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7章 愚者は踊る
7-32 白菜鍋 ◆東の門の門番視点◆
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◆東の門の門番視点◆
もう少し門の開きを狭くしておこう。せいぜい一人がやっと通れるくらいの門の開き方にした。
この扉は相当に重い。横に通用口なんて存在しない。魔物に突破されないための門だからだ。
後ろに人の気配がしたので、振り返ると。
「おい、リアム、どこに行こうとしている?」
E級冒険者ゾーイ・マックレーがリアムの肩に触れた。
「え?魔の森に決まっているじゃないか。今を逃したら、しばらく魔物を討伐できなくなる」
「、、、リアム、これから学園長のところに行って詳細を話す必要がある」
S級魔物が現れた上に教師とはいえ死者が出たのなら、学園は学生全員に話を聞くことになるだろう。
東の門の前にこれだけの学生がまだ動けずにいるのに、コイツはよく魔の森に戻りたいという気になれるものだ。
「事情聴取なんてそんなのこの辺にいる教師で良いじゃん。あ、そうだ、誓約魔法終了、はい」
リアムは誓約魔法の刻印をつけた革の切れ端をゾーイにぐいぐいと押しつけようとしている。
ああ、リアムもしっかりと魔法学園の学生だな。
普通のC級冒険者と思っていたが、魔法を使い熟しているようだ。
いや、普通の、というと語弊があるか。
少し前まで魔法学園の制服のマントを羽織っていたゾーイが、リアムとともに東の門に来るようになって冒険者の格好に変わった。
魔物に襲われて、リアムに助けられたらしいので当然だろう。
なぜ魔法学園の学生を助けたのかと思ったが、同じ学園の学生なら助けもする、と今日思った。。。
リアムのマント姿は今日まで見たことはなかった。
この辺に転がっている学生や学園に戻っていった学生を見ていたが、どう見たって、コイツがS級魔物を始末しただろ。この場に平然としているのが、コイツしかいない。
教師だって役に立っていない。
「俺が東の門の赤い旗を見てから誓約魔法を発動させていたから、俺の代わりの事の詳細だ」
「S級魔物と戦いながら誓約魔法を発動させ続けていたのかっ?とにかく、それはリアムが直接学園長に渡せ」
ゾーイもぐいぐいと押し戻している。
「うちはー、お前のところと違って貧乏なのー。稼がないと砦の外壁の修繕費さえないのー。休暇中すべて潰れるのなら、今、稼いでおく」
リアムは家のお金のために冒険者をやっているのか。苦労しているんだな。
冒険者になる事情は人それぞれだ。
「リアム、そう言ってもな」
「ゾーイも魔の森に一緒に行こうよー。今ならS級魔物は出ないよー。血のニオイにつられて寄ってきたA級魔物がこの辺うじゃうじゃいるから稼ぎどきだよー」
門、閉めておくか?
そんな中に入っていこうとするC級冒険者がどこにいる。
A級冒険者ですらA級魔物の群れには突っ込みたくないだろう。
「リアムっ、なかなか学園に戻って来ないからおかしいと思って来てみればっ」
リアムとパーティを組んでいるもう一人のF級冒険者がやって来た。
「えー、もう冒険者ギルドも学園も回ってきたの?」
「お前が鍛えた体力を舐めるなっ。というか、走ればどっちも近いだろっ。学園に戻るぞっ、リアム」
こちらは有無を言わせない感じがあるなあ。
「バージ、見逃してくれ」
「無理」
「そもそも、魔法学園として入るんじゃなければ、E級とF級冒険者は今は赤旗だから入れないぞ」
俺はリアムに伝えておく。パーティのその三人では入れないぞ。
「じゃあ、俺一人でも」
おいおい。
リアムの両腕にゾーイとバージが重りとなっているが、ずるずると門の方へと引き摺られていく。
「あ、リアムさん方、こちらにいらっしゃったんですか?これから魔の森に行く予定だったんですかー?」
冒険者ギルドの職員さんが走ってこちらにやって来た。
まあ、魔の森に入ろうとするリアムを見れば、そう見えるよね。。。
「けれど、残念ですねー。S級魔物がこの周辺に出てしまったので、黒旗に変更です。C級以下の冒険者は魔の森に入ってはいけませんよ」
というわけで、俺たちは詰所から黒旗を持って来て、旗を交換する。
バージが冒険者ギルドに報告に行ったのだから、すぐに対処されるに決まっている。
「あのままずっと魔の森に入っていればっ」
