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9章 不穏な風が舞い込む
9-1 襲撃 ※ククー視点
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◆ククー視点◆
「ああ?魔族を騙った者がいる?」
ここはとある国。広く豪華な一室。
黒髪の少年からの一報に、短い白髪で赤い目の青年が立ち上がる。
「どこでだっ」
「神聖国グルシアだそうです。ただ、」
「チッ、うちの嫁の国で不届き者が湧いて出たのか。俺が叩き切ってくる」
「えっ、あのっ、まだ続きが」
青年は剣を持って、開いていた窓から飛んで行ってしまった。文字通り、空を飛んで行ってしまった。
呆然とした少年の手がさまよう。
「もー、エーちゃんったら、また話を全然聞かないで飛び出していっちゃってー」
「グレイシア様、申し訳ございません。私がもう少し早口で説明していれば」
黒髪の少年は横にいた金髪の女性に謝る。残念ながら、早口で説明してしまえば、彼が窓から飛び出すのがほんの少し早くなるだけだ。。。早合点する人間には説明の仕方を変えなければいけないのだが、この少年は従者になって日も浅い。先輩たちからの最初の洗礼にあったようなものだ。
「良いのよー、全部エーちゃんが悪いんだから。私も里帰りしてくるから、しばらくの間、留守お願いね」
グレイシアと呼ばれた女性も窓の桟に足をかける。
「じゃ、いってきます」
彼女も白髪の青年を追いかけて空を飛んでいった。
どこまでも青い空。
高速で飛んでいく二体。
あまりにも高速過ぎて、大声で叫んでも相手に聞こえない。
念話で話しかけても、相手は聞く耳持たない。
困ったものだ。グレイシアはため息を吐いた。
なるようにしかならない。
ただ、懐かしい風景が焦土にならないことだけを祈った。
数時間後に、神聖国グルシアのシアリーの街から少し離れた場所に密やかに存在している一軒の家を目がけて、殺気が飛んできた。
「あ?」
食事の最中、手に持っていたフォークもナイフも落として、レンが立ち上がる。
マナーも一通り身につけているレンが、こんな状態で中座することはない。
ヴィンセントも王子も、レンの突然の行動に驚いている。
さすがにまだヴィンセントの結界に引っかかる範囲ではない。
「ツノっ」
レンが角ウサギの名を呼ぶと、ツノがほいよっっとレンの剣を投げ渡す。
食堂の窓を開けると、レンはそこから出ようとした。
「レンっ、何があった?」
「襲撃だ。迎え撃つ」
端的に告げると、レンは窓から跳ねた。
あの二人は文字通り空を飛ぶが、レンの場合、足場から足場へ飛び跳ねていく。
これは各々の能力から何を選択するかである。レンも風の魔法を使えるし飛ぶこともできるはずだが、移動は地を駆けることが多かった。英雄時代からそうであった。
「王子は家にいろ。そのツノでも抱えておけっ」
ヴィンセントは王子に指示し、風の魔術を使いレンを追いかける。
角ウサギが王子のそばにいれば大抵は何とかなる。最凶級の魔物なのだから、相手が人なら用心棒としては最適だ。
レンはマントを羽織る暇もなく外に出た。大木の一番上に立っている。
すでに鞘から剣は抜いて構えている。レンの白い髪は風でうねっている。
「見つけたぞっ、魔族を騙る者。万死に値するっ。命をもって償えっ」
大声とともに、殺気が降ってくる。
レンの目も白髪の青年の姿をとらえた。
「身に覚えのないことだ。ここは神聖国グルシアの教会の土地。魔族といえど侵犯することは法に触れる」
レンも大声で答える。
「うるせえっ、弱い者は強い者に従っていればいいんだよっ」
「そうか」
白髪の青年の言葉にレンが笑った。いつもの笑いではない。口の端で笑った。もちろん目は笑っていない。
レンの目は鮮やかな赤に変わる。
恐ろしいほどの殺気と魔力が辺りに放たれる。
それは白髪の青年の比ではない。
レンは自分を、そして大切な者を傷つけようとする者には過剰に反応するようになった。
空から落下してきたように見える白髪の青年は剣をレンに振り被った。
が、レンに届くより先に何かに当たって衝撃で吹っ飛ばされる。
「障壁かっ?魔族を騙るぐらいのことはあるな」
青年の目に映る、風になびくレンの髪は白く、目はどこまでも赤い。その姿は自分に似ている。
魔族の構成員にこの人物は存在しない。一族で一緒に行動していると言っても、さすがに数人は別行動をしている者もいる。けれど、目の前にいる人物は魔族にはいない。
ならば、魔族を騙っている、というのは短絡思考の極みなのだが、自分が魔族であるがゆえに彼らはそういう思考回路になっている。
木の上に立っているレンも青年を敵とみなした。目が殺気に満ちている。こういう目をレンが向けるのは珍しい。英雄時代、魔物相手にもそんな目を向けることはなかった。
そこのバカ姉弟、二人を早く止めないと本当に焦土と化すぞー。
「エーフィルさんっ、姉さんっ、何やっているのっ」
木々の下からヴィンセントが襲撃者の姿を見つけた。レンの結界で弾かれたため、停止したエーフィルをようやく視認できたという方が正しい。ヴィンセントの実姉グレイシアもようやく追いついたところだ。
お互いかなりの距離が離れているため、大声で話す。
「ヴィンセントっ?アンタこそ、何でこんなところにいるのっ?左遷されたのっ?」
「スカートで空を飛ぶなっ。アンタこそ自分が女性ってことを忘れているのかっ。恥じらいはどこに行った?」
「キチンと中が見えない乙女の魔術を使っているんですー」
「乙女って年齢かよっ」
「ヴィンセント、そこの者に巻き込まれてこんな地にでも追いやられたのか?」
お前ら姉弟、言うべきことはスカートのことじゃない。
ほら、エーフィルはグレイシアの左遷という言葉を結びつけてしまった。エーフィルにとってヴィンセントはどこまで行っても可愛い義弟である。レンは赤の他人であり、知らぬ人間。悪者と断定するのは楽である。
すでにわかったと思うが、エーフィルは思い込みの激しい直情バカだ。
世の中、魔力が強い人間に憧れる者たちは、魔族だというだけでものすごいフィルターがかかるのだ。特にノエル家は神聖国グルシアのなかで魔力量が桁違いに高い一族である。自分たちより魔力を持っているというだけで惚れてしまう悪癖を持つ。
エーフィルは赤い目であるため、魔族内での婚姻はできなかった。他の血を入れなければならなかった。魔族のなかにもルールが存在する。強すぎる者は血を薄めないといけない。だからといって誰でも良いわけではない。ノエル家のなかでも魔力量が豊富なグレイシアが嫁に選ばれた。エーフィルとグレイシアは政略結婚とも言えるが、恋愛結婚でもある。この二人は出会ってすぐに仲良くなった。
そして、エーフィルはヴィンセントの初恋の人である。
ヴィンセントの目では格好良く見えたんだろうな。。。俺には当時から今のまま何も変わってないようにしか見えないけど。惚れる要素、、、顔か?魔力か?この二人には申し訳ないが、俺にはその魅力がいまだにわからない。魔族だから金は持っているが。
エーフィルはレンに向かって剣で一点集中で結界を破りに来る。
その衝撃で大気が震えた。
結界が弾け飛んだ、わけではなかった。レンがエーフィルを結界内に通した。
あー、あの姉弟、本当に役に立たないな。
「おーい、レン、それは魔族のエーフィルだ。ヴィンセントの実姉の旦那だ。ヴィンセントの初恋の君だ。半殺しならともかく、殺すなよー」
一応、俺もピアスについているミニミニダンジョンからレンに声をかける。
レンは一方的な襲撃に怒りで我を忘れているわけではない。かなり冷静。冷静過ぎて怖いほどだ。止めないと、確実にエーフィルの息の根を止めようとしている。
「ククー、俺を殺す気で来ているのだから、俺に殺される覚悟ぐらいはあるのだろう。せっかく来た客だ。相手の本拠地で戦うことの恐ろしさぐらい味わっていただこう」
そう、結界内部に入ってしまったら、そこはレンのダンジョンの領域だ。
最凶級ダンジョンのダンジョンマスターであるレンの独壇場である。
ちなみに、最凶級ダンジョンを一人で攻略できる人物はこの大陸ではただ一人だけだった。アスア王国の英雄ザット・ノーレンのみ。魔族と呼ばれる最強民族といえども、最凶級ダンジョンは数人がかりで数日はかかる。それでも世間では早いと持てはやされるのだが、格の違いはこの事実だけでもわかるだろう。
ほーんと、向こう見ずな直情バカには手綱が必要だ。
ああ、エーフィルはコレがアスア王国の英雄ザット・ノーレンだって知らないのか。
魔族にも情報通がいるんだから、喧嘩を売っちゃあいけない相手ぐらい教えておけよ。
「ああ?魔族を騙った者がいる?」
ここはとある国。広く豪華な一室。
黒髪の少年からの一報に、短い白髪で赤い目の青年が立ち上がる。
「どこでだっ」
「神聖国グルシアだそうです。ただ、」
「チッ、うちの嫁の国で不届き者が湧いて出たのか。俺が叩き切ってくる」
「えっ、あのっ、まだ続きが」
青年は剣を持って、開いていた窓から飛んで行ってしまった。文字通り、空を飛んで行ってしまった。
呆然とした少年の手がさまよう。
「もー、エーちゃんったら、また話を全然聞かないで飛び出していっちゃってー」
「グレイシア様、申し訳ございません。私がもう少し早口で説明していれば」
黒髪の少年は横にいた金髪の女性に謝る。残念ながら、早口で説明してしまえば、彼が窓から飛び出すのがほんの少し早くなるだけだ。。。早合点する人間には説明の仕方を変えなければいけないのだが、この少年は従者になって日も浅い。先輩たちからの最初の洗礼にあったようなものだ。
「良いのよー、全部エーちゃんが悪いんだから。私も里帰りしてくるから、しばらくの間、留守お願いね」
グレイシアと呼ばれた女性も窓の桟に足をかける。
「じゃ、いってきます」
彼女も白髪の青年を追いかけて空を飛んでいった。
どこまでも青い空。
高速で飛んでいく二体。
あまりにも高速過ぎて、大声で叫んでも相手に聞こえない。
念話で話しかけても、相手は聞く耳持たない。
困ったものだ。グレイシアはため息を吐いた。
なるようにしかならない。
ただ、懐かしい風景が焦土にならないことだけを祈った。
数時間後に、神聖国グルシアのシアリーの街から少し離れた場所に密やかに存在している一軒の家を目がけて、殺気が飛んできた。
「あ?」
食事の最中、手に持っていたフォークもナイフも落として、レンが立ち上がる。
マナーも一通り身につけているレンが、こんな状態で中座することはない。
ヴィンセントも王子も、レンの突然の行動に驚いている。
さすがにまだヴィンセントの結界に引っかかる範囲ではない。
「ツノっ」
レンが角ウサギの名を呼ぶと、ツノがほいよっっとレンの剣を投げ渡す。
食堂の窓を開けると、レンはそこから出ようとした。
「レンっ、何があった?」
「襲撃だ。迎え撃つ」
端的に告げると、レンは窓から跳ねた。
あの二人は文字通り空を飛ぶが、レンの場合、足場から足場へ飛び跳ねていく。
これは各々の能力から何を選択するかである。レンも風の魔法を使えるし飛ぶこともできるはずだが、移動は地を駆けることが多かった。英雄時代からそうであった。
「王子は家にいろ。そのツノでも抱えておけっ」
ヴィンセントは王子に指示し、風の魔術を使いレンを追いかける。
角ウサギが王子のそばにいれば大抵は何とかなる。最凶級の魔物なのだから、相手が人なら用心棒としては最適だ。
レンはマントを羽織る暇もなく外に出た。大木の一番上に立っている。
すでに鞘から剣は抜いて構えている。レンの白い髪は風でうねっている。
「見つけたぞっ、魔族を騙る者。万死に値するっ。命をもって償えっ」
大声とともに、殺気が降ってくる。
レンの目も白髪の青年の姿をとらえた。
「身に覚えのないことだ。ここは神聖国グルシアの教会の土地。魔族といえど侵犯することは法に触れる」
レンも大声で答える。
「うるせえっ、弱い者は強い者に従っていればいいんだよっ」
「そうか」
白髪の青年の言葉にレンが笑った。いつもの笑いではない。口の端で笑った。もちろん目は笑っていない。
レンの目は鮮やかな赤に変わる。
恐ろしいほどの殺気と魔力が辺りに放たれる。
それは白髪の青年の比ではない。
レンは自分を、そして大切な者を傷つけようとする者には過剰に反応するようになった。
空から落下してきたように見える白髪の青年は剣をレンに振り被った。
が、レンに届くより先に何かに当たって衝撃で吹っ飛ばされる。
「障壁かっ?魔族を騙るぐらいのことはあるな」
青年の目に映る、風になびくレンの髪は白く、目はどこまでも赤い。その姿は自分に似ている。
魔族の構成員にこの人物は存在しない。一族で一緒に行動していると言っても、さすがに数人は別行動をしている者もいる。けれど、目の前にいる人物は魔族にはいない。
ならば、魔族を騙っている、というのは短絡思考の極みなのだが、自分が魔族であるがゆえに彼らはそういう思考回路になっている。
木の上に立っているレンも青年を敵とみなした。目が殺気に満ちている。こういう目をレンが向けるのは珍しい。英雄時代、魔物相手にもそんな目を向けることはなかった。
そこのバカ姉弟、二人を早く止めないと本当に焦土と化すぞー。
「エーフィルさんっ、姉さんっ、何やっているのっ」
木々の下からヴィンセントが襲撃者の姿を見つけた。レンの結界で弾かれたため、停止したエーフィルをようやく視認できたという方が正しい。ヴィンセントの実姉グレイシアもようやく追いついたところだ。
お互いかなりの距離が離れているため、大声で話す。
「ヴィンセントっ?アンタこそ、何でこんなところにいるのっ?左遷されたのっ?」
「スカートで空を飛ぶなっ。アンタこそ自分が女性ってことを忘れているのかっ。恥じらいはどこに行った?」
「キチンと中が見えない乙女の魔術を使っているんですー」
「乙女って年齢かよっ」
「ヴィンセント、そこの者に巻き込まれてこんな地にでも追いやられたのか?」
お前ら姉弟、言うべきことはスカートのことじゃない。
ほら、エーフィルはグレイシアの左遷という言葉を結びつけてしまった。エーフィルにとってヴィンセントはどこまで行っても可愛い義弟である。レンは赤の他人であり、知らぬ人間。悪者と断定するのは楽である。
すでにわかったと思うが、エーフィルは思い込みの激しい直情バカだ。
世の中、魔力が強い人間に憧れる者たちは、魔族だというだけでものすごいフィルターがかかるのだ。特にノエル家は神聖国グルシアのなかで魔力量が桁違いに高い一族である。自分たちより魔力を持っているというだけで惚れてしまう悪癖を持つ。
エーフィルは赤い目であるため、魔族内での婚姻はできなかった。他の血を入れなければならなかった。魔族のなかにもルールが存在する。強すぎる者は血を薄めないといけない。だからといって誰でも良いわけではない。ノエル家のなかでも魔力量が豊富なグレイシアが嫁に選ばれた。エーフィルとグレイシアは政略結婚とも言えるが、恋愛結婚でもある。この二人は出会ってすぐに仲良くなった。
そして、エーフィルはヴィンセントの初恋の人である。
ヴィンセントの目では格好良く見えたんだろうな。。。俺には当時から今のまま何も変わってないようにしか見えないけど。惚れる要素、、、顔か?魔力か?この二人には申し訳ないが、俺にはその魅力がいまだにわからない。魔族だから金は持っているが。
エーフィルはレンに向かって剣で一点集中で結界を破りに来る。
その衝撃で大気が震えた。
結界が弾け飛んだ、わけではなかった。レンがエーフィルを結界内に通した。
あー、あの姉弟、本当に役に立たないな。
「おーい、レン、それは魔族のエーフィルだ。ヴィンセントの実姉の旦那だ。ヴィンセントの初恋の君だ。半殺しならともかく、殺すなよー」
一応、俺もピアスについているミニミニダンジョンからレンに声をかける。
レンは一方的な襲撃に怒りで我を忘れているわけではない。かなり冷静。冷静過ぎて怖いほどだ。止めないと、確実にエーフィルの息の根を止めようとしている。
「ククー、俺を殺す気で来ているのだから、俺に殺される覚悟ぐらいはあるのだろう。せっかく来た客だ。相手の本拠地で戦うことの恐ろしさぐらい味わっていただこう」
そう、結界内部に入ってしまったら、そこはレンのダンジョンの領域だ。
最凶級ダンジョンのダンジョンマスターであるレンの独壇場である。
ちなみに、最凶級ダンジョンを一人で攻略できる人物はこの大陸ではただ一人だけだった。アスア王国の英雄ザット・ノーレンのみ。魔族と呼ばれる最強民族といえども、最凶級ダンジョンは数人がかりで数日はかかる。それでも世間では早いと持てはやされるのだが、格の違いはこの事実だけでもわかるだろう。
ほーんと、向こう見ずな直情バカには手綱が必要だ。
ああ、エーフィルはコレがアスア王国の英雄ザット・ノーレンだって知らないのか。
魔族にも情報通がいるんだから、喧嘩を売っちゃあいけない相手ぐらい教えておけよ。
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