113 / 236
11章 冷ややかな夏
11-2 それでもなお ※ククー視点
しおりを挟む
◆ククー視点◆
朝、起きる。
が、客室のベッドから起き上がれない。
昨晩の失態を思い出す。
酒の席とはいえ、俺は英雄に何を聞いているんだ。。。
英雄の心の傷に塩を塗りまくった。その上、俺が諜報員を辞めたことが、英雄には俺に裏切られた行為として受け取られていた。
それでもなお、それを嬉しいと思う自分がいてしまう。
ノックの音が響く。
返事も聞かず、扉が開いた音がした。
「おーい、もう起きているんだろ。ククー、おはよう」
レンが入ってきて、ベッドに蹲る俺の頬を人差し指でツンツン突いてくる。
「、、、おはよう、レン」
「聞いたこと後悔するぐらいなら聞くなよ。酒は飲んでも飲まれるな、ってお前が前に言ってなかったか?酔い潰れたいのなら、二人で飲むときにすればいいだろ」
「二人だけで飲むときなんかないだろ?酒を飲まなくてもヴィンセントは必ずいる」
「ははっ、たまになら酒に付き合ってやってもいいぞ。お前の隠し部屋かダンジョンなら邪魔は入らないだろ」
「隠し部屋なら酒も大量にあるから際限なく飲めるぞ」
「素晴らしい環境だよな、あの部屋。ククー、早く起きないと、せっかく王子と作った朝食が冷めるぞー」
腕を引っ張られてグイっと起こされた。
俺よりも身長が低くて腕も細いのに、どこにこんな力があるのやら。他人がどんなに否定しようとも、レンは英雄なのだ。こんな姿になっても俺よりも断然強い。泣ける。
「、、、まだ昨日の酒が残っているのか?もうそろそろ本当に目を覚ませー」
顔を覗き込まれて、両頬をレンの両手でペチペチされる。
嬉しいと喜んでは敵の思うツボだ。
「レン、起きてるぞー。アンタの目には寝ているように見えるのか」
「百面相しているお前がしっかり見えているぞー。喜怒哀楽の感情出し過ぎじゃないか、昨日も今日も」
俺の着替えの服をポイポイ投げられた。
のろのろとベッドから這い出して、着替え始める。
「聞きたいと思ったんだよ。俺はアンタが何を考えているかまではわからないからな」
「俺も今はククーが何を考えているかわからないから言葉にしてねー」
今は。昔は英雄のギフトで俺の考えは筒抜けだったということだ。わかっていたけど。
「レン、ククーとイチャつくな」
客室の開いた扉からヴィンセントが覗いていた。
「たまには良いじゃん。ククーとはたまにしか会えないんだから」
「聖都で一緒に住んだら、いつも顔を合わせることになるだろ」
「いや、いつもは無理だろ。ククーは地方の仕事だってあるんだし」
「レン、生贄の家巡りなんて、本来ククーがやる仕事じゃないんだ。大神官長のお気に入りが地方をまわる必要はない」
来年の建国祭を過ぎれば行商人役はしばしお休みだ。生贄が捧げられれば、生贄候補が選ばれるまでは必要ない。それに行商人役を次も俺がするかというと微妙なところだろう。
というか、レンの無色透明な魔石が問題なく供給可能とわかれば生贄自体なくなる可能性がある。
「えー、ククーってヴァンガル・イーグのお気に入りなの?」
うわ、レンがものすごく嫌そうな顔してるな。何でそこに食いつく?シアリーの街の表敬訪問や聖都での執務室で一緒にいただろ。。。って何か誤解してない?
「仕事上で、だぞ。プライベートでの付き合いはまったくないからな」
「えー、ホントに?抱かれてたりしない?」
ガッ、と俺はレンの肩をつかんだ。
「朝っぱらから怖いことを言うなっ。あの人は根っからの女好きだ」
「だって、英雄よりガタイは良いだろ。ククーの好みっ」
俺はレンの口を手で押さえた。
本当に朝っぱらから暴露大会されてたまるか。
昨日の仕返しか?
まだヴィンセントがいない場ならともかく。
「レンー、どんだけククーとイチャつけば気が済むのー?」
「もごもごもご」
俺の手の下で話そうとするな。息がかかってくすぐったい。
が、次の瞬間、俺は真っ赤になる。
「レン、、、」
舌で手のひらを舐められ、力が緩んだ指を甘噛みされた。
「ククーはまだ英雄に抱かれたいのか?困ったものだ」
レンが言い残して客室を去っていった。
この手をどうしろと、と思ったらヴィンセントにガブリと噛まれた。そこまで痛くはないが上書きされてしまった。
「ヴィンセント、、、」
「私が生きている間はレンを渡さないからな」
ヴィンセントも言い捨てて去っていった。
感情豊かになったなあ。。。そんな姿、俺に見せなくてもいいぞ。
ヴィンセントに噛まれてしまった手を大事にしていても仕方ないのでさっさと洗った。
レンが本当にイヤだったら、俺が口を押さえた手を跳ね除けるぐらいのことは簡単にできるだろう。
前にもレンのお喋りな口を塞いだことはあるが、ここまで意識していただろうか。
俺の腕の中におさまるサイズで、もっと抱きしめたいと願ってしまう。
それ以上のことを望みたくなる。
それでも、俺は英雄から一度は離れてしまった人間だったのだと現実を突きつけられて、手を伸ばせなくなる。
英雄は俺のことなんか気にもしていないと思っていたのだから。
俺が食堂に行った頃には、朝食はすでに冷めていた。
せっかくレンと王子が作ってくれたので、美味しくいただきましたが。
レンの言葉を聞いて、嬉しいと思う反面、滅びゆく自分もいる。
その百面相を王子がじっとそばにいて見ている。
このまま庭を見ながら座っていても仕方がない。
「はあー、もうそろそろ帰る準備をするか。次来るときまでには俺も落ち着くだろう」
落ち着くといいなー。
立ち上がろうとしたら、王子が服の裾を握っていた。
「王子?」
「ねえ、ククーはレンが一番好きなの?」
「うっ」
子供は直球だな。
「レンにはヴィンセントがいるのに?」
「ううっ」
さらに追い打ち。
俺はもう一度座る。
「たぶん、この想いが報われなくても、俺は英雄を想い続ける」
「レンがククーを一番にしなくても?」
俺は王子の頭を撫でる。
あの頃は、英雄が俺を見なくても関係なかった。
ただ見ていられることが幸せだった。
英雄の望みはアスア王国の国民の無事。
それなのに、彼は魔物が向かった先の国のことまで気にした。
俺ができたことといえば、神聖国グルシアの方へ行った魔物退治を国の警備に連絡して対処させたとか、アスア王国内にいる仲間に頼んで多少動いてもらったとか、その程度だ。
そのぐらいしかしていないのだ。
それでも、今、英雄は俺に感謝をしている。
そのぐらいのことも、英雄にとっては大きいことだった。
アスア王国は英雄のためには何一つ動かないのだから。
「話さなければ、わからないことってあるんだな」
英雄は一人で淡々と国民を救っていた。
当然のように。
まるで、誰かの手助けなんか必要ないかのように、仲間も騎士団も置いていった。
英雄には国の用意した仲間も騎士団も必要なかったから置いていった。
彼らは国民を助けないから。英雄の手助けをしないから。
だから、俺のことも取るに足らない存在だと。
多少英雄を手伝ったとはいえ、他国の諜報員、ただそれだけの存在だったと思っていたのに。
「英雄が彼女と幸せになって結婚するところを、俺は見ていたくなかった。アスア王国に生まれていればとどれだけ願ったことか。諜報員ではなく、冒険者として、仲間として英雄に会えていたらと何度も思った。俺は規律違反で責任と取って諜報員を辞めたことになっている。諜報員とはいえ、俺の能力では最凶級ダンジョンに入ることまでは国に許可されていなかった。最後に最凶級ダンジョンに入って俺は死んでもいいと思った。すべてを終わりにしたかったんだ」
