161 / 236
15章 冷たい風に吹かれて
15-10 想い ※ジニール視点
しおりを挟む
◆ジニール視点◆
あの人に会いたいと切に願う。
寝ても覚めても。
想いが募っていく。
聖教国エルバノーンの王都に着くまでも長かった。
日にちはそこまでかかっていないのだが、宰相がその辺の権力者や大商人に挨拶まわりしていかなければいけないので時間がかかってしまった。
だからといって、自分たちだけでそこら辺の最凶級ダンジョンに走っていっても、どの最凶級ダンジョンに英雄出没の噂が多いのか判断がつかない。闇雲に動くよりかは王都で情報を得た方が良いという、宰相の冷静な指示により護衛を続行していた。
聖教国エルバノーンの国王に宰相が挨拶をした後、位の高い爺さんがやってきた。
宰相が俺に気を使ってか、最初に英雄の噂について話してくれた。
「ああ、アレは偽物ですよ。まあ、私がいくらそう返事してもこの国に来てしまうぐらいですから、それでも真偽を確かめたいというのなら、最近だとこの最凶級ダンジョンによく出没するという噂が多いようですね」
爺さんがそばにいる従者から簡単な地図を受け取り、丸を付けて宰相に渡した。
「アスア王国の大剣のジニールという上級冒険者の話は我が国でも聞きますが、そこも最凶級ダンジョンですので、行くのでしたら止めませんが我々からは護衛をつけません。どうぞお気をつけて」
爺さんの表情から、聖教国エルバノーンはお前たちがどうなっても責任は持たないぞ、という考えを読み取る。
俺たちのことはとうにバレている。
英雄の噂の主に会いに来たというのもわかって地図まで渡してくれたのだ。
多少魔物を討伐してくれれば良いかというぐらいの気軽さだ。やはり噂は噂だったのだろうか。
「今日は王城でゆっくりしていって、明朝出発してはいかがですか。体調を万全に整えてから」
「いえ、私たちはこれから出発します。戻ってからの宰相の護衛もありますので」
「そうですか。ではアスア王国の宰相殿、少し休憩を入れてから会談の場を設けましょう」
あまりにもあっさりと俺たちは捨て置かれた。
まったく、こっちは親切にも偽物だって言っているのになー、見に行けばわかるだろー、という態度だ。
それでも、俺は会いに行く。
この足を止められない。
俺はどうしても英雄に会いたいのだ。
女性の仲間三人もついてきた。
馬で地図の最凶級ダンジョンを目指す。途中の街で多少の休憩がてらの宿を取れば、明日の午前中には最凶級ダンジョンには着くだろう。
目的の人物に会うためには最凶級ダンジョンをしらみつぶしに探すのがいいのか、近くの街で情報収集した方が良いのか迷うところだが、心は早く最凶級ダンジョンに行きたいと急いている。
それがわかるのか、休憩時間もそこそこなのに三人とも文句も言わずについて来る。
ただひたすら彼を求める。
英雄ザット・ノーレン。
どんなに手を伸ばしても、届かないと知っていても。
あの目を俺に向けてほしい。
憎しみでもいい、恨みでもいい。
何でもいいから、俺に感情を向けてほしい。
「、、、あー、本当にトドメを刺しに来たわけじゃなかったのか」
開口一番、英雄に言われた。
翌日、最凶級ダンジョンに着いたと同時に入った。
魔物を数匹ほど倒した時点で、仲間三人と逸れた。
彼女たちも上級冒険者だから特に心配はいらないだろう。
と同時に、先程まで感じられなかった冷気が肌に纏わりつく。
で、先程の言葉が降ってきた。
振り返ると、英雄が岩に座って俺を見下ろしていた。
仲間三人と逸れてしまったのは、偶然ではないようだ。
会いたいと思っていたが、こんなにあっさり会えるとは。
この最凶級ダンジョンでの噂は多かったが、こんな短時間で本当に会えるとは思ってもみなかった。
以前と変わらない黒い短髪、端整な顔立ち、しっかりと筋肉のついた体型、良く似合う白銀の鎧。
すべてが完璧だ。
英雄が思案顔で俺を見ている。
「あ、あの、俺、、、」
英雄だ。
会いたいと望んだ英雄の前にいるのに、考えていた言葉が口から出てこない。
このまま立ち去られたら、と思うと怖い。
ここまで来て、ここで会えたのに、何も伝えられなかったら。
「ジニール、お前は俺を殺そうとしたのに、なぜそんなにも俺に会いたいと思うのか疑問だったんだ」
「それは、」
好きだったから。
英雄のことを愛していたから。
あのときのことをどんなに後悔したか。
馬鹿な選択をした。
どれだけ愚かだったのかを知るまで時間はかからなかった。
英雄が首元をちょいちょいと指さした。
俺は自分の首元に手を触れる。服の下にあるのは。
それは英雄のペンダント。俺が奪ったものだ。
「あ、」
「おかしいなと思ったんだ。ククーは恋愛感情があるならお前の行動はさも当たり前のように思っていたが、お前のソレは違う」
英雄の目は俺を見ていなかった。
「ソレの指示か」
俺はペンダントをギュッと握った。
「え、英雄、何を言って」
「なるほどな。お前を使えば、俺の元に戻れる。反対にお前がソレを俺から奪わなければ、心まで利用されなかったのに。いいように使われたな、ジニール」
英雄が岩を蹴って、俺の元まで降りてきた。
視線が下に行く。英雄は俺よりも身長が低い。それでも、存在が大きい。
ただ、俺には英雄の言葉の意味がわからない。
このペンダントを取られたくないという想いに駆られる。
ペンダントを手放したくない。
「そうか、ジニール。お前は俺を忘れたくないだけなんだな」
英雄が口の端だけで嗤った。
ゾクリと背筋が寒くなる。
「じゃあ、忘れろ。俺への想いを。抱かれたいと思ったことも」
「い、嫌だ」
「ジニール、俺に殺されたい、一生をかけて償いたい、俺が生きているなら、何もかも差し出したいという気持ちは嘘か?」
英雄の目が俺を見ているのに、限りなく冷たい。
俺はどんな目で迎えられると思っていたのだろう。殺そうとしていて虫のいい話だ。
「嘘じゃない。俺は、、、」
「なら、心を差し出せ」
そんな要望を突き付けられるとは思ってもみなかった。
死んでくれと言われた方がまだマシだ。
英雄のことをすべて忘れて生きていけ、ということに他ならない。
そんなことできるわけがないと思いたいのに、英雄だからできるのだろうと思う自分がいる。すべてを差し出す覚悟でいたはずなのに、この英雄への想いを切り離したくない。
英雄に足払いをされ、咄嗟のことに受け身も取れなかった。
無様に倒される。
仰向けになった俺の首元に、英雄の手が伸びる。
ブツッと切れた。
英雄がペンダントの紐を引きちぎった。
「俺への想いを忘れろ」
英雄の手が俺の目に被さった。
嫌だ。
忘れたくない。
この想いを英雄にだってなくされたくない。
「英雄、お願いだ。忘れたくない」
けれど、英雄の手を払いのけることができない。
力を入れられているわけではない。
ただ顔に手をのせられているだけなのに。
「お前の想いは俺を殺したときまでだ。あの後、お前が俺を恋焦がれたのはこのペンダントのせいだ」
「そんなわけない、、、」
「俺を殺して清々した、というのがお前の本当の想いだ。お前がアスア王国の国民でなければ、お前の俺への想いを信じたかもしれないが、アスア王国の国民は俺に救われることだけを望む。俺を殺して、救われたと思ったんだろ?あのときに」
あのとき、すべてが終わった、と思った。
これで解放されたと。
英雄はもう誰のモノにもならないと。
「それなら、それでいいだろ」
「英雄、、、」
俺の目から涙が一筋流れた。
英雄への憧れから始まった、俺の想いは嘘ではない。
恋焦がれて、抱かれたいと思った気持ちも本当だった。
「ジニール、無事だったんだね」
「大丈夫かっ?」
最凶級ダンジョンの出入口に戻って来ていた。仲間三人も戻って来ていたようで、彼女たちが寄って来る。仲間と離れ離れになったときはあらかじめどうするか決めておくのが鉄則だ。
「顔、青白いけど、英雄に会えたのか?」
俺の表情から何かを察したのだろう。
彼女たちは自分が英雄に会えずに残念というよりも、本当に俺の身を心配しているようだ。
ただ、彼女たちの視線は俺が腕輪をしているかどうかも確認している。
ほんの少し目を瞑る。
「いや、白銀の鎧の英雄に似た冒険者に会った。よく間違われると言っていた。本当に、、、残念だ、った」
涙がまた溢れる。
なぜ、俺はこんなに泣くのだろう。
英雄のことを覚えている。
幼い頃、命を救われて憧れた。
憧れた故に、愛し憎んだ。
そして、殺害に及んだ。
想いが消えていないようでホっとしている自分がいるのを感じている。
それがなぜだかわからない。
「宰相を拾って帰ろう」
「そうだな。英雄がいないのなら、こんな国にいても仕方がない」
彼女たちはポンポンと俺の肩を叩く。
「今日は飲み明かそう。それぐらいの時間はあるはずだ」
彼女たちは近くの街に俺を促した。
あの人に会いたいと切に願う。
寝ても覚めても。
想いが募っていく。
聖教国エルバノーンの王都に着くまでも長かった。
日にちはそこまでかかっていないのだが、宰相がその辺の権力者や大商人に挨拶まわりしていかなければいけないので時間がかかってしまった。
だからといって、自分たちだけでそこら辺の最凶級ダンジョンに走っていっても、どの最凶級ダンジョンに英雄出没の噂が多いのか判断がつかない。闇雲に動くよりかは王都で情報を得た方が良いという、宰相の冷静な指示により護衛を続行していた。
聖教国エルバノーンの国王に宰相が挨拶をした後、位の高い爺さんがやってきた。
宰相が俺に気を使ってか、最初に英雄の噂について話してくれた。
「ああ、アレは偽物ですよ。まあ、私がいくらそう返事してもこの国に来てしまうぐらいですから、それでも真偽を確かめたいというのなら、最近だとこの最凶級ダンジョンによく出没するという噂が多いようですね」
爺さんがそばにいる従者から簡単な地図を受け取り、丸を付けて宰相に渡した。
「アスア王国の大剣のジニールという上級冒険者の話は我が国でも聞きますが、そこも最凶級ダンジョンですので、行くのでしたら止めませんが我々からは護衛をつけません。どうぞお気をつけて」
爺さんの表情から、聖教国エルバノーンはお前たちがどうなっても責任は持たないぞ、という考えを読み取る。
俺たちのことはとうにバレている。
英雄の噂の主に会いに来たというのもわかって地図まで渡してくれたのだ。
多少魔物を討伐してくれれば良いかというぐらいの気軽さだ。やはり噂は噂だったのだろうか。
「今日は王城でゆっくりしていって、明朝出発してはいかがですか。体調を万全に整えてから」
「いえ、私たちはこれから出発します。戻ってからの宰相の護衛もありますので」
「そうですか。ではアスア王国の宰相殿、少し休憩を入れてから会談の場を設けましょう」
あまりにもあっさりと俺たちは捨て置かれた。
まったく、こっちは親切にも偽物だって言っているのになー、見に行けばわかるだろー、という態度だ。
それでも、俺は会いに行く。
この足を止められない。
俺はどうしても英雄に会いたいのだ。
女性の仲間三人もついてきた。
馬で地図の最凶級ダンジョンを目指す。途中の街で多少の休憩がてらの宿を取れば、明日の午前中には最凶級ダンジョンには着くだろう。
目的の人物に会うためには最凶級ダンジョンをしらみつぶしに探すのがいいのか、近くの街で情報収集した方が良いのか迷うところだが、心は早く最凶級ダンジョンに行きたいと急いている。
それがわかるのか、休憩時間もそこそこなのに三人とも文句も言わずについて来る。
ただひたすら彼を求める。
英雄ザット・ノーレン。
どんなに手を伸ばしても、届かないと知っていても。
あの目を俺に向けてほしい。
憎しみでもいい、恨みでもいい。
何でもいいから、俺に感情を向けてほしい。
「、、、あー、本当にトドメを刺しに来たわけじゃなかったのか」
開口一番、英雄に言われた。
翌日、最凶級ダンジョンに着いたと同時に入った。
魔物を数匹ほど倒した時点で、仲間三人と逸れた。
彼女たちも上級冒険者だから特に心配はいらないだろう。
と同時に、先程まで感じられなかった冷気が肌に纏わりつく。
で、先程の言葉が降ってきた。
振り返ると、英雄が岩に座って俺を見下ろしていた。
仲間三人と逸れてしまったのは、偶然ではないようだ。
会いたいと思っていたが、こんなにあっさり会えるとは。
この最凶級ダンジョンでの噂は多かったが、こんな短時間で本当に会えるとは思ってもみなかった。
以前と変わらない黒い短髪、端整な顔立ち、しっかりと筋肉のついた体型、良く似合う白銀の鎧。
すべてが完璧だ。
英雄が思案顔で俺を見ている。
「あ、あの、俺、、、」
英雄だ。
会いたいと望んだ英雄の前にいるのに、考えていた言葉が口から出てこない。
このまま立ち去られたら、と思うと怖い。
ここまで来て、ここで会えたのに、何も伝えられなかったら。
「ジニール、お前は俺を殺そうとしたのに、なぜそんなにも俺に会いたいと思うのか疑問だったんだ」
「それは、」
好きだったから。
英雄のことを愛していたから。
あのときのことをどんなに後悔したか。
馬鹿な選択をした。
どれだけ愚かだったのかを知るまで時間はかからなかった。
英雄が首元をちょいちょいと指さした。
俺は自分の首元に手を触れる。服の下にあるのは。
それは英雄のペンダント。俺が奪ったものだ。
「あ、」
「おかしいなと思ったんだ。ククーは恋愛感情があるならお前の行動はさも当たり前のように思っていたが、お前のソレは違う」
英雄の目は俺を見ていなかった。
「ソレの指示か」
俺はペンダントをギュッと握った。
「え、英雄、何を言って」
「なるほどな。お前を使えば、俺の元に戻れる。反対にお前がソレを俺から奪わなければ、心まで利用されなかったのに。いいように使われたな、ジニール」
英雄が岩を蹴って、俺の元まで降りてきた。
視線が下に行く。英雄は俺よりも身長が低い。それでも、存在が大きい。
ただ、俺には英雄の言葉の意味がわからない。
このペンダントを取られたくないという想いに駆られる。
ペンダントを手放したくない。
「そうか、ジニール。お前は俺を忘れたくないだけなんだな」
英雄が口の端だけで嗤った。
ゾクリと背筋が寒くなる。
「じゃあ、忘れろ。俺への想いを。抱かれたいと思ったことも」
「い、嫌だ」
「ジニール、俺に殺されたい、一生をかけて償いたい、俺が生きているなら、何もかも差し出したいという気持ちは嘘か?」
英雄の目が俺を見ているのに、限りなく冷たい。
俺はどんな目で迎えられると思っていたのだろう。殺そうとしていて虫のいい話だ。
「嘘じゃない。俺は、、、」
「なら、心を差し出せ」
そんな要望を突き付けられるとは思ってもみなかった。
死んでくれと言われた方がまだマシだ。
英雄のことをすべて忘れて生きていけ、ということに他ならない。
そんなことできるわけがないと思いたいのに、英雄だからできるのだろうと思う自分がいる。すべてを差し出す覚悟でいたはずなのに、この英雄への想いを切り離したくない。
英雄に足払いをされ、咄嗟のことに受け身も取れなかった。
無様に倒される。
仰向けになった俺の首元に、英雄の手が伸びる。
ブツッと切れた。
英雄がペンダントの紐を引きちぎった。
「俺への想いを忘れろ」
英雄の手が俺の目に被さった。
嫌だ。
忘れたくない。
この想いを英雄にだってなくされたくない。
「英雄、お願いだ。忘れたくない」
けれど、英雄の手を払いのけることができない。
力を入れられているわけではない。
ただ顔に手をのせられているだけなのに。
「お前の想いは俺を殺したときまでだ。あの後、お前が俺を恋焦がれたのはこのペンダントのせいだ」
「そんなわけない、、、」
「俺を殺して清々した、というのがお前の本当の想いだ。お前がアスア王国の国民でなければ、お前の俺への想いを信じたかもしれないが、アスア王国の国民は俺に救われることだけを望む。俺を殺して、救われたと思ったんだろ?あのときに」
あのとき、すべてが終わった、と思った。
これで解放されたと。
英雄はもう誰のモノにもならないと。
「それなら、それでいいだろ」
「英雄、、、」
俺の目から涙が一筋流れた。
英雄への憧れから始まった、俺の想いは嘘ではない。
恋焦がれて、抱かれたいと思った気持ちも本当だった。
「ジニール、無事だったんだね」
「大丈夫かっ?」
最凶級ダンジョンの出入口に戻って来ていた。仲間三人も戻って来ていたようで、彼女たちが寄って来る。仲間と離れ離れになったときはあらかじめどうするか決めておくのが鉄則だ。
「顔、青白いけど、英雄に会えたのか?」
俺の表情から何かを察したのだろう。
彼女たちは自分が英雄に会えずに残念というよりも、本当に俺の身を心配しているようだ。
ただ、彼女たちの視線は俺が腕輪をしているかどうかも確認している。
ほんの少し目を瞑る。
「いや、白銀の鎧の英雄に似た冒険者に会った。よく間違われると言っていた。本当に、、、残念だ、った」
涙がまた溢れる。
なぜ、俺はこんなに泣くのだろう。
英雄のことを覚えている。
幼い頃、命を救われて憧れた。
憧れた故に、愛し憎んだ。
そして、殺害に及んだ。
想いが消えていないようでホっとしている自分がいるのを感じている。
それがなぜだかわからない。
「宰相を拾って帰ろう」
「そうだな。英雄がいないのなら、こんな国にいても仕方がない」
彼女たちはポンポンと俺の肩を叩く。
「今日は飲み明かそう。それぐらいの時間はあるはずだ」
彼女たちは近くの街に俺を促した。
34
お気に入りに追加
356
あなたにおすすめの小説
小悪魔系世界征服計画 ~ちょっと美少年に生まれただけだと思っていたら、異世界の救世主でした~
朱童章絵
BL
「僕はリスでもウサギでもないし、ましてやプリンセスなんかじゃ絶対にない!」
普通よりちょっと可愛くて、人に好かれやすいという以外、まったく普通の男子高校生・瑠佳(ルカ)には、秘密がある。小さな頃からずっと、別な世界で日々を送り、成長していく夢を見続けているのだ。
史上最強の呼び声も高い、大魔法使いである祖母・ベリンダ。
その弟子であり、物腰柔らか、ルカのトラウマを刺激しまくる、超絶美形・ユージーン。
外見も内面も、強くて男らしくて頼りになる、寡黙で優しい、薬屋の跡取り・ジェイク。
いつも笑顔で温厚だけど、ルカ以外にまったく価値を見出さない、ヤンデレ系神父・ネイト。
領主の息子なのに気さくで誠実、親友のイケメン貴公子・フィンレー。
彼らの過剰なスキンシップに狼狽えながらも、ルカは日々を楽しく過ごしていたが、ある時を境に、現実世界での急激な体力の衰えを感じ始める。夢から覚めるたびに強まる倦怠感に加えて、祖母や仲間達の言動にも不可解な点が。更には魔王の復活も重なって、瑠佳は次第に世界全体に疑問を感じるようになっていく。
やがて現実の自分の不調の原因が夢にあるのではないかと考えた瑠佳は、「夢の世界」そのものを否定するようになるが――。
無自覚小悪魔ちゃん、総受系愛され主人公による、保護者同伴RPG(?)。
(この作品は、小説家になろう、カクヨムにも掲載しています)
巻き戻りした悪役令息は最愛の人から離れて生きていく
藍沢真啓/庚あき
BL
婚約者ユリウスから断罪をされたアリステルは、ボロボロになった状態で廃教会で命を終えた……はずだった。
目覚めた時はユリウスと婚約したばかりの頃で、それならばとアリステルは自らユリウスと距離を置くことに決める。だが、なぜかユリウスはアリステルに構うようになり……
巻き戻りから人生をやり直す悪役令息の物語。
【感想のお返事について】
感想をくださりありがとうございます。
執筆を最優先させていただきますので、お返事についてはご容赦願います。
大切に読ませていただいてます。執筆の活力になっていますので、今後も感想いただければ幸いです。
あと一度だけでもいいから君に会いたい
藤雪たすく
BL
異世界に転生し、冒険者ギルドの雑用係として働き始めてかれこれ10年ほど経つけれど……この世界のご飯は素材を生かしすぎている。
いまだ食事に馴染めず米が恋しすぎてしまった為、とある冒険者さんの事が気になって仕方がなくなってしまった。
もう一度あの人に会いたい。あと一度でもあの人と会いたい。
※他サイト投稿済み作品を改題、修正したものになります
男装の麗人と呼ばれる俺は正真正銘の男なのだが~双子の姉のせいでややこしい事態になっている~
さいはて旅行社
BL
双子の姉が失踪した。
そのせいで、弟である俺が騎士学校を休学して、姉の通っている貴族学校に姉として通うことになってしまった。
姉は男子の制服を着ていたため、服装に違和感はない。
だが、姉は男装の麗人として女子生徒に恐ろしいほど大人気だった。
その女子生徒たちは今、何も知らずに俺を囲んでいる。
女性に囲まれて嬉しい、わけもなく、彼女たちの理想の王子様像を演技しなければならない上に、男性が女子寮の部屋に一歩入っただけでも騒ぎになる貴族学校。
もしこの事実がバレたら退学ぐらいで済むわけがない。。。
周辺国家の情勢がキナ臭くなっていくなかで、俺は双子の姉が戻って来るまで、協力してくれる仲間たちに笑われながらでも、無事にバレずに女子生徒たちの理想の王子様像を演じ切れるのか?
侯爵家の命令でそんなことまでやらないといけない自分を救ってくれるヒロインでもヒーローでも現れるのか?
龍は精霊の愛し子を愛でる
林 業
BL
竜人族の騎士団団長サンムーンは人の子を嫁にしている。
その子は精霊に愛されているが、人族からは嫌われた子供だった。
王族の養子として、騎士団長の嫁として今日も楽しく自由に生きていく。
ブレスレットが運んできたもの
mahiro
BL
第一王子が15歳を迎える日、お祝いとは別に未来の妃を探すことを目的としたパーティーが開催することが発表された。
そのパーティーには身分関係なく未婚である女性や歳の近い女性全員に招待状が配られたのだという。
血の繋がりはないが訳あって一緒に住むことになった妹ーーーミシェルも例外ではなく招待されていた。
これまた俺ーーーアレットとは血の繋がりのない兄ーーーベルナールは妹大好きなだけあって大いに喜んでいたのだと思う。
俺はといえば会場のウェイターが足りないため人材募集が貼り出されていたので応募してみたらたまたま通った。
そして迎えた当日、グラスを片付けるため会場から出た所、廊下のすみに光輝く何かを発見し………?
祝福という名の厄介なモノがあるんですけど
野犬 猫兄
BL
魔導研究員のディルカには悩みがあった。
愛し愛される二人の証しとして、同じ場所に同じアザが発現するという『花祝紋』が独り身のディルカの身体にいつの間にか現れていたのだ。
それは女神の祝福とまでいわれるアザで、そんな大層なもの誰にも見せられるわけがない。
ディルカは、そんなアザがあるものだから、誰とも恋愛できずにいた。
イチャイチャ……イチャイチャしたいんですけど?!
□■
少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです!
完結しました。
応援していただきありがとうございます!
□■
第11回BL大賞では、ポイントを入れてくださった皆様、またお読みくださった皆様、どうもありがとうございましたm(__)m
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる