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11章 冷ややかな夏
11-3 決別 ※王子視点
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◆王子視点◆
ククーが英雄との思い出を話している。
それはククーにとって辛い決別の過去だ。
そして、それは僕にとっても聞くのが辛い話になる。
「俺が規律違反だけで済んだのは、最後と選んだダンジョンで、英雄が魔物を全て片付けて行ったからだ。いつもなら最短距離で魔物を倒してダンジョンコアを壊しに行くのに、そのときだけは英雄は一匹残らず魔物を倒していった」
僕がククーを握る手に力を込める。
「本当ならあのとき魔物に殺されて終わっていた人生だ。英雄が一匹でも俺の前にあのダンジョンの魔物を残していたら、俺は太刀打ちできなかっただろう」
ククーが僕を見て笑う。
「実力差を感じて、住む世界が違いすぎると思った。けど、せっかく英雄が救ってくれた命、粗末に扱うのも悪い。自国でおとなしく余生を暮らそうと思ったんだけどなー」
ククーが空を見上げる。
青い空が広がる。
「この国で会えるとは思わなかった。酒を一緒に飲めるとは思わなかった。笑い合えるなんて思ってもみなかった。ただひたすら憧れていた英雄に、できないことは何一つないようにしか見えない英雄に、自分のことを覚えていてもらえているなんて。レンが俺のことをククール・アディと本名で呼んだとき、俺のことを知っているとわかったとき、本当に驚いた。どうしようもなく嬉しくなったよ。たぶん、王子やヴィンセントが考えている以上に」
「ククー、」
「ごめんな、王子。俺の命も心も英雄に救われた。俺はレンと一緒にいたい。レンとヴィンセントのような関係になれなくても、ヴィンセントに疎まれても、これからはずっとレンのそばにいたいんだ。今度こそ」
ククーの目はまだ空を見ている。
僕もずっとククーを見ていた。
母と別れてから、この家に来る馬車でのククーの話はこの国での説明以外はだいたい隣国の英雄譚だった。
英雄の名前こそ言わなかったが、レンの話だったのだろう。
この家に来て、一緒に住むのがククーではないのは寂しかったが、一か月に一回でも会えるのが嬉しかった。
特別だよ、と言って持って来てくれるお菓子も、夜、ベッドで読んでくれる絵本も嬉しかった。そばにいると温かく、いい匂いがする。ククーは大人で優しくて、ずっと一緒にいたいと思った。
けれど、ククーがレンと一緒にいると、それは違うのだとわかった。
ククーはレンにクソ英雄と言う。悪態をつく。
僕には見せない、ククーの素の姿だ。
レンがそれを許しているから、見せるのだ。
羨ましかった。
レンが来てから、ククーの視線はレンに向かっていた。
レンはヴィンセントと一緒にいたから、僕にもまだ望みがあると思っていた。浅ましかった。
でも、ククーはこれからもレンを想い続ける。
たとえレンがククーを見なくても。
ククーが僕を見なくても、僕はあんな風にククーを想い続けられるだろうか。
「ククー、ヴィンセントが教えてくれたんだ。来年の春の建国祭の後に、僕はククーの家に引き取られて、キイ・アディになるって。もし、ククーと結婚したいのならその申し出を断らなければいけないことを。僕は聖教国エルバノーンの王子の一人であって、そのままの地位なら結婚できる可能性があることを」
ヴィンセントが教えてくれた。
神官は本当なら結婚できない。
けれど、例外がある。
今の状態なら、もしかしたら僕も例外が当てはまるのでは、と。何の権力もない名目だけの王子のようだけど。
僕がアディ家に引き取られてしまうと、名実ともに神聖国グルシアの人間となり、僕がククーと結婚する可能性は潰える。
選択を後悔しないように、教えてくれたのだ。
「ヴィンセントが教えたのか」
ちょっと意外そうにククーが言った。
「でも、ククーは僕と結婚できても、しないでしょ?」
ククーはレンを想い続けるから。
それが僕にもわかってしまったから。
「僕がいい男になって、後で後悔しても遅いからね」
僕のできる精一杯の強がりを。
「うん、そうだな。後悔できることが嬉しいよ」
僕が成長できることを、本当にククーが喜んでいることがわかる。
レンが来るまでは、僕に将来の話はしてほしくない様子だったから。
「ヴィンセントから、お母さんも僕と同じ病だったことも聞いた。お母さんの方が病状が悪くて、しばらくして亡くなったってことも。悲しかったけど、僕はがんばって治すから。レンも協力してくれてるし」
「うん、そうか、ヴィンセントが」
僕が握っている手とは逆の方で、ククーが僕の頭を撫でた。
「ずっと伝えられなくて悪かった」
僕は首を横に振る。僕はただ泣かないように必死に堪えていた。
ククーの手が温かい。
その温かさは僕のものだけではないことを知った。
ククーの馬車が去っていく。
いつものように見送る。
馬車の音さえも聞こえなくなっても、僕は庭に立っていた。
僕の足元には普通はお庭当番の一匹、もしくはレン当番も加えて家には二匹しかいないはずの角ウサギが五匹全員集合している。何も言わないがぎゅうぎゅうおしくらまんじゅうしているかのようだ。
そして、ヴィンセントが隣に立って僕の肩を叩いた。
「アイツの前で泣かなくて偉かったな」
今の僕の顔は涙でグチャグチャだった。
「んっ」
僕の初恋は実らなかった。
ただの憧れだったと、兄のように慕っていただけじゃないのかと、他人は言うかもしれない。
「僕も素敵な人をつかまえられるかな」
「そうだな。そのままの顔じゃ難しいだろうな」
「うう、、、ヴィンセント、そこは嘘でも肯定するところでしょ」
「そんな涙や鼻水でびちょびちょの顔を好きになる奴がいたら、ある意味怖い」
下にいる角ウサギたちが僕を見て頷いている。そりゃ、そんな奴がいたら怖いか。
「それこそ、ククーに地団駄させるほど、いい男になって後悔させてやれ」
「うん、がんばる」
僕は決意を新たに、角ウサギたちを代わる代わるぎゅむぎゅむ抱いた。
いつもなら、レンも僕と一緒にククーの馬車を見送る。
今回は僕に譲ってくれたのがわかる。
レンもククーが大好きだ。優先するのはヴィンセントなのだが、それとは話が別のようだ。
僕もレンに大切に思われているのはわかる。
僕がタレタと勝手にシアリーの街に行ったとき、レンが僕を見つけたときはものすごい心配そうな顔だった。
見つけたからといって安堵の顔をまったく見せなかった。
僕と街を出るときも、レンは不安そうに僕を抱いていた。
見たことのない表情だった。
レンは僕とヴィンセントに命を救われた、と言う。
けれど、僕こそレンに命を救われた方だと思う。ヴィンセントが魔術で守ってくれていたとはいえ、魔物に襲われていたのは僕だ。
あのとき、レンはあんなボロボロな姿になってさえ、慌てた様子はなかった。
そう、あのときのレンはククーとなぜか似ていると思った。
姿形はまったく似てない。
なぜそう思ったのか、後から不思議に思ったくらいだ。
今日のククーの話を聞いて、ようやく納得がいった。
二人とも終わりにしたかったのだ。
この世界を諦めかけていたのだ。
だから、レンは僕を助けた。
自分が助かりたいのなら、僕を助けない方が生存の確率が上がる。魔物が僕を襲っている間に、逃げた方が時間が稼げる。
そんなことは、レンにとっては百も承知のことだっただろう。
死ぬのならそれでもいいと、レンが思っていたから。
レンは僕とヴィンセントにあのとき会ったから、命を救われたと言うのだろう。
