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14章 もの思いにふける秋
14-3 罪
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俺とククーは二人で、ククーの隠し部屋で楽しく宴会していた。
エルク教国のお酒だけでなく、ククーは戸棚からお酒を出してきた。
お前の誕生日なのに、俺が嬉しい日になってしまう。
顔がニヤけるのをとめられない。
二人でチビチビと飲みながら、ツマミをつまみながら、だらだらと話しながら二時間が過ぎた頃。
ククーが首を傾げた。
「どうした?」
「教会に侵入者が」
「ふーん、護衛が対応するんじゃないの?」
ククーの端的な物言いに、俺も普通の応答。二人とも顔はさほど赤くはないが、酔っていた。エルク教国の酒も棚の酒もかなりな度数の酒が揃っている。他の人間がいたら、水も飲めと迷わず勧めるだろう。
「生贄がいるところに入り込んだ。最深部には権限がなければ、結界に弾かれるはずなのに」
「へえー、入り込めても最低限の護衛とか神官が見張っているよね」
「、、、なぜか、いない」
おい、ククー、それは一大事じゃないのか?
「うーん、何でカイマが?」
ククーは勝手に悩んでいて、話が見えない。
このままでは埒が明かない。
最深部は国の結界の最重要部分だ。初動が遅れれば国全体の命取りとなる。
「もったいないが、せっかく飲んだ酒がものすごくもったいないが、酔い覚ましっ」
手を一回打って、魔法で酒を俺とククーの体内から追い出す。
「悪い、レン。カイマが大教会の最深部に侵入している。俺は急いで現場に向かうから」
「カイマが?では、早い方が良いのだろう。ミニミニダンジョンっ」
「へ?」
ククーがとめる間もなく、ククーのミニミニダンジョンは聖都の一部を支配した。
俺たちの転移後、すぐに解除したが。
生贄の広間の手前の廊下に出た。ククーが走り出したので、俺も後ろからついていった。
ここは聖都の大教会の地下深くの、神聖国グルシアが国の結界をはっている要の場所。
大教会の最深部。
生贄が安置されている場所である。
そこにカイマがいた。
カイマが無色透明の魔石を飲み込んだ。
大神官長が抜剣した。
カイマに向かって剣を振ろうとしている。
この大神官長はアホなのか?
「この馬鹿ものがっ、人の命を何だと思ってやがるっ」
俺は大神官長を蹴っ飛ばす。
大神官長は超人だから、多少粗雑に扱っても大丈夫ー。せっかくの花が散り散りになっているが。
「いやー、レンも大神官長を何だと思っているんだろうなー。見事に吹っ飛んだなー」
「おい、ククー、お前、こっそりざまあみろとか思ってないか?」
「いえいえ、そんなこと露ほども思っておりません」
大神官長がじろりと睨みながら言い、ククーが畏まりながら答える。
「なら、二人ともそのニヤニヤをとめろ」
大神官長は白い神官服についた埃を手で払う。
そうだな。ニヤニヤしててもこの状況は変わらない。
「ククー、説明してもらっていいか?何で、カイマがここにいる?」
俺はククーに聞く。
「以前、カイマは俺の馬車に隠れて乗って、ヴィンセントと王子の家に行っただろ。覚えているか?」
「うん」
嫌になるほど、覚える。
「生贄候補の家へ行く行商人役は、その機密を扱える神官だけだ。カイマは該当していないのに乗り込んだ。間違って一般人が乗り込んだわけでもなく、神官であるカイマがヴィンセントに会いたいがために規律を破った。それは相当重い罰が下る」
「重い罰というと?」
「人形の罰、生贄候補が生贄になれなかった場合の扱いと同じだ。少し前にカイマの人形の罰は終わったはずだが」
ククーがカイマを見ながら言い淀んだ。
人形の罰が終わっているはずなのに、、、人形の印が解かれていない。
生贄候補は生贄の印が解かれると、人形の印を押される。
それは人として扱われない証。
「どういうことだ、大神官長。確かに俺もカイマに対しては不快な想いしかしていなかったが、罰の期間が終わったのなら速やかに神官に復帰させるべきだろう」
俺の問いに大神官長はククーを見た。ククーに説明を促すつもりだ。
「カイマは奥の診療所に収容されていた。あそこは診療所と言いながら、わりと位の高い神官たちを慰める場だ。人形たちがいる場所だ。カイマは最深部に近い診療所にいて、人形の印だからこそ、最深部に入ることができてしまった」
「なるほど?つまり、ヴァンガル・イーグ、お前は大神官長の地位にもついていながら、この国の悪しき部分を放置し続けていたな。書類上はどうであれ、人形の印を一度でもつけられたら、人形から逃がす気はないということか」
「レン、怒りを抑えろ。いきなり変えられないものも存在する」
「あぁ?コイツは悪しき風習を利用してきたんだ。露ほども変えようともしていない。ククー、コイツのことを美化しすぎるな。お前はギフトで事実を見えているはずだ。現実を歪めるな。俺は神聖国グルシアのことには口を出そうとは思っていなかったが、人形と騙ろうと、彼らは人間だ。生贄候補だった者だろうと、罰だろうと。そもそも、人形の罰を下そうと策略にハメられた者も多いのか」
「ふむ、英雄よ。綺麗ごとだけを述べるのはさぞ気持ちのいいことだろう。いきなり変えようとすると反発を招く」
「この聖都の現実を知り、大教会から離れていった神官がどれだけいるのか、お前にはわかっているのか。目を瞑っているのか。確かに人は綺麗ごとだけでは生きていけない。だが、人形の罰、生贄候補等の犠牲者をわざわざ作り、それを維持しているのは人としてどう思う。お前には妻や子はいないが、親や兄弟姉妹がそういう目に遭ったのなら」
「遭わせないようにこういう地位に就くんだ」
「そういうことを言っているんじゃない、ヴァンガル・イーグ」
この話は平行線なのだろうか。この国の者たちにも言葉も想いも届かないのだろうか。
なぜ、俺が無色透明の魔石をこの国に提供しようと思ったのか、それでもなお生贄候補がなくならないのなら、無駄なのなら。
「なぜ、お前が怒っているんだ」
カイマが小さい声で呟いた。
「は?」
「僕はお前に酷いことを言った。ヴィンセントにも見放されたのに、なぜお前が人形に怒る?」
「当たり前だっ。お前は生きたいと思うからこそ、無色透明の魔石を取り込んだのだろうっ。あの魔石は邪気の浄化もする。人形の印は人の正常な判断を奪っていく魔術印だ。一度もソレを外されないままで、人形になりたいと本人が言ったところでそんなものは本心なんかであるわけがない。カイマ、お前は人間だっ」
俺はカイマの手を両手で握る。
その行為にカイマは呆然としている。
手の甲にある人形の印。
無色透明の魔石を取り込んだのなら、消すのは簡単だ。
「レンっ」
「書類上は消えているはずのモノなのだろう?ならば消えていても問題はあるまい」
カイマは膝をついた。
人形の印があったはずの手の甲を見ている。
カイマが罰の期間が終わり人形の印を消すことを要求できたはずなのに、その印があることを当たり前だと思っていることがおかしい。
「英雄よ。その者は本来入ってはならぬ場所に侵入した。罰を与えねばならない。人形の印を消したとしても、また結ぶことになるだろう」
「あまり俺を怒らせるな、ヴァンガル・イーグ。俺は今、この聖都を支配した。この意味がわかるか?」
「ほほーう?武力で我らを捻じ伏せるか?」
「お前たちがそれを望むならば。聖都の情報はククーだけでなく、すべて今の俺にも筒抜けだ。なぜ、俺たちが大教会の最深部を護衛している輩よりも速く来れるのだ?なぜ、護衛でなくお前がここに現れるのだ?お前はすべて知っているのだろう」
大神官長は笑っているだけだ。
それが答えだ。
答えるつもりがないというよりも、俺が答えを知っているのならばわざわざ言う気がないだけのようだ。
ククーがいないときを狙ったのか。
ククーは意外と情に厚い。そして、裏工作が上手い。ククーからすると、カイマはヴィンセントの被害者だ。カイマを人形から速やかに逃がすだろう。
そうなる前に、カイマを縛るつもりだった。カイマをお気に入りとする神官は多い。いなくなると士気に関わるぐらいに。
「あーっ、もっと強く蹴っておけば良かったーっ。それこそ数週間は起き上がれないくらいにっ」
つい本音が俺の口から漏れ出てしまった。大神官長の顔は笑顔のままだが、かなり拒否の方向だ。
「あ、今、蹴っていい?」
にこやかに提案したが、大神官長にあっさり断られてしまった。
エルク教国のお酒だけでなく、ククーは戸棚からお酒を出してきた。
お前の誕生日なのに、俺が嬉しい日になってしまう。
顔がニヤけるのをとめられない。
二人でチビチビと飲みながら、ツマミをつまみながら、だらだらと話しながら二時間が過ぎた頃。
ククーが首を傾げた。
「どうした?」
「教会に侵入者が」
「ふーん、護衛が対応するんじゃないの?」
ククーの端的な物言いに、俺も普通の応答。二人とも顔はさほど赤くはないが、酔っていた。エルク教国の酒も棚の酒もかなりな度数の酒が揃っている。他の人間がいたら、水も飲めと迷わず勧めるだろう。
「生贄がいるところに入り込んだ。最深部には権限がなければ、結界に弾かれるはずなのに」
「へえー、入り込めても最低限の護衛とか神官が見張っているよね」
「、、、なぜか、いない」
おい、ククー、それは一大事じゃないのか?
