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21章 幸福の時間
21-7 決意の時間
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「神の代理人候補?」
王子は首を傾げる。
「聖教国エルバノーンの国王は神の代理人だ。その長子は本来、譲位されたときに神の代理人となる。実際には王子は長子だが、現在、三男のアルス王子が跡継ぎとして育てられている」
俺の説明に王子はより首を傾げた。
「神の代理人候補は跡継ぎのアルスじゃないの?」
「うーん、そう言いたいところだが、アルスは寿命が短い。神が認めないだろう」
「え?アルスも僕と同じ病気なの?僕は治ったのに、アルスのは治せないの?」
王子が心配そうな顔で俺に問う。
「アルスは病気ではない。アルスが昔、大怪我をした記憶が王子にもあるだろう」
「あ、そういえば。けれど、魔術でぱあーっと治してくれたよ」
ぱあーっとの表現は、王子が両手を空に掲げている。
可愛い。
俺は王子の頭を撫でる。
「けれど、そのぱあーっと治してくれたのが原因だ。どうして、そんなに簡単に治ったと思う?」
「魔術師が有能だから?」
「確かに治療魔術を使えるのだから有能だろう。だが、そこには代償が必要だ。彼は魔石や魔道具を持っていたか?」
「うーん、覚えてない」
王子は正直に答えてくれた。
「では、魔石や魔道具がないとしたら、何を代償にアルスの怪我が治ったと思う?」
「え?」
「王子が治るのには、王子同等の身代わりが必要だった。アルスやその魔術師がそれを用意していなかったのなら、何を代わりにアルスは差し出したと思う?」
王子の表情が固まった。
その答えが確定されるのが怖いという表情でもある。
俺がアルスの寿命は短いと伝えた時点で答えが出ているのだ。
「そして、アルスはお前たちと別れてからも一回大怪我を負った。そのときの治療魔術も魔石等の代償は用意していなかった」
「それって、、、アルスは後どれくらい生きられるの?レン、どうにか」
「王子っ」
ククーが強く呼んで、王子の質問を、願いをとめた。
王子は賢い子だ。その意味を理解して、それ以上の言葉を続けない。続けられない。
王子は本来、病気ではない。王子の身代わりは生贄としてだ。
けれど、病気と説明されたとしても、生贄であろうと、どちらにしても王子は俺が用意した身代わりに救われた身である。
王子に救われた俺にとっては、身代わりの用意はその対価と言っても良いのだが、他の人間からすると王子はそこまでの何かを俺にしたのか?という疑問しかないようだ。
救われた俺が救われたと思っているのだから、何の問題もないと思うが。
ククーにも王子によって救われた俺、という認識はあるが、王子の未来がつながった以上のことを、王子が俺に望むのは筋違いだと考えている。
俺がそばにいることによって、王子の願いが無尽蔵に叶えられるとしたら、ククーが危険視するのもわかる。
王子が願ったら、俺は叶えてあげたくなっちゃうからね。
すべてのことは対価が必要だ。王子の将来を考えるなら、教えなくてはならないことだ。
今、王子が支払える代償は存在しない。
「王子、アルスの寿命を延ばす方法はあるぞ。だが、対価が必要だ。何を差し出せる?」
この問いは愚問だ。
王子は自分の命を粗末にできない。それは自分が身代わりによって救われたということを知っているから。
もし、自分の命を引き換えに、と言ったら俺やククー、ヴィンセントの救けは何だったんだという話になる。
だから、王子は黙るしかない。
「お前が神の代理人になり、俺の要求を一つ聞いてくれるのなら、アルスにお前と同じ寿命をやろう」
ずるい言い方だし、それは王子の将来を狭める。
「僕は、、、神の代理人のなり方がわからない」
「最もな答えだ。が、それは国王から譲位されれば良いだけだ」
「あー、レンが黒い笑顔だ。最悪だ。何かやらかす」
ククー、うるさいぞー。黙ってろー。コレは王子が答えを出さなければならない。
「僕が神の代理人になったとして、レンの要求は何なの?」
「カンカネールやその子孫の後ろ盾になってくれ」
「え?」
「は?」
王子だけでなくククーまでもが何言ってやがるコイツ、って顔してる。
なぜその名がここに出てくる、という顔だ。
「おい、クソ英雄、どういうことだ」
俺はククーではなく王子に伝える。
「彼女には一度だけ俺が願いを叶えるという約束をした。彼女は俺に願いを言うことはないだろう。だが、いつか彼女が心から願う真の願いは、それは権力のない俺には難しいことだ。今のシルエット聖国は呪い返しや最凶級ダンジョンで痛手を被っているが、いつかは力を取り戻す。神聖国グルシアだけでなく聖教国エルバノーンも伯爵家を支えてほしい」
「うん、わかった」
王子が頷く。簡単に、容易く。
「本当に?それは王子がアルス王子と入れ替わって国王になるということを、本当にわかってる?」
「うん、わかってる。僕がキイ・アディではなくなっても、レンもククーも僕は僕として見てくれるでしょ。それに、僕はレンに人生を捧げているんだから、何だってできるよ」
おや?その約束はまだイキだったのか。ククーに譲ったと思っていた。ククーは受け取らなかったが。
俺は王子に微笑む。
「そこまでの覚悟を持っているのなら、アルスを長生きさせてやろう」
「ちょっと待てっ、レンっ、アルスを角ウサギにして酒造りの街に放り込む気だろっ」
「よくわかったな、ククー」
さすがはククー。俺の考えをよく理解してくれている。良き理解者、うんうん。
「お前は長生きはさせてやると言ったが、どういう状態で生かすのかは言及しなかった。悪徳商法の手口かっ」
「そこにはイリアがいる。兄がいる環境の方がアルスも暮らしやすいだろ。イリアも真っ黒なところから這い出してきているし、アルスがそのまま表の舞台に残っていても幸福とは程遠い人生を歩むぞ」
「幸せかどうかはその本人が決める。レンが決めることじゃない」
それはそうなのだが。
けれど、王子がこの要求をのまないと、アルスの延命はない。
「角ウサギならばここで匿えるし、ほんの少しのオマケもつけるぞ」
「王子、嫌なら嫌だと言った方が良いんだぞ?」
「アルスが角ウサギになっても生きたいというのなら、それで良いよ。僕はアルスとして生きる」
それは辛い選択だ。
他人の名前で生きる以上、誰かの代わりという意識が必ず出てくる。
でも、それが一番、この世界にとって落としどころとしては容易だ。
「クソ英雄、そんな方法で聖教国エルバノーンの危機を脱したところで、王子が幸せになれると思うのか」
「ククー、王子が国王になっても、危機は脱していない。聖教国エルバノーンの大規模な天災は起こる。王子たちが三つ子だということを忘れたのか?聖教国エルバノーンが滅びてこの大陸全土に影響するようなものではなく、周辺国で影響がとどまるぐらいだ」
「それなら、王子はこのまま神聖国グルシアにいても」
「結局、生きている限り巻き込まれるんだ。王子は国王の長子だからな。覚悟が決まっている者と覚悟がない者とではその後の人生に大差がある。王子が神の代理人になれば、とりあえず聖教国エルバノーンは国として滅びない。多少、神聖国グルシアの属国になる期間ができてしまうが、治める者に覚悟があれば独り立ちも早くできるだろう」
「、、、クソ英雄」
ククーが俺を睨む。
「はいはい」
俺は王子には王子が一番幸せと思える道を選択してほしい。
この道は過酷だ。
神の代理人を選択しない道もあることにはある。
けれど、この道は王子自身が俺たち以外の大勢の仲間を手に入れられる。
笑って死ねる最期を迎えられる人間はこの世界にどれだけいるだろう。
「王子、今のうちに味方を増やしておけ」
それが今後を左右するから。
「はい、レン先生。いえ、レン師匠っ」
「ん?師匠?」
「弟子にしてくださいっ」
王子が俺に深々と頭を下げた。
王子、急にどうしたの?
