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18章 綻びの春
18-5 恨み ※私兵団副団長視点
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◆ノーレンさんちの私兵団副団長視点◆
宗教国バルトの首都にある教会。
そこの礼拝堂が前触れもなく崩壊した。
壁に綺麗に直線が入っているかのように見える。その上にある壁や屋根が崩落した。
いきなりだった。
轟音が響いたのは。
急に教会の前の広場が騒がしくなる。神官どもが出てきたが、周囲の住民の野次馬も湧き出てきている。
俺も慌てて身支度を整え、宿屋の外に出る。野次馬たちの波に隠れて、辺りを探ろうとした。
「主ー、さっさと退散しましょうよー」
「そうしたいところだが」
?
どこかで聞いたことのある声が耳に届く。
果たしてどこだったか、と思い出す前に該当の人物はその姿を現した。
「え、英雄っ?」
つい声に出したら、口を塞がれてズルズルと路地裏に連れ込まれた。
アスア王国の英雄の姿だ。うちの旦那様がレンに見たいーと騒いでいた英雄姿じゃないかー。わー、旦那様よりも先に見たら、俺、旦那様に恨まれるじゃないかー。
「もういいか?副団長」
英雄に呆れた視線を向けられた。
はいはい。
「この通り英雄のギフトは確保した。お前たちもこの街にはもう用はないだろう」
あー、長剣が英雄の腰にありますねー。
もしかして。
俺は建物の隙間からほんの少し見える教会の礼拝堂に視線を送る。
「ギフトで試し切りをした。ギフトは元々俺のものを返してもらっただけだが、この剣は宗教国バルトが用意したものだったから、代わりの飾りの剣を置いてきた。この剣より価値のあるものだから問題はないだろう」
いつもながら、この英雄さんは何か間違っている気がする。
代わりの剣を置いてきたって、礼拝堂を横に真っ二つにされたら帳尻が合わないだろう。
「そう思うか?俺は宗教国バルトの強奪の剣で刺されて死ぬ寸前だったんだぞ。礼拝堂ぐらいで済めば安い買い物じゃないか」
あー、この英雄さんは本当に怖い。
何もかも込み込みなのだ。
自分の説明が足りなくても、理解しないのならそれまでなのだ。
「まあ、この地は後で崩壊するから、俺が仕返しをする必要もない」
うわー、、、本当に怖いよー。敵に回したら地獄だよー。
冗談はさておき。
「はいはい、この地にいる旦那様の私兵団員はすべて撤退させる。それで良いんだろ」
「最初からそう言ってくれればいいのに」
英雄の顔がわかっていたクセにー、と言っている。肩にのる塔の置き物もなぜか呆れているように見えるのはなぜなんだろう。
「坊ちゃん、うちの旦那様にさっさとその姿を拝ましてくれないか」
俺が言うと、英雄の顔がニヤリと笑う。
「しばらく恨まれたらどうだ?たまには良い薬だろう」
ああ、その提案、うちの団長が喜びそう。。。いつも勝手気ままにやるからだと言われそう。。。旦那様に絡まれたら、泣くぞ、俺。
「それにノーレンさんが面倒なことするから、俺も面倒な回収作業をしなければならなくなったんだぞ。ロイが英雄のギフトを持ったまま死ぬのならそれでも良かったのに」
アスア王国にいる頃から、英雄は面倒なことが嫌いなのは行動を見ていればわかった。
他の人間はそんなことを露にも思わないようだったが、英雄に答え合わせをしたら正解だった。
面倒だからこそ、さらに面倒になりそうなことは早々に解決する。
つまり、今回もそういうことだ。英雄のギフトが剣になってしまえば、それに伴った面倒ごとが発生する。
だったら、自分で回収してしまった方が早いというわけだ。
旦那様の私兵団が動いたのは、うちの方で英雄のギフトを入れた神器を回収する予定だったからだ。
もちろん旦那様はレンにプレゼントするために。
プレゼントされた方が面倒だったってことかな?
ああ、正解なの。
目で頷かれた。
そりゃ、旦那様が面倒なことするから、ってこの英雄が言っているからなー。
旦那様がやったことは有難迷惑ってところだろう。この人、英雄のギフトがない方がなぜか恐ろしさが増す。本当だったら、ギフトがなければ能力は下がるはずなのに、反対だ。他の人は気づいてないのかなー?
俺は英雄姿のレンを見る。
「なあ、坊ちゃん、もしかして、すべて計算済みなのか?」
コイツは英雄自体が面倒だった。
孤児なのに、神託から八年も逃げ回っていた。
だとすれば最初から?
強奪の剣で英雄のギフトを奪われることさえ?
「さすがにそれは考え過ぎだ。俺は黙って刺されてやれるほどの性癖は持ち合わせていない」
面倒だからこそ、惰性で英雄を続けていた人間だからな。
逃げるのも面倒。
けれど、いつかは逃げると思っていた。
逃げ切るのに必要なことを考えると、本当に俺の考え過ぎなのだろうか。
英雄のギフトが物になってしまえば、その物を持っていたとしても、アスア王国では英雄とは呼ばれない。
というか、英雄のギフトが物になると、次の英雄はどうなるのだろう。
アスア王国の英雄は亡くなったら、しばらくの後、次の英雄が生まれる。
今回の場合、ザット・ノーレンもロイも亡くなっていないし、英雄のギフトも剣になってしまった。
「俺が生きている限りこの剣は存在し得るし、アスア王国の英雄はその間生まれない」
考えているだけなのに、答えを英雄が言ってくれた。俺の表情を読んだの?それとも俺の心を読んだの?英雄のギフト、剣でしっかり扱えているの?
「レンが生きている限り?」
どうもその点が引っ掛かる。人間の寿命ではない気がした。
ギフトがなくなったのに、レンは若返った。ギフトがなくなり老けたようになる例は多いが、若返る前例はない。
英雄はその問いには笑って返しただけだった。
「俺はもう帰る。ただでさえヴィンセントを怒らせているのに、これ以上待たせると厄介極まりない。じゃあな」
別れの挨拶を言うと、英雄は余韻もなく消えた。
レンには門限があるという。冒険者らしからぬ門限設定だということを聞いたことがある。。。英雄も恋人には形無しなんだな。尻に引かれているのかな?
だが、門限と言っても、たぶん破りに破っているんじゃないか、この時間。神聖国グルシアでも深夜だぞ?
それでも、英雄のギフトの剣を回収するのには、この時間じゃなければならなかったということだろう。
教会の広場に行く。
こんな時間なのに野次馬たちがまだまだ群がっており、これからも増えそうだ。
神官や護衛たちは野次馬たちが崩壊した礼拝堂に近づかないように、その周囲で見張っている。崩壊の原因は現状において調査中になっている。本当のことを信者に言うわけにもいかないしな。
「副団長、」
私兵団の一人が俺を見つけて声を掛けてきた。
残念ながら、俺たちがここで集める情報はなくなってしまった。
「旦那様のところに帰るぞ」
「え?神器は?今の騒ぎに乗じて」
「もう英雄が回収した」
それだけですべてを悟ったのか、さっさと他の団員のところに飛んで行ってしまった。
明朝には宿屋をチェックアウトして、神聖国グルシアの聖都に帰る。
あー、旦那様に恨まれるという一仕事が残っている。
いやだなー、絡まれるの。
正直に話すしかないか。
旦那様が面倒を引き起こした張本人なのだから。
旦那様はアスア王国の宰相からの手紙で行動に起こしたが、宰相はただ考えを述べただけなのだから。
責任はしっかり旦那様に返してあげないといけないよねー。
けれど、どう言っても、レンの英雄姿を旦那様より先に見てしまった恨みは残るような気がする。。。
宗教国バルトの首都にある教会。
そこの礼拝堂が前触れもなく崩壊した。
壁に綺麗に直線が入っているかのように見える。その上にある壁や屋根が崩落した。
いきなりだった。
轟音が響いたのは。
急に教会の前の広場が騒がしくなる。神官どもが出てきたが、周囲の住民の野次馬も湧き出てきている。
俺も慌てて身支度を整え、宿屋の外に出る。野次馬たちの波に隠れて、辺りを探ろうとした。
「主ー、さっさと退散しましょうよー」
「そうしたいところだが」
?
どこかで聞いたことのある声が耳に届く。
果たしてどこだったか、と思い出す前に該当の人物はその姿を現した。
「え、英雄っ?」
つい声に出したら、口を塞がれてズルズルと路地裏に連れ込まれた。
アスア王国の英雄の姿だ。うちの旦那様がレンに見たいーと騒いでいた英雄姿じゃないかー。わー、旦那様よりも先に見たら、俺、旦那様に恨まれるじゃないかー。
「もういいか?副団長」
英雄に呆れた視線を向けられた。
はいはい。
「この通り英雄のギフトは確保した。お前たちもこの街にはもう用はないだろう」
あー、長剣が英雄の腰にありますねー。
もしかして。
俺は建物の隙間からほんの少し見える教会の礼拝堂に視線を送る。
「ギフトで試し切りをした。ギフトは元々俺のものを返してもらっただけだが、この剣は宗教国バルトが用意したものだったから、代わりの飾りの剣を置いてきた。この剣より価値のあるものだから問題はないだろう」
いつもながら、この英雄さんは何か間違っている気がする。
代わりの剣を置いてきたって、礼拝堂を横に真っ二つにされたら帳尻が合わないだろう。
「そう思うか?俺は宗教国バルトの強奪の剣で刺されて死ぬ寸前だったんだぞ。礼拝堂ぐらいで済めば安い買い物じゃないか」
あー、この英雄さんは本当に怖い。
何もかも込み込みなのだ。
自分の説明が足りなくても、理解しないのならそれまでなのだ。
「まあ、この地は後で崩壊するから、俺が仕返しをする必要もない」
うわー、、、本当に怖いよー。敵に回したら地獄だよー。
冗談はさておき。
「はいはい、この地にいる旦那様の私兵団員はすべて撤退させる。それで良いんだろ」
「最初からそう言ってくれればいいのに」
英雄の顔がわかっていたクセにー、と言っている。肩にのる塔の置き物もなぜか呆れているように見えるのはなぜなんだろう。
「坊ちゃん、うちの旦那様にさっさとその姿を拝ましてくれないか」
俺が言うと、英雄の顔がニヤリと笑う。
「しばらく恨まれたらどうだ?たまには良い薬だろう」
ああ、その提案、うちの団長が喜びそう。。。いつも勝手気ままにやるからだと言われそう。。。旦那様に絡まれたら、泣くぞ、俺。
「それにノーレンさんが面倒なことするから、俺も面倒な回収作業をしなければならなくなったんだぞ。ロイが英雄のギフトを持ったまま死ぬのならそれでも良かったのに」
アスア王国にいる頃から、英雄は面倒なことが嫌いなのは行動を見ていればわかった。
他の人間はそんなことを露にも思わないようだったが、英雄に答え合わせをしたら正解だった。
面倒だからこそ、さらに面倒になりそうなことは早々に解決する。
つまり、今回もそういうことだ。英雄のギフトが剣になってしまえば、それに伴った面倒ごとが発生する。
だったら、自分で回収してしまった方が早いというわけだ。
旦那様の私兵団が動いたのは、うちの方で英雄のギフトを入れた神器を回収する予定だったからだ。
もちろん旦那様はレンにプレゼントするために。
プレゼントされた方が面倒だったってことかな?