そして、レンはククーにも感謝の言葉を告げる。
「、、、レン」
僕は角ウサギたちを連れて、台所に行く。
レンはイスに座って料理の本を開き、のんびりとお茶を飲んでいた。
「どうした?」
レンが僕にイスを勧め、お茶をいれてくれる。泣いた後だと顔を見ればわかるだろうが、その点については追及してこない。
「英雄時代にククーがレンの支えになったのは聞いたけど、他の諜報員たちは支えにならなかったの?」
レンはククー以外の諜報員の話を僕にしてくれたことがあった。
「皆、他国の諜報員だからな。自国のためになるなら動くが、一線は越えなかった。ククーは俺にバレていないと思って、俺の有利になるような手伝いをかなりしてくれたからなー。全部俺のギフトでバレていたんだぞー。ただ内緒の話だが、俺のギフトでカモフラージュして聖教国エルバノーンの人形遣いの爺さんとか他の諜報員とは何度か酒を飲んだことがあるんだ」
「ククーは他国の諜報員だからレンに話しかけられなかったんじゃなかった?」
「だから、それはククーのは言い訳なんだって。会いに来てくれれば、酒ぐらいは一緒に飲めたんだ。ただ、俺が会いに行けるほどの自由は残念ながらなかったというだけで。まあ、人形遣いの爺さんは俺が人形を壊しまくったせいで直談判に来たというのがはじまりだ。苦情会というわけだ。他の奴らの目には爺さんが操る人形にぐちぐち文句を言われている俺の姿が映ったことだろう。公式には直接会ったことがないことになっている」
「それ、カモフラージュになってるの?」
「なっていたんだろうね。ククーは結局俺に会いに来なかったんだから」
「それ、ククーは本当に知らないの?」
「今、知ったよ」
「え?」
今?
「さあって、昼食でも作ろうかなー。王子は何が食べたい?今日なら食材が揃っているから要望を聞いちゃうよー」
レンに話を逸らされた感が大きいが、僕はまだ子供だ。自分の好物が食べられると思ったら、頭の中は食べ物のことで埋め尽くされた。
ククーが英雄との思い出を話している。
それはククーにとって辛い決別の過去だ。
そして、それは僕にとっても聞くのが辛い話になる。
「俺が規律違反だけで済んだのは、最後と選んだダンジョンで、英雄が魔物を全て片付けて行ったからだ。いつもなら最短距離で魔物を倒してダンジョンコアを壊しに行くのに、そのときだけは英雄は一匹残らず魔物を倒していった」
僕がククーを握る手に力を込める。
「本当ならあのとき魔物に殺されて終わっていた人生だ。英雄が一匹でも俺の前にあのダンジョンの魔物を残していたら、俺は太刀打ちできなかっただろう」
ククーが僕を見て笑う。
「実力差を感じて、住む世界が違いすぎると思った。けど、せっかく英雄が救ってくれた命、粗末に扱うのも悪い。自国でおとなしく余生を暮らそうと思ったんだけどなー」
ククーが空を見上げる。
青い空が広がる。
「この国で会えるとは思わなかった。酒を一緒に飲めるとは思わなかった。笑い合えるなんて思ってもみなかった。ただひたすら憧れていた英雄に、できないことは何一つないようにしか見えない英雄に、自分のことを覚えていてもらえているなんて。レンが俺のことをククール・アディと本名で呼んだとき、俺のことを知っているとわかったとき、本当に驚いた。どうしようもなく嬉しくなったよ。たぶん、王子やヴィンセントが考えている以上に」
「ククー、」
「ごめんな、王子。俺の命も心も英雄に救われた。俺はレンと一緒にいたい。レンとヴィンセントのような関係になれなくても、ヴィンセントに疎まれても、これからはずっとレンのそばにいたいんだ。今度こそ」
ククーの目はまだ空を見ている。
僕もずっとククーを見ていた。
母と別れてから、この家に来る馬車でのククーの話はこの国での説明以外はだいたい隣国の英雄譚だった。
