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15章 冷たい風に吹かれて
15-8 幸せ ※エルク教国の元聖職者視点
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◆エルク教国の元聖職者視点◆
角ウサギが土下座している。
頭を下げると、どうしても丸い体型上、土下座状態か。我々も頭を下げると、そう見えるのだろうな。気をつけよう。
「キミたちの住まいを壊してしまって申し訳なかった。我が王のお気に入りの酒造り職人だとは知らなかったんだ」
「いや、私たちが我が王の酒造り職人になったのは、こっちに来てからだから」
「それでも、我が王が気に入っているからこそ、我が王自らキミたちを迎えに行ったんだ。私はもう少しで取り返しのつかないことをしでかすところだった」
「いいんですよ、五十四号さん。私は貴方を許します。けれど、貴方が自分自身を許せないのなら、我々とともに我が王のために酒造りをしましょう」
にこやかに言うと、横にいる青年がやはり苦笑いをしている。
とりあえずそれは横に置いて、五十四号さんの手を取り、土下座をやめさせる。
私が許すとしても、他の皆はどうだろうか。
皆を見ると、優しい眼差しでこちらを見ている。ありがたいことだ。良い人たち、いや、今は良い角ウサギたちに囲まれた。
私は青年を見た。
「、、、何か言いたいのなら、言っていただいた方が気が楽なのですが」
「いやー、エルク教国にこんな聖職者がいたとは。うちの国でもそんな聖職者は数少ない」
馬鹿にされているわけではないと思うが。。。
「馬鹿にしているわけじゃないぞ。教会から完全に排除されなかったのだから、そんなお前にも味方がそれなりにいたってことだ」
うっ、また考えが垂れ流し状態なのか。ホントに気をつけよう。
「うちでも地方の教会にいる神官長を慕う者は多い。神官長というのはわりと苦労するが、その姿をきちんと見ている人はいて、しっかり良い影響を受けている人もいるんだ。お前の周りにもな」
もしかして、この人も聖職者なのかなー?ちょっと祈りたい気分になってきた。
「ククー、角ウサギをタラシこむなよ」
「タラシこんでるのはアンタだろ」
我が王が現れた。
撫でてほしい。至高のなでなでをー。コレって禁断症状ってヤツかな。
「ほら、オッサンに撫でてほしいってお願いされているぞ」
「いや、角ウサギだから撫でるのであって、オッサンは撫でないぞ」
と言いながら、我が王は屈んで私を撫でてくれる。
「しっかり撫でているじゃねえか」
「オッサンの姿のときは撫でないぞ、さすがに」
そりゃあね。。。人間の姿で私を撫でさせていたら通報されるレベルか。角ウサギの姿で良かったよ。ちと、落ち込むが。
「ああ、オッサン、悪い。俺もオッサンだからオッサン扱いは嫌だよな。その気持ちはわかる」
私はオッサンだから良いんだけどね。けど、おい、どこがオッサンなんじゃい、我が王だからといって嘘は許しませんよー。
「三十五歳ってオッサンだよなー?ククー」
「その外見で三十五歳って言うのが詐欺なんだよ」
おや、我が王と私ってあまり年齢変わらないんですね。。。なぜ、そのピチピチお肌。羨ましい。後ろで角ウサギ女性陣の目がギラリと光っておるのだが。。。え?その肌の秘訣を聞けって?今の毛で包まれているキミたちにその情報、必要?
「えー?ギフトを奪われて若返っただけだから、わからないんだよねー。今はヴィンセントに寒さで肌が荒れないように薬を塗られているけど」
「それ、絶対アイツ、触る目的で塗っているだろ」
「ククーも俺に塗る?塗っちゃう?」
「必要ないだろ、アンタには」
「残念だなー」
この二人、仲いいな。ズケズケと言える間柄。私に悪意を持ってズケズケと言ってくる輩は多かったが、こちらも言えたかというと言えなかったなー。
これから良い友人というのは作れるだろうか。
「で、五十四号も一緒の階層に住むことになったんなら、俺の代わりに必要な作物の種を聞いて植えておいてくれ」
「はい、我が王」
五十四号さんが頷く。種を持って来てくれるのかな?ありがたいなー。ちょっと良い品種も調達できないか、後で聞いてみよう。
「一応言っておくが、ダンジョンコアの角ウサギとお前たちの角ウサギでは少々異なる。お前たちは生殖活動も可能だ。小さい子供もいるから成長する。ただ、子供を産んだ番は老いていく。次の世代に命をつなぐ」
ということは、ダンジョンコアの角ウサギは生殖活動をしないと?
