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20章 緩やかに侵食する黒
20-5 美肌草 ※メイサ視点
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◆メイサ視点◆
神聖国グルシアのシアリーの街にある冒険者ギルド。
受付カウンターにて、今日も淡々と日々の業務をこなす。
初夏の日差しも混じり始めた今日この頃。
冒険者たちをシアリーの街の北にあるダンジョンへと送り出す。
けれど、最近は初級冒険者でさえ他国のスカウトに声を掛けられるようになった。最凶級ダンジョンが増え、見境がなくなっている。冒険者であれば誰でもいいと。
なぜ神聖国グルシアで声を掛けるのかというと、すでに他の国の冒険者たちは最凶級ダンジョンに駆り出されているからだ。通常業務ができている冒険者は神聖国グルシアにしかいない。
ただ、聖都の近くで声を掛けると冒険者ギルド本部に睨まれるので、聖都からある程度離れた土地で声を掛けている。提示される条件はかなり良いが、死出の旅だ。特に初級冒険者にとっては。
注意喚起はしているが、お金が必要な冒険者はついつい誘いに乗ってしまう。
「メイサさん、買取お願いします」
にこやかに微笑む初級冒険者レンさんが受付カウンターに現れた。
依頼カウンターが一段落したこの朝の時間に納品をする冒険者はごく僅かだ。私は買取カウンターに移り、レンさんが収納鞄から出す薬草を受け取る。
「今日もすごい量ですね」
「そうですかねー?うちの角ウサギたちが優秀なもので」
レンさんは薬草採取専門の冒険者だ。キッチリと適度に乾燥されて納品された薬草はすべて薬師ギルドに買い取られていく。上乗せされた報酬も本人に多少なりとも還元される制度がシアリーの街の冒険者ギルドにはできた。
剣の腕は確実に中級、上級冒険者と並ぶはずだが、魔物討伐の実績がない。ゴーレムの討伐部位を持って来ていれば、問題なく昇格できただろうに。あの場にビスタが一緒にいたというのに、一つも持ってこなかったのはアイツの失態と言ってもいい。
優秀な冒険者ではなるが、他国のスカウトマンも声を掛けない。
薬草専門というだけでなく、肩にのっている手のひらサイズの従魔の角ウサギが、魔物を討伐しないよー、と主張しているので彼らも無駄なことはしない。
「あれ?その子、従魔登録していない子ですか?」
「あ、メイサさん、わかっちゃいました?」
ニコニコ笑顔で流されそうになるが、この角ウサギには左耳に耳飾りがない。けれど、どこからこの特有の角ウサギをゲットしてくるのだろう。レンさんと同じ角ウサギが欲しいと北のダンジョンを隈なく探した冒険者がいたが、通常の角ウサギしか見つからず徒労に終わったようだ。この地に来る前から従魔にしていたら、別のダンジョンで手に入れたとしか思わなかったのだが。
「従魔登録していきますか」
「あー、仕方ないですねー。じゃあ、この子も」
レンさんが何かに諦めて言った。いや、私が怖いからとか圧に負けたとかいうわけじゃないはずだ。
マントからおずおずと顔を出したのは、黒い角ウサギだ。
「可愛いですねーっ」
手のひらサイズの角ウサギが白黒そろっている。カウンターにちょこんと座っていると超可愛い。
≪五十九号です。よろしくお願いします≫
まずは白い角ウサギが光の文字で挨拶した。五十九という番号がちょっと引っ掛かるが。。。この辺は流しておいた方が良いか。
近くにいた職員に納品された薬草の数や量を確認するように指示を出してから、従魔登録の用紙に名前を記入する。
「クロタです。よろしくお願いします」
「こ、この子、喋れるんですか?可愛い」
ちょっとビクビクしている感じで黒い角ウサギが自己紹介してくれる。語彙力がなくなる破壊力。文句なしに可愛い。
「そうなんです。話せるように調整してくれたんです。可愛いでしょう」
調整してくれた?レンさんがしたのではなく?これも聞き流そう。普通の角ウサギは文字を浮かべることも話すこともできない。ただ吠えて、冒険者を襲うだけだ。。。
とりあえず冒険者名等を記入して、レンさんにサインしてもらう。
「先に従魔登録している子たちと同じ耳飾りを用意できますか?できなければ、今なら違うものを何種類か登録できますけど」
違う国で手に入れたものなら、同じ耳飾りを作ってもらうのは現状では困難と言える。工房が存続していない可能性の方が高いし、避難中で何かを作っている暇もない可能性すらある。この国で用意してもらうしかない。
「あー、もしかしたら数が必要になるかもしれないから、違うものを考えます。耳飾りにはすると思いますが」
「では、用意でき次第、こちらに教えてください」
「はい、わかりました」
私もまだ手元に残っていた薬草の本数をこの場で数えようとした。
「レン、ようやく来たか。朝の依頼集中時間はとうに終わっているぞ」
「このぐらいの方がカウンターが空いてきて、納品するにはちょうどいいだろ」
ビスタがレンに話しかけた。本日、上級冒険者のビスタは冒険者ギルド待機日である。レンが来る予定の週一回をその日に当ててしまっている。そのため、この二人の関係を怪しがる女性職員たちも多い。
「おや、今日は神官殿もついてきているんだな」
ビスタがレンの後方も後方の壁に寄りかかっている人物に視線を向ける。その人物は気づかれたため仕方なさそうにこちらに来た。
ビスタは神官と言っているが、今は神官服ではない。だが、この人物の顔は記憶している。大神官長についてきた神官だった。
「今日は休日だというから家でのんびり研究してていいと言ったんだが、」
「たまにはな。レンがシアリーの街で微妙なことしてないか、肉眼で確認を」
「ギフトを使って見ているんだから、確認も何もないと思うが」
「休日ぐらい一緒にいたい男心をわかってやれよー、レン」
この人たちは意外と小さい声で話しているため、他の職員には内容は聞こえていないが、注目は浴びている。ビスタは残念な男だが、顔はイケメンだ。それで上級冒険者なので、元々女性からの人気は高い。この頃、さらにお肌の艶が良くなっているため、さらに視線を集める。
ん?ビスタだけでなくレンさんもこの神官殿も肌艶いいな。
「おおっ、ククー、ようやく俺の想いをわかってくれたか」
その言葉だと、レンさんの方が惚れているように聞こえますけど?
「コイツらを従魔登録すると、他の奴らも黙ってないぞ」
あっさりとかわす神官殿。レンさんがまったくもー、という表情を浮かべているが、会話は流れていく。
「そうだよなー。従魔登録はともかく、首飾りを量産する必要があるよな」
ビスタがカウンターの上の二匹を見た。
視線は黒い角ウサギに向いている。
「クロタか。あー、あの最初の、黒い角ウサギか。あの国も潰れたからレンが迎えに行ったのか。よろしくー」
「ビスタ殿、よろしくお願いします」
ちっちゃい黒い角ウサギはカウンターの上でペコペコしている。超可愛い。ビスタが不穏なことを口にしていた気がするが、聞かなかったことにしよう。
「けど、最近、うちの従魔たちにかまってもらえなくて寂しい」
「皆、王子大好きだからな。お前、アイツらに見事に放置されているよな。タレタだけがのんびり庭でひなたぼっこしているか、台所で味見係になっているかだが、屋敷にいるからレンのそばにいることも多いが」
「平和なときは、俺とタレタは行動パターンが一緒なんだよ。でも今日は俺に付き合ってくれなかったんだよーっ」
レンさんが嘆いている。
そういえば、この頃、タレタ以外の他の角ウサギたちを見ていない気がする。どの子も可愛いのだが。
「あ、そういやさー、酒造りの街の角ウサギ女性陣が美肌草を大量栽培しているんだが、薬師ギルドは買い取るだろうか?」
美肌草?
美肌草って言った?
「美肌草か。そりゃ、薬師ギルドは美容にも力を入れているから買い取るだろ。けど、女性陣と言えども角ウサギだろ?肌って毛に覆われているだろ?毛艶が良くなるのか?」
「いや、うちの角ウサギの毛艶は元々最高だから、それを食べたところで変わらない。女心は怖いーと言って、五十四号が広範囲に植えたけど。美肌草を収穫しても乾燥もできないし、収納鞄に入れられないし、保管が難しいから微妙なんだよなー」
「レ、レ、レレレレンさんっ」
「え?」
私は薬草を放り出して、レンさんの手を取っていた。
「び、びびび美肌草っ、私にも売ってくださいっ」
「え?」
驚いた顔の三人が私を見ていた。
肌艶がツヤツヤな男三人にこの気持ちわかってたまるか。
神聖国グルシアのシアリーの街にある冒険者ギルド。
受付カウンターにて、今日も淡々と日々の業務をこなす。
初夏の日差しも混じり始めた今日この頃。
冒険者たちをシアリーの街の北にあるダンジョンへと送り出す。
けれど、最近は初級冒険者でさえ他国のスカウトに声を掛けられるようになった。最凶級ダンジョンが増え、見境がなくなっている。冒険者であれば誰でもいいと。
なぜ神聖国グルシアで声を掛けるのかというと、すでに他の国の冒険者たちは最凶級ダンジョンに駆り出されているからだ。通常業務ができている冒険者は神聖国グルシアにしかいない。
ただ、聖都の近くで声を掛けると冒険者ギルド本部に睨まれるので、聖都からある程度離れた土地で声を掛けている。提示される条件はかなり良いが、死出の旅だ。特に初級冒険者にとっては。
注意喚起はしているが、お金が必要な冒険者はついつい誘いに乗ってしまう。
「メイサさん、買取お願いします」
にこやかに微笑む初級冒険者レンさんが受付カウンターに現れた。
依頼カウンターが一段落したこの朝の時間に納品をする冒険者はごく僅かだ。私は買取カウンターに移り、レンさんが収納鞄から出す薬草を受け取る。
「今日もすごい量ですね」
「そうですかねー?うちの角ウサギたちが優秀なもので」
レンさんは薬草採取専門の冒険者だ。キッチリと適度に乾燥されて納品された薬草はすべて薬師ギルドに買い取られていく。上乗せされた報酬も本人に多少なりとも還元される制度がシアリーの街の冒険者ギルドにはできた。
剣の腕は確実に中級、上級冒険者と並ぶはずだが、魔物討伐の実績がない。ゴーレムの討伐部位を持って来ていれば、問題なく昇格できただろうに。あの場にビスタが一緒にいたというのに、一つも持ってこなかったのはアイツの失態と言ってもいい。
優秀な冒険者ではなるが、他国のスカウトマンも声を掛けない。
薬草専門というだけでなく、肩にのっている手のひらサイズの従魔の角ウサギが、魔物を討伐しないよー、と主張しているので彼らも無駄なことはしない。
「あれ?その子、従魔登録していない子ですか?」
「あ、メイサさん、わかっちゃいました?」
ニコニコ笑顔で流されそうになるが、この角ウサギには左耳に耳飾りがない。けれど、どこからこの特有の角ウサギをゲットしてくるのだろう。レンさんと同じ角ウサギが欲しいと北のダンジョンを隈なく探した冒険者がいたが、通常の角ウサギしか見つからず徒労に終わったようだ。この地に来る前から従魔にしていたら、別のダンジョンで手に入れたとしか思わなかったのだが。
「従魔登録していきますか」
「あー、仕方ないですねー。じゃあ、この子も」
レンさんが何かに諦めて言った。いや、私が怖いからとか圧に負けたとかいうわけじゃないはずだ。
マントからおずおずと顔を出したのは、黒い角ウサギだ。
「可愛いですねーっ」
手のひらサイズの角ウサギが白黒そろっている。カウンターにちょこんと座っていると超可愛い。
≪五十九号です。よろしくお願いします≫
まずは白い角ウサギが光の文字で挨拶した。五十九という番号がちょっと引っ掛かるが。。。この辺は流しておいた方が良いか。
近くにいた職員に納品された薬草の数や量を確認するように指示を出してから、従魔登録の用紙に名前を記入する。
「クロタです。よろしくお願いします」
「こ、この子、喋れるんですか?可愛い」
ちょっとビクビクしている感じで黒い角ウサギが自己紹介してくれる。語彙力がなくなる破壊力。文句なしに可愛い。
「そうなんです。話せるように調整してくれたんです。可愛いでしょう」
調整してくれた?レンさんがしたのではなく?これも聞き流そう。普通の角ウサギは文字を浮かべることも話すこともできない。ただ吠えて、冒険者を襲うだけだ。。。
とりあえず冒険者名等を記入して、レンさんにサインしてもらう。
「先に従魔登録している子たちと同じ耳飾りを用意できますか?できなければ、今なら違うものを何種類か登録できますけど」
違う国で手に入れたものなら、同じ耳飾りを作ってもらうのは現状では困難と言える。工房が存続していない可能性の方が高いし、避難中で何かを作っている暇もない可能性すらある。この国で用意してもらうしかない。
「あー、もしかしたら数が必要になるかもしれないから、違うものを考えます。耳飾りにはすると思いますが」
「では、用意でき次第、こちらに教えてください」
「はい、わかりました」
私もまだ手元に残っていた薬草の本数をこの場で数えようとした。
「レン、ようやく来たか。朝の依頼集中時間はとうに終わっているぞ」
「このぐらいの方がカウンターが空いてきて、納品するにはちょうどいいだろ」
ビスタがレンに話しかけた。本日、上級冒険者のビスタは冒険者ギルド待機日である。レンが来る予定の週一回をその日に当ててしまっている。そのため、この二人の関係を怪しがる女性職員たちも多い。
「おや、今日は神官殿もついてきているんだな」
ビスタがレンの後方も後方の壁に寄りかかっている人物に視線を向ける。その人物は気づかれたため仕方なさそうにこちらに来た。
ビスタは神官と言っているが、今は神官服ではない。だが、この人物の顔は記憶している。大神官長についてきた神官だった。
「今日は休日だというから家でのんびり研究してていいと言ったんだが、」
「たまにはな。レンがシアリーの街で微妙なことしてないか、肉眼で確認を」
「ギフトを使って見ているんだから、確認も何もないと思うが」
「休日ぐらい一緒にいたい男心をわかってやれよー、レン」
この人たちは意外と小さい声で話しているため、他の職員には内容は聞こえていないが、注目は浴びている。ビスタは残念な男だが、顔はイケメンだ。それで上級冒険者なので、元々女性からの人気は高い。この頃、さらにお肌の艶が良くなっているため、さらに視線を集める。
ん?ビスタだけでなくレンさんもこの神官殿も肌艶いいな。
「おおっ、ククー、ようやく俺の想いをわかってくれたか」
その言葉だと、レンさんの方が惚れているように聞こえますけど?
「コイツらを従魔登録すると、他の奴らも黙ってないぞ」
あっさりとかわす神官殿。レンさんがまったくもー、という表情を浮かべているが、会話は流れていく。
「そうだよなー。従魔登録はともかく、首飾りを量産する必要があるよな」
ビスタがカウンターの上の二匹を見た。
視線は黒い角ウサギに向いている。
「クロタか。あー、あの最初の、黒い角ウサギか。あの国も潰れたからレンが迎えに行ったのか。よろしくー」
「ビスタ殿、よろしくお願いします」
ちっちゃい黒い角ウサギはカウンターの上でペコペコしている。超可愛い。ビスタが不穏なことを口にしていた気がするが、聞かなかったことにしよう。
「けど、最近、うちの従魔たちにかまってもらえなくて寂しい」
「皆、王子大好きだからな。お前、アイツらに見事に放置されているよな。タレタだけがのんびり庭でひなたぼっこしているか、台所で味見係になっているかだが、屋敷にいるからレンのそばにいることも多いが」
「平和なときは、俺とタレタは行動パターンが一緒なんだよ。でも今日は俺に付き合ってくれなかったんだよーっ」
レンさんが嘆いている。
そういえば、この頃、タレタ以外の他の角ウサギたちを見ていない気がする。どの子も可愛いのだが。
「あ、そういやさー、酒造りの街の角ウサギ女性陣が美肌草を大量栽培しているんだが、薬師ギルドは買い取るだろうか?」
美肌草?
美肌草って言った?
「美肌草か。そりゃ、薬師ギルドは美容にも力を入れているから買い取るだろ。けど、女性陣と言えども角ウサギだろ?肌って毛に覆われているだろ?毛艶が良くなるのか?」
「いや、うちの角ウサギの毛艶は元々最高だから、それを食べたところで変わらない。女心は怖いーと言って、五十四号が広範囲に植えたけど。美肌草を収穫しても乾燥もできないし、収納鞄に入れられないし、保管が難しいから微妙なんだよなー」
「レ、レ、レレレレンさんっ」
「え?」
私は薬草を放り出して、レンさんの手を取っていた。
「び、びびび美肌草っ、私にも売ってくださいっ」
「え?」
驚いた顔の三人が私を見ていた。
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