王子がぎゅっと俺の手を握った。
それが自覚していないものだとしても、俺は一番短絡的な行動を取った。
朝、起きる。
が、客室のベッドから起き上がれない。
昨晩の失態を思い出す。
酒の席とはいえ、俺は英雄に何を聞いているんだ。。。
英雄の心の傷に塩を塗りまくった。その上、俺が諜報員を辞めたことが、英雄には俺に裏切られた行為として受け取られていた。
それでもなお、それを嬉しいと思う自分がいてしまう。
ノックの音が響く。
返事も聞かず、扉が開いた音がした。
「おーい、もう起きているんだろ。ククー、おはよう」
レンが入ってきて、ベッドに蹲る俺の頬を人差し指でツンツン突いてくる。
「、、、おはよう、レン」
「聞いたこと後悔するぐらいなら聞くなよ。酒は飲んでも飲まれるな、ってお前が前に言ってなかったか?酔い潰れたいのなら、二人で飲むときにすればいいだろ」
「二人だけで飲むときなんかないだろ?酒を飲まなくてもヴィンセントは必ずいる」
「ははっ、たまになら酒に付き合ってやってもいいぞ。お前の隠し部屋かダンジョンなら邪魔は入らないだろ」
「隠し部屋なら酒も大量にあるから際限なく飲めるぞ」
「素晴らしい環境だよな、あの部屋。ククー、早く起きないと、せっかく王子と作った朝食が冷めるぞー」
腕を引っ張られてグイっと起こされた。
俺よりも身長が低くて腕も細いのに、どこにこんな力があるのやら。他人がどんなに否定しようとも、レンは英雄なのだ。こんな姿になっても俺よりも断然強い。泣ける。
「、、、まだ昨日の酒が残っているのか?もうそろそろ本当に目を覚ませー」
顔を覗き込まれて、両頬をレンの両手でペチペチされる。
嬉しいと喜んでは敵の思うツボだ。
「レン、起きてるぞー。アンタの目には寝ているように見えるのか」
「百面相しているお前がしっかり見えているぞー。喜怒哀楽の感情出し過ぎじゃないか、昨日も今日も」
俺の着替えの服をポイポイ投げられた。
のろのろとベッドから這い出して、着替え始める。
「聞きたいと思ったんだよ。俺はアンタが何を考えているかまではわからないからな」
「俺も今はククーが何を考えているかわからないから言葉にしてねー」
今は。昔は英雄のギフトで俺の考えは筒抜けだったということだ。わかっていたけど。
「レン、ククーとイチャつくな」
客室の開いた扉からヴィンセントが覗いていた。
「たまには良いじゃん。ククーとはたまにしか会えないんだから」
「聖都で一緒に住んだら、いつも顔を合わせることになるだろ」
「いや、いつもは無理だろ。ククーは地方の仕事だってあるんだし」
「レン、生贄の家巡りなんて、本来ククーがやる仕事じゃないんだ。大神官長のお気に入りが地方をまわる必要はない」
来年の建国祭を過ぎれば行商人役はしばしお休みだ。生贄が捧げられれば、生贄候補が選ばれるまでは必要ない。それに行商人役を次も俺がするかというと微妙なところだろう。
というか、レンの無色透明な魔石が問題なく供給可能とわかれば生贄自体なくなる可能性がある。
「えー、ククーってヴァンガル・イーグのお気に入りなの?」
うわ、レンがものすごく嫌そうな顔してるな。何でそこに食いつく?シアリーの街の表敬訪問や聖都での執務室で一緒にいただろ。。。って何か誤解してない?
「仕事上で、だぞ。プライベートでの付き合いはまったくないからな」
「えー、ホントに?抱かれてたりしない?」
ガッ、と俺はレンの肩をつかんだ。
「朝っぱらから怖いことを言うなっ。あの人は根っからの女好きだ」
「だって、英雄よりガタイは良いだろ。ククーの好みっ」
俺はレンの口を手で押さえた。
本当に朝っぱらから暴露大会されてたまるか。
昨日の仕返しか?
まだヴィンセントがいない場ならともかく。
「レンー、どんだけククーとイチャつけば気が済むのー?」
「もごもごもご」
俺の手の下で話そうとするな。息がかかってくすぐったい。
が、次の瞬間、俺は真っ赤になる。
「レン、、、」
舌で手のひらを舐められ、力が緩んだ指を甘噛みされた。
「ククーはまだ英雄に抱かれたいのか?困ったものだ」
レンが言い残して客室を去っていった。
この手をどうしろと、と思ったらヴィンセントにガブリと噛まれた。そこまで痛くはないが上書きされてしまった。
「ヴィンセント、、、」
「私が生きている間はレンを渡さないからな」
ヴィンセントも言い捨てて去っていった。
感情豊かになったなあ。。。そんな姿、俺に見せなくてもいいぞ。
ヴィンセントに噛まれてしまった手を大事にしていても仕方ないのでさっさと洗った。
レンが本当にイヤだったら、俺が口を押さえた手を跳ね除けるぐらいのことは簡単にできるだろう。
前にもレンのお喋りな口を塞いだことはあるが、ここまで意識していただろうか。
俺の腕の中におさまるサイズで、もっと抱きしめたいと願ってしまう。
それ以上のことを望みたくなる。
それでも、俺は英雄から一度は離れてしまった人間だったのだと現実を突きつけられて、手を伸ばせなくなる。
英雄は俺のことなんか気にもしていないと思っていたのだから。
俺が食堂に行った頃には、朝食はすでに冷めていた。
せっかくレンと王子が作ってくれたので、美味しくいただきましたが。
レンの言葉を聞いて、嬉しいと思う反面、滅びゆく自分もいる。
その百面相を王子がじっとそばにいて見ている。
このまま庭を見ながら座っていても仕方がない。
「はあー、もうそろそろ帰る準備をするか。次来るときまでには俺も落ち着くだろう」
落ち着くといいなー。
立ち上がろうとしたら、王子が服の裾を握っていた。
「王子?」
「ねえ、ククーはレンが一番好きなの?」
「うっ」
子供は直球だな。
「レンにはヴィンセントがいるのに?」
「ううっ」
さらに追い打ち。
俺はもう一度座る。
「たぶん、この想いが報われなくても、俺は英雄を想い続ける」
「レンがククーを一番にしなくても?」
俺は王子の頭を撫でる。
あの頃は、英雄が俺を見なくても関係なかった。
ただ見ていられることが幸せだった。
英雄の望みはアスア王国の国民の無事。
それなのに、彼は魔物が向かった先の国のことまで気にした。
俺ができたことといえば、神聖国グルシアの方へ行った魔物退治を国の警備に連絡して対処させたとか、アスア王国内にいる仲間に頼んで多少動いてもらったとか、その程度だ。
そのぐらいしかしていないのだ。
それでも、今、英雄は俺に感謝をしている。
そのぐらいのことも、英雄にとっては大きいことだった。
アスア王国は英雄のためには何一つ動かないのだから。
「話さなければ、わからないことってあるんだな」
英雄は一人で淡々と国民を救っていた。
当然のように。
まるで、誰かの手助けなんか必要ないかのように、仲間も騎士団も置いていった。
英雄には国の用意した仲間も騎士団も必要なかったから置いていった。
彼らは国民を助けないから。英雄の手助けをしないから。
だから、俺のことも取るに足らない存在だと。
多少英雄を手伝ったとはいえ、他国の諜報員、ただそれだけの存在だったと思っていたのに。
「英雄が彼女と幸せになって結婚するところを、俺は見ていたくなかった。アスア王国に生まれていればとどれだけ願ったことか。諜報員ではなく、冒険者として、仲間として英雄に会えていたらと何度も思った。俺は規律違反で責任と取って諜報員を辞めたことになっている。諜報員とはいえ、俺の能力では最凶級ダンジョンに入ることまでは国に許可されていなかった。最後に最凶級ダンジョンに入って俺は死んでもいいと思った。すべてを終わりにしたかったんだ」
王子がぎゅっと俺の手を握った。
それが自覚していないものだとしても、俺は一番短絡的な行動を取った。
23
お気に入りに追加
356
あなたにおすすめの小説
小悪魔系世界征服計画 ~ちょっと美少年に生まれただけだと思っていたら、異世界の救世主でした~
朱童章絵
BL
「僕はリスでもウサギでもないし、ましてやプリンセスなんかじゃ絶対にない!」
普通よりちょっと可愛くて、人に好かれやすいという以外、まったく普通の男子高校生・瑠佳(ルカ)には、秘密がある。小さな頃からずっと、別な世界で日々を送り、成長していく夢を見続けているのだ。
史上最強の呼び声も高い、大魔法使いである祖母・ベリンダ。
その弟子であり、物腰柔らか、ルカのトラウマを刺激しまくる、超絶美形・ユージーン。
外見も内面も、強くて男らしくて頼りになる、寡黙で優しい、薬屋の跡取り・ジェイク。
いつも笑顔で温厚だけど、ルカ以外にまったく価値を見出さない、ヤンデレ系神父・ネイト。
領主の息子なのに気さくで誠実、親友のイケメン貴公子・フィンレー。
彼らの過剰なスキンシップに狼狽えながらも、ルカは日々を楽しく過ごしていたが、ある時を境に、現実世界での急激な体力の衰えを感じ始める。夢から覚めるたびに強まる倦怠感に加えて、祖母や仲間達の言動にも不可解な点が。更には魔王の復活も重なって、瑠佳は次第に世界全体に疑問を感じるようになっていく。
やがて現実の自分の不調の原因が夢にあるのではないかと考えた瑠佳は、「夢の世界」そのものを否定するようになるが――。
無自覚小悪魔ちゃん、総受系愛され主人公による、保護者同伴RPG(?)。
(この作品は、小説家になろう、カクヨムにも掲載しています)
巻き戻りした悪役令息は最愛の人から離れて生きていく
藍沢真啓/庚あき
BL
婚約者ユリウスから断罪をされたアリステルは、ボロボロになった状態で廃教会で命を終えた……はずだった。
目覚めた時はユリウスと婚約したばかりの頃で、それならばとアリステルは自らユリウスと距離を置くことに決める。だが、なぜかユリウスはアリステルに構うようになり……
巻き戻りから人生をやり直す悪役令息の物語。
【感想のお返事について】
感想をくださりありがとうございます。
執筆を最優先させていただきますので、お返事についてはご容赦願います。
大切に読ませていただいてます。執筆の活力になっていますので、今後も感想いただければ幸いです。
あと一度だけでもいいから君に会いたい
藤雪たすく
BL
異世界に転生し、冒険者ギルドの雑用係として働き始めてかれこれ10年ほど経つけれど……この世界のご飯は素材を生かしすぎている。
いまだ食事に馴染めず米が恋しすぎてしまった為、とある冒険者さんの事が気になって仕方がなくなってしまった。
もう一度あの人に会いたい。あと一度でもあの人と会いたい。
※他サイト投稿済み作品を改題、修正したものになります
男装の麗人と呼ばれる俺は正真正銘の男なのだが~双子の姉のせいでややこしい事態になっている~
さいはて旅行社
BL
双子の姉が失踪した。
そのせいで、弟である俺が騎士学校を休学して、姉の通っている貴族学校に姉として通うことになってしまった。
姉は男子の制服を着ていたため、服装に違和感はない。
だが、姉は男装の麗人として女子生徒に恐ろしいほど大人気だった。
その女子生徒たちは今、何も知らずに俺を囲んでいる。
女性に囲まれて嬉しい、わけもなく、彼女たちの理想の王子様像を演技しなければならない上に、男性が女子寮の部屋に一歩入っただけでも騒ぎになる貴族学校。
もしこの事実がバレたら退学ぐらいで済むわけがない。。。
周辺国家の情勢がキナ臭くなっていくなかで、俺は双子の姉が戻って来るまで、協力してくれる仲間たちに笑われながらでも、無事にバレずに女子生徒たちの理想の王子様像を演じ切れるのか?
侯爵家の命令でそんなことまでやらないといけない自分を救ってくれるヒロインでもヒーローでも現れるのか?
龍は精霊の愛し子を愛でる
林 業
BL
竜人族の騎士団団長サンムーンは人の子を嫁にしている。
その子は精霊に愛されているが、人族からは嫌われた子供だった。
王族の養子として、騎士団長の嫁として今日も楽しく自由に生きていく。
ブレスレットが運んできたもの
mahiro
BL
第一王子が15歳を迎える日、お祝いとは別に未来の妃を探すことを目的としたパーティーが開催することが発表された。
そのパーティーには身分関係なく未婚である女性や歳の近い女性全員に招待状が配られたのだという。
血の繋がりはないが訳あって一緒に住むことになった妹ーーーミシェルも例外ではなく招待されていた。
これまた俺ーーーアレットとは血の繋がりのない兄ーーーベルナールは妹大好きなだけあって大いに喜んでいたのだと思う。
俺はといえば会場のウェイターが足りないため人材募集が貼り出されていたので応募してみたらたまたま通った。
そして迎えた当日、グラスを片付けるため会場から出た所、廊下のすみに光輝く何かを発見し………?
祝福という名の厄介なモノがあるんですけど
野犬 猫兄
BL
魔導研究員のディルカには悩みがあった。
愛し愛される二人の証しとして、同じ場所に同じアザが発現するという『花祝紋』が独り身のディルカの身体にいつの間にか現れていたのだ。
それは女神の祝福とまでいわれるアザで、そんな大層なもの誰にも見せられるわけがない。
ディルカは、そんなアザがあるものだから、誰とも恋愛できずにいた。
イチャイチャ……イチャイチャしたいんですけど?!
□■
少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです!
完結しました。
応援していただきありがとうございます!
□■
第11回BL大賞では、ポイントを入れてくださった皆様、またお読みくださった皆様、どうもありがとうございましたm(__)m
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる