118 / 236
11章 冷ややかな夏
11-7 支配 ※ビスタ視点
しおりを挟む
◆ビスタ視点◆
「ビスタにはいつか説明しようとは思っていたんだけどな」
レンから英雄のギフトを奪われた過去や、ダンジョンコアを吸収してしまった話を聞いた。表向きはギフト失って可哀想だから管理権限をダンジョンから少し与えられたことになっているという話まで。なんかその表向きの理由は適当に作りすぎてないかい?
シアリーの街の北にあるダンジョンの十五層、俺の薬草畑の前でテーブルとイスが置かれてお茶している。執事がしっかり給仕している。
北の女王改め王の執事さんが、つまりダンジョンコアがお茶をいれてくれているのだ。
どういう状況なんだろう、これ。
深く考えたら終わりな気がする。
普通は体験できない状況だ。
「冒険者ギルドの仮本部に報告できないことがまた増えたなー」
「迷惑かけるなー」
レンの口調が軽すぎる。超重くても嫌だけど。
「なあ、迷惑ついでに聞くけど、他の最凶級ダンジョンと会話できるのか?」
「いや、ダンジョンコアで意志を持っているのは意外と珍しいんだ。長い年月を経てダンジョンコアが意志を持ってくるようだ。俺は元が人間だから意志があるし、自分のダンジョンの外にも出れるし、他のダンジョンにも入れる。だが、普通は他のダンジョンコアとやり取りなんかしないし、最凶級は突発的に生まれるものだから意志を持つものは非常に少ない」
「そうなのか?実は仮本部は英雄に動いてもらいたがっているんだ。ギフトは失われても、あの大神官長と戦った実績やら何やらで、最凶級ダンジョンを今でも攻略できるんじゃないかと思われている」
大量のゴーレムをあんなに簡単に倒したレンなら俺も可能な気がする。
「いや、今の俺では最凶級ダンジョン攻略は難しいだろうな。英雄のときの能力がない今では危険極まりない」
「おや、英雄のギフトがなくても、レンのあの強さなら大丈夫な気がするが」
「ビスタ、上級冒険者のお前だからわかるだろう。最凶級は一匹でも並外れて強い。うちの角ウサギは相当強い」
今、何か言ったかな、このクソ英雄。
お茶を飲んでいた角ウサギのチイがこっちを見る。ん?何?と言っているような表情は可愛い。くりくりしたおめめが可愛すぎるのに。
「お前の従魔は最凶級かっ」
「最凶級ダンジョンが生み出したものだから最凶級なんだよ。冒険者ギルドの魔物のレベル分けは違うけどな」
そう、本来の角ウサギは初級用の魔物である。だが、世の中には例外が存在する。最凶級ダンジョンなんて、その最たる例である。最凶級ダンジョンから生まれた魔物はどんなレベルに設定されている魔物だろうと最凶級の恐ろしい魔物になる。
「地下を流れる魔脈が呪いの影響で、流れが変わったり吹き溜まりができたりして最凶級ダンジョンが生まれる。だから、呪いを何とかする方が良い気がするが、各国に呪いをやめてもらう手立てもない」
「結局、そこに行きつくのか」
各国で最凶級ダンジョンには悩まされている。
呪いから最凶級ダンジョンが生まれるのに、各国はその呪いをやめてくれない。
困った悪循環だ。
「我が王よ、攻略ではなく支配ならどうにでもなると思いますが」
「支配?」
レンと俺が同時に王の執事さんに聞き返した。
「我が王のダンジョンは、最凶級のなかでも最上のダンジョンです。他の最凶級のダンジョンを支配下に置いてしまえば、すべてのダンジョンは我が王の思うがまま動くでしょう」
魔王かな?