「基本的に魔物の角ウサギは雌雄同体。魔物は生殖活動で子を増やさない。ダンジョンが魔力で生み出すものだ。だが、角ウサギとはいえ元人間のお前たちにはそれは酷というものだ。お前たちの選択で子をなすか決めればいい」
「つまりは人の営みと変わらないということですね」
それはありがたいことだ。今は小さい角ウサギたちも成長する。けれど、子が産まれなければ停滞していくだろう。次の世代が生まれていくのならば。
私はそれを見守ろう。
聖職者として結婚はしないと決めた身の上だ。元聖職者となった今でも、相手がいなければ結婚はできない。。。悲しいな。友人もいなければ、結婚相手もいない。。。
いや、我が王のために、せっせと酒造りに励もう。
丘の教会に帰って来た。
元聖職者の四匹以外は街に帰っていった。五十四号も街の方に住まいを見つけるそうだ。空き家がたくさんあるからな。
辺りは暗くなるが、街に小さな明かりが灯り始めた。
今は外壁の近くにしか灯らないが、いつかは街全体が明るくなるだろうか。好きな家に住んでいいということになったが、結局、街の皆は住み慣れた家に戻っていった。
「さて、夕食でも準備するか」
その辺の草でも美味しそうなんだけどね。このカラダになってから、草木がご馳走に見えてしまっている。食欲のまま食べたいと思う気がするが、理性でとどめておく。いつのまにか口に咥えていることがあるが。
「はいっ」
三匹の返事が揃う。
いつものように四匹揃って粗食を用意して、いつものように神に祈り、いつものように食べ始める。
このカラダになってから食事がものすごく美味しく感じられる。
しかも、角ウサギ仲間がいるって嬉しいなー。食事が美味しくても一人で黙々と食べていたら少し寂しかったかもしれない。
エルク教国ではここは小さい教会だが、一人だと広いだろうなー。
街の教会は聖職者が一人しかいないのに、ここよりもっと広いのだが。あそこは聖職者が一人と言えども、見習いがけっこうな人数いたから、それなりに賑やかだったのかもしれない。彼らももうこの世にはいないが。
「あー、美味しかった。昔ならただの草だと思っていたところだが、ここに来たら、すべての草が美味しいな」
「教会長、私は貴方とともにここにいられて幸せです」
嬉しいことを言ってくれる。ちょっと目が熱くなったぞ。涙腺が弱くなったかな。
教会長というのは私のことだ。一応同じ教会に聖職者が二人以上所属しているときは、その教会の責任者は教会長という役職を名乗る。ここは酒造りの教会なので、力仕事が多い。だから、若い聖職者たちが配属されるのだが、私も前任者からノウハウを引き継いでおり、若い三人が受け継いでいくのだと思っていたが、私も生涯ここで働き続けることになった。
「もう私は聖職者ではないのだから、教会長と呼ばなくてもいいんだぞ」
「いえ、尊敬と愛情を込めて、今まで通り教会長と呼びたいです」
「そ、そうか」
三匹の目がキラキラと円らな瞳で見ている。超可愛い。人間の姿のときはこの三人は若くてイケメンだった。この街でも奥様方に人気のある聖職者たちだった。どう考えても、他の聖職者のヤッカミでこの地に送られた気がする。
「、、、はい、確かに、この地に送られた当初は僻んだものでした」
「都会の教会に早く戻って、返り咲こうと私も最初は思っていました」
「私もこの教会で貴方に会って、私の考えは変わっていきました」
おや、また、私の思考が垂れ流し状態になっていたようだ。。。
三匹が私の元に寄って来る。
「私はここで貴方とともにずっと暮らしていくのも悪くないと思えるようになっていきました。魔物に教会が囲まれたとき、貴方とならばここで終わっても悔いはない、と。そこまで思っていたのです」