ああ、正解なの。
目で頷かれた。
そりゃ、旦那様が面倒なことするから、ってこの英雄が言っているからなー。
旦那様がやったことは有難迷惑ってところだろう。この人、英雄のギフトがない方がなぜか恐ろしさが増す。本当だったら、ギフトがなければ能力は下がるはずなのに、反対だ。他の人は気づいてないのかなー?
俺は英雄姿のレンを見る。
「なあ、坊ちゃん、もしかして、すべて計算済みなのか?」
コイツは英雄自体が面倒だった。
孤児なのに、神託から八年も逃げ回っていた。
だとすれば最初から?
強奪の剣で英雄のギフトを奪われることさえ?
「さすがにそれは考え過ぎだ。俺は黙って刺されてやれるほどの性癖は持ち合わせていない」
面倒だからこそ、惰性で英雄を続けていた人間だからな。
逃げるのも面倒。
けれど、いつかは逃げると思っていた。
逃げ切るのに必要なことを考えると、本当に俺の考え過ぎなのだろうか。
英雄のギフトが物になってしまえば、その物を持っていたとしても、アスア王国では英雄とは呼ばれない。
というか、英雄のギフトが物になると、次の英雄はどうなるのだろう。
アスア王国の英雄は亡くなったら、しばらくの後、次の英雄が生まれる。
今回の場合、ザット・ノーレンもロイも亡くなっていないし、英雄のギフトも剣になってしまった。
「俺が生きている限りこの剣は存在し得るし、アスア王国の英雄はその間生まれない」
考えているだけなのに、答えを英雄が言ってくれた。俺の表情を読んだの?それとも俺の心を読んだの?英雄のギフト、剣でしっかり扱えているの?
「レンが生きている限り?」
どうもその点が引っ掛かる。人間の寿命ではない気がした。
ギフトがなくなったのに、レンは若返った。ギフトがなくなり老けたようになる例は多いが、若返る前例はない。
英雄はその問いには笑って返しただけだった。
「俺はもう帰る。ただでさえヴィンセントを怒らせているのに、これ以上待たせると厄介極まりない。じゃあな」
別れの挨拶を言うと、英雄は余韻もなく消えた。
レンには門限があるという。冒険者らしからぬ門限設定だということを聞いたことがある。。。英雄も恋人には形無しなんだな。尻に引かれているのかな?
だが、門限と言っても、たぶん破りに破っているんじゃないか、この時間。神聖国グルシアでも深夜だぞ?
それでも、英雄のギフトの剣を回収するのには、この時間じゃなければならなかったということだろう。
教会の広場に行く。
こんな時間なのに野次馬たちがまだまだ群がっており、これからも増えそうだ。
神官や護衛たちは野次馬たちが崩壊した礼拝堂に近づかないように、その周囲で見張っている。崩壊の原因は現状において調査中になっている。本当のことを信者に言うわけにもいかないしな。
「副団長、」
私兵団の一人が俺を見つけて声を掛けてきた。
残念ながら、俺たちがここで集める情報はなくなってしまった。
「旦那様のところに帰るぞ」
「え?神器は?今の騒ぎに乗じて」
「もう英雄が回収した」
それだけですべてを悟ったのか、さっさと他の団員のところに飛んで行ってしまった。
明朝には宿屋をチェックアウトして、神聖国グルシアの聖都に帰る。
あー、旦那様に恨まれるという一仕事が残っている。
いやだなー、絡まれるの。
正直に話すしかないか。
旦那様が面倒を引き起こした張本人なのだから。
旦那様はアスア王国の宰相からの手紙で行動に起こしたが、宰相はただ考えを述べただけなのだから。
責任はしっかり旦那様に返してあげないといけないよねー。
けれど、どう言っても、レンの英雄姿を旦那様より先に見てしまった恨みは残るような気がする。。。
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