もしかして、アルス王子のことが大ショックで何かが吹っ飛んだ?
王子は首を傾げる。
「聖教国エルバノーンの国王は神の代理人だ。その長子は本来、譲位されたときに神の代理人となる。実際には王子は長子だが、現在、三男のアルス王子が跡継ぎとして育てられている」
俺の説明に王子はより首を傾げた。
「神の代理人候補は跡継ぎのアルスじゃないの?」
「うーん、そう言いたいところだが、アルスは寿命が短い。神が認めないだろう」
「え?アルスも僕と同じ病気なの?僕は治ったのに、アルスのは治せないの?」
王子が心配そうな顔で俺に問う。
「アルスは病気ではない。アルスが昔、大怪我をした記憶が王子にもあるだろう」
「あ、そういえば。けれど、魔術でぱあーっと治してくれたよ」
ぱあーっとの表現は、王子が両手を空に掲げている。
可愛い。
俺は王子の頭を撫でる。
「けれど、そのぱあーっと治してくれたのが原因だ。どうして、そんなに簡単に治ったと思う?」
「魔術師が有能だから?」
「確かに治療魔術を使えるのだから有能だろう。だが、そこには代償が必要だ。彼は魔石や魔道具を持っていたか?」
「うーん、覚えてない」
王子は正直に答えてくれた。
「では、魔石や魔道具がないとしたら、何を代償にアルスの怪我が治ったと思う?」
「え?」
「王子が治るのには、王子同等の身代わりが必要だった。アルスやその魔術師がそれを用意していなかったのなら、何を代わりにアルスは差し出したと思う?」
王子の表情が固まった。
その答えが確定されるのが怖いという表情でもある。
俺がアルスの寿命は短いと伝えた時点で答えが出ているのだ。
「そして、アルスはお前たちと別れてからも一回大怪我を負った。そのときの治療魔術も魔石等の代償は用意していなかった」
「それって、、、アルスは後どれくらい生きられるの?レン、どうにか」
「王子っ」
ククーが強く呼んで、王子の質問を、願いをとめた。
王子は賢い子だ。その意味を理解して、それ以上の言葉を続けない。続けられない。
王子は本来、病気ではない。王子の身代わりは生贄としてだ。
けれど、病気と説明されたとしても、生贄であろうと、どちらにしても王子は俺が用意した身代わりに救われた身である。
王子に救われた俺にとっては、身代わりの用意はその対価と言っても良いのだが、他の人間からすると王子はそこまでの何かを俺にしたのか?という疑問しかないようだ。
救われた俺が救われたと思っているのだから、何の問題もないと思うが。
ククーにも王子によって救われた俺、という認識はあるが、王子の未来がつながった以上のことを、王子が俺に望むのは筋違いだと考えている。
俺がそばにいることによって、王子の願いが無尽蔵に叶えられるとしたら、ククーが危険視するのもわかる。
王子が願ったら、俺は叶えてあげたくなっちゃうからね。
すべてのことは対価が必要だ。王子の将来を考えるなら、教えなくてはならないことだ。
今、王子が支払える代償は存在しない。
「王子、アルスの寿命を延ばす方法はあるぞ。だが、対価が必要だ。何を差し出せる?」
この問いは愚問だ。
王子は自分の命を粗末にできない。それは自分が身代わりによって救われたということを知っているから。
もし、自分の命を引き換えに、と言ったら俺やククー、ヴィンセントの救けは何だったんだという話になる。
だから、王子は黙るしかない。
「お前が神の代理人になり、俺の要求を一つ聞いてくれるのなら、アルスにお前と同じ寿命をやろう」
ずるい言い方だし、それは王子の将来を狭める。
「僕は、、、神の代理人のなり方がわからない」
「最もな答えだ。が、それは国王から譲位されれば良いだけだ」
「あー、レンが黒い笑顔だ。最悪だ。何かやらかす」
ククー、うるさいぞー。黙ってろー。コレは王子が答えを出さなければならない。
「僕が神の代理人になったとして、レンの要求は何なの?」
「カンカネールやその子孫の後ろ盾になってくれ」
「え?」
「は?」
王子だけでなくククーまでもが何言ってやがるコイツ、って顔してる。
なぜその名がここに出てくる、という顔だ。
「おい、クソ英雄、どういうことだ」
俺はククーではなく王子に伝える。
「彼女には一度だけ俺が願いを叶えるという約束をした。彼女は俺に願いを言うことはないだろう。だが、いつか彼女が心から願う真の願いは、それは権力のない俺には難しいことだ。今のシルエット聖国は呪い返しや最凶級ダンジョンで痛手を被っているが、いつかは力を取り戻す。神聖国グルシアだけでなく聖教国エルバノーンも伯爵家を支えてほしい」
「うん、わかった」
王子が頷く。簡単に、容易く。
「本当に?それは王子がアルス王子と入れ替わって国王になるということを、本当にわかってる?」
「うん、わかってる。僕がキイ・アディではなくなっても、レンもククーも僕は僕として見てくれるでしょ。それに、僕はレンに人生を捧げているんだから、何だってできるよ」
おや?その約束はまだイキだったのか。ククーに譲ったと思っていた。ククーは受け取らなかったが。
俺は王子に微笑む。
「そこまでの覚悟を持っているのなら、アルスを長生きさせてやろう」
「ちょっと待てっ、レンっ、アルスを角ウサギにして酒造りの街に放り込む気だろっ」
「よくわかったな、ククー」
さすがはククー。俺の考えをよく理解してくれている。良き理解者、うんうん。
「お前は長生きはさせてやると言ったが、どういう状態で生かすのかは言及しなかった。悪徳商法の手口かっ」
「そこにはイリアがいる。兄がいる環境の方がアルスも暮らしやすいだろ。イリアも真っ黒なところから這い出してきているし、アルスがそのまま表の舞台に残っていても幸福とは程遠い人生を歩むぞ」
「幸せかどうかはその本人が決める。レンが決めることじゃない」
それはそうなのだが。
けれど、王子がこの要求をのまないと、アルスの延命はない。
「角ウサギならばここで匿えるし、ほんの少しのオマケもつけるぞ」
「王子、嫌なら嫌だと言った方が良いんだぞ?」
「アルスが角ウサギになっても生きたいというのなら、それで良いよ。僕はアルスとして生きる」
それは辛い選択だ。
他人の名前で生きる以上、誰かの代わりという意識が必ず出てくる。
でも、それが一番、この世界にとって落としどころとしては容易だ。
「クソ英雄、そんな方法で聖教国エルバノーンの危機を脱したところで、王子が幸せになれると思うのか」
「ククー、王子が国王になっても、危機は脱していない。聖教国エルバノーンの大規模な天災は起こる。王子たちが三つ子だということを忘れたのか?聖教国エルバノーンが滅びてこの大陸全土に影響するようなものではなく、周辺国で影響がとどまるぐらいだ」
「それなら、王子はこのまま神聖国グルシアにいても」
「結局、生きている限り巻き込まれるんだ。王子は国王の長子だからな。覚悟が決まっている者と覚悟がない者とではその後の人生に大差がある。王子が神の代理人になれば、とりあえず聖教国エルバノーンは国として滅びない。多少、神聖国グルシアの属国になる期間ができてしまうが、治める者に覚悟があれば独り立ちも早くできるだろう」
「、、、クソ英雄」
ククーが俺を睨む。
「はいはい」
俺は王子には王子が一番幸せと思える道を選択してほしい。
この道は過酷だ。
神の代理人を選択しない道もあることにはある。
けれど、この道は王子自身が俺たち以外の大勢の仲間を手に入れられる。
笑って死ねる最期を迎えられる人間はこの世界にどれだけいるだろう。
「王子、今のうちに味方を増やしておけ」
それが今後を左右するから。
「はい、レン先生。いえ、レン師匠っ」
「ん?師匠?」
「弟子にしてくださいっ」
王子が俺に深々と頭を下げた。
王子、急にどうしたの?
もしかして、アルス王子のことが大ショックで何かが吹っ飛んだ?
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