英雄の名前こそ言わなかったが、レンの話だったのだろう。
この家に来て、一緒に住むのがククーではないのは寂しかったが、一か月に一回でも会えるのが嬉しかった。
特別だよ、と言って持って来てくれるお菓子も、夜、ベッドで読んでくれる絵本も嬉しかった。そばにいると温かく、いい匂いがする。ククーは大人で優しくて、ずっと一緒にいたいと思った。
けれど、ククーがレンと一緒にいると、それは違うのだとわかった。
ククーはレンにクソ英雄と言う。悪態をつく。
僕には見せない、ククーの素の姿だ。
レンがそれを許しているから、見せるのだ。
羨ましかった。
レンが来てから、ククーの視線はレンに向かっていた。
レンはヴィンセントと一緒にいたから、僕にもまだ望みがあると思っていた。浅ましかった。
でも、ククーはこれからもレンを想い続ける。
たとえレンがククーを見なくても。
ククーが僕を見なくても、僕はあんな風にククーを想い続けられるだろうか。
「ククー、ヴィンセントが教えてくれたんだ。来年の春の建国祭の後に、僕はククーの家に引き取られて、キイ・アディになるって。もし、ククーと結婚したいのならその申し出を断らなければいけないことを。僕は聖教国エルバノーンの王子の一人であって、そのままの地位なら結婚できる可能性があることを」
ヴィンセントが教えてくれた。
神官は本当なら結婚できない。
けれど、例外がある。
今の状態なら、もしかしたら僕も例外が当てはまるのでは、と。何の権力もない名目だけの王子のようだけど。
僕がアディ家に引き取られてしまうと、名実ともに神聖国グルシアの人間となり、僕がククーと結婚する可能性は潰える。
選択を後悔しないように、教えてくれたのだ。
「ヴィンセントが教えたのか」
ちょっと意外そうにククーが言った。
「でも、ククーは僕と結婚できても、しないでしょ?」
ククーはレンを想い続けるから。
それが僕にもわかってしまったから。
「僕がいい男になって、後で後悔しても遅いからね」
僕のできる精一杯の強がりを。
「うん、そうだな。後悔できることが嬉しいよ」
僕が成長できることを、本当にククーが喜んでいることがわかる。
レンが来るまでは、僕に将来の話はしてほしくない様子だったから。
「ヴィンセントから、お母さんも僕と同じ病だったことも聞いた。お母さんの方が病状が悪くて、しばらくして亡くなったってことも。悲しかったけど、僕はがんばって治すから。レンも協力してくれてるし」
「うん、そうか、ヴィンセントが」
僕が握っている手とは逆の方で、ククーが僕の頭を撫でた。
「ずっと伝えられなくて悪かった」
僕は首を横に振る。僕はただ泣かないように必死に堪えていた。
ククーの手が温かい。
その温かさは僕のものだけではないことを知った。
ククーの馬車が去っていく。
いつものように見送る。
馬車の音さえも聞こえなくなっても、僕は庭に立っていた。
僕の足元には普通はお庭当番の一匹、もしくはレン当番も加えて家には二匹しかいないはずの角ウサギが五匹全員集合している。何も言わないがぎゅうぎゅうおしくらまんじゅうしているかのようだ。
そして、ヴィンセントが隣に立って僕の肩を叩いた。
「アイツの前で泣かなくて偉かったな」
今の僕の顔は涙でグチャグチャだった。
「んっ」
僕の初恋は実らなかった。
ただの憧れだったと、兄のように慕っていただけじゃないのかと、他人は言うかもしれない。
「僕も素敵な人をつかまえられるかな」
「そうだな。そのままの顔じゃ難しいだろうな」
「うう、、、ヴィンセント、そこは嘘でも肯定するところでしょ」
「そんな涙や鼻水でびちょびちょの顔を好きになる奴がいたら、ある意味怖い」
下にいる角ウサギたちが僕を見て頷いている。そりゃ、そんな奴がいたら怖いか。
「それこそ、ククーに地団駄させるほど、いい男になって後悔させてやれ」
「うん、がんばる」
僕は決意を新たに、角ウサギたちを代わる代わるぎゅむぎゅむ抱いた。
いつもなら、レンも僕と一緒にククーの馬車を見送る。
今回は僕に譲ってくれたのがわかる。
レンもククーが大好きだ。優先するのはヴィンセントなのだが、それとは話が別のようだ。
僕もレンに大切に思われているのはわかる。
僕がタレタと勝手にシアリーの街に行ったとき、レンが僕を見つけたときはものすごい心配そうな顔だった。
見つけたからといって安堵の顔をまったく見せなかった。
僕と街を出るときも、レンは不安そうに僕を抱いていた。
見たことのない表情だった。
レンは僕とヴィンセントに命を救われた、と言う。
けれど、僕こそレンに命を救われた方だと思う。ヴィンセントが魔術で守ってくれていたとはいえ、魔物に襲われていたのは僕だ。
あのとき、レンはあんなボロボロな姿になってさえ、慌てた様子はなかった。
そう、あのときのレンはククーとなぜか似ていると思った。
姿形はまったく似てない。
なぜそう思ったのか、後から不思議に思ったくらいだ。
今日のククーの話を聞いて、ようやく納得がいった。
二人とも終わりにしたかったのだ。
この世界を諦めかけていたのだ。
だから、レンは僕を助けた。
自分が助かりたいのなら、僕を助けない方が生存の確率が上がる。魔物が僕を襲っている間に、逃げた方が時間が稼げる。
そんなことは、レンにとっては百も承知のことだっただろう。
死ぬのならそれでもいいと、レンが思っていたから。
レンは僕とヴィンセントにあのとき会ったから、命を救われたと言うのだろう。
そして、レンはククーにも感謝の言葉を告げる。
「、、、レン」
僕は角ウサギたちを連れて、台所に行く。
レンはイスに座って料理の本を開き、のんびりとお茶を飲んでいた。
「どうした?」
レンが僕にイスを勧め、お茶をいれてくれる。泣いた後だと顔を見ればわかるだろうが、その点については追及してこない。
「英雄時代にククーがレンの支えになったのは聞いたけど、他の諜報員たちは支えにならなかったの?」
レンはククー以外の諜報員の話を僕にしてくれたことがあった。
「皆、他国の諜報員だからな。自国のためになるなら動くが、一線は越えなかった。ククーは俺にバレていないと思って、俺の有利になるような手伝いをかなりしてくれたからなー。全部俺のギフトでバレていたんだぞー。ただ内緒の話だが、俺のギフトでカモフラージュして聖教国エルバノーンの人形遣いの爺さんとか他の諜報員とは何度か酒を飲んだことがあるんだ」
「ククーは他国の諜報員だからレンに話しかけられなかったんじゃなかった?」
「だから、それはククーのは言い訳なんだって。会いに来てくれれば、酒ぐらいは一緒に飲めたんだ。ただ、俺が会いに行けるほどの自由は残念ながらなかったというだけで。まあ、人形遣いの爺さんは俺が人形を壊しまくったせいで直談判に来たというのがはじまりだ。苦情会というわけだ。他の奴らの目には爺さんが操る人形にぐちぐち文句を言われている俺の姿が映ったことだろう。公式には直接会ったことがないことになっている」
「それ、カモフラージュになってるの?」
「なっていたんだろうね。ククーは結局俺に会いに来なかったんだから」
「それ、ククーは本当に知らないの?」
「今、知ったよ」
「え?」
今?
「さあって、昼食でも作ろうかなー。王子は何が食べたい?今日なら食材が揃っているから要望を聞いちゃうよー」
レンに話を逸らされた感が大きいが、僕はまだ子供だ。自分の好物が食べられると思ったら、頭の中は食べ物のことで埋め尽くされた。
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