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16章 滅びの季節
16-7 串刺しの先 ※アスア王国の王太子視点
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◆アスア王国の王太子視点◆
私はアスア王国の国王である父を恨んだ。
宰相は王城の謁見の間に残って、我々のために玉座まで元の位置に戻してくれた。
国民たちに酷い目にあわされる可能性もあるのに、、、と思っていたが、残って正解だ。
今の惨状を宰相が見れば、憐みの目を向けるに違いない。
このアスア王国の王族のための逃亡経路として、謁見の間にある玉座の下に続く通路を幼い頃に父から教えてもらった。そして、我々は今、ここにいる。
が、逃亡経路と言うにはおかしいということに気づくのには数分もかからなかった。
この通路には罠が至るところに存在し、我々を殺しにかかってきている。
安全に逃亡するためには罠の解除方法があったはずだ。
父は誰にもそれを教えていない。
ここにいる誰も聞いた覚えがなかった。
そして、我々は典型的な巨大な岩が転がってくるという罠で走りに走った。
きちんと全員ついてきているか確認する暇もない。
だが、この罠を考えた者は性格も悪い。
疾走する我々を嘲笑うかのように、床が抜けた。
落とし穴だった。
まるでスローモーションのように感じながら、ゆっくりと落ちていった。
我々が床の下に見た物は、落ちた者をすべて串刺しにする鋭い針の山だった。
これは助からない。
岩の下敷きにならなかった者は、私と共に落ちているのだろう。
人数までは確認できないが、残念ながら横道に逸れて大岩から逃れられたと思しき者はいないようだ。
皆一緒なら、仕方ないか。
国王である父と、末っ子の娘のアリシアはここにはいないが、二人なら適当にやっていけるだろう。
父は生きている間、息子の王太子である私に王位を譲る気はまったくないようだ。
英雄がおらず不遇の時代を送ったのはわかるが、すべてを英雄に頼り切っていた時代は国としてはいかがなものであったように今更ながら思う。
父は英雄に固執した。
本当なら犯罪者であるロイを英雄に仕立ててしまった。
ただ英雄のギフトを持っているからといって。
宰相も他の大臣も私も反対だったが、結局は押し通された。
英雄がいれば何の問題もない、と。
国王が行っていた裏方の実務は私が成人してから長年やって来た。
今も父がやっている仕事は表舞台の華やかな部分だけだ。
しかし、それすらも英雄が亡くなり最凶級ダンジョンが各地に大発生してからは式典や舞踏会や晩餐会等の華やかな行事は自粛していた。
だが、たまに父は新英雄をお披露目するために、貴族や他国の要人を呼んでいた。
国民が我慢しているなかの贅沢が、国民の反感を買うのを知ってか知らずか。
あの人の中で国民はどういう存在だったのだろう。
すべて思い通りに動いてくれると思い込んでいたのだろうか。
英雄がいて、アスア王国が安全だった時代ならそうだったのだろう。英雄ザット・ノーレンがいたときはすべてがうまく回っていた。
英雄がいなくなって、すべての歯車が狂っていった。
英雄を殺害したのが新英雄ロイなら、彼こそが憎む相手ではないのか?
何度言っても、父は取り合わなかった。
英雄のギフトを持っている者が英雄だと。
奪ったギフトで何ができる。
何もできなかった。
すべてを明るみに出さなかったからこその歪みだ。
英雄のギフトを持っていたとしても、殺して奪ったのなら犯罪者だ。アスア王国は法治国家だ。裁かれる必要があった。
なのに、私も他の誰も国王である父を説得することができなかった。
意外と串刺しになるまでの時間が長いなー、と思ったところだ。
なーんか足元に地面がある気がする。何でだろう?もう死後の世界についているとか?
父への恨み言を考え始めたところで、コレが走馬灯と言われるものかとか思ったものだが、恐る恐る目を開けてみる。
暖かい風が迎えてくれる。
すぐ近くには白い教会が見える。
ここはなだらかな丘の上だ。下には外壁に囲まれた綺麗な街並が見える。
青空は清々しいが、天国というには牧歌的な感じがする。
アスア王国ではないことは確かだ。
「目が覚めたかーい?キミたちもう少しで串刺しになるところだったよー。我が王の恩情で救ってもらって良かったねー。可愛い姿になって良かったねー」
「え?」
目の前で話している白いフワフワの小動物に、同じ小動物が近づいていく。
「可愛いですね」
と言っているのも、おケツがプリチーな同じ姿なのに。けれど、なぜかそれが我が息子だとわかる。
(。´・ω・)ん?息子だよな。
「よくわかってるねー。超キュートな魔物の角ウサギの姿だ。キミたちも同じ姿になっているんだぜー」
白い丸いウサギに見えるが、長い耳の真ん中に可愛い角が生えている。
目の前どころか、周囲を見渡すと角ウサギだらけだった。なのに、それが王族である誰だったか判断できてしまう。
知らない角ウサギもいるけど。初見だとわからないのはたぶんここに元々いた角ウサギたちなのだろう。
自分にも長い耳の感覚がある。ピコピコ、動かせるな。。。
信じたくないけど、自分も角ウサギだ。
皆キョロキョロ見て動き回っている。
女性陣が鏡はー、せめて水面でもー、と騒いでいる。我が妻も一緒に騒いでいる。無事?で元気で良かった。
「キミたちは元王族かもしれないけど、ここにいる間はそういう身分なんて関係ないから、しっかり働いてねー」
「五十四号さん、詳しい説明は彼らが状況をもう少し把握してからの方が良いのでは?」
「おおっとー、端折りすぎたか」
角ウサギからの言葉は話されているというよりも、直接脳に語りかけられているような感覚がある。
全員が全員同じような角ウサギなのに、個体識別ができるのも不思議だ。
「私はこの階層で、この教会の教会長をしております。私も元人間です。ええっと、とりあえず我が王からの注意事項によると、貴方たちはここから元の姿で出ていくことも可能だそうですが、二度とここには戻って来れないことと、元いた国には直接戻さないそうです。そして、ここにいる間は角ウサギの姿のままで、元の人間の姿には戻さないとのことです」
その説明だと、五十四号さんは元人間じゃないの?
そして、その説明だと、キミたちはここで元の姿に戻れるの?
周囲には少し離れて新しい者を見ようと、他の角ウサギたちが私たちを見ている。。。同じ姿だけど。キミたちもどこかで救われてきたのかな?
「まあ、それらはおいおい説明していきましょう。教会の中に鏡がありますので、まずは自分の姿をご確認ください」
白壁の教会も、木製で統一されている内部も綺麗である。
祈りの場を抜けて奥の居住区域に行くと、姿見が存在していた。
大きな鏡に一喜一憂している女性陣。
全員可愛いとしか表現できないが。
自分の番が回ってきた。
幼い頃はともかく、今になって自分自身を可愛いと表現することがあるなどとは思ってもみなかった。
あ、やっぱり自分の意志で耳が動く。
コレが自分のカラダなのだなあ。
そして、また教会の外に戻ってきた。
「まず、ここでは自分のことは自分でやらなければいけません。けれど、我々は角ウサギ。その辺に生えている草でも大変に美味しく頂けます。じゅる、失礼」
教会長の視線が足元の草を見ていた。
隣にいる角ウサギがハンカチで教会長の口元を拭いている。甲斐甲斐しいな。奥さんか?女性じゃないようだけど。
「食料は配給がありますが、自給自足できるように外壁の外に畑を耕作中です。春になったら種植えをします」
春?今でもここはかなり暖かな気がするが。
「で、我々が助けられた理由というのが、この教会で行われている酒造りのおかげです。我が王の大好きなお酒をここで作っているので、魔物に襲われた我々は救われました。冬の間はだいたい酒を仕込み、暖かくなったら畑での作業が中心になります」
その我が王って、どういう基準で人助けしているんだろう。
私たちがアスア王国の王族だから恩を売りたいがために助けたわけではなさそうだ。
「我が王がキミたちに恩を売ったところで何を得るって言うのさー。キミたちが我が王に与えられるものなんて何もないでしょう?」
五十四号さんがそこら辺の草をムシャムシャ食べながら私に言った。
私はアスア王国の国王である父を恨んだ。
宰相は王城の謁見の間に残って、我々のために玉座まで元の位置に戻してくれた。
国民たちに酷い目にあわされる可能性もあるのに、、、と思っていたが、残って正解だ。
今の惨状を宰相が見れば、憐みの目を向けるに違いない。
このアスア王国の王族のための逃亡経路として、謁見の間にある玉座の下に続く通路を幼い頃に父から教えてもらった。そして、我々は今、ここにいる。
が、逃亡経路と言うにはおかしいということに気づくのには数分もかからなかった。
この通路には罠が至るところに存在し、我々を殺しにかかってきている。
安全に逃亡するためには罠の解除方法があったはずだ。
父は誰にもそれを教えていない。
ここにいる誰も聞いた覚えがなかった。
そして、我々は典型的な巨大な岩が転がってくるという罠で走りに走った。
きちんと全員ついてきているか確認する暇もない。
だが、この罠を考えた者は性格も悪い。
疾走する我々を嘲笑うかのように、床が抜けた。
落とし穴だった。
まるでスローモーションのように感じながら、ゆっくりと落ちていった。
我々が床の下に見た物は、落ちた者をすべて串刺しにする鋭い針の山だった。
これは助からない。
岩の下敷きにならなかった者は、私と共に落ちているのだろう。
人数までは確認できないが、残念ながら横道に逸れて大岩から逃れられたと思しき者はいないようだ。
皆一緒なら、仕方ないか。
国王である父と、末っ子の娘のアリシアはここにはいないが、二人なら適当にやっていけるだろう。
父は生きている間、息子の王太子である私に王位を譲る気はまったくないようだ。
英雄がおらず不遇の時代を送ったのはわかるが、すべてを英雄に頼り切っていた時代は国としてはいかがなものであったように今更ながら思う。
父は英雄に固執した。
本当なら犯罪者であるロイを英雄に仕立ててしまった。
ただ英雄のギフトを持っているからといって。
宰相も他の大臣も私も反対だったが、結局は押し通された。
英雄がいれば何の問題もない、と。
国王が行っていた裏方の実務は私が成人してから長年やって来た。
今も父がやっている仕事は表舞台の華やかな部分だけだ。
しかし、それすらも英雄が亡くなり最凶級ダンジョンが各地に大発生してからは式典や舞踏会や晩餐会等の華やかな行事は自粛していた。
だが、たまに父は新英雄をお披露目するために、貴族や他国の要人を呼んでいた。
国民が我慢しているなかの贅沢が、国民の反感を買うのを知ってか知らずか。
あの人の中で国民はどういう存在だったのだろう。
すべて思い通りに動いてくれると思い込んでいたのだろうか。
英雄がいて、アスア王国が安全だった時代ならそうだったのだろう。英雄ザット・ノーレンがいたときはすべてがうまく回っていた。
英雄がいなくなって、すべての歯車が狂っていった。
英雄を殺害したのが新英雄ロイなら、彼こそが憎む相手ではないのか?
何度言っても、父は取り合わなかった。
英雄のギフトを持っている者が英雄だと。
奪ったギフトで何ができる。
何もできなかった。
すべてを明るみに出さなかったからこその歪みだ。
英雄のギフトを持っていたとしても、殺して奪ったのなら犯罪者だ。アスア王国は法治国家だ。裁かれる必要があった。
なのに、私も他の誰も国王である父を説得することができなかった。
意外と串刺しになるまでの時間が長いなー、と思ったところだ。
なーんか足元に地面がある気がする。何でだろう?もう死後の世界についているとか?
父への恨み言を考え始めたところで、コレが走馬灯と言われるものかとか思ったものだが、恐る恐る目を開けてみる。
暖かい風が迎えてくれる。
すぐ近くには白い教会が見える。
ここはなだらかな丘の上だ。下には外壁に囲まれた綺麗な街並が見える。
青空は清々しいが、天国というには牧歌的な感じがする。
アスア王国ではないことは確かだ。
「目が覚めたかーい?キミたちもう少しで串刺しになるところだったよー。我が王の恩情で救ってもらって良かったねー。可愛い姿になって良かったねー」
「え?」
目の前で話している白いフワフワの小動物に、同じ小動物が近づいていく。
「可愛いですね」
と言っているのも、おケツがプリチーな同じ姿なのに。けれど、なぜかそれが我が息子だとわかる。
(。´・ω・)ん?息子だよな。
「よくわかってるねー。超キュートな魔物の角ウサギの姿だ。キミたちも同じ姿になっているんだぜー」
白い丸いウサギに見えるが、長い耳の真ん中に可愛い角が生えている。
目の前どころか、周囲を見渡すと角ウサギだらけだった。なのに、それが王族である誰だったか判断できてしまう。
知らない角ウサギもいるけど。初見だとわからないのはたぶんここに元々いた角ウサギたちなのだろう。
自分にも長い耳の感覚がある。ピコピコ、動かせるな。。。
信じたくないけど、自分も角ウサギだ。
皆キョロキョロ見て動き回っている。
女性陣が鏡はー、せめて水面でもー、と騒いでいる。我が妻も一緒に騒いでいる。無事?で元気で良かった。
「キミたちは元王族かもしれないけど、ここにいる間はそういう身分なんて関係ないから、しっかり働いてねー」
「五十四号さん、詳しい説明は彼らが状況をもう少し把握してからの方が良いのでは?」
「おおっとー、端折りすぎたか」
角ウサギからの言葉は話されているというよりも、直接脳に語りかけられているような感覚がある。
全員が全員同じような角ウサギなのに、個体識別ができるのも不思議だ。
「私はこの階層で、この教会の教会長をしております。私も元人間です。ええっと、とりあえず我が王からの注意事項によると、貴方たちはここから元の姿で出ていくことも可能だそうですが、二度とここには戻って来れないことと、元いた国には直接戻さないそうです。そして、ここにいる間は角ウサギの姿のままで、元の人間の姿には戻さないとのことです」
その説明だと、五十四号さんは元人間じゃないの?
そして、その説明だと、キミたちはここで元の姿に戻れるの?
周囲には少し離れて新しい者を見ようと、他の角ウサギたちが私たちを見ている。。。同じ姿だけど。キミたちもどこかで救われてきたのかな?
「まあ、それらはおいおい説明していきましょう。教会の中に鏡がありますので、まずは自分の姿をご確認ください」
白壁の教会も、木製で統一されている内部も綺麗である。
祈りの場を抜けて奥の居住区域に行くと、姿見が存在していた。
大きな鏡に一喜一憂している女性陣。
全員可愛いとしか表現できないが。
自分の番が回ってきた。
幼い頃はともかく、今になって自分自身を可愛いと表現することがあるなどとは思ってもみなかった。
あ、やっぱり自分の意志で耳が動く。
コレが自分のカラダなのだなあ。
そして、また教会の外に戻ってきた。
「まず、ここでは自分のことは自分でやらなければいけません。けれど、我々は角ウサギ。その辺に生えている草でも大変に美味しく頂けます。じゅる、失礼」
教会長の視線が足元の草を見ていた。
隣にいる角ウサギがハンカチで教会長の口元を拭いている。甲斐甲斐しいな。奥さんか?女性じゃないようだけど。
「食料は配給がありますが、自給自足できるように外壁の外に畑を耕作中です。春になったら種植えをします」
春?今でもここはかなり暖かな気がするが。
「で、我々が助けられた理由というのが、この教会で行われている酒造りのおかげです。我が王の大好きなお酒をここで作っているので、魔物に襲われた我々は救われました。冬の間はだいたい酒を仕込み、暖かくなったら畑での作業が中心になります」
その我が王って、どういう基準で人助けしているんだろう。
私たちがアスア王国の王族だから恩を売りたいがために助けたわけではなさそうだ。
「我が王がキミたちに恩を売ったところで何を得るって言うのさー。キミたちが我が王に与えられるものなんて何もないでしょう?」
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