一匹が私の手を取った。
「あの、、、聖職者じゃなくなったのだから、想いを伝えますっ。私と番になってくださいっ」
「あっ、ずるいっ。教会長、私とっ」
「そんなっ、私は一目見たときから教会長のことがっ」
三匹がぎゅむぎゅむ押し合いへし合い、私に迫ってくる。
「キミたちは都会の教会に戻れば、立派な聖職者になれたはずだぞ。私とともにいてホントに良いのか?戻りたいなら私が我が王に何とか何度も頭を下げて頼むことも」
「戻りませんっ。私は教会長と共にいたいですっ」
三匹の声が揃った。
滂沱。
滝のような涙が落ちた。
「うう、三人ともありがとう。嬉しいよ」
「それじゃ、私と、いえ、私たち三人を番にしてくれるということですねっ」
うん?
三匹が喜びの歓声をあげているのだが。。。
あれ?そういうことになっちゃうの?
「では、教会長の部屋にでもいきましょう。この姿なら狭いベッドでも広いでしょうし」
ん?
「そうですね、この姿でも生殖活動が可能だって言っていたのでぜひ試してみましょう。男性同士だから子供は出来ないでしょうけど」
え?
「聖職者じゃなくなって良かったと思える日が来るなんて思ってもみませんでした」
ずるずるずる、と引きずられていく私。
にもかかわらず。
三匹が、三匹ともが番になって良かったという感想を漏らした。
一匹だけだと私の愛を受けとめきれなかったと。
この角ウサギ姿の私の性欲はとどまることを知らなかった。
おや?聖職者になった時点で私の性欲はどこかに捨ててきたはずなのに。。。
理性で抑えてきただけだったのか。
角ウサギが土下座している。
頭を下げると、どうしても丸い体型上、土下座状態か。我々も頭を下げると、そう見えるのだろうな。気をつけよう。
「キミたちの住まいを壊してしまって申し訳なかった。我が王のお気に入りの酒造り職人だとは知らなかったんだ」
「いや、私たちが我が王の酒造り職人になったのは、こっちに来てからだから」
「それでも、我が王が気に入っているからこそ、我が王自らキミたちを迎えに行ったんだ。私はもう少しで取り返しのつかないことをしでかすところだった」
「いいんですよ、五十四号さん。私は貴方を許します。けれど、貴方が自分自身を許せないのなら、我々とともに我が王のために酒造りをしましょう」
にこやかに言うと、横にいる青年がやはり苦笑いをしている。
とりあえずそれは横に置いて、五十四号さんの手を取り、土下座をやめさせる。
私が許すとしても、他の皆はどうだろうか。
皆を見ると、優しい眼差しでこちらを見ている。ありがたいことだ。良い人たち、いや、今は良い角ウサギたちに囲まれた。
私は青年を見た。
「、、、何か言いたいのなら、言っていただいた方が気が楽なのですが」
「いやー、エルク教国にこんな聖職者がいたとは。うちの国でもそんな聖職者は数少ない」
馬鹿にされているわけではないと思うが。。。
「馬鹿にしているわけじゃないぞ。教会から完全に排除されなかったのだから、そんなお前にも味方がそれなりにいたってことだ」
うっ、また考えが垂れ流し状態なのか。ホントに気をつけよう。
「うちでも地方の教会にいる神官長を慕う者は多い。神官長というのはわりと苦労するが、その姿をきちんと見ている人はいて、しっかり良い影響を受けている人もいるんだ。お前の周りにもな」
もしかして、この人も聖職者なのかなー?ちょっと祈りたい気分になってきた。
「ククー、角ウサギをタラシこむなよ」
「タラシこんでるのはアンタだろ」
我が王が現れた。
撫でてほしい。至高のなでなでをー。コレって禁断症状ってヤツかな。
「ほら、オッサンに撫でてほしいってお願いされているぞ」
「いや、角ウサギだから撫でるのであって、オッサンは撫でないぞ」
