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5章 拗れて歪んだ恋心
5-10 庇護欲と呼ばれるものならまだ良かった5 ◆サイ視点◆
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◆サイ視点◆
「サイ坊ちゃんは剣の才能まるっきしないなあ」
キュジオが冗談言っている雰囲気ではなく、真面目な顔で言いやがった。
「何だと?」
「基礎体力はできてきたが、カラダを動かすこと全般、苦手じゃねえ?あ、乗馬はできるのか?」
うっ。
ううっ。
「その顔はできないってことか。ま、剣や体術は貴族学校で適当にお茶を濁すくらいこの程度で大丈夫だろ。でだ、お前は魔法の方が得意なんだろ?」
「そりゃ、モルト公爵家だから」
「?」
キュジオが変な顔をした。
ああ、そうだった。キュジオは平民だった。
言葉遣いが私に対してもこうだから、頭から抜け落ちていた。
どの貴族の家が何に長けているのかなんて説明を受けているわけもない。
いや、もしかしたらあのバーレイ侯爵も知らない可能性もあるのだが。
「モルト公爵家の血を継ぐ者は魔法に長けている。最強の剣と最強の盾にはさすがに魔力量も敵わないが、繊細な魔法を使わせればバーレイ侯爵家を上回る」
「あー、なんとなく想像できるー。バーレイ侯爵家ってどう考えても魔法も力押しって感じがするー」
「魔法でも最大火力で最大攻撃というようなものは、うちよりバーレイ侯爵家の方が得意だ」
「うん、そんな感じがするー。サイは魔法を使っているのか?」
「ああ、初級魔法から訓練されている。訓練と言っても、こんな訓練じゃないぞ。精神力を高めるものだ。ベッドに寝た状態でもできる」
「普通はそうなんだろうな」
キュジオがうんうん頷いているが、精神力を高める魔法の訓練はここではやっていないようだ。
普通は、が存在しない訓練場である。
ここの私兵団には貴族の子弟が多く、魔法の訓練もしているはずなのだが?
「最強の剣、最強の盾は苦労しなくても魔法が使えるから何の問題もないんだが、だからこそ問題なのかもしれない」
「魔法が発動しているのなら、さほど問題はないだろ?」
「アイツらの魔力量は半端ないから、力任せに放出すればできるって感じなんだよな。無駄が多い。効率いい魔法を教えてやってくれ」
「一応、お前には伝えておくが、私がオルトにくっついているのは、オルトをバーレイ侯爵から守るためだけでもなく、ただの趣味でもないぞ」
超驚いた顔をされた。。。
しかも、どちらに驚いた?
どんな風に思われているんだよ、私は。
「ストレスというのは、体内を流れる魔力にも影響を与える。ストレス過多だと淀み汚れ停滞し、カラダにも悪い。それを私がそばにいることによってサラサラ魔力にしている。そうすることによって効率よく魔法も使えるから、お前が言っている要望のすでに半分は叶っている」
「おー、サイ坊ちゃんすごいなー」
キュジオが坊ちゃんとつけるとき、なぜか含みを感じる。
単純に褒めてないだろ、絶対。
「けど、それを口実にして、オルトに触れていたいんだろ」
「魔力量が多いと、それだけでも楽しいよね」
「人体実験はするなよ」
やっだなー、私がオルトでするわけないじゃーん。
あー、そうだ。あんな我がまま姫オルレアみたいにならないように、妹のマーガレットをしっかり指導しておいた方が良いかなあ。
「シン・オーツだ。よろしく頼む」
ある日、元気なクソガキがこの訓練場にやって来た。
木剣を振り回して来て最後にポーズまで決めて、どんな登場だよ。
オルトは嬉しそうだな。
すでにオルトは四歳、私は五歳になっていた。
「あー、また貴族なんだろ?」
キュジオ、その質問の仕方は何なんだ。
本当に貴族が嫌いだな、この男は。
「オーツ伯爵家の令息だ。最近、チャンバラごっこに夢中になり、屋敷にある高価な物を片っ端から破壊しているから、剣の訓練をしてくれと頼まれた。しばらくこの訓練場で体力を削いで、家に戻ったら動けないくらいにしてほしいとのことだ」
オーツ伯爵家、よく破産しないな。
保険にでも入っていたか?
大切な息子をバーレイ侯爵家に預けたくらいだから、保険会社にもうこれ以上はと泣きつかれたのだろうな。
オーツ伯爵家は特に剣の腕を必要としない家だ。
「うわー、高価なもんは金庫に入れておけばいいのに」
「そういうわけにもいかないのが貴族だ。飾る物が一つもない屋敷なんて存在しない。シンはオルトと同じ年齢だ。というわけで任せた、キュジオ」
キュジオの胡乱な目がバーレイ侯爵を見ている。
いつも思うが、この男はなぜこんな態度をして許されているのだろう。
強いからか?