おい、拳を握って後悔するなよ。
両脇の二人はホッとした顔になっているのに。
この周辺は騒がしくなってきた。
魔法学園に一報が届いたので、貴族の馬車が学生を迎えに来ている。一台に乗れるだけ乗せろよ、と思うが、その家の者と許可した者しか乗せていかない。動ける者は歩いて帰ればいいのに。。。
学園の馬車が来て、失神してしまった学生をようやく運び出している。
寮生の場合は家の馬車が来ることがない。先にそういう者から学園に連れて行っているようだ。
二人の教師は馬車の誘導をしている。
俺たち東の門の門番は馬車の誘導をすることはない。ここの門番は貴族の屋敷の門番ではないからな。
教師一人が遺体のそばにずっと佇んでいるが、仕事仲間とはいえ仲が良かったのだろうか。
遺体があるだけマシなものだ。
死んでもその事実がわからない冒険者なんて、この魔の森では山のようにいる。
「リアムー、もうお昼だよー」
アレ?どこから声が聞こえた。横の二人の声ではない。
「ああ、もうそんな時間かあ。じゃあ学園に戻って昼にするか」
「オッムライスー、オッムライスー」
「はいはい。お腹が空いているならあのS級魔物を齧れば良かったのに。少しは腹の足しになったんじゃないのか」
「さっきも言ったじゃーん。アレは不味くて食えたもんじゃないって。魔の大平原の魔物は美味しいんだよー」
「そりゃそうだけど。魔の森の魔物とで何でそんなに大差があるんだ?」
「この地は魔力の流れが乱れているからねえ。美味しい魔物ってそうはいないよ」
「あー、そうなんだー。その割には貴族たちは喜んでこの地の高い魔物肉を食っているよな」
「味がわからない者たちには、金の味しかしないんだろー」
あ、リアムの服のなかにちっさい獣?がいる。
それが話しているようだ。
ちっさいが真実を言い当てているなあ。
「ううっ、それを言われると辛い」
ゾーイが胸を押さえている。コイツはマックレー侯爵家、貴族だからなあ。
最初にコイツが組んでいたパーティは完全にコイツの取り巻きだった。
「いや、この地の魔物肉しか食べていなければ、それが美味しいと思っていても仕方がない。魔の大平原の魔物肉を食べたことがなければ、その味が最上だと勘違いする」
「というか、魔の大平原の魔物肉って王都ではほとんど出回っていないからねえ」
「じゃあ、バージ、王都で売ったら売れるかなあ?」
「、、、どこから持って来るの、そんな量の魔物肉」
「え?持って来なくても、俺の収納鞄にけっこう入っているぞ。俺の非常食として。あと、大量の白菜もどうにかできないかなあ」
「、、、何で、白菜?」
「今、うちの領地は白菜シーズンなんだよっ。俺が白菜もらったって、寮では食事がついているのにどうしろって言うんだよーっ」
確かに。
白菜も収納鞄に詰めて、、、詰められてこっちに来たのかなあ。
って、リアムと目が合った。
「今、お鍋が美味しい時期ですね」
何だ、この話題の振り方。
「あっ?ああ、そうだな」
そ、っと白菜を渡された。
どこから出した、って収納鞄から出したのか。
「是非これをお鍋にでもしてください」
「え?」
「これから魔法学園の者から事情を聞かれるでしょうし、ささやかながら俺からの贈り物です」
「え、ああ、ありがと」
つい受け取ってしまった、ワケがわからないので。
事情を聞かれるのも俺の仕事なのだが。
たまに親しい冒険者から大変ですねと差し入れをもらうこともあるが、白菜ははじめてだ。
立派な白菜だな。
リアムたちは歩いて去っていった。
学生が消え、教師たちも馬車に乗ると、その場は静かになった。
「なあ、せっかくだし昼は鍋にしないか?」
他の門番が詰所から声をかけてきた。
「そうだな。どうせS級魔物が東の門周辺に現れたと聞いたら、来る冒険者もいないだろう」
「冒険者は来ないが、魔法学園や冒険者ギルドからうるさい奴らが来るんじゃないか。まあ、その前にベーコンもあるから、その白菜と並べて鍋にしよう」
東の門の詰所は終日営業なので、受付だけがあるような建物ではない。住み込みではないのだが数人が寝泊まりもできる寝所もあれば、台所もあれば、かけ湯場などもあり生活できるようになっている。
ここの門番は必ずいなければならないので、かなり厚遇されている。
「腹ごしらえはしないとな」
白菜鍋は超美味かった。この白菜が美味いのだと気づいたのは、かなり食べ進めた後だった。
白菜ってこんなにも違いがあるんだな。リアムってどこの領地なんだろう。
はっ、思考が白菜鍋に支配されている。
S級魔物が近くに出た後なのにっ。
もう少し門の開きを狭くしておこう。せいぜい一人がやっと通れるくらいの門の開き方にした。
この扉は相当に重い。横に通用口なんて存在しない。魔物に突破されないための門だからだ。
後ろに人の気配がしたので、振り返ると。
「おい、リアム、どこに行こうとしている?」
E級冒険者ゾーイ・マックレーがリアムの肩に触れた。
「え?魔の森に決まっているじゃないか。今を逃したら、しばらく魔物を討伐できなくなる」
「、、、リアム、これから学園長のところに行って詳細を話す必要がある」
S級魔物が現れた上に教師とはいえ死者が出たのなら、学園は学生全員に話を聞くことになるだろう。
東の門の前にこれだけの学生がまだ動けずにいるのに、コイツはよく魔の森に戻りたいという気になれるものだ。
「事情聴取なんてそんなのこの辺にいる教師で良いじゃん。あ、そうだ、誓約魔法終了、はい」
リアムは誓約魔法の刻印をつけた革の切れ端をゾーイにぐいぐいと押しつけようとしている。
ああ、リアムもしっかりと魔法学園の学生だな。
普通のC級冒険者と思っていたが、魔法を使い熟しているようだ。
いや、普通の、というと語弊があるか。
少し前まで魔法学園の制服のマントを羽織っていたゾーイが、リアムとともに東の門に来るようになって冒険者の格好に変わった。
魔物に襲われて、リアムに助けられたらしいので当然だろう。
なぜ魔法学園の学生を助けたのかと思ったが、同じ学園の学生なら助けもする、と今日思った。。。
リアムのマント姿は今日まで見たことはなかった。
この辺に転がっている学生や学園に戻っていった学生を見ていたが、どう見たって、コイツがS級魔物を始末しただろ。この場に平然としているのが、コイツしかいない。
教師だって役に立っていない。
「俺が東の門の赤い旗を見てから誓約魔法を発動させていたから、俺の代わりの事の詳細だ」
「S級魔物と戦いながら誓約魔法を発動させ続けていたのかっ?とにかく、それはリアムが直接学園長に渡せ」
ゾーイもぐいぐいと押し戻している。
「うちはー、お前のところと違って貧乏なのー。稼がないと砦の外壁の修繕費さえないのー。休暇中すべて潰れるのなら、今、稼いでおく」
リアムは家のお金のために冒険者をやっているのか。苦労しているんだな。
冒険者になる事情は人それぞれだ。
「リアム、そう言ってもな」
「ゾーイも魔の森に一緒に行こうよー。今ならS級魔物は出ないよー。血のニオイにつられて寄ってきたA級魔物がこの辺うじゃうじゃいるから稼ぎどきだよー」
門、閉めておくか?
そんな中に入っていこうとするC級冒険者がどこにいる。
A級冒険者ですらA級魔物の群れには突っ込みたくないだろう。
「リアムっ、なかなか学園に戻って来ないからおかしいと思って来てみればっ」
リアムとパーティを組んでいるもう一人のF級冒険者がやって来た。
「えー、もう冒険者ギルドも学園も回ってきたの?」
「お前が鍛えた体力を舐めるなっ。というか、走ればどっちも近いだろっ。学園に戻るぞっ、リアム」
こちらは有無を言わせない感じがあるなあ。
「バージ、見逃してくれ」
「無理」
「そもそも、魔法学園として入るんじゃなければ、E級とF級冒険者は今は赤旗だから入れないぞ」
俺はリアムに伝えておく。パーティのその三人では入れないぞ。
「じゃあ、俺一人でも」
おいおい。
リアムの両腕にゾーイとバージが重りとなっているが、ずるずると門の方へと引き摺られていく。
「あ、リアムさん方、こちらにいらっしゃったんですか?これから魔の森に行く予定だったんですかー?」
冒険者ギルドの職員さんが走ってこちらにやって来た。
まあ、魔の森に入ろうとするリアムを見れば、そう見えるよね。。。
「けれど、残念ですねー。S級魔物がこの周辺に出てしまったので、黒旗に変更です。C級以下の冒険者は魔の森に入ってはいけませんよ」
というわけで、俺たちは詰所から黒旗を持って来て、旗を交換する。
バージが冒険者ギルドに報告に行ったのだから、すぐに対処されるに決まっている。
「あのままずっと魔の森に入っていればっ」
おい、拳を握って後悔するなよ。
両脇の二人はホッとした顔になっているのに。
この周辺は騒がしくなってきた。
魔法学園に一報が届いたので、貴族の馬車が学生を迎えに来ている。一台に乗れるだけ乗せろよ、と思うが、その家の者と許可した者しか乗せていかない。動ける者は歩いて帰ればいいのに。。。
学園の馬車が来て、失神してしまった学生をようやく運び出している。
寮生の場合は家の馬車が来ることがない。先にそういう者から学園に連れて行っているようだ。
二人の教師は馬車の誘導をしている。
俺たち東の門の門番は馬車の誘導をすることはない。ここの門番は貴族の屋敷の門番ではないからな。
教師一人が遺体のそばにずっと佇んでいるが、仕事仲間とはいえ仲が良かったのだろうか。
遺体があるだけマシなものだ。
死んでもその事実がわからない冒険者なんて、この魔の森では山のようにいる。
「リアムー、もうお昼だよー」
アレ?どこから声が聞こえた。横の二人の声ではない。
「ああ、もうそんな時間かあ。じゃあ学園に戻って昼にするか」
「オッムライスー、オッムライスー」
「はいはい。お腹が空いているならあのS級魔物を齧れば良かったのに。少しは腹の足しになったんじゃないのか」
「さっきも言ったじゃーん。アレは不味くて食えたもんじゃないって。魔の大平原の魔物は美味しいんだよー」
「そりゃそうだけど。魔の森の魔物とで何でそんなに大差があるんだ?」
「この地は魔力の流れが乱れているからねえ。美味しい魔物ってそうはいないよ」
「あー、そうなんだー。その割には貴族たちは喜んでこの地の高い魔物肉を食っているよな」
「味がわからない者たちには、金の味しかしないんだろー」
あ、リアムの服のなかにちっさい獣?がいる。
それが話しているようだ。
ちっさいが真実を言い当てているなあ。
「ううっ、それを言われると辛い」
ゾーイが胸を押さえている。コイツはマックレー侯爵家、貴族だからなあ。
最初にコイツが組んでいたパーティは完全にコイツの取り巻きだった。
「いや、この地の魔物肉しか食べていなければ、それが美味しいと思っていても仕方がない。魔の大平原の魔物肉を食べたことがなければ、その味が最上だと勘違いする」
「というか、魔の大平原の魔物肉って王都ではほとんど出回っていないからねえ」
「じゃあ、バージ、王都で売ったら売れるかなあ?」
「、、、どこから持って来るの、そんな量の魔物肉」
「え?持って来なくても、俺の収納鞄にけっこう入っているぞ。俺の非常食として。あと、大量の白菜もどうにかできないかなあ」
「、、、何で、白菜?」
「今、うちの領地は白菜シーズンなんだよっ。俺が白菜もらったって、寮では食事がついているのにどうしろって言うんだよーっ」
確かに。
白菜も収納鞄に詰めて、、、詰められてこっちに来たのかなあ。
って、リアムと目が合った。
「今、お鍋が美味しい時期ですね」
何だ、この話題の振り方。
「あっ?ああ、そうだな」
そ、っと白菜を渡された。
どこから出した、って収納鞄から出したのか。
「是非これをお鍋にでもしてください」
「え?」
「これから魔法学園の者から事情を聞かれるでしょうし、ささやかながら俺からの贈り物です」
「え、ああ、ありがと」
つい受け取ってしまった、ワケがわからないので。
事情を聞かれるのも俺の仕事なのだが。
たまに親しい冒険者から大変ですねと差し入れをもらうこともあるが、白菜ははじめてだ。
立派な白菜だな。
リアムたちは歩いて去っていった。
学生が消え、教師たちも馬車に乗ると、その場は静かになった。
「なあ、せっかくだし昼は鍋にしないか?」
他の門番が詰所から声をかけてきた。
「そうだな。どうせS級魔物が東の門周辺に現れたと聞いたら、来る冒険者もいないだろう」
「冒険者は来ないが、魔法学園や冒険者ギルドからうるさい奴らが来るんじゃないか。まあ、その前にベーコンもあるから、その白菜と並べて鍋にしよう」
東の門の詰所は終日営業なので、受付だけがあるような建物ではない。住み込みではないのだが数人が寝泊まりもできる寝所もあれば、台所もあれば、かけ湯場などもあり生活できるようになっている。
ここの門番は必ずいなければならないので、かなり厚遇されている。
「腹ごしらえはしないとな」
白菜鍋は超美味かった。この白菜が美味いのだと気づいたのは、かなり食べ進めた後だった。
白菜ってこんなにも違いがあるんだな。リアムってどこの領地なんだろう。
はっ、思考が白菜鍋に支配されている。
S級魔物が近くに出た後なのにっ。
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