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21章 幸福の時間
21-4 惑いの時間
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「うちはうるさい家だからな。基本的に顔を出してもいない」
「そうかー、だから、ビスタは大切な人に重要なことを隠す残念な人になっちゃったのかー」
「レン、正直な感想は人を傷つけるだけだから、口には出すな」
ククーに窘められた。
仕方ないから、収納鞄から英雄のギフトの長剣を出しておこうかな。
英雄のギフトってこういうときに便利なんだよなー。
「何で剣を出した?」
「ちょっと交換」
腰にあるいつもの剣を収納鞄にしまい、英雄のギフトの長剣を腰に携える。
そういや大教会でも帯剣したままだったが?
あそこの奥地は武器の所持は禁止じゃなかっただろうか。
収納鞄を持っている時点で意味はない規則だが、一瞬の差で生死をわけることもある。護衛が動ける時間があれば問題ないだろうし、教会内もまた特殊な結界がはられているので攻撃系の魔術魔法は扱い辛かったはずだ。
マントを羽織っているから気づかなかったとか?
まさかね?
「レン、まさかその剣は」
ノーレンさんが長剣に食いついた。
「そのまさかの、ノーレンさんが面倒ごとをしでかした結果の剣ですよー」
「、、、英雄のギフトを携えて、その表現なのか」
ククーが困った子を見るかのような視線を俺に向ける。
「仕方ないじゃん。ノーレンさんにはキッチリ言っておかないと、同じことを繰り返すっ。面倒ごとは二度と御免だっ」
「ゴホンっ。まあ、何だ。レン、誕生日おめでとう」
斜め後ろの執事から綺麗に包装された小箱を手渡されたノーレンさんが、俺に向かって差し出した。
「、、、受け取らなければいけないんですかね?」
「是非とも受け取ってほしいなー」
周囲の人間は怪訝そうな顔で俺を見ている。
英雄のギフトを携えてしまったから、箱を開けなくても中身がわかる。
「なぜ、誰もノーレンさんをとめなかった」
「いやー、別に家族に渡してもおかしくないものだしー?」
私兵団副団長の言葉に、執事もうんうん頷いている。あ、味方がいない。この二人はノーレンさんのイエスマンだ。
他の者は中身をわかっていないので援護も期待できない。ククーは中身をわかっているが、援護をする必要もないと思っている。
「くそお、謀られた」
「レンー、その箱の中身わかってるのー?」
どうも不穏な空気を感じ取った王子が俺に尋ねてくる。
「、、、ノーレンさんちの家の鍵だ」
ぶほっっと笑いを吹き出した者たち、覚えていろよ。
「レン、いつでも帰ってきて良いんだからな。実家のように暮らして良いんだからな」
ノーレンさんが有無を言わさず俺の手に小箱をのせた。。。
「夫に不満があれば、うちに永住しても問題ないんだぞ」
おや?この屋敷は俺のものだったはずなのだが。俺が実家に帰るのか。。。ノーレンさんちに行くくらいならダンジョンの家に行くだろうなー。
「そうか、鍵を渡しておくのも良い手だったのか。先手をとられた。ヴィンセントに渡しておくんだった」
クレッセよ。しみじみ言ってもノエル家の鍵は受け取らないし、良い手でもないからな。
今回は本当に内輪だけのパーティなので、参加者はこれだけだ。
「いつまで玄関でたむろってるんだ。もう料理は広間に並び終わっているぞー」
料理長が二階から呼びに来た。
プレゼントを渡したらパーティ会場に流れるはずが、内輪だけだと滞留してしまう。
「レン、」
呼び止めたのはクレッセだった。
「三十六歳の誕生日、そして、結婚おめでとう。この良き日に」
包みを差し出された。こちらも綺麗に包装されているが。
「こ、これは」
「妹のグレイシアがあげたものが好評だったと聞いて持って来た。レンの部屋にでも飾ってくれ」
「おおっ、ありがたく頂戴します。さっ、お義兄さん、こちらへどうぞ」
「うわっ、レンの態度が百八十度変わった。神官殿、けっこう大きいけど、アレ、中身何?」
「ヴィンセントの幼少期の肖像画。ノエル家では最低でも一年に一枚は成人まで描かせるからな」
ため息を吐くな。
英雄のギフトで過去視ができても、成長の記録の肖像画はもらって嬉しいものだ。今度、現在のヴィンセントも描いてもらおう。
「、、、まあ、価値観は人それぞれだからな。貰って嬉しいプレゼントも人それぞれだよな」
ビスタが締めくくった。
俺の誕生日パーティだが、皆に酒が入ってしまう前に、ヴィンセントと俺は結婚のための書類にサインをした。
そして、俺はヴィンセントの左手薬指に結婚指輪をはめる。
これにて正式に俺たちの結婚が神聖国グルシアとノエル家で認められた。
本来なら大教会に書類が届いてから結婚の許可が下りるのだが、すでに大神官長の許可までもらっているので、クレッセがその書類を受け取ったら大教会に届いたものとみなすことになっている。
アスア王国並びにアスア共和国の建国記念日が、俺の誕生日兼ヴィンセントとの結婚記念日となってしまった。わかりやすいが、少々微妙な気もしなくもない。
それでも、嬉しいことには変わりない。
せっかくなので広間の窓辺にもらったヴィンセントの肖像画を飾っておく。
文句なしに可愛いな。この屋敷の部屋に飾るか、ダンジョンの家に飾るか、それともシアリーの街の近くにある家に飾るか、はてさて悩みどころだ。今後も増えそうな気がするので、俺の寝室に飾るのはやめておくか。どうもヴィンセントは自分の絵姿が好きではないようで近くに寄って来ない。
代わりに寄ってきたのはクレッセだ。
「さすがにこの国の法では複数の者とは結婚できないからな。ヴィンセントが亡くなってからでは、ククーと正式に結婚するのも相当待たせるだろう」
「、、、神聖国グルシアの法では、本来ならば神官は結婚できないし、同性同士の結婚もできないだろ」
俺との結婚は、神官の例外も例外だ。俺がアスア王国の英雄だからこそできた芸当とも言える。神聖国グルシアが重要だと認めた人間ならば、同性だろうと求めれば結婚できてしまう。つまり、政治的なものだ。
無色透明の魔石を納品できる人物だというだけでも可能ではあったようだが、他の大神官たちを説得するのは楽な方が良い。
実際のところ、相手がクレッセではないから特段の反対がなかったようなものだ。ノエル家でもまだ神官のヴィンセントだから、渋々リングランド家も反対には回らなかった。
俺たちは政略結婚ではないのだが、そう見えてしまう彼らの妥協点がそこだ。
アスア王国の英雄ならば、ギフトがなくても神聖国グルシアに縛りつけておきたい。それでも、相手がクレッセやヴァンガル・イーグならば大反対になるわけだ。その二人なら俺の方から丁重にお断りするが。
「それはそうだが、ククーが寂しがるんじゃないか?」
「ヴィンセントとは人の法で縛られるが、ククーとはすでにダンジョンでの誓いで縛っている。それだけの違いだ」
「あー、ダンジョンは人間の法に縛られないからねえ。レンはククーと人の法で結婚する気はないんだ」
「もちろん、ククーが望むならやぶさかではない」
「ヴィンセントはまだ気づいてないのか?」
クレッセが声のトーンを落として聞いてきた。
「どうだろうな。俺のことはわかっているようだが、ククーのことは」
「ヴィンセントの肖像画は欲しがるのに、ククーの肖像画は欲しがらないんだな」
「ノエル家と違って、アディ家は子供の肖像画を残さないからなー」
クレッセがほんの少し笑う。
「そういう意味で言ったんじゃないよ」
「ああ、わざとだ。俺はククーを誓いで縛っている。俺が変わらないように、ククーも変わらない」
「ヴィンセントは後で怒るんだろうなー。先に説明しておかないのか?」
「怒られるのが早くなるだけだ。人の法で結婚を望む者が、人の理を踏み外せるわけもない」
「説明されたら簡単に踏み外すんじゃないか?」
俺は窓の外を見る。
「それではダメなんだよ」
クレッセも窓の外を見る。
「そうか、厳しいな」
「ヴィンセントに謝ることも、愛し続けることもすでに覚悟していることだ」
窓の外はもうすでに暗い。
「それでも、俺がヴィンセントとともにあることを望まないわけではない」
「そうかー、だから、ビスタは大切な人に重要なことを隠す残念な人になっちゃったのかー」
「レン、正直な感想は人を傷つけるだけだから、口には出すな」
ククーに窘められた。
仕方ないから、収納鞄から英雄のギフトの長剣を出しておこうかな。
英雄のギフトってこういうときに便利なんだよなー。
「何で剣を出した?」
「ちょっと交換」
腰にあるいつもの剣を収納鞄にしまい、英雄のギフトの長剣を腰に携える。
そういや大教会でも帯剣したままだったが?
あそこの奥地は武器の所持は禁止じゃなかっただろうか。
収納鞄を持っている時点で意味はない規則だが、一瞬の差で生死をわけることもある。護衛が動ける時間があれば問題ないだろうし、教会内もまた特殊な結界がはられているので攻撃系の魔術魔法は扱い辛かったはずだ。
マントを羽織っているから気づかなかったとか?
まさかね?
「レン、まさかその剣は」
ノーレンさんが長剣に食いついた。
「そのまさかの、ノーレンさんが面倒ごとをしでかした結果の剣ですよー」
「、、、英雄のギフトを携えて、その表現なのか」
ククーが困った子を見るかのような視線を俺に向ける。
「仕方ないじゃん。ノーレンさんにはキッチリ言っておかないと、同じことを繰り返すっ。面倒ごとは二度と御免だっ」
「ゴホンっ。まあ、何だ。レン、誕生日おめでとう」
斜め後ろの執事から綺麗に包装された小箱を手渡されたノーレンさんが、俺に向かって差し出した。
「、、、受け取らなければいけないんですかね?」
「是非とも受け取ってほしいなー」
周囲の人間は怪訝そうな顔で俺を見ている。
英雄のギフトを携えてしまったから、箱を開けなくても中身がわかる。
「なぜ、誰もノーレンさんをとめなかった」
「いやー、別に家族に渡してもおかしくないものだしー?」
私兵団副団長の言葉に、執事もうんうん頷いている。あ、味方がいない。この二人はノーレンさんのイエスマンだ。
他の者は中身をわかっていないので援護も期待できない。ククーは中身をわかっているが、援護をする必要もないと思っている。
「くそお、謀られた」
「レンー、その箱の中身わかってるのー?」
どうも不穏な空気を感じ取った王子が俺に尋ねてくる。
「、、、ノーレンさんちの家の鍵だ」
ぶほっっと笑いを吹き出した者たち、覚えていろよ。
「レン、いつでも帰ってきて良いんだからな。実家のように暮らして良いんだからな」
ノーレンさんが有無を言わさず俺の手に小箱をのせた。。。
「夫に不満があれば、うちに永住しても問題ないんだぞ」
おや?この屋敷は俺のものだったはずなのだが。俺が実家に帰るのか。。。ノーレンさんちに行くくらいならダンジョンの家に行くだろうなー。
「そうか、鍵を渡しておくのも良い手だったのか。先手をとられた。ヴィンセントに渡しておくんだった」
クレッセよ。しみじみ言ってもノエル家の鍵は受け取らないし、良い手でもないからな。
今回は本当に内輪だけのパーティなので、参加者はこれだけだ。
「いつまで玄関でたむろってるんだ。もう料理は広間に並び終わっているぞー」
料理長が二階から呼びに来た。
プレゼントを渡したらパーティ会場に流れるはずが、内輪だけだと滞留してしまう。
「レン、」
呼び止めたのはクレッセだった。
「三十六歳の誕生日、そして、結婚おめでとう。この良き日に」
包みを差し出された。こちらも綺麗に包装されているが。
「こ、これは」
「妹のグレイシアがあげたものが好評だったと聞いて持って来た。レンの部屋にでも飾ってくれ」
「おおっ、ありがたく頂戴します。さっ、お義兄さん、こちらへどうぞ」
「うわっ、レンの態度が百八十度変わった。神官殿、けっこう大きいけど、アレ、中身何?」
「ヴィンセントの幼少期の肖像画。ノエル家では最低でも一年に一枚は成人まで描かせるからな」
ため息を吐くな。
英雄のギフトで過去視ができても、成長の記録の肖像画はもらって嬉しいものだ。今度、現在のヴィンセントも描いてもらおう。
「、、、まあ、価値観は人それぞれだからな。貰って嬉しいプレゼントも人それぞれだよな」
ビスタが締めくくった。
俺の誕生日パーティだが、皆に酒が入ってしまう前に、ヴィンセントと俺は結婚のための書類にサインをした。
そして、俺はヴィンセントの左手薬指に結婚指輪をはめる。
これにて正式に俺たちの結婚が神聖国グルシアとノエル家で認められた。
本来なら大教会に書類が届いてから結婚の許可が下りるのだが、すでに大神官長の許可までもらっているので、クレッセがその書類を受け取ったら大教会に届いたものとみなすことになっている。
アスア王国並びにアスア共和国の建国記念日が、俺の誕生日兼ヴィンセントとの結婚記念日となってしまった。わかりやすいが、少々微妙な気もしなくもない。
それでも、嬉しいことには変わりない。
せっかくなので広間の窓辺にもらったヴィンセントの肖像画を飾っておく。
文句なしに可愛いな。この屋敷の部屋に飾るか、ダンジョンの家に飾るか、それともシアリーの街の近くにある家に飾るか、はてさて悩みどころだ。今後も増えそうな気がするので、俺の寝室に飾るのはやめておくか。どうもヴィンセントは自分の絵姿が好きではないようで近くに寄って来ない。
代わりに寄ってきたのはクレッセだ。
「さすがにこの国の法では複数の者とは結婚できないからな。ヴィンセントが亡くなってからでは、ククーと正式に結婚するのも相当待たせるだろう」
「、、、神聖国グルシアの法では、本来ならば神官は結婚できないし、同性同士の結婚もできないだろ」
俺との結婚は、神官の例外も例外だ。俺がアスア王国の英雄だからこそできた芸当とも言える。神聖国グルシアが重要だと認めた人間ならば、同性だろうと求めれば結婚できてしまう。つまり、政治的なものだ。
無色透明の魔石を納品できる人物だというだけでも可能ではあったようだが、他の大神官たちを説得するのは楽な方が良い。
実際のところ、相手がクレッセではないから特段の反対がなかったようなものだ。ノエル家でもまだ神官のヴィンセントだから、渋々リングランド家も反対には回らなかった。
俺たちは政略結婚ではないのだが、そう見えてしまう彼らの妥協点がそこだ。
アスア王国の英雄ならば、ギフトがなくても神聖国グルシアに縛りつけておきたい。それでも、相手がクレッセやヴァンガル・イーグならば大反対になるわけだ。その二人なら俺の方から丁重にお断りするが。
「それはそうだが、ククーが寂しがるんじゃないか?」
「ヴィンセントとは人の法で縛られるが、ククーとはすでにダンジョンでの誓いで縛っている。それだけの違いだ」
「あー、ダンジョンは人間の法に縛られないからねえ。レンはククーと人の法で結婚する気はないんだ」
「もちろん、ククーが望むならやぶさかではない」
「ヴィンセントはまだ気づいてないのか?」
クレッセが声のトーンを落として聞いてきた。
「どうだろうな。俺のことはわかっているようだが、ククーのことは」
「ヴィンセントの肖像画は欲しがるのに、ククーの肖像画は欲しがらないんだな」
「ノエル家と違って、アディ家は子供の肖像画を残さないからなー」
クレッセがほんの少し笑う。
「そういう意味で言ったんじゃないよ」
「ああ、わざとだ。俺はククーを誓いで縛っている。俺が変わらないように、ククーも変わらない」
「ヴィンセントは後で怒るんだろうなー。先に説明しておかないのか?」
「怒られるのが早くなるだけだ。人の法で結婚を望む者が、人の理を踏み外せるわけもない」
「説明されたら簡単に踏み外すんじゃないか?」
俺は窓の外を見る。
「それではダメなんだよ」
クレッセも窓の外を見る。
「そうか、厳しいな」
「ヴィンセントに謝ることも、愛し続けることもすでに覚悟していることだ」
窓の外はもうすでに暗い。
「それでも、俺がヴィンセントとともにあることを望まないわけではない」
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