「報酬に手当てを上乗せする」
「へえへえ、わかりやしたー」
どうせならオルトもキュジオに面倒見させればいいのに。
あの目はキュジオを追いかけている。
オルトはものすごく喜ぶだろう。
「俺もあっちの訓練の方が良いっ」
シンが指さしたのは、バーレイ侯爵とオルトだ。
本気か?
死ぬぞ?
冷静になって、一回どんな訓練しているのか、見てから決めた方が良いんじゃないか?
「仕方ない。じゃ、こっちに来い」
「やってやんぜーっ」
バーレイ侯爵も実際に体験してもらった方が良いと判断したようだ。
五分後。
地面に横たわる憐れな男の子が一匹。。。
「大丈夫か?」
「ははっ、まだレベルアップしていない俺では、ラスボスは早過ぎたぜ。後は任せた。ガクッ」
うん、大丈夫そうだな。
「サイ、こういう奴も力任せに突進してくるから、嫌というほど受け流してやれ」
、、、キュジオも大人げないなあ。あ、まだ成人してないんだった。
シンがこの訓練場に来てから賑やかになった。
良くも悪くも元気な直情バカという感じだ。
バーレイ侯爵は国防会議が増えて王城に呼ばれる。訓練にも顔を出さない時間が増えてきた。
そのときは団長、副団長のどちらかがオルトを指導するが、どちらも都合が悪いときはキュジオが三人まとめて面倒をみていた。面倒をみると言ったが、キュジオの場合は何をするか指示するだけである。オルトを指導するわけではない。
昼食も一緒にとるので、子供同士仲良くなる。
バーレイ侯爵が忙しいと、たまに訓練場にやって来るのが、バーレイ侯爵の弟バーレイ伯爵だ。自分の息子カーツを連れてやって来る。
最強の盾同士、話が合うのか、訓練しやすいのか、オルトは叔父に懐いている。
バーレイ家って、こんなヤツしかいないのか。
オルトを陥れる分際で、オルトに優しくあろうとするな。
償いなのか?
それとも、何も考えていないだけなのか?
オルトを家に誘い、夕食を、寝床を与える。
それは一見、バーレイ侯爵家で足りないものを与えているかのように見える。
が、一番残酷だ。
カーツもオルトに懐くな。
オルトが強いのも、憧れるのもわかるが。
事実をオルトが知ったとき、オルトが辛くなる。
裏切られるのがわかっている茶番は、周囲の方が見ているのが辛い。
この人は何を考えて生きているんだろう。
カーツはまだわかっていないだけだけど、わかったらどうするのか。
本来なら、この伯爵位は最強の盾の爵位だ。
次はオルトに譲られなければならないものなのに。カーツは爵位を父親から何も考えずに譲られるのか?
「まあまあ、アイツは食事と宿を与えているんだ。オルトがわかるまでは自由にさせてやれ」
キュジオが私に言った。
どんな顔をして、私は彼らを見ていたのだろう。
「キュジオはアイツらを放っておくのか?」
「平民の俺にはどうしようもない。お前らなら何とかできるのか?」
平民という身分を免罪符のように言うコイツが嫌いだが、実際、平民ではこの件に関して何もできない。
私にだってどうしようもない。
「父が、養子縁組や縁談話をバーレイ侯爵に持っていったが、すべて拒絶されたそうだ」
オルトのために、私は父を味方につけることにした。
悔しいが、私はまだ幼い。何もできない。
「あー、貴族の婿や養子になれば爵位が持てるからなあ。けど、拒絶かあ。それ以外でこの国で爵位を持つ方法あるのか?」
「領地が余っていない現在、名誉爵位でなければ難しいな。名誉爵位では最強の盾に与える報酬としては足りないが」
「、、、バーレイ侯爵は、最強の盾がバーレイ侯爵家から抜けるのがそんなに嫌なのか」
キュジオの呟きに、キュジオをマジマジと見てしまった。
「何?」
「そういうことなのか。じゃあ、国王に王女がいたとしても、バーレイ侯爵はその婚約を認めることはないのか」
目からウロコだった。
父が持っていった爵位が、バーレイ侯爵が考えているオルトの価値より低かったのかと思った。
ことわられたのは、バーレイ伯爵と同じ伯爵位の家だった。
「可能性としてね、アイツならありうるかなーと」
上なら上をと思って公爵家なら妹のマーガレットもいるが、キュジオの言う通りなら提案しない方が良さそうだ。
けれど、キュジオの言う通りなら、あまりにも残酷じゃないか?
バーレイ侯爵はオルトの最強の盾としての報酬をどこから持ってくる気なんだ?
「サイ坊ちゃんは剣の才能まるっきしないなあ」
キュジオが冗談言っている雰囲気ではなく、真面目な顔で言いやがった。
「何だと?」
「基礎体力はできてきたが、カラダを動かすこと全般、苦手じゃねえ?あ、乗馬はできるのか?」
うっ。
ううっ。
「その顔はできないってことか。ま、剣や体術は貴族学校で適当にお茶を濁すくらいこの程度で大丈夫だろ。でだ、お前は魔法の方が得意なんだろ?」
「そりゃ、モルト公爵家だから」
「?」
キュジオが変な顔をした。
ああ、そうだった。キュジオは平民だった。
言葉遣いが私に対してもこうだから、頭から抜け落ちていた。
どの貴族の家が何に長けているのかなんて説明を受けているわけもない。
いや、もしかしたらあのバーレイ侯爵も知らない可能性もあるのだが。
「モルト公爵家の血を継ぐ者は魔法に長けている。最強の剣と最強の盾にはさすがに魔力量も敵わないが、繊細な魔法を使わせればバーレイ侯爵家を上回る」
「あー、なんとなく想像できるー。バーレイ侯爵家ってどう考えても魔法も力押しって感じがするー」
「魔法でも最大火力で最大攻撃というようなものは、うちよりバーレイ侯爵家の方が得意だ」
「うん、そんな感じがするー。サイは魔法を使っているのか?」
「ああ、初級魔法から訓練されている。訓練と言っても、こんな訓練じゃないぞ。精神力を高めるものだ。ベッドに寝た状態でもできる」
「普通はそうなんだろうな」
キュジオがうんうん頷いているが、精神力を高める魔法の訓練はここではやっていないようだ。
普通は、が存在しない訓練場である。
ここの私兵団には貴族の子弟が多く、魔法の訓練もしているはずなのだが?
「最強の剣、最強の盾は苦労しなくても魔法が使えるから何の問題もないんだが、だからこそ問題なのかもしれない」
「魔法が発動しているのなら、さほど問題はないだろ?」
「アイツらの魔力量は半端ないから、力任せに放出すればできるって感じなんだよな。無駄が多い。効率いい魔法を教えてやってくれ」
「一応、お前には伝えておくが、私がオルトにくっついているのは、オルトをバーレイ侯爵から守るためだけでもなく、ただの趣味でもないぞ」
超驚いた顔をされた。。。
しかも、どちらに驚いた?
どんな風に思われているんだよ、私は。
「ストレスというのは、体内を流れる魔力にも影響を与える。ストレス過多だと淀み汚れ停滞し、カラダにも悪い。それを私がそばにいることによってサラサラ魔力にしている。そうすることによって効率よく魔法も使えるから、お前が言っている要望のすでに半分は叶っている」
「おー、サイ坊ちゃんすごいなー」
キュジオが坊ちゃんとつけるとき、なぜか含みを感じる。
単純に褒めてないだろ、絶対。
「けど、それを口実にして、オルトに触れていたいんだろ」
「魔力量が多いと、それだけでも楽しいよね」
「人体実験はするなよ」
やっだなー、私がオルトでするわけないじゃーん。
あー、そうだ。あんな我がまま姫オルレアみたいにならないように、妹のマーガレットをしっかり指導しておいた方が良いかなあ。
「シン・オーツだ。よろしく頼む」
ある日、元気なクソガキがこの訓練場にやって来た。
木剣を振り回して来て最後にポーズまで決めて、どんな登場だよ。
オルトは嬉しそうだな。
すでにオルトは四歳、私は五歳になっていた。
「あー、また貴族なんだろ?」
キュジオ、その質問の仕方は何なんだ。
本当に貴族が嫌いだな、この男は。
「オーツ伯爵家の令息だ。最近、チャンバラごっこに夢中になり、屋敷にある高価な物を片っ端から破壊しているから、剣の訓練をしてくれと頼まれた。しばらくこの訓練場で体力を削いで、家に戻ったら動けないくらいにしてほしいとのことだ」
オーツ伯爵家、よく破産しないな。
保険にでも入っていたか?
大切な息子をバーレイ侯爵家に預けたくらいだから、保険会社にもうこれ以上はと泣きつかれたのだろうな。
オーツ伯爵家は特に剣の腕を必要としない家だ。
「うわー、高価なもんは金庫に入れておけばいいのに」
「そういうわけにもいかないのが貴族だ。飾る物が一つもない屋敷なんて存在しない。シンはオルトと同じ年齢だ。というわけで任せた、キュジオ」
キュジオの胡乱な目がバーレイ侯爵を見ている。
いつも思うが、この男はなぜこんな態度をして許されているのだろう。
強いからか?
「報酬に手当てを上乗せする」
「へえへえ、わかりやしたー」
どうせならオルトもキュジオに面倒見させればいいのに。
あの目はキュジオを追いかけている。
オルトはものすごく喜ぶだろう。
「俺もあっちの訓練の方が良いっ」
シンが指さしたのは、バーレイ侯爵とオルトだ。
本気か?
死ぬぞ?
冷静になって、一回どんな訓練しているのか、見てから決めた方が良いんじゃないか?
「仕方ない。じゃ、こっちに来い」
「やってやんぜーっ」
バーレイ侯爵も実際に体験してもらった方が良いと判断したようだ。
五分後。
地面に横たわる憐れな男の子が一匹。。。
「大丈夫か?」
「ははっ、まだレベルアップしていない俺では、ラスボスは早過ぎたぜ。後は任せた。ガクッ」
うん、大丈夫そうだな。
「サイ、こういう奴も力任せに突進してくるから、嫌というほど受け流してやれ」
、、、キュジオも大人げないなあ。あ、まだ成人してないんだった。
シンがこの訓練場に来てから賑やかになった。
良くも悪くも元気な直情バカという感じだ。
バーレイ侯爵は国防会議が増えて王城に呼ばれる。訓練にも顔を出さない時間が増えてきた。
そのときは団長、副団長のどちらかがオルトを指導するが、どちらも都合が悪いときはキュジオが三人まとめて面倒をみていた。面倒をみると言ったが、キュジオの場合は何をするか指示するだけである。オルトを指導するわけではない。
昼食も一緒にとるので、子供同士仲良くなる。
バーレイ侯爵が忙しいと、たまに訓練場にやって来るのが、バーレイ侯爵の弟バーレイ伯爵だ。自分の息子カーツを連れてやって来る。
最強の盾同士、話が合うのか、訓練しやすいのか、オルトは叔父に懐いている。
バーレイ家って、こんなヤツしかいないのか。
オルトを陥れる分際で、オルトに優しくあろうとするな。
償いなのか?
それとも、何も考えていないだけなのか?
オルトを家に誘い、夕食を、寝床を与える。
それは一見、バーレイ侯爵家で足りないものを与えているかのように見える。
が、一番残酷だ。
カーツもオルトに懐くな。
オルトが強いのも、憧れるのもわかるが。
事実をオルトが知ったとき、オルトが辛くなる。
裏切られるのがわかっている茶番は、周囲の方が見ているのが辛い。
この人は何を考えて生きているんだろう。
カーツはまだわかっていないだけだけど、わかったらどうするのか。
本来なら、この伯爵位は最強の盾の爵位だ。
次はオルトに譲られなければならないものなのに。カーツは爵位を父親から何も考えずに譲られるのか?
「まあまあ、アイツは食事と宿を与えているんだ。オルトがわかるまでは自由にさせてやれ」
キュジオが私に言った。
どんな顔をして、私は彼らを見ていたのだろう。
「キュジオはアイツらを放っておくのか?」
「平民の俺にはどうしようもない。お前らなら何とかできるのか?」
平民という身分を免罪符のように言うコイツが嫌いだが、実際、平民ではこの件に関して何もできない。
私にだってどうしようもない。
「父が、養子縁組や縁談話をバーレイ侯爵に持っていったが、すべて拒絶されたそうだ」
オルトのために、私は父を味方につけることにした。
悔しいが、私はまだ幼い。何もできない。
「あー、貴族の婿や養子になれば爵位が持てるからなあ。けど、拒絶かあ。それ以外でこの国で爵位を持つ方法あるのか?」
「領地が余っていない現在、名誉爵位でなければ難しいな。名誉爵位では最強の盾に与える報酬としては足りないが」
「、、、バーレイ侯爵は、最強の盾がバーレイ侯爵家から抜けるのがそんなに嫌なのか」
キュジオの呟きに、キュジオをマジマジと見てしまった。
「何?」
「そういうことなのか。じゃあ、国王に王女がいたとしても、バーレイ侯爵はその婚約を認めることはないのか」
目からウロコだった。
父が持っていった爵位が、バーレイ侯爵が考えているオルトの価値より低かったのかと思った。
ことわられたのは、バーレイ伯爵と同じ伯爵位の家だった。
「可能性としてね、アイツならありうるかなーと」
上なら上をと思って公爵家なら妹のマーガレットもいるが、キュジオの言う通りなら提案しない方が良さそうだ。
けれど、キュジオの言う通りなら、あまりにも残酷じゃないか?
バーレイ侯爵はオルトの最強の盾としての報酬をどこから持ってくる気なんだ?
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