使うことにしたのかと」
「それは誰にでも扱えるものなの?」
「元々オルの魔剣をオルレアが奪ったものですから、オルは難なく扱えます。というか、オルレアはあの魔剣を扱えません」
「、、、扱えないのに、奪ったの?」
オルレアは我がままだと聞いていたが、そこまでだったとは。
扱えないのならば、奪って何をしたかったのか。飾るだけでも魔剣は魔力を消費するので保管が大変だと聞いたことがある。
王城での管理費もかなり高額だ。
「オルのものはすべて欲しいーッと言うお嬢様でしたから。オルはオルレアが扱えないなんて思っていないんじゃないですか?魔剣を扱えないのに奪う馬鹿はいないという考えだから、今後、オルレアが厳しい状況になろうともどうだっていいのでは」
オルレアがその魔剣を使えないのに、闘技大会で魔剣を振るっていたとしたら。
もし、好成績を収めてしまったら。いや、確実に収めるだろう。彼は最強の盾なのだから。
オルレア本人が戻って来たとき、他人から今後も魔剣を扱うように言われるのは確実だ。
オルレアの魔剣なのだから、オルレアが振るうことは何の問題もない。
ただし、魔剣がオルレアを拒否しているのだとしたら、振るうことさえできない可能性もある。
そうなったとき、オルレアはどう言い訳するのか。
私の考察する時間が長くなり、会話が終わったと考えてしまったレオが口を開いた。
「キュジオ隊長ー、今日、お姉様が妖精を出したんだよー」
「妖精?」
私は今日の創作魔法発表会でオルレアが披露した魔法をキュジオ隊長に説明した。
レオがその素晴らしさをカラダで表現して微笑ましい、、、のに。
「ああ。」
会話が平坦に終了した。
キュジオ隊長にとっては特に驚きも何もないのか。
「私はオルレアがあんな繊細な魔法を使うとは思っていなかったのだけど」
「は?繊細?いや、、、おそらく魔力量をオルレアレベルに落として、どれだけ効果的に派手で心に残る印象を与えることができるかをオルなりに考えた結果なだけだと思いますよ」
「けれど、魔法の蝶や妖精の動きはそれぞれ別なのよ。操作も大変じゃないのかしら」
「いや、アイツら化け物だから。そもそも、オルが日常的にどれだけの魔法の盾の数を操作していると思っているんですか、マイア様。無数の魔法の盾が国を覆ってこの国を守っているんですよ」
「結界の魔法としての役割よね」
「結界の役割だけの魔法の盾なら良かったんですけどね。機能を詰め込んだオルの魔法の盾は万能ですよ」
嫌そうな表情のキュジオ隊長は、私に万能の意味は説明してくれなかった。
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