179 / 236
17章 逃亡の冬
17-7 許せない ※ククー視点
しおりを挟む
◆ククー視点◆
レンのダンジョンにある家の階層は穏やかな気温だ。
外は真冬で大雪だが、ここでは柔らかな日差しに包まれている。
今日の休日もここで魔石の研究をしようと思って来た。
書斎で机に向かっていると、およそ一時間後にレンが書斎にやって来た。
「おはよー、早いなー、ククー」
朝食後にゆるゆると来たのだろうが、眠そうだ。白いマントをコート掛けにかけている。
「そんなに眠いのなら、転移で来ればいいのに」
「いいんだ。散歩がてら王子と一緒に来たから」
と、レンは言っているが、王子はこの階層には来ていない。
王子の身代わりが横たわる花畑の階層にタレタと共に行っている。
オレオと合流した。オレオは時間があるとそこにいつもいて、身代わりの世話をしている。
世話といっても、レンが魔法をかけているから汚れないし清潔なのだが、カラダを拭いたり服を着替えさせたり髪を整えたり甲斐甲斐しく世話をしている。
この五匹の角ウサギはレンに似ているということなのだが、面倒なことが嫌いなレンにもそういう面があるのだろうか。。。ああ、あるんだろうな、英雄だから。
このダンジョンにダンジョンコアの角ウサギが増えてから、レンを主と呼ぶ最初の五匹は時間ができた。
残念ながら、レンにかまう時間が増えたモノはいない。というわけで、淋しい想いをしているレンはこの書斎にやって来る角ウサギたちを代わる代わる撫でる。
「ロイは快楽と苦痛を繰り返している。快楽は本当に短時間だが、アンタは拷問にも精通しているのか?」
痛さというのは慣れてしまう。
だから、拷問でも苦痛だけを与えるより、途中で快適さを味わってしまう方が後の苦痛が耐えられなくなる。
「ククー、お前らがロイを連れて来たからだろうが。俺はアスア王国で勝手に国民たちがロイを魔物の前に放り出せばそれで終わる話だったんだ」
「一瞬で苦痛が終わるなんてズルいだろ。アンタにあんなことをしていて、死んだだけで許されると思ったら大間違いだ」
おおっと、真剣な表情過ぎると、レンが引いてしまうな。
俺の方が英雄よりロイを許せてない。
英雄のギフトを奪った上に、英雄を殺そうとしながらもトドメを刺さず、苦しめようとしたアイツらが許せない。
今、生きていてそばにいられて幸せ、と思えたとしても、アイツらを許せたものではない。
「ククーが連れてきておきながら、そこまで怒るのもズルいだろ。ククーも俺を抱かないクセに」
抱いて良いのか?
「アンタにはヴィンセントがいるだろ」
「いるけどさー、俺はククーも欲しいんだよー。強欲だからさー」
そこで撫でている角ウサギにぎゅむーッと抱きつくな。ダンジョンコアの角ウサギだから喜んでいるが、その力で締めたら完全に中身が出るだろ。俺は死ぬだろ。
「はいはい。ただ、アンタがアイツには人形の罰で良いんじゃないかと言ったときには、アンタの真意がまったくわからなかった」
今の新英雄ロイには人形の罰はご褒美に他ならないように思えたからだ。
「せっかくお膳立てしてくれたのなら、最高の罰を味わう必要があるだろ」
そう、快楽大好きなロイにとっては最悪だ。快楽と感じていた行為がすべて苦痛に変わるのだから。
そして、苦痛に慣れてきたと思ったら、ごく稀に快楽に変わる。短時間だけ濃い快楽に襲われる。
心が壊れてもおかしくないのに、レンの匙加減が絶妙だ。ロイは教会で心が壊れない程度に長く苦しんでくれるだろう。
人形の印があるから、もう逃げ出そうとすらしない。
完全に神官たちの玩具だ。
レンの魔法も人形の印に一緒に焼き付けている。完全に自動制御で、快楽出現は多少のランダム設定がある。レンはこんなときも面倒なことは嫌いなのである。
復讐に燃える鬼になっているわけでもないからな。。。
「王都からの馬車の旅ではすでにカイマに塗り薬だけでなく、飲み薬でも盛られていたし、ロイが教会から逃げる術はないだろ」
「そういう薬の効果で、キザスが宗教国バルトの人間だと薄々感づいていたのだから、微妙だなー」
だからこそ、あっさりとロイはエースや俺たちの言葉を信じた。
レンはため息を吐く。本日の角ウサギへのなでなでは抱き締めに変わっている気がする。元人間の角ウサギは間違っても今日のレンに近づくな。内臓が出るぞ。無事ではすまない。
「そんなに違うもんかね?この手の薬の効果は」
「ロイにとって違うらしいなー。アスア王国の物は全然ダメだって。キザスは自分が信頼している宗教国バルトの物ばかり使用しているからロイも気づいた感じだ。ククー、俺で違いを試してみるか?」
わー、その笑顔、どういう意図なの?
