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8章 初夏の風が吹く
8-1 再会
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ノーレン前公爵は神聖国グルシアの聖都に立つ。
さすがは宗教国家。聖都の中心にある大教会は、アスア王国のものとは比べものにならない。
行き交う観光客も多い。
ここに来るのは公爵時代、ほど若き頃。
今は一緒に訪れた妻もすでに亡くなり、息子も一人失い、公爵位を跡継ぎの息子に譲って領地運営も問題なく動いているようであり、たまにはのんびりと旅行にでも行こうかと候補地を探していた。
ふと思い出した神聖国グルシア。
そんなに良いところだとは思っていなかったが、来てみると他の国より住民の表情が柔らかい気がした。
聖都の大教会の建物の一部は様々な手続きをする役所なので、一般人も入れる。だが、そこ以外の場所、祈りを捧げる場以降は外国籍の者は入れない。特別な手続きをしない限り許可は下りない。
公爵時代は国の使いで来ていたので多少入れてもらえたが、今は呑気な隠居老人。
周囲もあのときとは変わっており、土地勘はない。
超広大で格式高い大教会と言えど、内部は観光できる場所は少ない。
大教会の前の広場でノーレン前公爵は鳥に餌をやりながら、教会の美しい建物を眺める。
信仰心の薄いアスア王国の国民は、青空に映えるなー、と思いながら外見を眺めるのは三分で飽きる。
護衛を撒いてこれたので自由だが、次はどこに行こうかと悩む。
馬車をつかまえるのも面倒なのでこの近くに何かないだろうか、とノーレン前公爵は広場を見渡そうとした。
隣のベンチにガイドブックを持って座っている青年がいる。フードを深く被っていて顔は見えないが、同じ観光客のようだ。
広場にいる他の観光客は足早に次に目的に行こうとしており、地元の住民らしき者たちは教会へ祈りに来ているのだろう。この広場ではなぜかのんびりと行動している者が少ない。
「ガイドブックを見ているようだけど、この近くで他に何かいい観光地を知らないかい?」
ノーレン前公爵に話しかけられた青年が顔を上げる。
「俺もこの辺に住んでいるわけじゃないから詳しくないが、ガイドブックによるとここから大通りを行くと時計塔があるらしい」
「ほほーう、時計塔」
ノーレン前公爵は青年のガイドブックを覗く。メモが書かれていたり、付箋が貼られたりしている。
「キミはこれから行くところなのか?」
「ああ、ちょっと昼食をどこかで取ってから、行こうかと」
「おお、そういえばもうそろそろ昼食時間だな。時計塔まで案内してくれるようなら、ここであったのも何かの縁だ。高すぎるのは難しいが、手頃なランチなら奢るよ」
誘いが怪しすぎただろうか、ノーレン前公爵は一瞬青年の動作が止まったのを見た。
肩が小刻みに揺れた。
「ふっ、ははっ、ノーレン公爵、いや、今は前公爵か。本当に昔と変わらないな」
青年は堪え切れないように笑いを吹き出した。
「おや?私はキミと会ったことがあるのか」
フードを目深に被っているとはいえ、白地に金の刺繍がされているマント。暑くなってくる初夏らしく薄手の物だ。この出で立ちは魔術師、魔法師だが、以前会った神聖国グルシアの者か、アスア王国の者が偶然同時期に観光に来ているのか。
自分が前公爵になっていることまでを知っているとなるとアスア王国の人間のような気がする。けれど、彼は自分に対して敬語で話してはいない。
昔ということは、このように誘った人物か。
何かが引っ掛かる。
青年はベンチから立ち上がった。身長はさほど高くない。ノーレン前公爵よりも多少高いくらいだ。
「手頃なランチを奢ってもらえるなら、そこで話しましょうか」
「そうだな。喉も乾いたことだし行くとしよう。ところで、この辺りの美味しいランチの店はチェックしているかね?」
ノーレン前公爵は青年のガイドブックを覗き込んだ。
二人は手頃な日替わりランチがある店を選択した。
公爵だったとはいえ、街歩きが好きなノーレン前公爵だ。庶民的なモノも良く食べる。お忍びなので、あまり貴族の間では知られていないが、世間の声を聞くにはちょうどいい趣味だった。
青年は店内ではごくごく普通にマントを外した。魔術師や魔法師は頑なにマントを外さない者も多いと聞くが、コレで顔が見れた。
というより、若いのに白髪だった。元々そういう髪の色なのかと聞くのは憚れる。さすがに先程会っただけの人間が問うのは躊躇われた。
顔より髪に視線が行ってしまったが、さすがに若くて白髪なら覚えているだろう。いや、そういう人物に記憶がない時点で、そのときも髪を隠していた可能性がある。
「おや、悩んでますか?」
青年が敬語になったことで、多少距離を感じる。少々物寂しい気がする。こんな感じをいつかどこかで味わった気がする。
「んー、どちらのランチにするか、悩むな。肉も良いが、魚も捨てがたい」
「その魚は海水魚ですが、残念ながら神聖国グルシアは海に接してません」
「よし、肉だな。日替わりの肉ーっっ」
店のスタッフも元気のいい客だなーと思いつつ応対する。
「ところで、キミは一人で観光か?気にしないで連れてきてしまったが、誰かと待ち合わせでもしていたのかい」
「本当は案内人がいましたが、そこの教会で連れ去られていきまして。あの広場で待っているように言われましたが、仕事から戻ってくるまでは暇ですし、こっそり調べていた観光地を回ろうかと」
「んー、何かキミ、私に通じるものがあるねえ。実はイタズラ好きだねっ」
「イタズラというより、追いかけっこが好きでしたね」
「キミ、好きなのは追いかける方じゃなくて、逃げる方だろ。しかも、捕まえられそうなところで待っていて、あと一歩、というところで鬼を罠にかけるのが、好きなんじゃない?」
「よくお分かりで」
青年はにこやかに返答する。
穏やかな物腰、優しい雰囲気を身に纏う。
白髪、臙脂の目、細身のカラダ、その容姿とはまったく違うのだが、該当の人物を一人思いつく。
あの子も養子縁組をした途端、敬語になってしまった。一線を引かれてしまった。
アスア王国の王都で出会ったときは幼い子供だった。彼だけがお礼にと言って渡そうとした屋台のお菓子を受け取ろうとはしなかった。他の仲間もいるからと。
仲間の人数分渡したら、ものすごく嬉しそうな顔をして笑った。それが印象的だった。
彼と街で会えたのは数回だけだった。
けれど、孤児院に連れて来られた彼を見て、やはりと思った。
養子として迎える予定にしていたのは正解だったと思った。公爵家の後ろ盾は大きい。彼のために支える家は大きい方が良かった。
ノーレン前公爵は勘が鋭い。そして、直感も信じる男だ。
「私には公爵を継いでくれた息子と、他にもう一人養子だったけど息子がいたんだよ」
過去形である。
「そうですか」
「その子にお父様でも、父上でもいいから呼ばれたかったなー」
「、、、呼ばれたかったんですか?」
「そりゃあもちろん、息子なんだから。当時もキミのようにノーレン公爵と余所余所しく呼んでくれていたよ」
「では、俺は貴方のことを何と呼びましょうか」
「そうだなー。キミは神聖国グルシアの者になっているのか?」
「いえいえ、本国に帰れば死人扱いですが、ここでは外国籍の人間と扱ってもらってます。けれど、神聖国グルシアの冒険者として、ここにいるつもりです」
「そうか。もうアスア王国と関係ない者なら、私を前公爵と呼ぶ必要はない。とりあえず、ノーレンさんと呼ぶことからはじめてみないか」
二人は笑みをこぼす。ノーレン前公爵は青年の笑顔を承諾と捉える。
「俺は神聖国グルシアの冒険者のザット・ノーレンです。今はレンと呼ばれています」
「そうか、レンか。今後ともよろしく頼む。で、レンはこの聖都で冒険者をしているのか?」
「いいえ、シアリーの街です。来年あたりは聖都に移るかもしれませんが」
「おお、じゃあ、レンは観光兼下見なのか。うんうん、では、私もこの聖都で別宅候補を探すとしよう」
「聖都に住むおつもりで?」
「キミとは同じノーレン同士、父子のように水入らずで過ごすのも良いじゃないか」
「ノーレンさんが神聖国グルシアに住むのは賛成ですけど。いつかはわからないけど聖教国エルバノーンの国王が亡くなったら、アスア王国も危ないでしょうし」
「情報を感謝する。跡を継いだ息子は公爵だからアスア王国のために頑張らねばいけないが、もう引退した私は安全な場所で伸び伸びと暮らすことにしよう」
二人はランチを食べ終わると、時計塔へ足を運んでいった。
さすがは宗教国家。聖都の中心にある大教会は、アスア王国のものとは比べものにならない。
行き交う観光客も多い。
ここに来るのは公爵時代、ほど若き頃。
今は一緒に訪れた妻もすでに亡くなり、息子も一人失い、公爵位を跡継ぎの息子に譲って領地運営も問題なく動いているようであり、たまにはのんびりと旅行にでも行こうかと候補地を探していた。
ふと思い出した神聖国グルシア。
そんなに良いところだとは思っていなかったが、来てみると他の国より住民の表情が柔らかい気がした。
聖都の大教会の建物の一部は様々な手続きをする役所なので、一般人も入れる。だが、そこ以外の場所、祈りを捧げる場以降は外国籍の者は入れない。特別な手続きをしない限り許可は下りない。
公爵時代は国の使いで来ていたので多少入れてもらえたが、今は呑気な隠居老人。
周囲もあのときとは変わっており、土地勘はない。
超広大で格式高い大教会と言えど、内部は観光できる場所は少ない。
大教会の前の広場でノーレン前公爵は鳥に餌をやりながら、教会の美しい建物を眺める。
信仰心の薄いアスア王国の国民は、青空に映えるなー、と思いながら外見を眺めるのは三分で飽きる。
護衛を撒いてこれたので自由だが、次はどこに行こうかと悩む。
馬車をつかまえるのも面倒なのでこの近くに何かないだろうか、とノーレン前公爵は広場を見渡そうとした。
隣のベンチにガイドブックを持って座っている青年がいる。フードを深く被っていて顔は見えないが、同じ観光客のようだ。
広場にいる他の観光客は足早に次に目的に行こうとしており、地元の住民らしき者たちは教会へ祈りに来ているのだろう。この広場ではなぜかのんびりと行動している者が少ない。
「ガイドブックを見ているようだけど、この近くで他に何かいい観光地を知らないかい?」
ノーレン前公爵に話しかけられた青年が顔を上げる。
「俺もこの辺に住んでいるわけじゃないから詳しくないが、ガイドブックによるとここから大通りを行くと時計塔があるらしい」
「ほほーう、時計塔」
ノーレン前公爵は青年のガイドブックを覗く。メモが書かれていたり、付箋が貼られたりしている。
「キミはこれから行くところなのか?」
「ああ、ちょっと昼食をどこかで取ってから、行こうかと」
「おお、そういえばもうそろそろ昼食時間だな。時計塔まで案内してくれるようなら、ここであったのも何かの縁だ。高すぎるのは難しいが、手頃なランチなら奢るよ」
誘いが怪しすぎただろうか、ノーレン前公爵は一瞬青年の動作が止まったのを見た。
肩が小刻みに揺れた。
「ふっ、ははっ、ノーレン公爵、いや、今は前公爵か。本当に昔と変わらないな」
青年は堪え切れないように笑いを吹き出した。
「おや?私はキミと会ったことがあるのか」
フードを目深に被っているとはいえ、白地に金の刺繍がされているマント。暑くなってくる初夏らしく薄手の物だ。この出で立ちは魔術師、魔法師だが、以前会った神聖国グルシアの者か、アスア王国の者が偶然同時期に観光に来ているのか。
自分が前公爵になっていることまでを知っているとなるとアスア王国の人間のような気がする。けれど、彼は自分に対して敬語で話してはいない。
昔ということは、このように誘った人物か。
何かが引っ掛かる。
青年はベンチから立ち上がった。身長はさほど高くない。ノーレン前公爵よりも多少高いくらいだ。
「手頃なランチを奢ってもらえるなら、そこで話しましょうか」
「そうだな。喉も乾いたことだし行くとしよう。ところで、この辺りの美味しいランチの店はチェックしているかね?」
ノーレン前公爵は青年のガイドブックを覗き込んだ。
二人は手頃な日替わりランチがある店を選択した。
公爵だったとはいえ、街歩きが好きなノーレン前公爵だ。庶民的なモノも良く食べる。お忍びなので、あまり貴族の間では知られていないが、世間の声を聞くにはちょうどいい趣味だった。
青年は店内ではごくごく普通にマントを外した。魔術師や魔法師は頑なにマントを外さない者も多いと聞くが、コレで顔が見れた。
というより、若いのに白髪だった。元々そういう髪の色なのかと聞くのは憚れる。さすがに先程会っただけの人間が問うのは躊躇われた。
顔より髪に視線が行ってしまったが、さすがに若くて白髪なら覚えているだろう。いや、そういう人物に記憶がない時点で、そのときも髪を隠していた可能性がある。
「おや、悩んでますか?」
青年が敬語になったことで、多少距離を感じる。少々物寂しい気がする。こんな感じをいつかどこかで味わった気がする。
「んー、どちらのランチにするか、悩むな。肉も良いが、魚も捨てがたい」
「その魚は海水魚ですが、残念ながら神聖国グルシアは海に接してません」
「よし、肉だな。日替わりの肉ーっっ」
店のスタッフも元気のいい客だなーと思いつつ応対する。
「ところで、キミは一人で観光か?気にしないで連れてきてしまったが、誰かと待ち合わせでもしていたのかい」
「本当は案内人がいましたが、そこの教会で連れ去られていきまして。あの広場で待っているように言われましたが、仕事から戻ってくるまでは暇ですし、こっそり調べていた観光地を回ろうかと」
「んー、何かキミ、私に通じるものがあるねえ。実はイタズラ好きだねっ」
「イタズラというより、追いかけっこが好きでしたね」
「キミ、好きなのは追いかける方じゃなくて、逃げる方だろ。しかも、捕まえられそうなところで待っていて、あと一歩、というところで鬼を罠にかけるのが、好きなんじゃない?」
「よくお分かりで」
青年はにこやかに返答する。
穏やかな物腰、優しい雰囲気を身に纏う。
白髪、臙脂の目、細身のカラダ、その容姿とはまったく違うのだが、該当の人物を一人思いつく。
あの子も養子縁組をした途端、敬語になってしまった。一線を引かれてしまった。
アスア王国の王都で出会ったときは幼い子供だった。彼だけがお礼にと言って渡そうとした屋台のお菓子を受け取ろうとはしなかった。他の仲間もいるからと。
仲間の人数分渡したら、ものすごく嬉しそうな顔をして笑った。それが印象的だった。
彼と街で会えたのは数回だけだった。
けれど、孤児院に連れて来られた彼を見て、やはりと思った。
養子として迎える予定にしていたのは正解だったと思った。公爵家の後ろ盾は大きい。彼のために支える家は大きい方が良かった。
ノーレン前公爵は勘が鋭い。そして、直感も信じる男だ。
「私には公爵を継いでくれた息子と、他にもう一人養子だったけど息子がいたんだよ」
過去形である。
「そうですか」
「その子にお父様でも、父上でもいいから呼ばれたかったなー」
「、、、呼ばれたかったんですか?」
「そりゃあもちろん、息子なんだから。当時もキミのようにノーレン公爵と余所余所しく呼んでくれていたよ」
「では、俺は貴方のことを何と呼びましょうか」
「そうだなー。キミは神聖国グルシアの者になっているのか?」
「いえいえ、本国に帰れば死人扱いですが、ここでは外国籍の人間と扱ってもらってます。けれど、神聖国グルシアの冒険者として、ここにいるつもりです」
「そうか。もうアスア王国と関係ない者なら、私を前公爵と呼ぶ必要はない。とりあえず、ノーレンさんと呼ぶことからはじめてみないか」
二人は笑みをこぼす。ノーレン前公爵は青年の笑顔を承諾と捉える。
「俺は神聖国グルシアの冒険者のザット・ノーレンです。今はレンと呼ばれています」
「そうか、レンか。今後ともよろしく頼む。で、レンはこの聖都で冒険者をしているのか?」
「いいえ、シアリーの街です。来年あたりは聖都に移るかもしれませんが」
「おお、じゃあ、レンは観光兼下見なのか。うんうん、では、私もこの聖都で別宅候補を探すとしよう」
「聖都に住むおつもりで?」
「キミとは同じノーレン同士、父子のように水入らずで過ごすのも良いじゃないか」
「ノーレンさんが神聖国グルシアに住むのは賛成ですけど。いつかはわからないけど聖教国エルバノーンの国王が亡くなったら、アスア王国も危ないでしょうし」
「情報を感謝する。跡を継いだ息子は公爵だからアスア王国のために頑張らねばいけないが、もう引退した私は安全な場所で伸び伸びと暮らすことにしよう」
二人はランチを食べ終わると、時計塔へ足を運んでいった。
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