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19章 儚く散っていく
19-1 仲良し家族
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「えんやこーらどっこいしょー」
畑が広がる階層で、のどかな掛け声が響く。ホントの声じゃないけどね。角ウサギたちだけに伝わる声だ。
が、角ウサギたちの鍬で畑を耕すスピードは尋常じゃない。
彼らはアスア王国の王族だった角ウサギたち。エルク教国の信者たちに教えを乞うて、農業をしている。
「国民のためー、できるだけ飢えさせないー、がんばるぞー」
適当な節をつけて歌ってる。
その頑張りは国民は認識してくれない。国民はアスア王国の王族が頑張って食料を収穫しているなんて露にも思わないだろう。しかも、元王太子が一番汗を流して頑張っている。角ウサギとなったカラダに備わる体力はかなり増大しているから、今まで運動をしてこなかった者でも多少の筋肉痛はあるだろうが、一日中農作業しても苦痛にならない。角ウサギのカラダは可愛くて逞しい。
今、アスア王国では配給制となっている街が多い。
避難民ではなく、昔ながらの住民であったとしても、食料は高騰して手に入りにくくなっている。そういう高い食料に手が伸ばせる者たちは問題ないが、大部分の街では炊き出しが行われている。
春でこの状態である。このまま畑に種が植えられなければ、秋にも何一つ収穫できない。
けれど、無事な畑は少ない。耕そうにも魔物がうろついている。
アスア王国で収穫できる土地は限られている。そこも魔物たちがいつ現れるか不安が広がっている。
エルク教国の謎の商人がいなければ、アスア王国と他国との国境付近にない南方の都市はほぼ飢えで苦しめられていただろう。謎の商人は暫定政府の許可証を持って、各都市に物資を届けている。現れるのは一台の荷馬車。門番でさえ、都市の外壁に近づいてからしかその馬車の存在に気づかない。認識阻害の魔術を使っているのだろうと推測されていた。
門番が見ても馬車には積み荷がほとんどないように見えるが、それも認識阻害の魔術だろうと思われている。今度は人に襲われるのを避けるために。
その証拠に、その馬車から避難所に持ってこられた物資の量は、多くの人間がしばらく持ち堪えるほど大量である。確かにそこにいる者が全員、腹いっぱい食べられる量ではないが、最低限の空腹を満たすことはできる。それだけでも他人の分を奪うよりも協力しようと思える。
謎の商人以外の商人は危険地帯を潜り抜けてきたため、彼らが売る商品は相当な高額である。それでも、必要な人々は買わざる得なかった。それでも、その金額は妥当である。彼らも命を賭けに、アスア王国へ儲けに来ているのだから。だから、謎の商人は必要な食料を中心に届けている。
謎の商人は亡くなった英雄の使いなのではないか、という噂もチラホラ出てきた。
聖教国エルバノーンにいたのが本物ではないという結論は出ているが、それでもなお人々は縋りつきたかった。
けれど、アスア王国の国民を飢えから救っているのは、国民が処刑しようと思っているアスア王国の王族たちだ。これほどの深い溝があるだろうか。
「今日も一日有意義に働いた」
「今日もたくさん収穫があって良かったわねえ、あなた」
王太子は角ウサギになり、妻や子と畑で一緒に働くようになって、より充実した人間関係を構築しているようだ。アスア王国の王族たちは角ウサギの五十四号に収穫物を渡している。元人間の角ウサギが自由に動けるのは三つの階層のみ。お手伝いするときとかツアーのときに元ダンジョンコアの角ウサギ同伴でしか他の階層には行けない。外にも行けない。
五十四号が人間に化けて、アスア王国の各都市に馬車で食料を運搬している。
エルク教国の皆さんの記憶から、エルク教国の荷馬車を作った。
都市の外壁のそばにならないと馬車に気づかない、とは、基本的に外壁のそばに転移しているからである。
五十四号は一度アスア王国の各都市を巡り、転移陣を外壁の外に設置していった。
そうなると、もう食料の運搬は早いものである。馬車の中も基本的に食料はない。空箱だけである。馬車から積み荷を降ろすのも面倒なので、五十四号が物資の置き場所に行くと、そこに転送しているだけである。
本当なら五十四号が人の姿でそこに行く必要もないのだが、急に現れる物資を見たら人々はどう思うのだろうか?神が授けてくれたと思って手を伸ばしてくれれば問題はないのだが、残念ながらアスア王国は宗教国家ではない。毒でも入っているのでは、食べた瞬間に高額を請求され身売りさせられるのでは、等々考えてしまうだろう。
王族の角ウサギたちも仕事帰りに、ダンジョンの酒造りの街にある温泉に行く。ゆっくりと浸かって疲れを取り、この頃ようやく酒を飲むようになった。ダンジョン産の酒を炭酸水で割った一杯だけだが。
ごきゅごきゅと喉を鳴らしながらの冷たい一杯。
「かーっ、生き返るーっ。この一杯のために生きているーっ」
「オヤジ臭くなったわねー、あなた」
「父上、ここには小さい子供たちもいるのですから、もう少し上品に振舞ったらどうですか」
と言いながらも、彼らも同じ一杯を飲んでいる。風呂あがりに良いよね、冷たい一杯は。
アスア王国は魔物からの脅威には晒されているが、とりあえず避難所にいる国民が餓死することはない量の食料を運んでいる。
だからこその一杯。
彼らにとっては明日への活力の一杯だ。
だって、彼らはどんなに一生懸命やっても、国民から感謝されることはないのだから。
それは俺が英雄をしていたのよりも酷い状況だ。国民は英雄に感謝だけはしてくれたのだから。
「我が王さんにも、いつか直接お礼を言えるといいな」
ポソリと元王太子が呟く。
「そうね。本当なら今頃私たちは串刺しになって死んでなければ、国民に処刑されているのでしょうから」
「お父様、早く帰って夕食を食べましょう。お腹が空き過ぎました」
「国民の皆も草で満腹になるカラダだったら、飢えなど関係なかっただろうに」
いや、アスア王国の国民全員が角ウサギだったら、そりゃ超可愛いが、たぶん、アスア王国全土で木どころか草一本生えていないと思うぞ。反対に飢えまくるぞ。
キミたち自分の食欲を軽んじてないか?
このダンジョンだから賄えるんだよー。魔力が無尽蔵に使えないと、数日で収穫なんかできないぞー。地上で農作物を収穫しようとしたら半年ぐらいかかるものもあるんだぞー。エルク教国から来た者で誰かこっそり教えてあげておいてね。こんなに驚異的なスピードで収穫できる土地は地上にどこにもない。
大量に農作物を収穫するのなら、このダンジョン内は最適なのだろう。
ダンジョン産の薬草ではないので、種は普通の種である。五十四号が適当に各国に飛んで仕入れてきた。魔石を一つ売ればかなりの種類や量を仕入れられる。エルク教国の住民たちも植える品種について悩んでいたから、様々なものを購入してきたようだ。その種が残った、、、というか大量に余った種を王族が利用している。今は種を取って、さらに栽培している。
さっさと収穫できるから、広大な農地を年がら年中耕しても追いつかないほどのようである。それでも、酒造りの街の周辺の農地の手伝いもしっかりしているのは感心である。
彼らはアスア王国の王族なので、税金を納めていないことを痛感している。自分たちが重い税金を取っていた側だったのだから、自覚しないとおかしいぐらいではあるが。この階層で自分たちの手で収穫したものに関しては自由に扱って良いとなっていることに感謝しまくりではあるが、それは税金として何も納めていないということである。国民の危機は危機だが、それはそれで心苦しいと感じているので、彼らは良識ある人間だったのだろう。
アスア王国の国民はアスア王国に住むことに対しても税金を取られ、働いても取られ、何か儲けがあればそれで取られ、何かにつけて税金が取られる。周囲の宗教国家からの保護を謳っているため他国に比べて重税だ。
俺のダンジョンは安全であり、食べるものにも困らず、住まいも提供されている。今、こういう土地は地上にはない。そう、どこにもないのである。特に安全な土地が。
だからこそ、彼らはお酒大好きな我が王のための時間もきちんと取った上で、アスア王国の国民のための農地を耕しているのである。
「あーっ、今日も食事が美味しいっ。妻の手料理が一番だな」
「本当、お母様の料理が一番ですわ」
「草をそのまま出しただけですけどね」
和やか角ウサギ家族がそこにはいた。
畑が広がる階層で、のどかな掛け声が響く。ホントの声じゃないけどね。角ウサギたちだけに伝わる声だ。
が、角ウサギたちの鍬で畑を耕すスピードは尋常じゃない。
彼らはアスア王国の王族だった角ウサギたち。エルク教国の信者たちに教えを乞うて、農業をしている。
「国民のためー、できるだけ飢えさせないー、がんばるぞー」
適当な節をつけて歌ってる。
その頑張りは国民は認識してくれない。国民はアスア王国の王族が頑張って食料を収穫しているなんて露にも思わないだろう。しかも、元王太子が一番汗を流して頑張っている。角ウサギとなったカラダに備わる体力はかなり増大しているから、今まで運動をしてこなかった者でも多少の筋肉痛はあるだろうが、一日中農作業しても苦痛にならない。角ウサギのカラダは可愛くて逞しい。
今、アスア王国では配給制となっている街が多い。
避難民ではなく、昔ながらの住民であったとしても、食料は高騰して手に入りにくくなっている。そういう高い食料に手が伸ばせる者たちは問題ないが、大部分の街では炊き出しが行われている。
春でこの状態である。このまま畑に種が植えられなければ、秋にも何一つ収穫できない。
けれど、無事な畑は少ない。耕そうにも魔物がうろついている。
アスア王国で収穫できる土地は限られている。そこも魔物たちがいつ現れるか不安が広がっている。
エルク教国の謎の商人がいなければ、アスア王国と他国との国境付近にない南方の都市はほぼ飢えで苦しめられていただろう。謎の商人は暫定政府の許可証を持って、各都市に物資を届けている。現れるのは一台の荷馬車。門番でさえ、都市の外壁に近づいてからしかその馬車の存在に気づかない。認識阻害の魔術を使っているのだろうと推測されていた。
門番が見ても馬車には積み荷がほとんどないように見えるが、それも認識阻害の魔術だろうと思われている。今度は人に襲われるのを避けるために。
その証拠に、その馬車から避難所に持ってこられた物資の量は、多くの人間がしばらく持ち堪えるほど大量である。確かにそこにいる者が全員、腹いっぱい食べられる量ではないが、最低限の空腹を満たすことはできる。それだけでも他人の分を奪うよりも協力しようと思える。
謎の商人以外の商人は危険地帯を潜り抜けてきたため、彼らが売る商品は相当な高額である。それでも、必要な人々は買わざる得なかった。それでも、その金額は妥当である。彼らも命を賭けに、アスア王国へ儲けに来ているのだから。だから、謎の商人は必要な食料を中心に届けている。
謎の商人は亡くなった英雄の使いなのではないか、という噂もチラホラ出てきた。
聖教国エルバノーンにいたのが本物ではないという結論は出ているが、それでもなお人々は縋りつきたかった。
けれど、アスア王国の国民を飢えから救っているのは、国民が処刑しようと思っているアスア王国の王族たちだ。これほどの深い溝があるだろうか。
「今日も一日有意義に働いた」
「今日もたくさん収穫があって良かったわねえ、あなた」
王太子は角ウサギになり、妻や子と畑で一緒に働くようになって、より充実した人間関係を構築しているようだ。アスア王国の王族たちは角ウサギの五十四号に収穫物を渡している。元人間の角ウサギが自由に動けるのは三つの階層のみ。お手伝いするときとかツアーのときに元ダンジョンコアの角ウサギ同伴でしか他の階層には行けない。外にも行けない。
五十四号が人間に化けて、アスア王国の各都市に馬車で食料を運搬している。
エルク教国の皆さんの記憶から、エルク教国の荷馬車を作った。
都市の外壁のそばにならないと馬車に気づかない、とは、基本的に外壁のそばに転移しているからである。
五十四号は一度アスア王国の各都市を巡り、転移陣を外壁の外に設置していった。
そうなると、もう食料の運搬は早いものである。馬車の中も基本的に食料はない。空箱だけである。馬車から積み荷を降ろすのも面倒なので、五十四号が物資の置き場所に行くと、そこに転送しているだけである。
本当なら五十四号が人の姿でそこに行く必要もないのだが、急に現れる物資を見たら人々はどう思うのだろうか?神が授けてくれたと思って手を伸ばしてくれれば問題はないのだが、残念ながらアスア王国は宗教国家ではない。毒でも入っているのでは、食べた瞬間に高額を請求され身売りさせられるのでは、等々考えてしまうだろう。
王族の角ウサギたちも仕事帰りに、ダンジョンの酒造りの街にある温泉に行く。ゆっくりと浸かって疲れを取り、この頃ようやく酒を飲むようになった。ダンジョン産の酒を炭酸水で割った一杯だけだが。
ごきゅごきゅと喉を鳴らしながらの冷たい一杯。
「かーっ、生き返るーっ。この一杯のために生きているーっ」
「オヤジ臭くなったわねー、あなた」
「父上、ここには小さい子供たちもいるのですから、もう少し上品に振舞ったらどうですか」
と言いながらも、彼らも同じ一杯を飲んでいる。風呂あがりに良いよね、冷たい一杯は。
アスア王国は魔物からの脅威には晒されているが、とりあえず避難所にいる国民が餓死することはない量の食料を運んでいる。
だからこその一杯。
彼らにとっては明日への活力の一杯だ。
だって、彼らはどんなに一生懸命やっても、国民から感謝されることはないのだから。
それは俺が英雄をしていたのよりも酷い状況だ。国民は英雄に感謝だけはしてくれたのだから。
「我が王さんにも、いつか直接お礼を言えるといいな」
ポソリと元王太子が呟く。
「そうね。本当なら今頃私たちは串刺しになって死んでなければ、国民に処刑されているのでしょうから」
「お父様、早く帰って夕食を食べましょう。お腹が空き過ぎました」
「国民の皆も草で満腹になるカラダだったら、飢えなど関係なかっただろうに」
いや、アスア王国の国民全員が角ウサギだったら、そりゃ超可愛いが、たぶん、アスア王国全土で木どころか草一本生えていないと思うぞ。反対に飢えまくるぞ。
キミたち自分の食欲を軽んじてないか?
このダンジョンだから賄えるんだよー。魔力が無尽蔵に使えないと、数日で収穫なんかできないぞー。地上で農作物を収穫しようとしたら半年ぐらいかかるものもあるんだぞー。エルク教国から来た者で誰かこっそり教えてあげておいてね。こんなに驚異的なスピードで収穫できる土地は地上にどこにもない。
大量に農作物を収穫するのなら、このダンジョン内は最適なのだろう。
ダンジョン産の薬草ではないので、種は普通の種である。五十四号が適当に各国に飛んで仕入れてきた。魔石を一つ売ればかなりの種類や量を仕入れられる。エルク教国の住民たちも植える品種について悩んでいたから、様々なものを購入してきたようだ。その種が残った、、、というか大量に余った種を王族が利用している。今は種を取って、さらに栽培している。
さっさと収穫できるから、広大な農地を年がら年中耕しても追いつかないほどのようである。それでも、酒造りの街の周辺の農地の手伝いもしっかりしているのは感心である。
彼らはアスア王国の王族なので、税金を納めていないことを痛感している。自分たちが重い税金を取っていた側だったのだから、自覚しないとおかしいぐらいではあるが。この階層で自分たちの手で収穫したものに関しては自由に扱って良いとなっていることに感謝しまくりではあるが、それは税金として何も納めていないということである。国民の危機は危機だが、それはそれで心苦しいと感じているので、彼らは良識ある人間だったのだろう。
アスア王国の国民はアスア王国に住むことに対しても税金を取られ、働いても取られ、何か儲けがあればそれで取られ、何かにつけて税金が取られる。周囲の宗教国家からの保護を謳っているため他国に比べて重税だ。
俺のダンジョンは安全であり、食べるものにも困らず、住まいも提供されている。今、こういう土地は地上にはない。そう、どこにもないのである。特に安全な土地が。
だからこそ、彼らはお酒大好きな我が王のための時間もきちんと取った上で、アスア王国の国民のための農地を耕しているのである。
「あーっ、今日も食事が美味しいっ。妻の手料理が一番だな」
「本当、お母様の料理が一番ですわ」
「草をそのまま出しただけですけどね」
和やか角ウサギ家族がそこにはいた。
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