試してみたいけど。
「アンタはヴィンセントに試してもらえば良いじゃないか」
「ヴィンセントとは特に必要ない」
ヴィンセントのはおっきいから滑らかに挿れる薬は必要ですけどね。快楽も与える術をヴィンセントが知ってますからね。そういう強い薬はまったくいらないだろう。
「俺とヤるんだったら必要だということか?」
「誘い文句だよ。ククーが素直に挿れてくれるのなら本当は必要ないが、使えるなら試してみたいと思ってもらえるのならそれでもいい。それで、俺の虜になってくれれば尚更良い」
いや、もう俺はレンの虜なんですけど。
レンにはヴィンセントがいるから素直には挿れませんが。レンが相手だったら、二股だろうと浮気をされても何でもいいんだが、レンが悲しむことはしたくない。
ヴィンセントも独占欲の塊だから、俺がレンに手を出したら絶対に衝突するだろ。
二人の板挟みになるのは、レンである。手を出していない今も衝突しているんだから。。。
「ククーなら薬がなくとも、俺が感じるところを熟知しているんだろ」
あー、レンの表情がエロい。
手を出したくなるが、ここは我慢のしどころだ。
俺のギフトで知ってはいるので、否定はしないけど。
「ククー、お菓子持って来たよー。皆で食べよー」
王子が元気よくタレタを頭にのせて、オレオを引き連れて書斎にやって来た。
ナイスなタイミングだ、王子。
あのまま会話が続けば、ここには角ウサギも何匹もいるというのにヤバかった。
王子はテーブルに籠を置く。
角ウサギたちも興味を持って籠を覗いている。
「重いから俺が持って行くって言ったんだけど、自分で朝から作ったから王子が持って行くって聞かなかったんだ」
「美味しそうに焼けたんだから皆で食べるのー。ヴィンセントの分はきちんと家に置いてきたから」
王子は良い子だな。このまま育ってほしいな。
小さめの焼き菓子が籠にたくさん入っている。
このダンジョンにいる角ウサギの分も焼いてきたのかな?
お茶をいれてこようかと思ったら、ツノがティーセットを持って来た。
この子たちも良くできた従魔だ。
本当にこの五匹、王子についていく気がする。
≪ついてかないわよー。私は快適職場のここにいるわよー≫
タレタの光の文字が俺の目の前に浮かぶ。
「、、、面倒だから?」
≪そうそう、ってなんでやねんっ。必要ならついていくかもしれないけど、成人した王子なら私たちの手助けは必要ないわよ。そもそも、主と私たちは似ているのー。ナルシストでもなければ、自分自身のことを大好きだとは思わないわよー≫
タレタのノリツッコミは珍しいなー。文字で突っ込まれると不思議な感覚に陥る。
レンと角ウサギ五匹はそれぞれ似通いすぎているから、まったく違う王子の方が好きだということなのだろうか。
≪主が自分自身のこと、あまり好きじゃあないようにねー≫
はい、タレター、爆弾を投下しないでー。
それだと、レンも角ウサギ五匹も自分のこと好きじゃないというようにしか受け取れない。
嫌いとまではいかないけれど、好きにもなれない。
俺もその感情をわかる。わかってしまう。
けれど、レンには。
レンのダンジョンにある家の階層は穏やかな気温だ。
外は真冬で大雪だが、ここでは柔らかな日差しに包まれている。
今日の休日もここで魔石の研究をしようと思って来た。
書斎で机に向かっていると、およそ一時間後にレンが書斎にやって来た。
「おはよー、早いなー、ククー」
朝食後にゆるゆると来たのだろうが、眠そうだ。白いマントをコート掛けにかけている。
「そんなに眠いのなら、転移で来ればいいのに」
「いいんだ。散歩がてら王子と一緒に来たから」
と、レンは言っているが、王子はこの階層には来ていない。
王子の身代わりが横たわる花畑の階層にタレタと共に行っている。
オレオと合流した。オレオは時間があるとそこにいつもいて、身代わりの世話をしている。
