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8章 初夏の風が吹く
8-9 短い寿命 ※クッキィ視点
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◆クッキィ視点◆
私の屋敷で、レンが収納鞄の中身を取り出し、キザスがそれを別の収納鞄に移し、騎士団副団長はそれをしっかりと見ていた。
レンは収納鞄から取り出す物がなくなると、私を見た。
「終了しましたか。ありがとうございます」
レンはテーブルに収納鞄を置くと、余韻も何もなく立ち上がる。私はすぐに扉を開ける。
「あっ、待ってください」
キザスは自分の収納鞄の中に入れる手をとめ、レンを呼び止めようと手を伸ばしたが、その手も言葉も届くことなく振り返ることもせずにレンは部屋の外へと出ていく。
「はあー、こんなことなら、ある程度のお金を持って来ておけば良かった。国王の言葉を信じていないわけではなかったが、本当に魔族だったとは。こんな滅多にない機会を逃してしまうとは」
多少の後悔はしているものの、キザスは作業を再開している。お金を持って来ていたとしても、レンは何も答えなかったと思うが。すべて演技だからな。魔族といえども、顧客ではないにしてもさすがにあそこまで愛想がない魔族も少ない。
私は執事長と交替して、この部屋のことを任せる。
私はすぐにギルド長の元へ行こうとしたが、一つ上の階に用意したレンのための控室に向かう。彼の協力なしでは償い草は手に入らなかった。礼を言ってから走って行こう。
ノックして薄暗い部屋に入る。
「レン、ありがとう。償い草を手に入れられたのはキミのおかげだ」
私は座っていた白いマントの人間の手を取る。
あれ?レンの手ってこんなにゴツかったっけ?よく見ると、手に少しシワが見える。おや?マントの膨らみ加減のせいだと思っていたが、レンはこんなに図体デカかったか?
窓辺に二人の人影が立っている。一人は神官、もう一人は白い髪で臙脂色の目の、、、え?
じゃあ、この白マントは?
「クッキィ、お前、ギルド長の顔さえ忘れたのか?薄情な奴だ」
顔を上げた。フードから覗いた顔は。
ぎゃああああーーーっ、お化けっ。生霊かっ。
騒ぐ心とは裏腹に、私の表面は呆けていた。
「ギルド長、、、本物?」
すでに半身以上が壊死していたはず。それを治せるのはこの償い草だけだったはず。
実はすべてがドッキリだった、とか?
「本物だ。そこにいる冒険者レンに助けてもらった。お前がシアリーの街で他の冒険者のビスタっていうヤツのとめる声も聞かずに飛んで行ってしまったらしいじゃねえか。確かに俺は呪いを受けて意識もなくカラダの半分以上壊疽していた。神官たちに時間を稼いでもらっていた」
ギルド長が物凄ーく深いため息を吐いた。
「お前がシアリーの街から飛び出した翌日に、レンがこの聖都に来てくれた。確かに冒険者ギルドに借りを作ったり弱みを見せるのもイヤなのかもしれないが、俺の状態を説明して他の方法はないのかとか、相談しろよ。そうすれば、お前がわざわざアスア王国に行くことも、償い草の高い金額を払うこともなかっただろうに」
「いやはや、ギルド長さんのこととなると、そこのクッキィ氏は目的以外の何も見えなくなっているようで」
レンも一緒にため息吐いている。
「ギルド長、でも、それじゃあ、魔法か何かで治したってことでは。そんな、貴方の短い寿命がさらに短く」
「勝手に短い寿命にするなっ」
「酒も煙草も不摂生もやめないアンタの寿命が長いワケがない」
「代償の魔石を使っているから、寿命が削られたわけじゃない。たかだか半身壊疽したぐらいで償い草を使っていたらもったいない。半身以上が木っ端微塵な肉片になったとかならまだわかるが、手足がつながっているのなら今の俺でもどうにかなる」
「レン、それも規格外の能力だ。半身壊疽したら、魔石があっても普通の魔法師や魔術師の治療ではどうにもならない。聖女クラスの治癒力が必要になる」
レンの隣にいた神官が呆れたようにレンに言う。この神官は見たことがないが、レンと仲が良さそうだ。
「あれ?そうだったっけ?まあ、今は俺も魔石がないとどうにもできないけど」
それはフォローなのか?魔石があれば何とかできるのなら、魔石を持って治療に来るものが後を絶たないだろう。それぐらいの奇跡である。償い草だって奇跡の薬草なのだから。
「魔石があってもできないの、普通は」
「えー、気合で何とかしようよ。まあ、昔でも魔力を使い切って空の状態だと普通の人と同じだったからな」
隣国の英雄のギフトは万能のギフトと言われていた。
けれど、今、彼はそのギフトを持っていない。
それならば、考えられることはただ一つ。彼は英雄のギフトを与えられるべくして与えられた人間だということだ。ギフトなしでもこの高い能力。アスア王国の国民が英雄を称えるわけだ。
「一応、言っておくぞ、クッキィ。魔石といえども、コイツが持って来た魔石はそこら辺で売っているものとはワケが違う。赤ん坊の頭ぐらいはあるサイズだったそうだ。そんな大きさの魔石がほいほい世間に出てくると思うか?まず無理だろう」
「ああ、国が軍事用に購入するぐらいですね、そのサイズ。ないわけではないですが、まず出回らないですね」
けれど、不可能ではないのなら。頼る人間はこれからも出てくるだろう。
白いマントをギルド長からレンは返してもらっている。
「じゃあ、すべて終わったな。ククー、俺はもう帰るぞ」
「レン、またな」
神官がレンに手を振った。
「いや、まだアスア王国の騎士団が見張っているから、暗くなってからこの屋敷を出、、」
私はとめようとしたが、すでにそこにはレンの姿はなかった。
「あ?」
「では、俺もこれで」
神官が扉から出ていこうとする。コチラは消えていなくなりはしないのか。
「あの、レンは?」
神官はにこやかに言う。
「ここにいたのは貴方の協力者のみ。今日も冒険者レンはシアリーの街にいました。では」
神官は一礼すると、部屋の扉を閉めた。
レンが消えたのもあの神官が何かしたのだろうか。ここにいるということはまったく関係がないことはないだろう。
「つまりは他言無用ってことだ。ヤレヤレ」
客人がいなくなった途端、ギルド長が煙草に火をつけた。
「ギルド長っ、病み上がりのクセにっ」
「病み上がりって、呪いのせいだろ。しかも、お前がアスア王国に行っている隙に動けるようになったから、溜まっていた仕事に加えて、副ギルド長であるお前の仕事まで俺に回って来たんだぞ」
「聖都にいる薬師ギルドの職員全員に自業自得と言われませんでした?」
「よくわかっているな」
灰皿を渡してしまうと、ギルド長がニヤリと笑った。
ああ、いつものギルド長だ。
泣き顔なんか見せると図に乗るから、見せない。私も無理矢理にでも笑う。
無事で良かった、本当に。
ふと、手を見る。
償い草が我が手に残った。
「危険なことはこれから増えるだろう。ソレは状態保存の収納鞄にでもしまっておけ。売るにしろ、使うにしろ、今じゃない。そして、ソレは俺が使ったことにしておけ」
私は頷く。レンのことが誰にも言えないのなら、ギルド長が助かったのは償い草のおかげだとした方が都合が良い。
「危険なこと、、、冒険者ギルドが仮とはいえ本部を神聖国グルシアの聖都に移すのは、やはり」
「あー、そうだな。この神聖国グルシアの結界もけっこう綻んでいた。だから、あのシアリーの街にダンジョンができたんだ。が、隣国の英雄がこの国に来てから、最凶級はこの国に誕生していない」
「冒険者ザット・ノーレンがシアリーの街で活動し始めたのも、隣国の英雄が亡くなったとされた後ですから」
レンがあの高品質な薬草を納品してくれるなら、薬師ギルドで専属契約してもいい。冒険者ギルドが許さないだろうが。
「大神官長がシアリーの街から聖都に帰った後の建国祭のとき、大教会の地下に潜って何かしたらしい。その途端、今やどこの国から見ても立派で強固な結界に早変わりしたわけだ。冒険者ギルドの本部だってソレで確信したんだろう」
「都市や街レベルなら結界に守られているところはあるけれど、国レベルで強固な結界をしているところは少ないですからね。この国に決めるのは当然と言えば当然」
「シアリーの街に冒険者レンがいるんだろう。ならば、あのレンが大神官長に何か渡した可能性も高い。隣国アスア王国の英雄が、神聖国グルシアを守るというのなら、俺たちもこの国に骨を埋める気でやらにゃいかんな」
「無理しないでくださいね。ご自分の年齢を考えてくださいね」
「年寄り扱いするな。それに、お付きの神官たちが見たところによると、今回の生贄はもう黒ずんでいて崩壊しかけていたそうだ。そんなヤバイ状態でそのまま放置していたらと思うとゾッとするよな。大祭は来年だが、来年までは持たなかっただろう」
アスア王国では最凶級ダンジョンが発生し続けている。その周辺国家も神聖国グルシアのように最凶級ダンジョンが生まれている。この国は一つで済んだが、一つだけで済んでいるのはこの国だけだ。
「やはりレンとは専属契約を」
「、、、それ提案したら冒険者ギルドから睨まれるからやめておけ。レンが冒険者ギルドに納品したすべての薬草を買い占めるぐらいにしておけよ」
「んー、冒険者だから冒険者ギルドなんでしょうけど、薬草採取専門冒険者なら、薬師ギルドがおさえておきたいところ。一度シアリーの街の冒険者ギルドと話し合ってきましょう」
「穏便にな」
ギルド長はゆっくりと煙草を吸った。
仮とはいえ本部と交渉する気はないので、さっさとシアリーの街に戻ることにしよう。
副ギルド長の仕事もこの聖都に放置して。そのぐらいは復活したギルド長にやってもらおう。
私の屋敷で、レンが収納鞄の中身を取り出し、キザスがそれを別の収納鞄に移し、騎士団副団長はそれをしっかりと見ていた。
レンは収納鞄から取り出す物がなくなると、私を見た。
「終了しましたか。ありがとうございます」
レンはテーブルに収納鞄を置くと、余韻も何もなく立ち上がる。私はすぐに扉を開ける。
「あっ、待ってください」
キザスは自分の収納鞄の中に入れる手をとめ、レンを呼び止めようと手を伸ばしたが、その手も言葉も届くことなく振り返ることもせずにレンは部屋の外へと出ていく。
「はあー、こんなことなら、ある程度のお金を持って来ておけば良かった。国王の言葉を信じていないわけではなかったが、本当に魔族だったとは。こんな滅多にない機会を逃してしまうとは」
多少の後悔はしているものの、キザスは作業を再開している。お金を持って来ていたとしても、レンは何も答えなかったと思うが。すべて演技だからな。魔族といえども、顧客ではないにしてもさすがにあそこまで愛想がない魔族も少ない。
私は執事長と交替して、この部屋のことを任せる。
私はすぐにギルド長の元へ行こうとしたが、一つ上の階に用意したレンのための控室に向かう。彼の協力なしでは償い草は手に入らなかった。礼を言ってから走って行こう。
ノックして薄暗い部屋に入る。
「レン、ありがとう。償い草を手に入れられたのはキミのおかげだ」
私は座っていた白いマントの人間の手を取る。
あれ?レンの手ってこんなにゴツかったっけ?よく見ると、手に少しシワが見える。おや?マントの膨らみ加減のせいだと思っていたが、レンはこんなに図体デカかったか?
窓辺に二人の人影が立っている。一人は神官、もう一人は白い髪で臙脂色の目の、、、え?
じゃあ、この白マントは?
「クッキィ、お前、ギルド長の顔さえ忘れたのか?薄情な奴だ」
顔を上げた。フードから覗いた顔は。
ぎゃああああーーーっ、お化けっ。生霊かっ。
騒ぐ心とは裏腹に、私の表面は呆けていた。
「ギルド長、、、本物?」
すでに半身以上が壊死していたはず。それを治せるのはこの償い草だけだったはず。
実はすべてがドッキリだった、とか?
「本物だ。そこにいる冒険者レンに助けてもらった。お前がシアリーの街で他の冒険者のビスタっていうヤツのとめる声も聞かずに飛んで行ってしまったらしいじゃねえか。確かに俺は呪いを受けて意識もなくカラダの半分以上壊疽していた。神官たちに時間を稼いでもらっていた」
ギルド長が物凄ーく深いため息を吐いた。
「お前がシアリーの街から飛び出した翌日に、レンがこの聖都に来てくれた。確かに冒険者ギルドに借りを作ったり弱みを見せるのもイヤなのかもしれないが、俺の状態を説明して他の方法はないのかとか、相談しろよ。そうすれば、お前がわざわざアスア王国に行くことも、償い草の高い金額を払うこともなかっただろうに」
「いやはや、ギルド長さんのこととなると、そこのクッキィ氏は目的以外の何も見えなくなっているようで」
レンも一緒にため息吐いている。
「ギルド長、でも、それじゃあ、魔法か何かで治したってことでは。そんな、貴方の短い寿命がさらに短く」
「勝手に短い寿命にするなっ」
「酒も煙草も不摂生もやめないアンタの寿命が長いワケがない」
「代償の魔石を使っているから、寿命が削られたわけじゃない。たかだか半身壊疽したぐらいで償い草を使っていたらもったいない。半身以上が木っ端微塵な肉片になったとかならまだわかるが、手足がつながっているのなら今の俺でもどうにかなる」
「レン、それも規格外の能力だ。半身壊疽したら、魔石があっても普通の魔法師や魔術師の治療ではどうにもならない。聖女クラスの治癒力が必要になる」
レンの隣にいた神官が呆れたようにレンに言う。この神官は見たことがないが、レンと仲が良さそうだ。
「あれ?そうだったっけ?まあ、今は俺も魔石がないとどうにもできないけど」
それはフォローなのか?魔石があれば何とかできるのなら、魔石を持って治療に来るものが後を絶たないだろう。それぐらいの奇跡である。償い草だって奇跡の薬草なのだから。
「魔石があってもできないの、普通は」
「えー、気合で何とかしようよ。まあ、昔でも魔力を使い切って空の状態だと普通の人と同じだったからな」
隣国の英雄のギフトは万能のギフトと言われていた。
けれど、今、彼はそのギフトを持っていない。
それならば、考えられることはただ一つ。彼は英雄のギフトを与えられるべくして与えられた人間だということだ。ギフトなしでもこの高い能力。アスア王国の国民が英雄を称えるわけだ。
「一応、言っておくぞ、クッキィ。魔石といえども、コイツが持って来た魔石はそこら辺で売っているものとはワケが違う。赤ん坊の頭ぐらいはあるサイズだったそうだ。そんな大きさの魔石がほいほい世間に出てくると思うか?まず無理だろう」
「ああ、国が軍事用に購入するぐらいですね、そのサイズ。ないわけではないですが、まず出回らないですね」
けれど、不可能ではないのなら。頼る人間はこれからも出てくるだろう。
白いマントをギルド長からレンは返してもらっている。
「じゃあ、すべて終わったな。ククー、俺はもう帰るぞ」
「レン、またな」
神官がレンに手を振った。
「いや、まだアスア王国の騎士団が見張っているから、暗くなってからこの屋敷を出、、」
私はとめようとしたが、すでにそこにはレンの姿はなかった。
「あ?」
「では、俺もこれで」
神官が扉から出ていこうとする。コチラは消えていなくなりはしないのか。
「あの、レンは?」
神官はにこやかに言う。
「ここにいたのは貴方の協力者のみ。今日も冒険者レンはシアリーの街にいました。では」
神官は一礼すると、部屋の扉を閉めた。
レンが消えたのもあの神官が何かしたのだろうか。ここにいるということはまったく関係がないことはないだろう。
「つまりは他言無用ってことだ。ヤレヤレ」
客人がいなくなった途端、ギルド長が煙草に火をつけた。
「ギルド長っ、病み上がりのクセにっ」
「病み上がりって、呪いのせいだろ。しかも、お前がアスア王国に行っている隙に動けるようになったから、溜まっていた仕事に加えて、副ギルド長であるお前の仕事まで俺に回って来たんだぞ」
「聖都にいる薬師ギルドの職員全員に自業自得と言われませんでした?」
「よくわかっているな」
灰皿を渡してしまうと、ギルド長がニヤリと笑った。
ああ、いつものギルド長だ。
泣き顔なんか見せると図に乗るから、見せない。私も無理矢理にでも笑う。
無事で良かった、本当に。
ふと、手を見る。
償い草が我が手に残った。
「危険なことはこれから増えるだろう。ソレは状態保存の収納鞄にでもしまっておけ。売るにしろ、使うにしろ、今じゃない。そして、ソレは俺が使ったことにしておけ」
私は頷く。レンのことが誰にも言えないのなら、ギルド長が助かったのは償い草のおかげだとした方が都合が良い。
「危険なこと、、、冒険者ギルドが仮とはいえ本部を神聖国グルシアの聖都に移すのは、やはり」
「あー、そうだな。この神聖国グルシアの結界もけっこう綻んでいた。だから、あのシアリーの街にダンジョンができたんだ。が、隣国の英雄がこの国に来てから、最凶級はこの国に誕生していない」
「冒険者ザット・ノーレンがシアリーの街で活動し始めたのも、隣国の英雄が亡くなったとされた後ですから」
レンがあの高品質な薬草を納品してくれるなら、薬師ギルドで専属契約してもいい。冒険者ギルドが許さないだろうが。
「大神官長がシアリーの街から聖都に帰った後の建国祭のとき、大教会の地下に潜って何かしたらしい。その途端、今やどこの国から見ても立派で強固な結界に早変わりしたわけだ。冒険者ギルドの本部だってソレで確信したんだろう」
「都市や街レベルなら結界に守られているところはあるけれど、国レベルで強固な結界をしているところは少ないですからね。この国に決めるのは当然と言えば当然」
「シアリーの街に冒険者レンがいるんだろう。ならば、あのレンが大神官長に何か渡した可能性も高い。隣国アスア王国の英雄が、神聖国グルシアを守るというのなら、俺たちもこの国に骨を埋める気でやらにゃいかんな」
「無理しないでくださいね。ご自分の年齢を考えてくださいね」
「年寄り扱いするな。それに、お付きの神官たちが見たところによると、今回の生贄はもう黒ずんでいて崩壊しかけていたそうだ。そんなヤバイ状態でそのまま放置していたらと思うとゾッとするよな。大祭は来年だが、来年までは持たなかっただろう」
アスア王国では最凶級ダンジョンが発生し続けている。その周辺国家も神聖国グルシアのように最凶級ダンジョンが生まれている。この国は一つで済んだが、一つだけで済んでいるのはこの国だけだ。
「やはりレンとは専属契約を」
「、、、それ提案したら冒険者ギルドから睨まれるからやめておけ。レンが冒険者ギルドに納品したすべての薬草を買い占めるぐらいにしておけよ」
「んー、冒険者だから冒険者ギルドなんでしょうけど、薬草採取専門冒険者なら、薬師ギルドがおさえておきたいところ。一度シアリーの街の冒険者ギルドと話し合ってきましょう」
「穏便にな」
ギルド長はゆっくりと煙草を吸った。
仮とはいえ本部と交渉する気はないので、さっさとシアリーの街に戻ることにしよう。
副ギルド長の仕事もこの聖都に放置して。そのぐらいは復活したギルド長にやってもらおう。
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