と言いながら、我が王は屈んで私を撫でてくれる。
「しっかり撫でているじゃねえか」
「オッサンの姿のときは撫でないぞ、さすがに」
そりゃあね。。。人間の姿で私を撫でさせていたら通報されるレベルか。角ウサギの姿で良かったよ。ちと、落ち込むが。
「ああ、オッサン、悪い。俺もオッサンだからオッサン扱いは嫌だよな。その気持ちはわかる」
私はオッサンだから良いんだけどね。けど、おい、どこがオッサンなんじゃい、我が王だからといって嘘は許しませんよー。
「三十五歳ってオッサンだよなー?ククー」
「その外見で三十五歳って言うのが詐欺なんだよ」
おや、我が王と私ってあまり年齢変わらないんですね。。。なぜ、そのピチピチお肌。羨ましい。後ろで角ウサギ女性陣の目がギラリと光っておるのだが。。。え?その肌の秘訣を聞けって?今の毛で包まれているキミたちにその情報、必要?
「えー?ギフトを奪われて若返っただけだから、わからないんだよねー。今はヴィンセントに寒さで肌が荒れないように薬を塗られているけど」
「それ、絶対アイツ、触る目的で塗っているだろ」
「ククーも俺に塗る?塗っちゃう?」
「必要ないだろ、アンタには」
「残念だなー」
この二人、仲いいな。ズケズケと言える間柄。私に悪意を持ってズケズケと言ってくる輩は多かったが、こちらも言えたかというと言えなかったなー。
これから良い友人というのは作れるだろうか。
「で、五十四号も一緒の階層に住むことになったんなら、俺の代わりに必要な作物の種を聞いて植えておいてくれ」
「はい、我が王」
五十四号さんが頷く。種を持って来てくれるのかな?ありがたいなー。ちょっと良い品種も調達できないか、後で聞いてみよう。
「一応言っておくが、ダンジョンコアの角ウサギとお前たちの角ウサギでは少々異なる。お前たちは生殖活動も可能だ。小さい子供もいるから成長する。ただ、子供を産んだ番は老いていく。次の世代に命をつなぐ」
ということは、ダンジョンコアの角ウサギは生殖活動をしないと?
「基本的に魔物の角ウサギは雌雄同体。魔物は生殖活動で子を増やさない。ダンジョンが魔力で生み出すものだ。だが、角ウサギとはいえ元人間のお前たちにはそれは酷というものだ。お前たちの選択で子をなすか決めればいい」
「つまりは人の営みと変わらないということですね」
それはありがたいことだ。今は小さい角ウサギたちも成長する。けれど、子が産まれなければ停滞していくだろう。次の世代が生まれていくのならば。
私はそれを見守ろう。
聖職者として結婚はしないと決めた身の上だ。元聖職者となった今でも、相手がいなければ結婚はできない。。。悲しいな。友人もいなければ、結婚相手もいない。。。
いや、我が王のために、せっせと酒造りに励もう。
丘の教会に帰って来た。
元聖職者の四匹以外は街に帰っていった。五十四号も街の方に住まいを見つけるそうだ。空き家がたくさんあるからな。
辺りは暗くなるが、街に小さな明かりが灯り始めた。
今は外壁の近くにしか灯らないが、いつかは街全体が明るくなるだろうか。好きな家に住んでいいということになったが、結局、街の皆は住み慣れた家に戻っていった。
「さて、夕食でも準備するか」
その辺の草でも美味しそうなんだけどね。このカラダになってから、草木がご馳走に見えてしまっている。食欲のまま食べたいと思う気がするが、理性でとどめておく。いつのまにか口に咥えていることがあるが。
「はいっ」
三匹の返事が揃う。
いつものように四匹揃って粗食を用意して、いつものように神に祈り、いつものように食べ始める。
このカラダになってから食事がものすごく美味しく感じられる。
しかも、角ウサギ仲間がいるって嬉しいなー。食事が美味しくても一人で黙々と食べていたら少し寂しかったかもしれない。
エルク教国ではここは小さい教会だが、一人だと広いだろうなー。
街の教会は聖職者が一人しかいないのに、ここよりもっと広いのだが。あそこは聖職者が一人と言えども、見習いがけっこうな人数いたから、それなりに賑やかだったのかもしれない。彼らももうこの世にはいないが。
「あー、美味しかった。昔ならただの草だと思っていたところだが、ここに来たら、すべての草が美味しいな」
「教会長、私は貴方とともにここにいられて幸せです」
嬉しいことを言ってくれる。ちょっと目が熱くなったぞ。涙腺が弱くなったかな。
教会長というのは私のことだ。一応同じ教会に聖職者が二人以上所属しているときは、その教会の責任者は教会長という役職を名乗る。ここは酒造りの教会なので、力仕事が多い。だから、若い聖職者たちが配属されるのだが、私も前任者からノウハウを引き継いでおり、若い三人が受け継いでいくのだと思っていたが、私も生涯ここで働き続けることになった。
「もう私は聖職者ではないのだから、教会長と呼ばなくてもいいんだぞ」
「いえ、尊敬と愛情を込めて、今まで通り教会長と呼びたいです」
「そ、そうか」
三匹の目がキラキラと円らな瞳で見ている。超可愛い。人間の姿のときはこの三人は若くてイケメンだった。この街でも奥様方に人気のある聖職者たちだった。どう考えても、他の聖職者のヤッカミでこの地に送られた気がする。
「、、、はい、確かに、この地に送られた当初は僻んだものでした」
「都会の教会に早く戻って、返り咲こうと私も最初は思っていました」
「私もこの教会で貴方に会って、私の考えは変わっていきました」
おや、また、私の思考が垂れ流し状態になっていたようだ。。。
三匹が私の元に寄って来る。
「私はここで貴方とともにずっと暮らしていくのも悪くないと思えるようになっていきました。魔物に教会が囲まれたとき、貴方とならばここで終わっても悔いはない、と。そこまで思っていたのです」
一匹が私の手を取った。
「あの、、、聖職者じゃなくなったのだから、想いを伝えますっ。私と番になってくださいっ」
「あっ、ずるいっ。教会長、私とっ」
「そんなっ、私は一目見たときから教会長のことがっ」
三匹がぎゅむぎゅむ押し合いへし合い、私に迫ってくる。
「キミたちは都会の教会に戻れば、立派な聖職者になれたはずだぞ。私とともにいてホントに良いのか?戻りたいなら私が我が王に何とか何度も頭を下げて頼むことも」
「戻りませんっ。私は教会長と共にいたいですっ」
三匹の声が揃った。
滂沱。
滝のような涙が落ちた。
「うう、三人ともありがとう。嬉しいよ」
「それじゃ、私と、いえ、私たち三人を番にしてくれるということですねっ」
うん?
三匹が喜びの歓声をあげているのだが。。。
あれ?そういうことになっちゃうの?
「では、教会長の部屋にでもいきましょう。この姿なら狭いベッドでも広いでしょうし」
ん?
「そうですね、この姿でも生殖活動が可能だって言っていたのでぜひ試してみましょう。男性同士だから子供は出来ないでしょうけど」
え?
「聖職者じゃなくなって良かったと思える日が来るなんて思ってもみませんでした」
ずるずるずる、と引きずられていく私。
にもかかわらず。
三匹が、三匹ともが番になって良かったという感想を漏らした。
一匹だけだと私の愛を受けとめきれなかったと。
この角ウサギ姿の私の性欲はとどまることを知らなかった。
おや?聖職者になった時点で私の性欲はどこかに捨ててきたはずなのに。。。
理性で抑えてきただけだったのか。
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