世話といっても、レンが魔法をかけているから汚れないし清潔なのだが、カラダを拭いたり服を着替えさせたり髪を整えたり甲斐甲斐しく世話をしている。
この五匹の角ウサギはレンに似ているということなのだが、面倒なことが嫌いなレンにもそういう面があるのだろうか。。。ああ、あるんだろうな、英雄だから。
このダンジョンにダンジョンコアの角ウサギが増えてから、レンを主と呼ぶ最初の五匹は時間ができた。
残念ながら、レンにかまう時間が増えたモノはいない。というわけで、淋しい想いをしているレンはこの書斎にやって来る角ウサギたちを代わる代わる撫でる。
「ロイは快楽と苦痛を繰り返している。快楽は本当に短時間だが、アンタは拷問にも精通しているのか?」
痛さというのは慣れてしまう。
だから、拷問でも苦痛だけを与えるより、途中で快適さを味わってしまう方が後の苦痛が耐えられなくなる。
「ククー、お前らがロイを連れて来たからだろうが。俺はアスア王国で勝手に国民たちがロイを魔物の前に放り出せばそれで終わる話だったんだ」
「一瞬で苦痛が終わるなんてズルいだろ。アンタにあんなことをしていて、死んだだけで許されると思ったら大間違いだ」
おおっと、真剣な表情過ぎると、レンが引いてしまうな。
俺の方が英雄よりロイを許せてない。
英雄のギフトを奪った上に、英雄を殺そうとしながらもトドメを刺さず、苦しめようとしたアイツらが許せない。
今、生きていてそばにいられて幸せ、と思えたとしても、アイツらを許せたものではない。
「ククーが連れてきておきながら、そこまで怒るのもズルいだろ。ククーも俺を抱かないクセに」
抱いて良いのか?
「アンタにはヴィンセントがいるだろ」
「いるけどさー、俺はククーも欲しいんだよー。強欲だからさー」
そこで撫でている角ウサギにぎゅむーッと抱きつくな。ダンジョンコアの角ウサギだから喜んでいるが、その力で締めたら完全に中身が出るだろ。俺は死ぬだろ。
「はいはい。ただ、アンタがアイツには人形の罰で良いんじゃないかと言ったときには、アンタの真意がまったくわからなかった」
今の新英雄ロイには人形の罰はご褒美に他ならないように思えたからだ。
「せっかくお膳立てしてくれたのなら、最高の罰を味わう必要があるだろ」
そう、快楽大好きなロイにとっては最悪だ。快楽と感じていた行為がすべて苦痛に変わるのだから。
そして、苦痛に慣れてきたと思ったら、ごく稀に快楽に変わる。短時間だけ濃い快楽に襲われる。
心が壊れてもおかしくないのに、レンの匙加減が絶妙だ。ロイは教会で心が壊れない程度に長く苦しんでくれるだろう。
人形の印があるから、もう逃げ出そうとすらしない。
完全に神官たちの玩具だ。
レンの魔法も人形の印に一緒に焼き付けている。完全に自動制御で、快楽出現は多少のランダム設定がある。レンはこんなときも面倒なことは嫌いなのである。
復讐に燃える鬼になっているわけでもないからな。。。
「王都からの馬車の旅ではすでにカイマに塗り薬だけでなく、飲み薬でも盛られていたし、ロイが教会から逃げる術はないだろ」
「そういう薬の効果で、キザスが宗教国バルトの人間だと薄々感づいていたのだから、微妙だなー」
だからこそ、あっさりとロイはエースや俺たちの言葉を信じた。
レンはため息を吐く。本日の角ウサギへのなでなでは抱き締めに変わっている気がする。元人間の角ウサギは間違っても今日のレンに近づくな。内臓が出るぞ。無事ではすまない。
「そんなに違うもんかね?この手の薬の効果は」
「ロイにとって違うらしいなー。アスア王国の物は全然ダメだって。キザスは自分が信頼している宗教国バルトの物ばかり使用しているからロイも気づいた感じだ。ククー、俺で違いを試してみるか?」
わー、その笑顔、どういう意図なの?
試してみたいけど。
「アンタはヴィンセントに試してもらえば良いじゃないか」
「ヴィンセントとは特に必要ない」
ヴィンセントのはおっきいから滑らかに挿れる薬は必要ですけどね。快楽も与える術をヴィンセントが知ってますからね。そういう強い薬はまったくいらないだろう。
「俺とヤるんだったら必要だということか?」
「誘い文句だよ。ククーが素直に挿れてくれるのなら本当は必要ないが、使えるなら試してみたいと思ってもらえるのならそれでもいい。それで、俺の虜になってくれれば尚更良い」
いや、もう俺はレンの虜なんですけど。
レンにはヴィンセントがいるから素直には挿れませんが。レンが相手だったら、二股だろうと浮気をされても何でもいいんだが、レンが悲しむことはしたくない。
ヴィンセントも独占欲の塊だから、俺がレンに手を出したら絶対に衝突するだろ。
二人の板挟みになるのは、レンである。手を出していない今も衝突しているんだから。。。
「ククーなら薬がなくとも、俺が感じるところを熟知しているんだろ」
あー、レンの表情がエロい。
手を出したくなるが、ここは我慢のしどころだ。
俺のギフトで知ってはいるので、否定はしないけど。
「ククー、お菓子持って来たよー。皆で食べよー」
王子が元気よくタレタを頭にのせて、オレオを引き連れて書斎にやって来た。
ナイスなタイミングだ、王子。
あのまま会話が続けば、ここには角ウサギも何匹もいるというのにヤバかった。
王子はテーブルに籠を置く。
角ウサギたちも興味を持って籠を覗いている。
「重いから俺が持って行くって言ったんだけど、自分で朝から作ったから王子が持って行くって聞かなかったんだ」
「美味しそうに焼けたんだから皆で食べるのー。ヴィンセントの分はきちんと家に置いてきたから」
王子は良い子だな。このまま育ってほしいな。
小さめの焼き菓子が籠にたくさん入っている。
このダンジョンにいる角ウサギの分も焼いてきたのかな?
お茶をいれてこようかと思ったら、ツノがティーセットを持って来た。
この子たちも良くできた従魔だ。
本当にこの五匹、王子についていく気がする。
≪ついてかないわよー。私は快適職場のここにいるわよー≫
タレタの光の文字が俺の目の前に浮かぶ。
「、、、面倒だから?」
≪そうそう、ってなんでやねんっ。必要ならついていくかもしれないけど、成人した王子なら私たちの手助けは必要ないわよ。そもそも、主と私たちは似ているのー。ナルシストでもなければ、自分自身のことを大好きだとは思わないわよー≫
タレタのノリツッコミは珍しいなー。文字で突っ込まれると不思議な感覚に陥る。
レンと角ウサギ五匹はそれぞれ似通いすぎているから、まったく違う王子の方が好きだということなのだろうか。
≪主が自分自身のこと、あまり好きじゃあないようにねー≫
はい、タレター、爆弾を投下しないでー。
それだと、レンも角ウサギ五匹も自分のこと好きじゃないというようにしか受け取れない。
嫌いとまではいかないけれど、好きにもなれない。
俺もその感情をわかる。わかってしまう。
けれど、レンには。
23
お気に入りに追加
356
あなたにおすすめの小説
小悪魔系世界征服計画 ~ちょっと美少年に生まれただけだと思っていたら、異世界の救世主でした~
朱童章絵
BL
「僕はリスでもウサギでもないし、ましてやプリンセスなんかじゃ絶対にない!」
普通よりちょっと可愛くて、人に好かれやすいという以外、まったく普通の男子高校生・瑠佳(ルカ)には、秘密がある。小さな頃からずっと、別な世界で日々を送り、成長していく夢を見続けているのだ。
史上最強の呼び声も高い、大魔法使いである祖母・ベリンダ。
その弟子であり、物腰柔らか、ルカのトラウマを刺激しまくる、超絶美形・ユージーン。
外見も内面も、強くて男らしくて頼りになる、寡黙で優しい、薬屋の跡取り・ジェイク。
いつも笑顔で温厚だけど、ルカ以外にまったく価値を見出さない、ヤンデレ系神父・ネイト。
領主の息子なのに気さくで誠実、親友のイケメン貴公子・フィンレー。
彼らの過剰なスキンシップに狼狽えながらも、ルカは日々を楽しく過ごしていたが、ある時を境に、現実世界での急激な体力の衰えを感じ始める。夢から覚めるたびに強まる倦怠感に加えて、祖母や仲間達の言動にも不可解な点が。更には魔王の復活も重なって、瑠佳は次第に世界全体に疑問を感じるようになっていく。
やがて現実の自分の不調の原因が夢にあるのではないかと考えた瑠佳は、「夢の世界」そのものを否定するようになるが――。
無自覚小悪魔ちゃん、総受系愛され主人公による、保護者同伴RPG(?)。
(この作品は、小説家になろう、カクヨムにも掲載しています)
巻き戻りした悪役令息は最愛の人から離れて生きていく
藍沢真啓/庚あき
BL
婚約者ユリウスから断罪をされたアリステルは、ボロボロになった状態で廃教会で命を終えた……はずだった。
目覚めた時はユリウスと婚約したばかりの頃で、それならばとアリステルは自らユリウスと距離を置くことに決める。だが、なぜかユリウスはアリステルに構うようになり……
巻き戻りから人生をやり直す悪役令息の物語。
【感想のお返事について】
感想をくださりありがとうございます。
執筆を最優先させていただきますので、お返事についてはご容赦願います。
大切に読ませていただいてます。執筆の活力になっていますので、今後も感想いただければ幸いです。
あと一度だけでもいいから君に会いたい
藤雪たすく
BL
異世界に転生し、冒険者ギルドの雑用係として働き始めてかれこれ10年ほど経つけれど……この世界のご飯は素材を生かしすぎている。
いまだ食事に馴染めず米が恋しすぎてしまった為、とある冒険者さんの事が気になって仕方がなくなってしまった。
もう一度あの人に会いたい。あと一度でもあの人と会いたい。
※他サイト投稿済み作品を改題、修正したものになります
男装の麗人と呼ばれる俺は正真正銘の男なのだが~双子の姉のせいでややこしい事態になっている~
さいはて旅行社
BL
双子の姉が失踪した。
そのせいで、弟である俺が騎士学校を休学して、姉の通っている貴族学校に姉として通うことになってしまった。
姉は男子の制服を着ていたため、服装に違和感はない。
だが、姉は男装の麗人として女子生徒に恐ろしいほど大人気だった。
その女子生徒たちは今、何も知らずに俺を囲んでいる。
女性に囲まれて嬉しい、わけもなく、彼女たちの理想の王子様像を演技しなければならない上に、男性が女子寮の部屋に一歩入っただけでも騒ぎになる貴族学校。
もしこの事実がバレたら退学ぐらいで済むわけがない。。。
周辺国家の情勢がキナ臭くなっていくなかで、俺は双子の姉が戻って来るまで、協力してくれる仲間たちに笑われながらでも、無事にバレずに女子生徒たちの理想の王子様像を演じ切れるのか?
侯爵家の命令でそんなことまでやらないといけない自分を救ってくれるヒロインでもヒーローでも現れるのか?
龍は精霊の愛し子を愛でる
林 業
BL
竜人族の騎士団団長サンムーンは人の子を嫁にしている。
その子は精霊に愛されているが、人族からは嫌われた子供だった。
王族の養子として、騎士団長の嫁として今日も楽しく自由に生きていく。
ブレスレットが運んできたもの
mahiro
BL
第一王子が15歳を迎える日、お祝いとは別に未来の妃を探すことを目的としたパーティーが開催することが発表された。
そのパーティーには身分関係なく未婚である女性や歳の近い女性全員に招待状が配られたのだという。
血の繋がりはないが訳あって一緒に住むことになった妹ーーーミシェルも例外ではなく招待されていた。
これまた俺ーーーアレットとは血の繋がりのない兄ーーーベルナールは妹大好きなだけあって大いに喜んでいたのだと思う。
俺はといえば会場のウェイターが足りないため人材募集が貼り出されていたので応募してみたらたまたま通った。
そして迎えた当日、グラスを片付けるため会場から出た所、廊下のすみに光輝く何かを発見し………?
祝福という名の厄介なモノがあるんですけど
野犬 猫兄
BL
魔導研究員のディルカには悩みがあった。
愛し愛される二人の証しとして、同じ場所に同じアザが発現するという『花祝紋』が独り身のディルカの身体にいつの間にか現れていたのだ。
それは女神の祝福とまでいわれるアザで、そんな大層なもの誰にも見せられるわけがない。
ディルカは、そんなアザがあるものだから、誰とも恋愛できずにいた。
イチャイチャ……イチャイチャしたいんですけど?!
□■
少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです!
完結しました。
応援していただきありがとうございます!
□■
第11回BL大賞では、ポイントを入れてくださった皆様、またお読みくださった皆様、どうもありがとうございましたm(__)m
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる