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18章 綻びの春
18-9 身代わりの役目
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シアリーの街から離れた場所、教会が管理する敷地内で、家からは俺のダンジョンより少々離れた場所にある洞穴。
オレオはそこに柔らかい干し草を引いて、王子の身代わりを寝かしていた。
オレオは俺たちがそこに来るまでは泣いていたようだが、俺、ヴィンセント、ククー、タレタが来ると、涙をぬぐい連れ去られまいと身代わりの前でかまえている。
臨戦態勢のようだな。
毛を逆立てているオレオも可愛い。
≪主に対しても、この態度ー。主、人望ないわねー≫
「うちの角ウサギは主に攻撃するのも自由だからな」
堂々と胸張って言えるぞ。うちは主に対しても言論の自由も攻撃の自由も認められているのだ。圧政は引いていない。
怠ける自由?うん、タレタ。仕事以外の時間だったらいくらでも怠けていいぞー。いくらでも垂れたり溶けたりしていいぞー。仕事とはキッチリ線を引いておこうなー。
「は?角ウサギはレンの従魔なんだろ?普通は主人には攻撃できないだろう」
ヴィンセントが驚いている。何で?攻撃は一種の愛情表現だろう?
≪まあ、うちらが本気の攻撃しても主はビクともしないわよー。安心してー≫
「最凶級の魔物が本気の攻撃してもビクともしないのは、安心していいのか?」
「それもそうだな」
ヴィンセントにククーが同意した。
そこで仲良くなるな。
元々俺は最凶級の魔物を倒しまくっていたアスア王国の英雄だぞー。その事実は何にもおかしくないぞー。
カラダは平気だけど、俺の角ウサギから攻撃されたら心が死ぬ。悲しい。ひどい。イジける。
俺は剣を握らない。
「オレオー、お前は王子の身代わりの仕事を覚えているか」
オレオの目はツリ目になっているままだが、ほんの微かに頷いた。
「もし、身代わりがこのままこの場所にいるなら、役目を終えずに朽ち果てて死ぬだけだ。お前は身代わりにそんな無益な一生を味わらせる気か」
正論は毒だ。
オレオを追い詰める。
そして、俺も追い詰める。
生まれた意味など、本来誰が決めるのか。
身代わりは身代わりとして生まれた。それ以外の役目なんかない。
だとしたら、英雄のギフトを持って生まれた俺は?
「オレオ、お前はどうしたいんだ?ここで身代わりが朽ち果てるのを待つのか?」
オレオがその選択をした場合、三日で別の身代わりを作らなければならないのか。。。徹夜作業になるかなー、間に合うかなー、タレタも手伝ってね。あ、すごいヤな顔してる。タレタだけ逃げるのは許さないよー。
俺は建国祭の行事には何の関係もないから、やろうと思えばやれる話か。後は数日間ほど爆睡していても良いのだから。
オレオは首を横にふるふる振っている。目はツリ目のままだ。
このまま別れるのは嫌だと目が言っている。
王子への愛情なのだから王子がいれば良い、というのは違う。
オレオは俺のダンジョンで仕事以外ではずっと身代わりのそばにいた。
身代わりに愛情を注いでいたのだ。
羨ましい。
身代わりもここまでオレオに思われたら本望じゃないか?
タレタが俺の頭からククーの頭に移った。
≪はいはい、二人ともー、主のそばから離れてねー≫
意味がわからないままに、タレタの誘導に従うククーとヴィンセント。
「ここでずっと身代わりと一緒にいれば良い。オレオはそうしたいんだろ?」
違うーーーーーーーっっ。
オレオの叫びは二人には聞こえないだろう。
オレオは渾身の力を込めて俺に突進してきた。
本当はいつまでも一緒にいたい。
けれど、身代わりには俺が魔力を込めている。
身代わりが身代わりでなくなったら。
わかっているのだ、オレオにも。どうにもならないことくらい。
俺は全力のオレオを全身で受け止める。抱き締める。かなりの衝撃だ。さすがはオレオ。
ギュッと抱いて逃がさない。
オレオは大粒の涙を流した。
俺の上着の胸の部分は濡れまくったが、そのまま抱いていた。
長い時間、そうしていた。
「俺も長い間ずっと、自分の我が儘を聞いてくれる人が欲しかった」
その我が儘がどうにもならないことでも。
耳を傾けてくれるだけでも良かったのに。
アスア王国にいた頃は叶わなかった。
オレオを撫でた。
ぐじゅぐじゅの潤んだ目が俺を見る。
「そんなに一緒にいたいのなら、身代わりとともに聖都に行くか?」
オレオは猛烈にブンブンと頷いている。首痛くならないのかなー。そこまで大袈裟な動作をしなくても俺に伝わっているよー。
「ええっ?」
俺の言葉に同時に驚いたのは神官のヴィンセントとククーの二人。本当にこの二人仲良すぎて妬けちゃう。
「さすがにレンの従魔の角ウサギを、生贄と一緒に連れて行くのは難しいんじゃないか。俺たちは一緒に行かないんだから」
「後から生贄のところに連れて行くのも、、、ダンジョン化でもする気か?」
「いや、身代わりは本当にカラダだけなんだ。心も何もない。だから、オレオが中にいるのは可能だ」
生贄の印を移す前に入ってしまえば、何の痕跡も残らない。そもそも、身代わり自体、俺が作ったものだからだ。
「聖都の大教会の最深部に置かれるまでは絶対にそのカラダから出てくるなよ」
オレオに注意事項を伝える。
素直にうんうん頷いている。
「そして、八年後、ここに戻って来てもいいし、他にやりたいことをやるのも良い。俺はお前の選択を否定しない」
≪あー、ずっるい、オレオだけー。私の選択も尊重してほしい≫
「タレタ、お前の選択で旅立つのなら、俺も止めない。が、ここにいるのなら、最低限の仕事はしようなー」
タレタの膨れっ面も可愛いなー。両手で頬を潰す。プニプニ堪能する。
え?ククー、タレタは俺とソックリだって?だから、そう言っているじゃん。
「否定はしないけど、オレオが俺の元からいなくなるのは悲しい。ううっ、たまには手紙でもくれ」
そして、腕に抱いたままのオレオを撫でる。これでオレオを撫でるのは最後の気がする。元気に巣立って行けよ。たまには里帰りしても良いんだからな。いや、俺が会いに行ってもいいのか。うん、最後の気がするというのは即座に撤回。俺が撫でに行こう。
≪主は人形遣いの爺さんのこと、とやかく言えないわね≫
「そりゃ、お前たちは俺が生んだも同然。我が分身とも言えるが、我が子とも言える。残念ながら、お前たちは子供を産めないから孫を見ることはできないが、成長を喜ぶことはできる」
「良かったな、レン」
ククーが優しい笑顔で俺の頭を撫でた。
「っ、、、ああ」
すべてをわかった上で、ククーは言った。ククーは俺も泣かせる気なのか。
「レンの我が儘は私がいつか受けとめる。すべてとは言えないかもしれないけど」
ヴィンセントが俺の肩を抱いた。ククーと張り合った感はあるけど、嬉しい言葉だ。
我が儘を言える相手がいるだけで嬉しい。
アスア王国にいた時代には手に入らなかったもの。
英雄時代には諦めていたもの。
どれだけ望んでも。
三日後に、聖都からの迎えの神官たちが馬車を連ねてやってきた。
ククーは行商人役だったから、ここには来ない。
ヴィンセントはこの家の後片付けをしてから、建国祭の終了後に迎えの馬車が聖都から出発する。
生贄に近い神官は生贄とともに行動させない決まりだ。
意外と生贄に感情移入してしまう神官は多い。数年も一緒に暮らしていれば情も湧く。生贄にさせないために逃がそうとしてしまう神官は少なくなかったようだ。
今回は何も問題ないのだが。
オレオを身代わりの中に入れた後、生贄の印をダンジョンで王子から身代わりに移した。
そして、無色透明な棺に王子の身代わりが花に囲まれ横たわっている。
寝たまま馬車に運び込まれて連れていかれる。
ヴィンセントと迎えに来た神官たちとは形式的なやり取りをしただけだ。
この家での見送りは俺とヴィンセントの二人だけだった。
本当ならヴィンセント一人だけだったはずだ。
二人でも寂しいと感じるのに、一人だったらどうだったのだろう。
オレオはそこに柔らかい干し草を引いて、王子の身代わりを寝かしていた。
オレオは俺たちがそこに来るまでは泣いていたようだが、俺、ヴィンセント、ククー、タレタが来ると、涙をぬぐい連れ去られまいと身代わりの前でかまえている。
臨戦態勢のようだな。
毛を逆立てているオレオも可愛い。
≪主に対しても、この態度ー。主、人望ないわねー≫
「うちの角ウサギは主に攻撃するのも自由だからな」
堂々と胸張って言えるぞ。うちは主に対しても言論の自由も攻撃の自由も認められているのだ。圧政は引いていない。
怠ける自由?うん、タレタ。仕事以外の時間だったらいくらでも怠けていいぞー。いくらでも垂れたり溶けたりしていいぞー。仕事とはキッチリ線を引いておこうなー。
「は?角ウサギはレンの従魔なんだろ?普通は主人には攻撃できないだろう」
ヴィンセントが驚いている。何で?攻撃は一種の愛情表現だろう?
≪まあ、うちらが本気の攻撃しても主はビクともしないわよー。安心してー≫
「最凶級の魔物が本気の攻撃してもビクともしないのは、安心していいのか?」
「それもそうだな」
ヴィンセントにククーが同意した。
そこで仲良くなるな。
元々俺は最凶級の魔物を倒しまくっていたアスア王国の英雄だぞー。その事実は何にもおかしくないぞー。
カラダは平気だけど、俺の角ウサギから攻撃されたら心が死ぬ。悲しい。ひどい。イジける。
俺は剣を握らない。
「オレオー、お前は王子の身代わりの仕事を覚えているか」
オレオの目はツリ目になっているままだが、ほんの微かに頷いた。
「もし、身代わりがこのままこの場所にいるなら、役目を終えずに朽ち果てて死ぬだけだ。お前は身代わりにそんな無益な一生を味わらせる気か」
正論は毒だ。
オレオを追い詰める。
そして、俺も追い詰める。
生まれた意味など、本来誰が決めるのか。
身代わりは身代わりとして生まれた。それ以外の役目なんかない。
だとしたら、英雄のギフトを持って生まれた俺は?
「オレオ、お前はどうしたいんだ?ここで身代わりが朽ち果てるのを待つのか?」
オレオがその選択をした場合、三日で別の身代わりを作らなければならないのか。。。徹夜作業になるかなー、間に合うかなー、タレタも手伝ってね。あ、すごいヤな顔してる。タレタだけ逃げるのは許さないよー。
俺は建国祭の行事には何の関係もないから、やろうと思えばやれる話か。後は数日間ほど爆睡していても良いのだから。
オレオは首を横にふるふる振っている。目はツリ目のままだ。
このまま別れるのは嫌だと目が言っている。
王子への愛情なのだから王子がいれば良い、というのは違う。
オレオは俺のダンジョンで仕事以外ではずっと身代わりのそばにいた。
身代わりに愛情を注いでいたのだ。
羨ましい。
身代わりもここまでオレオに思われたら本望じゃないか?
タレタが俺の頭からククーの頭に移った。
≪はいはい、二人ともー、主のそばから離れてねー≫
意味がわからないままに、タレタの誘導に従うククーとヴィンセント。
「ここでずっと身代わりと一緒にいれば良い。オレオはそうしたいんだろ?」
違うーーーーーーーっっ。
オレオの叫びは二人には聞こえないだろう。
オレオは渾身の力を込めて俺に突進してきた。
本当はいつまでも一緒にいたい。
けれど、身代わりには俺が魔力を込めている。
身代わりが身代わりでなくなったら。
わかっているのだ、オレオにも。どうにもならないことくらい。
俺は全力のオレオを全身で受け止める。抱き締める。かなりの衝撃だ。さすがはオレオ。
ギュッと抱いて逃がさない。
オレオは大粒の涙を流した。
俺の上着の胸の部分は濡れまくったが、そのまま抱いていた。
長い時間、そうしていた。
「俺も長い間ずっと、自分の我が儘を聞いてくれる人が欲しかった」
その我が儘がどうにもならないことでも。
耳を傾けてくれるだけでも良かったのに。
アスア王国にいた頃は叶わなかった。
オレオを撫でた。
ぐじゅぐじゅの潤んだ目が俺を見る。
「そんなに一緒にいたいのなら、身代わりとともに聖都に行くか?」
オレオは猛烈にブンブンと頷いている。首痛くならないのかなー。そこまで大袈裟な動作をしなくても俺に伝わっているよー。
「ええっ?」
俺の言葉に同時に驚いたのは神官のヴィンセントとククーの二人。本当にこの二人仲良すぎて妬けちゃう。
「さすがにレンの従魔の角ウサギを、生贄と一緒に連れて行くのは難しいんじゃないか。俺たちは一緒に行かないんだから」
「後から生贄のところに連れて行くのも、、、ダンジョン化でもする気か?」
「いや、身代わりは本当にカラダだけなんだ。心も何もない。だから、オレオが中にいるのは可能だ」
生贄の印を移す前に入ってしまえば、何の痕跡も残らない。そもそも、身代わり自体、俺が作ったものだからだ。
「聖都の大教会の最深部に置かれるまでは絶対にそのカラダから出てくるなよ」
オレオに注意事項を伝える。
素直にうんうん頷いている。
「そして、八年後、ここに戻って来てもいいし、他にやりたいことをやるのも良い。俺はお前の選択を否定しない」
≪あー、ずっるい、オレオだけー。私の選択も尊重してほしい≫
「タレタ、お前の選択で旅立つのなら、俺も止めない。が、ここにいるのなら、最低限の仕事はしようなー」
タレタの膨れっ面も可愛いなー。両手で頬を潰す。プニプニ堪能する。
え?ククー、タレタは俺とソックリだって?だから、そう言っているじゃん。
「否定はしないけど、オレオが俺の元からいなくなるのは悲しい。ううっ、たまには手紙でもくれ」
そして、腕に抱いたままのオレオを撫でる。これでオレオを撫でるのは最後の気がする。元気に巣立って行けよ。たまには里帰りしても良いんだからな。いや、俺が会いに行ってもいいのか。うん、最後の気がするというのは即座に撤回。俺が撫でに行こう。
≪主は人形遣いの爺さんのこと、とやかく言えないわね≫
「そりゃ、お前たちは俺が生んだも同然。我が分身とも言えるが、我が子とも言える。残念ながら、お前たちは子供を産めないから孫を見ることはできないが、成長を喜ぶことはできる」
「良かったな、レン」
ククーが優しい笑顔で俺の頭を撫でた。
「っ、、、ああ」
すべてをわかった上で、ククーは言った。ククーは俺も泣かせる気なのか。
「レンの我が儘は私がいつか受けとめる。すべてとは言えないかもしれないけど」
ヴィンセントが俺の肩を抱いた。ククーと張り合った感はあるけど、嬉しい言葉だ。
我が儘を言える相手がいるだけで嬉しい。
アスア王国にいた時代には手に入らなかったもの。
英雄時代には諦めていたもの。
どれだけ望んでも。
三日後に、聖都からの迎えの神官たちが馬車を連ねてやってきた。
ククーは行商人役だったから、ここには来ない。
ヴィンセントはこの家の後片付けをしてから、建国祭の終了後に迎えの馬車が聖都から出発する。
生贄に近い神官は生贄とともに行動させない決まりだ。
意外と生贄に感情移入してしまう神官は多い。数年も一緒に暮らしていれば情も湧く。生贄にさせないために逃がそうとしてしまう神官は少なくなかったようだ。
今回は何も問題ないのだが。
オレオを身代わりの中に入れた後、生贄の印をダンジョンで王子から身代わりに移した。
そして、無色透明な棺に王子の身代わりが花に囲まれ横たわっている。
寝たまま馬車に運び込まれて連れていかれる。
ヴィンセントと迎えに来た神官たちとは形式的なやり取りをしただけだ。
この家での見送りは俺とヴィンセントの二人だけだった。
本当ならヴィンセント一人だけだったはずだ。
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