怖いことを聞いた気もするけど、レンがダンジョンを支配すれば魔物を生み出さなくすることも可能ということなのかもしれない。
「うーん、面倒だし、すべてを支配するのは無理だな。昔みたいに英雄のギフトがあれば、同時並列的にいろいろな指示を出すこともできただろうけど、今は情報収集もままならないし」
今のレンでもやろうとすればできるだろうけど、面倒なんだね。
束縛さんもレンとの時間を減らされたら、冒険者ギルドに苦情を言ってきそうだし、もともと人間がダンジョンを支配することなんてできると世間では思われていない。
それでも、こう言わずにはいられない。
「あー、英雄がすべての最凶級ダンジョンを支配してくれれば、この世は平和になる気がするのに」
「平和にはならないぞ、ビスタ」
レンが断言した。
「俺はもうアスア王国の英雄ではない。俺が守る神聖国グルシアにある最凶級ダンジョンは俺のダンジョンだけだ。管理できるのはそこだけでいい。他の国の最凶級ダンジョンはその国でどうにかすればいい。俺が支配できたとしても何もしないだろう」
結局そういう話になる。レンは俺に神聖国グルシアを守ることを宣言している。だから、冒険者ギルドも仮本部が神聖国グルシアに来た。
冒険者ギルドもレンに最凶級ダンジョン攻略の指名依頼を出すことができても、レンが受けるかどうかは別だ。
レンはまだ初級冒険者。魔物襲撃の街防衛等の緊急依頼の他は、冒険者ギルドの個別の強制依頼は上級冒険者以上ではないと出せない決まりになっている。強制依頼もむやみやたらに出せるものではない。
それに、レンを他国に出すことは、この神聖国グルシアが嫌がるだろう。
「ビスタも俺に幻想を抱くのはよせ。俺には英雄のギフトはない。昔みたいな万能のギフトはない」
「レン、」
「ギフトなどなくても我が王は万能です。神聖国グルシア内のダンジョンを支配するのも問題ないかと」
「面倒だからしない。必要があればするかもしれないけど、今は必要ない」
レンが王の執事さんの申し出をサクッとお断りする。
ダンジョンコアの万能の定義が、人間とは違うのかもしれない。王の執事さんから見ると、レンは万能であるように映るということは、ダンジョンにかかわる能力が万能という意味かもしれない。
俺は薬草畑を見る。
お菓子を食べ終わったチイがその薬草を食べたそうにしているが、ダメだぞー。
よだれは拭こうなー。悲しい目をしても食べたらダメだぞー。
「ところでさー、レン、ひとつ聞きたいんだけど」
「何だ?」
「ダンジョンを持っているってことは、薬草もこの規模とは比較にならないくらい栽培しているよね」
「あ、ビスタの顔が怖いっ」
「この薬草畑って、いる?」
「いりますよ。貴方は我が王の風除けとして必要な人員です」
「、、、」
王の執事さんの物言いに、俺もレンも黙った。
その通りなんだけどさー。
「まあ、俺も薬草育てるのにはここと同じ年月が必要だから」
それって慰めかなー?
「我が王が作った薬草の方が何倍も魔力が込められているので最上の品ですけどね」
「すぐさま俺を落とすな」
王の執事さんは、我が王が最上級である思想の持ち主になってしまったな。
だが、その話はわかる。
薬師ギルドの副ギルド長がレンの納品した薬草を買い占めているという話は聞いた。
レンがこのダンジョンで採取したものではなく、最凶級ダンジョンで栽培した薬草なら最上級以上の代物だろう。
最凶級ダンジョンの薬草と言えば。。。
「もしかして、償い草も栽培してる?」
「しているが、収穫できるのはだいぶ先だぞ。お前も北の女王に五年はかかると言われただろ。せいぜい短縮しても四年ぐらいが精一杯だ」
「大量の魔石は、、、」
「うちのダンジョンは魔脈の吹き溜まりだ。反対に魔力を大量消費しないとヤバいことになる」
ヤバいことってどんなことですかね?聞かない方が正解ですかね?
「あ、そだ、思い出した。北の女王、酒ってダンジョンで作れないのか?泉みたいにして数種類は作ってみたいんだけど」
「できますよ。魔力の質を変えれば、猛毒でも、聖水でも、マグマでも何でも作れますよ」
王の執事さんはにこやかにレンに答えた。
レンはダンジョンコアを吸収してから日が浅いから知識が薄いようだ。王の執事さんはそんなレンの役に立てるのが非常に嬉しいらしい。
そうなると、英雄のギフトが失われて良かったのは王の執事さんもだろう。失われていなかったら、英雄は誰かに聞く必要なんかないのだから。
「ビスタにはいつか説明しようとは思っていたんだけどな」
レンから英雄のギフトを奪われた過去や、ダンジョンコアを吸収してしまった話を聞いた。表向きはギフト失って可哀想だから管理権限をダンジョンから少し与えられたことになっているという話まで。なんかその表向きの理由は適当に作りすぎてないかい?
シアリーの街の北にあるダンジョンの十五層、俺の薬草畑の前でテーブルとイスが置かれてお茶している。執事がしっかり給仕している。
北の女王改め王の執事さんが、つまりダンジョンコアがお茶をいれてくれているのだ。
どういう状況なんだろう、これ。
深く考えたら終わりな気がする。
普通は体験できない状況だ。
「冒険者ギルドの仮本部に報告できないことがまた増えたなー」
「迷惑かけるなー」
レンの口調が軽すぎる。超重くても嫌だけど。
「なあ、迷惑ついでに聞くけど、他の最凶級ダンジョンと会話できるのか?」
「いや、ダンジョンコアで意志を持っているのは意外と珍しいんだ。長い年月を経てダンジョンコアが意志を持ってくるようだ。俺は元が人間だから意志があるし、自分のダンジョンの外にも出れるし、他のダンジョンにも入れる。だが、普通は他のダンジョンコアとやり取りなんかしないし、最凶級は突発的に生まれるものだから意志を持つものは非常に少ない」
「そうなのか?実は仮本部は英雄に動いてもらいたがっているんだ。ギフトは失われても、あの大神官長と戦った実績やら何やらで、最凶級ダンジョンを今でも攻略できるんじゃないかと思われている」
大量のゴーレムをあんなに簡単に倒したレンなら俺も可能な気がする。
「いや、今の俺では最凶級ダンジョン攻略は難しいだろうな。英雄のときの能力がない今では危険極まりない」
「おや、英雄のギフトがなくても、レンのあの強さなら大丈夫な気がするが」
「ビスタ、上級冒険者のお前だからわかるだろう。最凶級は一匹でも並外れて強い。うちの角ウサギは相当強い」
今、何か言ったかな、このクソ英雄。
お茶を飲んでいた角ウサギのチイがこっちを見る。ん?何?と言っているような表情は可愛い。くりくりしたおめめが可愛すぎるのに。
「お前の従魔は最凶級かっ」
「最凶級ダンジョンが生み出したものだから最凶級なんだよ。冒険者ギルドの魔物のレベル分けは違うけどな」
そう、本来の角ウサギは初級用の魔物である。だが、世の中には例外が存在する。最凶級ダンジョンなんて、その最たる例である。最凶級ダンジョンから生まれた魔物はどんなレベルに設定されている魔物だろうと最凶級の恐ろしい魔物になる。
「地下を流れる魔脈が呪いの影響で、流れが変わったり吹き溜まりができたりして最凶級ダンジョンが生まれる。だから、呪いを何とかする方が良い気がするが、各国に呪いをやめてもらう手立てもない」
「結局、そこに行きつくのか」
各国で最凶級ダンジョンには悩まされている。
呪いから最凶級ダンジョンが生まれるのに、各国はその呪いをやめてくれない。
困った悪循環だ。
「我が王よ、攻略ではなく支配ならどうにでもなると思いますが」
「支配?」
レンと俺が同時に王の執事さんに聞き返した。
「我が王のダンジョンは、最凶級のなかでも最上のダンジョンです。他の最凶級のダンジョンを支配下に置いてしまえば、すべてのダンジョンは我が王の思うがまま動くでしょう」
魔王かな?
怖いことを聞いた気もするけど、レンがダンジョンを支配すれば魔物を生み出さなくすることも可能ということなのかもしれない。
「うーん、面倒だし、すべてを支配するのは無理だな。昔みたいに英雄のギフトがあれば、同時並列的にいろいろな指示を出すこともできただろうけど、今は情報収集もままならないし」
今のレンでもやろうとすればできるだろうけど、面倒なんだね。
束縛さんもレンとの時間を減らされたら、冒険者ギルドに苦情を言ってきそうだし、もともと人間がダンジョンを支配することなんてできると世間では思われていない。
それでも、こう言わずにはいられない。
「あー、英雄がすべての最凶級ダンジョンを支配してくれれば、この世は平和になる気がするのに」
「平和にはならないぞ、ビスタ」
レンが断言した。
「俺はもうアスア王国の英雄ではない。俺が守る神聖国グルシアにある最凶級ダンジョンは俺のダンジョンだけだ。管理できるのはそこだけでいい。他の国の最凶級ダンジョンはその国でどうにかすればいい。俺が支配できたとしても何もしないだろう」
結局そういう話になる。レンは俺に神聖国グルシアを守ることを宣言している。だから、冒険者ギルドも仮本部が神聖国グルシアに来た。
冒険者ギルドもレンに最凶級ダンジョン攻略の指名依頼を出すことができても、レンが受けるかどうかは別だ。
レンはまだ初級冒険者。魔物襲撃の街防衛等の緊急依頼の他は、冒険者ギルドの個別の強制依頼は上級冒険者以上ではないと出せない決まりになっている。強制依頼もむやみやたらに出せるものではない。
それに、レンを他国に出すことは、この神聖国グルシアが嫌がるだろう。
「ビスタも俺に幻想を抱くのはよせ。俺には英雄のギフトはない。昔みたいな万能のギフトはない」
「レン、」
「ギフトなどなくても我が王は万能です。神聖国グルシア内のダンジョンを支配するのも問題ないかと」
「面倒だからしない。必要があればするかもしれないけど、今は必要ない」
レンが王の執事さんの申し出をサクッとお断りする。
ダンジョンコアの万能の定義が、人間とは違うのかもしれない。王の執事さんから見ると、レンは万能であるように映るということは、ダンジョンにかかわる能力が万能という意味かもしれない。
俺は薬草畑を見る。
お菓子を食べ終わったチイがその薬草を食べたそうにしているが、ダメだぞー。
よだれは拭こうなー。悲しい目をしても食べたらダメだぞー。
「ところでさー、レン、ひとつ聞きたいんだけど」
「何だ?」
「ダンジョンを持っているってことは、薬草もこの規模とは比較にならないくらい栽培しているよね」
「あ、ビスタの顔が怖いっ」
「この薬草畑って、いる?」
「いりますよ。貴方は我が王の風除けとして必要な人員です」
「、、、」
王の執事さんの物言いに、俺もレンも黙った。
その通りなんだけどさー。
「まあ、俺も薬草育てるのにはここと同じ年月が必要だから」
それって慰めかなー?
「我が王が作った薬草の方が何倍も魔力が込められているので最上の品ですけどね」
「すぐさま俺を落とすな」
王の執事さんは、我が王が最上級である思想の持ち主になってしまったな。
だが、その話はわかる。
薬師ギルドの副ギルド長がレンの納品した薬草を買い占めているという話は聞いた。
レンがこのダンジョンで採取したものではなく、最凶級ダンジョンで栽培した薬草なら最上級以上の代物だろう。
最凶級ダンジョンの薬草と言えば。。。
「もしかして、償い草も栽培してる?」
「しているが、収穫できるのはだいぶ先だぞ。お前も北の女王に五年はかかると言われただろ。せいぜい短縮しても四年ぐらいが精一杯だ」
「大量の魔石は、、、」
「うちのダンジョンは魔脈の吹き溜まりだ。反対に魔力を大量消費しないとヤバいことになる」
ヤバいことってどんなことですかね?聞かない方が正解ですかね?
「あ、そだ、思い出した。北の女王、酒ってダンジョンで作れないのか?泉みたいにして数種類は作ってみたいんだけど」
「できますよ。魔力の質を変えれば、猛毒でも、聖水でも、マグマでも何でも作れますよ」
王の執事さんはにこやかにレンに答えた。
レンはダンジョンコアを吸収してから日が浅いから知識が薄いようだ。王の執事さんはそんなレンの役に立てるのが非常に嬉しいらしい。
そうなると、英雄のギフトが失われて良かったのは王の執事さんもだろう。失われていなかったら、英雄は誰かに聞く必要なんかないのだから。
23
お気に入りに追加
356
あなたにおすすめの小説
小悪魔系世界征服計画 ~ちょっと美少年に生まれただけだと思っていたら、異世界の救世主でした~
朱童章絵
BL
「僕はリスでもウサギでもないし、ましてやプリンセスなんかじゃ絶対にない!」
普通よりちょっと可愛くて、人に好かれやすいという以外、まったく普通の男子高校生・瑠佳(ルカ)には、秘密がある。小さな頃からずっと、別な世界で日々を送り、成長していく夢を見続けているのだ。
史上最強の呼び声も高い、大魔法使いである祖母・ベリンダ。
その弟子であり、物腰柔らか、ルカのトラウマを刺激しまくる、超絶美形・ユージーン。
外見も内面も、強くて男らしくて頼りになる、寡黙で優しい、薬屋の跡取り・ジェイク。
いつも笑顔で温厚だけど、ルカ以外にまったく価値を見出さない、ヤンデレ系神父・ネイト。
領主の息子なのに気さくで誠実、親友のイケメン貴公子・フィンレー。
彼らの過剰なスキンシップに狼狽えながらも、ルカは日々を楽しく過ごしていたが、ある時を境に、現実世界での急激な体力の衰えを感じ始める。夢から覚めるたびに強まる倦怠感に加えて、祖母や仲間達の言動にも不可解な点が。更には魔王の復活も重なって、瑠佳は次第に世界全体に疑問を感じるようになっていく。
やがて現実の自分の不調の原因が夢にあるのではないかと考えた瑠佳は、「夢の世界」そのものを否定するようになるが――。
無自覚小悪魔ちゃん、総受系愛され主人公による、保護者同伴RPG(?)。
(この作品は、小説家になろう、カクヨムにも掲載しています)
巻き戻りした悪役令息は最愛の人から離れて生きていく
藍沢真啓/庚あき
BL
婚約者ユリウスから断罪をされたアリステルは、ボロボロになった状態で廃教会で命を終えた……はずだった。
目覚めた時はユリウスと婚約したばかりの頃で、それならばとアリステルは自らユリウスと距離を置くことに決める。だが、なぜかユリウスはアリステルに構うようになり……
巻き戻りから人生をやり直す悪役令息の物語。
【感想のお返事について】
感想をくださりありがとうございます。
執筆を最優先させていただきますので、お返事についてはご容赦願います。
大切に読ませていただいてます。執筆の活力になっていますので、今後も感想いただければ幸いです。
あと一度だけでもいいから君に会いたい
藤雪たすく
BL
異世界に転生し、冒険者ギルドの雑用係として働き始めてかれこれ10年ほど経つけれど……この世界のご飯は素材を生かしすぎている。
いまだ食事に馴染めず米が恋しすぎてしまった為、とある冒険者さんの事が気になって仕方がなくなってしまった。
もう一度あの人に会いたい。あと一度でもあの人と会いたい。
※他サイト投稿済み作品を改題、修正したものになります
男装の麗人と呼ばれる俺は正真正銘の男なのだが~双子の姉のせいでややこしい事態になっている~
さいはて旅行社
BL
双子の姉が失踪した。
そのせいで、弟である俺が騎士学校を休学して、姉の通っている貴族学校に姉として通うことになってしまった。
姉は男子の制服を着ていたため、服装に違和感はない。
だが、姉は男装の麗人として女子生徒に恐ろしいほど大人気だった。
その女子生徒たちは今、何も知らずに俺を囲んでいる。
女性に囲まれて嬉しい、わけもなく、彼女たちの理想の王子様像を演技しなければならない上に、男性が女子寮の部屋に一歩入っただけでも騒ぎになる貴族学校。
もしこの事実がバレたら退学ぐらいで済むわけがない。。。
周辺国家の情勢がキナ臭くなっていくなかで、俺は双子の姉が戻って来るまで、協力してくれる仲間たちに笑われながらでも、無事にバレずに女子生徒たちの理想の王子様像を演じ切れるのか?
侯爵家の命令でそんなことまでやらないといけない自分を救ってくれるヒロインでもヒーローでも現れるのか?
龍は精霊の愛し子を愛でる
林 業
BL
竜人族の騎士団団長サンムーンは人の子を嫁にしている。
その子は精霊に愛されているが、人族からは嫌われた子供だった。
王族の養子として、騎士団長の嫁として今日も楽しく自由に生きていく。
ブレスレットが運んできたもの
mahiro
BL
第一王子が15歳を迎える日、お祝いとは別に未来の妃を探すことを目的としたパーティーが開催することが発表された。
そのパーティーには身分関係なく未婚である女性や歳の近い女性全員に招待状が配られたのだという。
血の繋がりはないが訳あって一緒に住むことになった妹ーーーミシェルも例外ではなく招待されていた。
これまた俺ーーーアレットとは血の繋がりのない兄ーーーベルナールは妹大好きなだけあって大いに喜んでいたのだと思う。
俺はといえば会場のウェイターが足りないため人材募集が貼り出されていたので応募してみたらたまたま通った。
そして迎えた当日、グラスを片付けるため会場から出た所、廊下のすみに光輝く何かを発見し………?
祝福という名の厄介なモノがあるんですけど
野犬 猫兄
BL
魔導研究員のディルカには悩みがあった。
愛し愛される二人の証しとして、同じ場所に同じアザが発現するという『花祝紋』が独り身のディルカの身体にいつの間にか現れていたのだ。
それは女神の祝福とまでいわれるアザで、そんな大層なもの誰にも見せられるわけがない。
ディルカは、そんなアザがあるものだから、誰とも恋愛できずにいた。
イチャイチャ……イチャイチャしたいんですけど?!
□■
少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです!
完結しました。
応援していただきありがとうございます!
□■
第11回BL大賞では、ポイントを入れてくださった皆様、またお読みくださった皆様、どうもありがとうございましたm(__)m
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる