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5章 必要とされない者
5-31 出発前
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明日はもう砦に来ない。
クロは明朝に俺の家に来る予定だ。
それで王都に出発する。
夕食後、俺はシロ様のお供え棚にお酒を供える。
今後の週一回のお供えはクトフに頼んでおいた。
砦長室の者たちでも良いんだが、、、クトフなら忘れずにお酒の発注もしてくれるだろう。
「リアム、」
「シロ様」
振り返ると人化バージョンのシロ様が立っていた。
部屋の微かな光の照明でも、シロ様の光輝くイケメンは隠せない。
うん、眩しい。シロ様が照明になれそうだ。
「明日、出発だな」
「はい、シロ様もお元気で」
「うん、、、すでにクロと誓約をしていれば、今日、お前が傷つけられることもなかったのに」
シロ様は俺の左手を取る。そこにはクロとの誓約の印である黒い指輪はまだない。
「クロと誓約を交わすのは、出発前と決めていましたから」
最後の最後での足掻きってヤツです。
もしかしたら、俺にユニークスキルなんてありませんでしたー、手違いでしたー、という連絡が来るかもしれないという。
「私がそばにいたいが、、、」
「数か月先までは難しいんでしょう」
「ああ、そうだ」
おそらく、というより確実にコレがシロ様に課せられたペナルティだ。
本当なら俺がこの砦周辺から動かなければ、何ら俺には気づかれることがなかった事実だ。
十年間、シロ様はこの地から動けない。
それは俺と誓約する前に、人化した姿を俺に見せてしまったからだ。
シロ様が俺に言わないことを問い質すことはしない。
いつか遠い将来、シロ様が笑って言える過去になっていることを望むが。
「もしかして今の仮誓約の時点でも、俺はシロ様を召喚できたんですか?」
母が亡くなったとき、あんなに捜しまわらなくても良かったのではないだろうか。
「本誓約した後ならクロの召喚はほとんど魔力を使わないが、仮誓約の場合、私の召喚はリアムの魔力をかなり削る。今の成長したリアムでも体内の半分以上の魔力量を持っていかれる。八歳のときだと気絶で済めば良い方だ」
俺の考えが読めてしまったようだ。
「シロ様、俺に会いに来れるようになったら、会いに来てくださいね」
数か月後に。
俺にはその日時が正確にはわからない。
だいたいは見当はつくが。
シロ様はふんわりとした笑みを浮かべる。
あまりに来なかったら召喚しよう。
「仮誓約ではあまりリアムに会いに行くことはできないし、会ってしまったらリアムと離れがたく思ってしまう。だから、私は砦で待っているよ。その方がリアムも砦に戻ってきやすいだろう」
シロ様のために。
他の誰からも必要とされなくなっていたとしても。
「シロ様、戻ってきたら、存分に甘やかしてくださいね」
「二度と私から離れられないように甘やかしてやるから覚悟しておけ」
銀色の目が俺をずっと見ていた。
シロ様が待っていてくれるなんて嬉しい。
甘々な人化シロ様と離れがたく思うのは、俺も同じだ。
いつものツンツンシロ様も可愛いが、人の温かさがほしいのだ。
「とりあえず明日は忘れずに、出発前に冒険者ギルドに寄って行け」
シロ様がピラリと紙を俺に見せた。
俺が書いていたチェックリストだ。
どうにもならない欄以外はすべて埋まっている。
と思ったら、埋まって、、、なかった。
「冒険者ギルド、行き忘れてた」
本拠地移転の届け出をまだ出していなかった。
移転前と移転後の土地で届け出する必要がある書類だ。
一時的なものは必要ないが、さすがに二年間だと必要だ。
失念して移転前の届け出を出し忘れても問題ないが、多少の心配はされるだろう。一応、極西支部の職員二人とは長い付き合いだったのだし。
「クロを冒険者ギルドで従魔登録しておけ。アイツは呼んでもいないのに度々現れる可能性があるから、その方が王都でも活動しやすいだろう」
俺はじっとシロ様を見る。
シロ様を見る。
シロ様を見ているよー。
「わかった。明日、私も冒険者ギルドには付き合う。クロと私の従魔登録をしていけばいい」
シロ様が承諾してくれたので、俺は笑顔になった。
何も言わなくとも通じてくれるとは、さすがシロ様。
シロ様が俺の頭を撫でてくれた。
翌朝。
冒険者ギルドが開いてからの出発なので、それほど忙しい朝ではない。
早起きした弟アミールとともに朝食を取り、他のヤツらの食事を準備して、掃除、洗濯をこなす。
俺が出発した後、どうするんだろうな。
アミール一人に家事を負担させないよな。
クズ親父とバカ兄貴クソ兄貴が食べ終わった頃を見計らって食堂に入った。
「今日、王都に出発します」
「そうか」
「少々聞きたいのですが、俺がこの家を出た後、家事はどうされるつもりですか」
本当なら聞く気もなかった。
けれど、聞いておかなければならなかった。
「お前ができていたことだ。私たち三人が分担してやれば、さほどの労力でもないだろう」
クズ親父が言った。
それは家電が発達している前世ならまだ言ってもいい発言だったが。
この世界では魔法が発達しているが、使えない者も多い。そして、多少の才能があっても使う努力をしなかった者には使えるはずもない。
だが、俺は承諾さえ得れば良い。
「そうですか。では、この家の家事はこの三人で分担してやっていただけるのですね」
「ああ」
と、父。
「お前にできていたことに私ができないわけがないだろう。時間さえあれば、私一人でも完璧にやってのける」
と、クソ兄貴こと次兄のルアンである。
一瞬、バカ兄貴こと長兄のジャイールが返答するのに躊躇した。
少しは賢くなったな。
五千万の勉強代はものすごく高いものだが。
「善処する。私には不慣れなことが多いだろうが、もし私にはどうにもならない場合、ルンル婆さんや他の人の手助けを借りる」
バカ兄貴にしては完璧な答えだ。
俺はテーブルの自分の位置に誓約魔法の刻印を刻む。
バカ兄貴の目にはやっぱりと書かれている。
「ではこれで、俺は心置きなく王都に出発できます。くれぐれもこの誓約魔法で誓った通りに実行していただき、幼い弟アミールに家事を頼らないようお願い致します」
「当たり前だろう、幼いアミールにそんなことをさせるわけがない」
クズ親父が言った。
母が亡くなったとき、俺は八歳だった。
今のアミールは九歳だ。
アミールは間違いなくこの四人の中で一番家事ができる。
俺を今まで自分のできる範囲内で多少なりとも手伝って来たのだから。
「では、いってきます」
俺はほんの少しだけ重荷が軽くなって出発できる。
部屋に戻って、自分のものが何もないことを確認する。
この家にはもう戻ることはないのだから。
玄関先でアミールが待っていた。見送りはアミールだけだ。
「兄上、」
「アミール、行ってくる」
「、、、はい。いってらっしゃい」
泣きそうな顔をして、必死に耐えていた。
俺の出で立ちは砦に行くのと変わらない。
本当にいつもの朝と変わらない。
「リアムー、おはよーっ」
家の前の通りに駆けてきたのはクロだった。俺の顔に飛び込んでくる。
後ろから来たのはシロ様だった。さすがにこのツンツンシロ様は俺の胸にも飛び込んできてはくれない。残念。
まだまだサイズはちっこい。
「リアムー、誓約ー」
「はいはい」
クロが俺の左手にのり、中指に触れた。
そこに黒い指輪が現れる。
「誓約自体、簡単なんだな」
あっさりと終わった感がある。
冒険者ギルドに歩いている最中に終わってしまった。
「この本誓約は決まったものだからな。私たちが誓約を結びたい相手で、相手が承諾してくれれば、それだけだ」
「人の誓約魔法とあまり変わらないんですね」
俺たちは冒険者ギルドに入る。
今日は女性職員が受付に立っている。
「おはようございます。リアムさん、珍しいですね」
「今日、王都に出発するので本拠地移転の届け出をしに来ました」
「え?」
女性職員が俺を見る。
もしかしたら肩にのっているクロとシロ様を見ているのかもしれない。
いや、ないか。俺を完全に見ている。
「ええーーーーーーっ」
女性職員が大声を発してしまった。
クロは明朝に俺の家に来る予定だ。
それで王都に出発する。
夕食後、俺はシロ様のお供え棚にお酒を供える。
今後の週一回のお供えはクトフに頼んでおいた。
砦長室の者たちでも良いんだが、、、クトフなら忘れずにお酒の発注もしてくれるだろう。
「リアム、」
「シロ様」
振り返ると人化バージョンのシロ様が立っていた。
部屋の微かな光の照明でも、シロ様の光輝くイケメンは隠せない。
うん、眩しい。シロ様が照明になれそうだ。
「明日、出発だな」
「はい、シロ様もお元気で」
「うん、、、すでにクロと誓約をしていれば、今日、お前が傷つけられることもなかったのに」
シロ様は俺の左手を取る。そこにはクロとの誓約の印である黒い指輪はまだない。
「クロと誓約を交わすのは、出発前と決めていましたから」
最後の最後での足掻きってヤツです。
もしかしたら、俺にユニークスキルなんてありませんでしたー、手違いでしたー、という連絡が来るかもしれないという。
「私がそばにいたいが、、、」
「数か月先までは難しいんでしょう」
「ああ、そうだ」
おそらく、というより確実にコレがシロ様に課せられたペナルティだ。
本当なら俺がこの砦周辺から動かなければ、何ら俺には気づかれることがなかった事実だ。
十年間、シロ様はこの地から動けない。
それは俺と誓約する前に、人化した姿を俺に見せてしまったからだ。
シロ様が俺に言わないことを問い質すことはしない。
いつか遠い将来、シロ様が笑って言える過去になっていることを望むが。
「もしかして今の仮誓約の時点でも、俺はシロ様を召喚できたんですか?」
母が亡くなったとき、あんなに捜しまわらなくても良かったのではないだろうか。
「本誓約した後ならクロの召喚はほとんど魔力を使わないが、仮誓約の場合、私の召喚はリアムの魔力をかなり削る。今の成長したリアムでも体内の半分以上の魔力量を持っていかれる。八歳のときだと気絶で済めば良い方だ」
俺の考えが読めてしまったようだ。
「シロ様、俺に会いに来れるようになったら、会いに来てくださいね」
数か月後に。
俺にはその日時が正確にはわからない。
だいたいは見当はつくが。
シロ様はふんわりとした笑みを浮かべる。
あまりに来なかったら召喚しよう。
「仮誓約ではあまりリアムに会いに行くことはできないし、会ってしまったらリアムと離れがたく思ってしまう。だから、私は砦で待っているよ。その方がリアムも砦に戻ってきやすいだろう」
シロ様のために。
他の誰からも必要とされなくなっていたとしても。
「シロ様、戻ってきたら、存分に甘やかしてくださいね」
「二度と私から離れられないように甘やかしてやるから覚悟しておけ」
銀色の目が俺をずっと見ていた。
シロ様が待っていてくれるなんて嬉しい。
甘々な人化シロ様と離れがたく思うのは、俺も同じだ。
いつものツンツンシロ様も可愛いが、人の温かさがほしいのだ。
「とりあえず明日は忘れずに、出発前に冒険者ギルドに寄って行け」
シロ様がピラリと紙を俺に見せた。
俺が書いていたチェックリストだ。
どうにもならない欄以外はすべて埋まっている。
と思ったら、埋まって、、、なかった。
「冒険者ギルド、行き忘れてた」
本拠地移転の届け出をまだ出していなかった。
移転前と移転後の土地で届け出する必要がある書類だ。
一時的なものは必要ないが、さすがに二年間だと必要だ。
失念して移転前の届け出を出し忘れても問題ないが、多少の心配はされるだろう。一応、極西支部の職員二人とは長い付き合いだったのだし。
「クロを冒険者ギルドで従魔登録しておけ。アイツは呼んでもいないのに度々現れる可能性があるから、その方が王都でも活動しやすいだろう」
俺はじっとシロ様を見る。
シロ様を見る。
シロ様を見ているよー。
「わかった。明日、私も冒険者ギルドには付き合う。クロと私の従魔登録をしていけばいい」
シロ様が承諾してくれたので、俺は笑顔になった。
何も言わなくとも通じてくれるとは、さすがシロ様。
シロ様が俺の頭を撫でてくれた。
翌朝。
冒険者ギルドが開いてからの出発なので、それほど忙しい朝ではない。
早起きした弟アミールとともに朝食を取り、他のヤツらの食事を準備して、掃除、洗濯をこなす。
俺が出発した後、どうするんだろうな。
アミール一人に家事を負担させないよな。
クズ親父とバカ兄貴クソ兄貴が食べ終わった頃を見計らって食堂に入った。
「今日、王都に出発します」
「そうか」
「少々聞きたいのですが、俺がこの家を出た後、家事はどうされるつもりですか」
本当なら聞く気もなかった。
けれど、聞いておかなければならなかった。
「お前ができていたことだ。私たち三人が分担してやれば、さほどの労力でもないだろう」
クズ親父が言った。
それは家電が発達している前世ならまだ言ってもいい発言だったが。
この世界では魔法が発達しているが、使えない者も多い。そして、多少の才能があっても使う努力をしなかった者には使えるはずもない。
だが、俺は承諾さえ得れば良い。
「そうですか。では、この家の家事はこの三人で分担してやっていただけるのですね」
「ああ」
と、父。
「お前にできていたことに私ができないわけがないだろう。時間さえあれば、私一人でも完璧にやってのける」
と、クソ兄貴こと次兄のルアンである。
一瞬、バカ兄貴こと長兄のジャイールが返答するのに躊躇した。
少しは賢くなったな。
五千万の勉強代はものすごく高いものだが。
「善処する。私には不慣れなことが多いだろうが、もし私にはどうにもならない場合、ルンル婆さんや他の人の手助けを借りる」
バカ兄貴にしては完璧な答えだ。
俺はテーブルの自分の位置に誓約魔法の刻印を刻む。
バカ兄貴の目にはやっぱりと書かれている。
「ではこれで、俺は心置きなく王都に出発できます。くれぐれもこの誓約魔法で誓った通りに実行していただき、幼い弟アミールに家事を頼らないようお願い致します」
「当たり前だろう、幼いアミールにそんなことをさせるわけがない」
クズ親父が言った。
母が亡くなったとき、俺は八歳だった。
今のアミールは九歳だ。
アミールは間違いなくこの四人の中で一番家事ができる。
俺を今まで自分のできる範囲内で多少なりとも手伝って来たのだから。
「では、いってきます」
俺はほんの少しだけ重荷が軽くなって出発できる。
部屋に戻って、自分のものが何もないことを確認する。
この家にはもう戻ることはないのだから。
玄関先でアミールが待っていた。見送りはアミールだけだ。
「兄上、」
「アミール、行ってくる」
「、、、はい。いってらっしゃい」
泣きそうな顔をして、必死に耐えていた。
俺の出で立ちは砦に行くのと変わらない。
本当にいつもの朝と変わらない。
「リアムー、おはよーっ」
家の前の通りに駆けてきたのはクロだった。俺の顔に飛び込んでくる。
後ろから来たのはシロ様だった。さすがにこのツンツンシロ様は俺の胸にも飛び込んできてはくれない。残念。
まだまだサイズはちっこい。
「リアムー、誓約ー」
「はいはい」
クロが俺の左手にのり、中指に触れた。
そこに黒い指輪が現れる。
「誓約自体、簡単なんだな」
あっさりと終わった感がある。
冒険者ギルドに歩いている最中に終わってしまった。
「この本誓約は決まったものだからな。私たちが誓約を結びたい相手で、相手が承諾してくれれば、それだけだ」
「人の誓約魔法とあまり変わらないんですね」
俺たちは冒険者ギルドに入る。
今日は女性職員が受付に立っている。
「おはようございます。リアムさん、珍しいですね」
「今日、王都に出発するので本拠地移転の届け出をしに来ました」
「え?」
女性職員が俺を見る。
もしかしたら肩にのっているクロとシロ様を見ているのかもしれない。
いや、ないか。俺を完全に見ている。
「ええーーーーーーっ」
女性職員が大声を発してしまった。
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