「うーん、何でカイマが?」
ククーは勝手に悩んでいて、話が見えない。
このままでは埒が明かない。
最深部は国の結界の最重要部分だ。初動が遅れれば国全体の命取りとなる。
「もったいないが、せっかく飲んだ酒がものすごくもったいないが、酔い覚ましっ」
手を一回打って、魔法で酒を俺とククーの体内から追い出す。
「悪い、レン。カイマが大教会の最深部に侵入している。俺は急いで現場に向かうから」
「カイマが?では、早い方が良いのだろう。ミニミニダンジョンっ」
「へ?」
ククーがとめる間もなく、ククーのミニミニダンジョンは聖都の一部を支配した。
俺たちの転移後、すぐに解除したが。
生贄の広間の手前の廊下に出た。ククーが走り出したので、俺も後ろからついていった。
ここは聖都の大教会の地下深くの、神聖国グルシアが国の結界をはっている要の場所。
大教会の最深部。
生贄が安置されている場所である。
そこにカイマがいた。
カイマが無色透明の魔石を飲み込んだ。
大神官長が抜剣した。
カイマに向かって剣を振ろうとしている。
この大神官長はアホなのか?
「この馬鹿ものがっ、人の命を何だと思ってやがるっ」
俺は大神官長を蹴っ飛ばす。
大神官長は超人だから、多少粗雑に扱っても大丈夫ー。せっかくの花が散り散りになっているが。
「いやー、レンも大神官長を何だと思っているんだろうなー。見事に吹っ飛んだなー」
「おい、ククー、お前、こっそりざまあみろとか思ってないか?」
「いえいえ、そんなこと露ほども思っておりません」
大神官長がじろりと睨みながら言い、ククーが畏まりながら答える。
「なら、二人ともそのニヤニヤをとめろ」
大神官長は白い神官服についた埃を手で払う。
そうだな。ニヤニヤしててもこの状況は変わらない。
「ククー、説明してもらっていいか?何で、カイマがここにいる?」
俺はククーに聞く。
「以前、カイマは俺の馬車に隠れて乗って、ヴィンセントと王子の家に行っただろ。覚えているか?」
「うん」
嫌になるほど、覚える。
「生贄候補の家へ行く行商人役は、その機密を扱える神官だけだ。カイマは該当していないのに乗り込んだ。間違って一般人が乗り込んだわけでもなく、神官であるカイマがヴィンセントに会いたいがために規律を破った。それは相当重い罰が下る」
「重い罰というと?」
「人形の罰、生贄候補が生贄になれなかった場合の扱いと同じだ。少し前にカイマの人形の罰は終わったはずだが」
ククーがカイマを見ながら言い淀んだ。
人形の罰が終わっているはずなのに、、、人形の印が解かれていない。
生贄候補は生贄の印が解かれると、人形の印を押される。
それは人として扱われない証。
「どういうことだ、大神官長。確かに俺もカイマに対しては不快な想いしかしていなかったが、罰の期間が終わったのなら速やかに神官に復帰させるべきだろう」
俺の問いに大神官長はククーを見た。ククーに説明を促すつもりだ。
「カイマは奥の診療所に収容されていた。あそこは診療所と言いながら、わりと位の高い神官たちを慰める場だ。人形たちがいる場所だ。カイマは最深部に近い診療所にいて、人形の印だからこそ、最深部に入ることができてしまった」
「なるほど?つまり、ヴァンガル・イーグ、お前は大神官長の地位にもついていながら、この国の悪しき部分を放置し続けていたな。書類上はどうであれ、人形の印を一度でもつけられたら、人形から逃がす気はないということか」
「レン、怒りを抑えろ。いきなり変えられないものも存在する」
「あぁ?コイツは悪しき風習を利用してきたんだ。露ほども変えようともしていない。ククー、コイツのことを美化しすぎるな。お前はギフトで事実を見えているはずだ。現実を歪めるな。俺は神聖国グルシアのことには口を出そうとは思っていなかったが、人形と騙ろうと、彼らは人間だ。生贄候補だった者だろうと、罰だろうと。そもそも、人形の罰を下そうと策略にハメられた者も多いのか」
「ふむ、英雄よ。綺麗ごとだけを述べるのはさぞ気持ちのいいことだろう。いきなり変えようとすると反発を招く」
「この聖都の現実を知り、大教会から離れていった神官がどれだけいるのか、お前にはわかっているのか。目を瞑っているのか。確かに人は綺麗ごとだけでは生きていけない。だが、人形の罰、生贄候補等の犠牲者をわざわざ作り、それを維持しているのは人としてどう思う。お前には妻や子はいないが、親や兄弟姉妹がそういう目に遭ったのなら」
「遭わせないようにこういう地位に就くんだ」
「そういうことを言っているんじゃない、ヴァンガル・イーグ」
この話は平行線なのだろうか。この国の者たちにも言葉も想いも届かないのだろうか。
なぜ、俺が無色透明の魔石をこの国に提供しようと思ったのか、それでもなお生贄候補がなくならないのなら、無駄なのなら。
「なぜ、お前が怒っているんだ」
カイマが小さい声で呟いた。
「は?」
「僕はお前に酷いことを言った。ヴィンセントにも見放されたのに、なぜお前が人形に怒る?」
「当たり前だっ。お前は生きたいと思うからこそ、無色透明の魔石を取り込んだのだろうっ。あの魔石は邪気の浄化もする。人形の印は人の正常な判断を奪っていく魔術印だ。一度もソレを外されないままで、人形になりたいと本人が言ったところでそんなものは本心なんかであるわけがない。カイマ、お前は人間だっ」
俺はカイマの手を両手で握る。
その行為にカイマは呆然としている。
手の甲にある人形の印。
無色透明の魔石を取り込んだのなら、消すのは簡単だ。
「レンっ」
「書類上は消えているはずのモノなのだろう?ならば消えていても問題はあるまい」
カイマは膝をついた。
人形の印があったはずの手の甲を見ている。
カイマが罰の期間が終わり人形の印を消すことを要求できたはずなのに、その印があることを当たり前だと思っていることがおかしい。
「英雄よ。その者は本来入ってはならぬ場所に侵入した。罰を与えねばならない。人形の印を消したとしても、また結ぶことになるだろう」
「あまり俺を怒らせるな、ヴァンガル・イーグ。俺は今、この聖都を支配した。この意味がわかるか?」
「ほほーう?武力で我らを捻じ伏せるか?」
「お前たちがそれを望むならば。聖都の情報はククーだけでなく、すべて今の俺にも筒抜けだ。なぜ、俺たちが大教会の最深部を護衛している輩よりも速く来れるのだ?なぜ、護衛でなくお前がここに現れるのだ?お前はすべて知っているのだろう」
大神官長は笑っているだけだ。
それが答えだ。
答えるつもりがないというよりも、俺が答えを知っているのならばわざわざ言う気がないだけのようだ。
ククーがいないときを狙ったのか。
ククーは意外と情に厚い。そして、裏工作が上手い。ククーからすると、カイマはヴィンセントの被害者だ。カイマを人形から速やかに逃がすだろう。
そうなる前に、カイマを縛るつもりだった。カイマをお気に入りとする神官は多い。いなくなると士気に関わるぐらいに。
「あーっ、もっと強く蹴っておけば良かったーっ。それこそ数週間は起き上がれないくらいにっ」
つい本音が俺の口から漏れ出てしまった。大神官長の顔は笑顔のままだが、かなり拒否の方向だ。
「あ、今、蹴っていい?」
にこやかに提案したが、大神官長にあっさり断られてしまった。
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