167 / 291
7章 愚者は踊る
7-29 特別許可証 ◆バージ視点◆
しおりを挟む
◆バージ視点◆
初めて魔の森に入ってから、数日後。
昼の休憩時間、俺は机に突っ伏している。。。
「あら、バージさん、どうなさったの?」
顔を上げるとそこには。
「ラーラ様っ?呼んでいただければ、二組に参りましたのに」
「大丈夫よ、たいしたことではないわ。担任が職員に頼みそうだったので奪い取って、プリントを渡しに来ただけよ」
奪い取って?
プリントを見ると。
「コレって明日のことじゃないですか?」
「明日の午前中は校外学習になるそうよ。私たち二組、三組は、魔の森で魔法を使う一組の見学というところかしらね」
プリントは明日の服装の注意である。
動きやすいことを求めるものだが、特に貴族の令嬢にはそれが難しい。今も裾の長いドレスをマントの下に着ているのだから。
「一組はすでに魔法実技があるとは聞いてますが、今年中に魔の森に行くんですか?通常なら来年でしょうに。明後日は終業式ですよ」
私の言葉に、ラーラ様が声を落とす。
「いきなりですわよね。今年は国王の元に重要な国外の客が新年早々から来るので、S級冒険者をしばらく王城に置いておきたい意向があるようです。つまり、魔の森が荒れ果てた状態だといつ学生が行けるかわからなくなるから早めに、ということらしいですわ」
「そういうことですか」
「けれど、バージさんはお疲れのようですわね?」
「ははは、実はリアムとゾーイとともに冒険者として魔の森に行っているのですが」
「それはそれは、、、羨ましいですわ」
ん?もしかして、この人もリアム信者の一人なのかな?
「リアムは元から冒険者だからともかく、ゾーイは魔法もかなり使っているのに、私は二人を追いかけるのがやっとで、今も筋肉痛がひどい有様です」
「それは仕方のないことですわ。リアムはリアムですし、ゾーイ様はマックレー侯爵家の跡継ぎではなくとも、A級魔導士として魔法学園に入学するのが決まっていた御方。マックレー侯爵家は恥をさらすのを嫌いますから、相当な鍛錬を積んでいたはずですよ」
あまり努力とは無縁そうなゾーイが。
普通に何もかもできると思っていた。
ああ、攻撃魔法はリアムに絶賛されるくらいなのだから、相当な努力をしてきたのだろう。
侯爵家だからと、一括りにしてしまったのは私か。
それに、勉学も相当励んでいたはずだ。ゾーイは次席で魔法学園に入学したのだ。規格外のリアムがいなければ首席だったはずの人間だ。
「、、、今はそのゾーイもリアム崇拝者になってますが」
「そうね。学園長から特別許可証をもぎ取ったくらいですからねえ」
「特別許可証?」
リアムは外出許可証を持っていたが、ゾーイの特別許可証とは?
「時間外にも学園に入れる許可証ですって」
「何でそんなものが必要に?」
「あら、貴方はご存じなかったの?ゾーイがリアムの寮の部屋に押し掛けているって」
「は?」
このときはラーラ様がゾーイにつける敬称の様を省略したのにも気づかなかったくらい衝撃を受けた。
「ど、どどどどういうことですか?」
「その慌てよう、ホントに知らなかったのね」
「冒険者ギルドから私は彼の馬車で先に送ってもらっていましたが、ゾーイがそんなことをしているとは」
「本当にマックレー侯爵家には油断も隙もないものですよね」
ちょっと、、、ではなくかなりラーラ様と私の認識にはズレがあるようだ。
私は友人だと思っていたのに、抜け駆けされた気分。
この表現だと、なんか恋愛ごとみたいな気がするが。
話してくれればいいのに、とも思ってしまった。
いや、リアムの場合、特に何も考えていない気がする。
部屋が狭くなったとか、そんな感じにしか考えていない。
ゾーイの方は、、、私までリアムの元へ押し掛けて来るな、というところだろうか。
、、、実際、ゾーイが学園の特別許可証をとれたのは侯爵家だからだ。子爵家の私が言ったところで学園はすんなりと出してくれないはずだ。
午後の講義のため、学生が教室にほぼ戻ってくると、私は先ほどのプリントを配り始めた。
配っていると、リアムも教室に戻ってきた。
「リアム、プリント」
「ああ、ありがとう、、、どうした?」
リアムは鋭いときと鈍いときがあるのはなぜだろう。不思議だな。
私が平静を装っていても、こういうときはすぐに気づくのに。
「ゾーイがリアムの寮の部屋まで押し掛けているって本当?」
「あー、数日前からなー。なんか学園から特別許可証までもらって押し掛けてきた。俺の部屋は男爵家用のだから、従者用の別室一部屋しか他にはついてないのにな」
リアムは特段やましいことがないので、聞かれたらすんなりと答える。
聞かれないことは、自分が話したいことしか話さない。
「まあ、寮のベッドは広いから一緒に寝ても問題はないけど、男が二人一緒のベッドに寝るのは微妙だな」
「ん?まさかゾーイと一緒のベッドで寝ているの?」
「ああ、従者用の部屋のベッドがあるとは言ったんだが。俺は朝には抱き枕になっているぞ。ゾーイはかけ水をかけ湯にしてくれたり、部屋を暖めてくれたり、他にもいろいろと世話をしてくれるのは新鮮だなあと」
「完全にほだされているじゃねえか」
「えー、うちは悲しいことに貴族でも貧乏だから使用人もいないんだ。俺が家族や砦の皆の世話をすることがあっても、俺が世話されることはほぼないに等しい。ゾーイの存在ってありがたいなあと」
「下心っていうものがあるって気づけ、リアム」
ゾーイの下心はどう考えても恋愛感情そのものな気がする。。。
友人関係という生易しいものではない気がする。
リアムが私をじっと見た。
「下心ぐらい俺にもあるぞ、バージ」
怖いほどの深い目が私をとらえた。
そこには冗談を言っているような雰囲気は毛頭ない。
「席に着け。講義を始めるぞ」
教師が教室に入ってきた。
一番前の席について、講義を受けた。
が。
講義がこんなにも身に入らなかったのははじめてだった。
「ゾーイ、お前、リアムの寮の部屋に押し掛けているんだって聞いたぞ」
「ああ、押し掛けて世話している」
、、、こちらもすんなりと答えた。
リアムは夕食を食べに寮に戻った。これからラーメン屋に行くのだが。。。
それぐらい食べないと冒険者は務まらないのだろうか。
その隙に私はゾーイをつかまえていた。
「世話なんかいらないと言われたが、意外と嬉しそうだ」
「そりゃあね」
使用人がいないとなると、自分たち家族で何もかもやらなくてはならない。貴族とは言っても。
たまに私たちを見るリアムの目がきつくなるときがあった。態度で表されているときもある。
私たちが当たり前に享受しているすべてのものに対して腹立たしいのだろう。
上には上がいる。
私には自分よりも上の者が羨ましいとずっと思っていた。
自分が長男だから爵位を継ぐのは当たり前、それが当然だと思って生きてきた。
「お前も貴族だから、家臣や領民が自分を守るのは当たり前だと思っていただろう。俺もリアムが魔物から助けてくれるまではそう思っていた」
ゾーイは真っ直ぐに私を見る。
「反対にリアムは幼い頃から自分の手段でずっと砦の冒険者や領民を守ってきた。成人していても大人になり切れていない俺たちとは根本的に違うんだ。リアムは俺たちを甘い存在としか思っていないだろう」
「それは、、、そうかもしれないが」
「今の俺はリアムのことをほとんど知らない。それでも、俺は命の値段を返すためだけでなく、ずっとアイツのそばにいたいんだ」
ゾーイの言葉には熱がある。
「なあ、ゾーイ、気づいているか?」
「何を?」
「お前はまるで恋愛感情をリアムに対して持っているかのような発言をしているぞ」
「、、、受け入れてもらえるとは思っていないが、どんな形になっても俺はリアムのそばにいて支え続ける」
私はため息を吐いた。
本人も気づいていたのか、と。
そして、すでにそこまでの意志を固めていたのか、と思ってしまった。
初めて魔の森に入ってから、数日後。
昼の休憩時間、俺は机に突っ伏している。。。
「あら、バージさん、どうなさったの?」
顔を上げるとそこには。
「ラーラ様っ?呼んでいただければ、二組に参りましたのに」
「大丈夫よ、たいしたことではないわ。担任が職員に頼みそうだったので奪い取って、プリントを渡しに来ただけよ」
奪い取って?
プリントを見ると。
「コレって明日のことじゃないですか?」
「明日の午前中は校外学習になるそうよ。私たち二組、三組は、魔の森で魔法を使う一組の見学というところかしらね」
プリントは明日の服装の注意である。
動きやすいことを求めるものだが、特に貴族の令嬢にはそれが難しい。今も裾の長いドレスをマントの下に着ているのだから。
「一組はすでに魔法実技があるとは聞いてますが、今年中に魔の森に行くんですか?通常なら来年でしょうに。明後日は終業式ですよ」
私の言葉に、ラーラ様が声を落とす。
「いきなりですわよね。今年は国王の元に重要な国外の客が新年早々から来るので、S級冒険者をしばらく王城に置いておきたい意向があるようです。つまり、魔の森が荒れ果てた状態だといつ学生が行けるかわからなくなるから早めに、ということらしいですわ」
「そういうことですか」
「けれど、バージさんはお疲れのようですわね?」
「ははは、実はリアムとゾーイとともに冒険者として魔の森に行っているのですが」
「それはそれは、、、羨ましいですわ」
ん?もしかして、この人もリアム信者の一人なのかな?
「リアムは元から冒険者だからともかく、ゾーイは魔法もかなり使っているのに、私は二人を追いかけるのがやっとで、今も筋肉痛がひどい有様です」
「それは仕方のないことですわ。リアムはリアムですし、ゾーイ様はマックレー侯爵家の跡継ぎではなくとも、A級魔導士として魔法学園に入学するのが決まっていた御方。マックレー侯爵家は恥をさらすのを嫌いますから、相当な鍛錬を積んでいたはずですよ」
あまり努力とは無縁そうなゾーイが。
普通に何もかもできると思っていた。
ああ、攻撃魔法はリアムに絶賛されるくらいなのだから、相当な努力をしてきたのだろう。
侯爵家だからと、一括りにしてしまったのは私か。
それに、勉学も相当励んでいたはずだ。ゾーイは次席で魔法学園に入学したのだ。規格外のリアムがいなければ首席だったはずの人間だ。
「、、、今はそのゾーイもリアム崇拝者になってますが」
「そうね。学園長から特別許可証をもぎ取ったくらいですからねえ」
「特別許可証?」
リアムは外出許可証を持っていたが、ゾーイの特別許可証とは?
「時間外にも学園に入れる許可証ですって」
「何でそんなものが必要に?」
「あら、貴方はご存じなかったの?ゾーイがリアムの寮の部屋に押し掛けているって」
「は?」
このときはラーラ様がゾーイにつける敬称の様を省略したのにも気づかなかったくらい衝撃を受けた。
「ど、どどどどういうことですか?」
「その慌てよう、ホントに知らなかったのね」
「冒険者ギルドから私は彼の馬車で先に送ってもらっていましたが、ゾーイがそんなことをしているとは」
「本当にマックレー侯爵家には油断も隙もないものですよね」
ちょっと、、、ではなくかなりラーラ様と私の認識にはズレがあるようだ。
私は友人だと思っていたのに、抜け駆けされた気分。
この表現だと、なんか恋愛ごとみたいな気がするが。
話してくれればいいのに、とも思ってしまった。
いや、リアムの場合、特に何も考えていない気がする。
部屋が狭くなったとか、そんな感じにしか考えていない。
ゾーイの方は、、、私までリアムの元へ押し掛けて来るな、というところだろうか。
、、、実際、ゾーイが学園の特別許可証をとれたのは侯爵家だからだ。子爵家の私が言ったところで学園はすんなりと出してくれないはずだ。
午後の講義のため、学生が教室にほぼ戻ってくると、私は先ほどのプリントを配り始めた。
配っていると、リアムも教室に戻ってきた。
「リアム、プリント」
「ああ、ありがとう、、、どうした?」
リアムは鋭いときと鈍いときがあるのはなぜだろう。不思議だな。
私が平静を装っていても、こういうときはすぐに気づくのに。
「ゾーイがリアムの寮の部屋まで押し掛けているって本当?」
「あー、数日前からなー。なんか学園から特別許可証までもらって押し掛けてきた。俺の部屋は男爵家用のだから、従者用の別室一部屋しか他にはついてないのにな」
リアムは特段やましいことがないので、聞かれたらすんなりと答える。
聞かれないことは、自分が話したいことしか話さない。
「まあ、寮のベッドは広いから一緒に寝ても問題はないけど、男が二人一緒のベッドに寝るのは微妙だな」
「ん?まさかゾーイと一緒のベッドで寝ているの?」
「ああ、従者用の部屋のベッドがあるとは言ったんだが。俺は朝には抱き枕になっているぞ。ゾーイはかけ水をかけ湯にしてくれたり、部屋を暖めてくれたり、他にもいろいろと世話をしてくれるのは新鮮だなあと」
「完全にほだされているじゃねえか」
「えー、うちは悲しいことに貴族でも貧乏だから使用人もいないんだ。俺が家族や砦の皆の世話をすることがあっても、俺が世話されることはほぼないに等しい。ゾーイの存在ってありがたいなあと」
「下心っていうものがあるって気づけ、リアム」
ゾーイの下心はどう考えても恋愛感情そのものな気がする。。。
友人関係という生易しいものではない気がする。
リアムが私をじっと見た。
「下心ぐらい俺にもあるぞ、バージ」
怖いほどの深い目が私をとらえた。
そこには冗談を言っているような雰囲気は毛頭ない。
「席に着け。講義を始めるぞ」
教師が教室に入ってきた。
一番前の席について、講義を受けた。
が。
講義がこんなにも身に入らなかったのははじめてだった。
「ゾーイ、お前、リアムの寮の部屋に押し掛けているんだって聞いたぞ」
「ああ、押し掛けて世話している」
、、、こちらもすんなりと答えた。
リアムは夕食を食べに寮に戻った。これからラーメン屋に行くのだが。。。
それぐらい食べないと冒険者は務まらないのだろうか。
その隙に私はゾーイをつかまえていた。
「世話なんかいらないと言われたが、意外と嬉しそうだ」
「そりゃあね」
使用人がいないとなると、自分たち家族で何もかもやらなくてはならない。貴族とは言っても。
たまに私たちを見るリアムの目がきつくなるときがあった。態度で表されているときもある。
私たちが当たり前に享受しているすべてのものに対して腹立たしいのだろう。
上には上がいる。
私には自分よりも上の者が羨ましいとずっと思っていた。
自分が長男だから爵位を継ぐのは当たり前、それが当然だと思って生きてきた。
「お前も貴族だから、家臣や領民が自分を守るのは当たり前だと思っていただろう。俺もリアムが魔物から助けてくれるまではそう思っていた」
ゾーイは真っ直ぐに私を見る。
「反対にリアムは幼い頃から自分の手段でずっと砦の冒険者や領民を守ってきた。成人していても大人になり切れていない俺たちとは根本的に違うんだ。リアムは俺たちを甘い存在としか思っていないだろう」
「それは、、、そうかもしれないが」
「今の俺はリアムのことをほとんど知らない。それでも、俺は命の値段を返すためだけでなく、ずっとアイツのそばにいたいんだ」
ゾーイの言葉には熱がある。
「なあ、ゾーイ、気づいているか?」
「何を?」
「お前はまるで恋愛感情をリアムに対して持っているかのような発言をしているぞ」
「、、、受け入れてもらえるとは思っていないが、どんな形になっても俺はリアムのそばにいて支え続ける」
私はため息を吐いた。
本人も気づいていたのか、と。
そして、すでにそこまでの意志を固めていたのか、と思ってしまった。
2
お気に入りに追加
135
あなたにおすすめの小説
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
異世界転生~チート魔法でスローライフ
リョンコ
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?
狼の子 ~教えてもらった常識はかなり古い!?~
一片
ファンタジー
バイト帰りに何かに引っ張られた俺は、次の瞬間突然山の中に放り出された。
しかも体をピクリとも動かせない様な瀕死の状態でだ。
流石に諦めかけていたのだけど、そんな俺を白い狼が救ってくれた。
その狼は天狼という神獣で、今俺がいるのは今までいた世界とは異なる世界だという。
右も左も分からないどころか、右も左も向けなかった俺は天狼さんに魔法で癒され、ついでに色々な知識を教えてもらう。
この世界の事、生き延び方、戦う術、そして魔法。
数年後、俺は天狼さんの庇護下から離れ新しい世界へと飛び出した。
元の世界に戻ることは無理かもしれない……でも両親に連絡くらいはしておきたい。
根拠は特にないけど、魔法がある世界なんだし……連絡くらいは出来るよね?
そんな些細な目標と、天狼さん以外の神獣様へとお使いを頼まれた俺はこの世界を東奔西走することになる。
色々な仲間に出会い、ダンジョンや遺跡を探索したり、何故か謎の組織の陰謀を防いだり……。
……これは、現代では失われた強大な魔法を使い、小さな目標とお使いの為に大陸をまたにかける小市民の冒険譚!
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
異世界着ぐるみ転生
こまちゃも
ファンタジー
旧題:着ぐるみ転生
どこにでもいる、普通のOLだった。
会社と部屋を往復する毎日。趣味と言えば、十年以上続けているRPGオンラインゲーム。
ある日気が付くと、森の中だった。
誘拐?ちょっと待て、何この全身モフモフ!
自分の姿が、ゲームで使っていたアバター・・・二足歩行の巨大猫になっていた。
幸い、ゲームで培ったスキルや能力はそのまま。使っていたアイテムバッグも中身入り!
冒険者?そんな怖い事はしません!
目指せ、自給自足!
*小説家になろう様でも掲載中です
暇つぶし転生~お使いしながらぶらり旅~
暇人太一
ファンタジー
仲良し3人組の高校生とともに勇者召喚に巻き込まれた、30歳の病人。
ラノベの召喚もののテンプレのごとく、おっさんで病人はお呼びでない。
結局雑魚スキルを渡され、3人組のパシリとして扱われ、最後は儀式の生贄として3人組に殺されることに……。
そんなおっさんの前に厳ついおっさんが登場。果たして病人のおっさんはどうなる!?
この作品は「小説家になろう」にも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる