78 / 236
7章 王国の冬がはじまる
7-11 泣く
しおりを挟む
アスア王国の王女アリシアは泣いた。
もう二度と、英雄ザット・ノーレンと会わす顔がないと。
英雄ザット・ノーレンはアリシアの憧れだった。
物心ついたときから活躍を目にしており、自分の祖父の国王に臣下の礼をする英雄は誰よりも美しかった。
アリシアは祖父に会う度ごとにお願い事を口にした。
私を英雄のお嫁さんにして。
幼い頃からの無邪気なお願いだった。
本当なら政略結婚の駒としてしか使われない王女。
祖父は愛する孫娘の願い事を叶えようとした。
英雄の意志を無視して。
ここで注意しておきたいのは、王女アリシアが言う英雄とはザット・ノーレンただ一人。英雄なら誰でも良いわけではなかった。
本来なら英雄は一人しかいない。
注意しなくても、英雄と結婚できると言われれば、相手はザット・ノーレンだけのはずだった。
「え?」
アリシアは挙式当日、いきなり国王に言われた。
「英雄ザット・ノーレンは神聖国グルシアのダンジョンで亡くなった。本日予定していた挙式は新しい英雄ロイとの婚約式となる。予定は変わらないから、恙なく準備しなさい」
国王はにこやかに告げた。
「だって、今日は英雄との結婚式だって」
英雄が今日、神聖国グルシアから戻る予定だった。英雄がアスア王国から出かけている間に結婚式の準備を整えた。国王は英雄には何を伝えていない、サプライズ結婚式だと言っていたが、アリシアはそうは言っても国王がまさかそんなことを本当にするはずがない、実は英雄は自分との結婚を承諾しているものだと思っていた。
英雄が驚く様を演出して、国王が自分を喜ばせたいのだと思っていた。
「すまないなあ、アリシア。さすがに今日英雄となったロイと結婚式というのはさすがに無理がある。ロイは王族のことを何も知らないから教育する期間が必要だ。だが、今晩の婚約式は派手にやってやるから大丈夫だ。お前は二度も結婚式が楽しめると思えば良い」
国王は高らかに笑って、アリシアの部屋を後にした。
そこに残されたのは呆然とする王女アリシア。
長年想い焦がれていた英雄ザット・ノーレンと結婚できると有頂天になっていたのに、思いっ切りどん底に落とされた気分だった。
「英雄なら誰でも良いわけじゃないのに」
小さく言葉が漏れていた。
国王によるアリシアの願いの解釈の違いが出ていた。
アリシアは幼い頃から確かに英雄と口にしていた。名を呼んだことはなかった。
「アリシア様、大丈夫ですか」
護衛で部屋にいた薔薇騎士団の隊長と侍女の二人は、顔色が悪い王女を気遣う。
「え、ええ」
新しい英雄ロイというのは、英雄ザット・ノーレンの仲間だった一人だ。アリシアはその姿を覚えていなかった。英雄の姿に見惚れていて、周りにいる者など歯牙にもかけなかった。
けれど、自分は王女であり、すでに婚約式は今晩に迫っている。
英雄ザット・ノーレンが生きて帰って来ない限り、中止にはならないだろう。
婚約式目前の自分は動けないため、薔薇騎士団に動いてもらい情報を得てもらった。
英雄ザット・ノーレンの遺体はない。
もしかしたら、という希望を持った。
結婚式までに彼が見つかったら、この婚約は解消されるだろう。
淡い期待を抱いた。
更なる情報を得るために、王女アリシアは薔薇騎士団を神聖国グルシアに動かした。
新英雄ロイというのは見目はいい。
赤い髪が揺れ、人の目を引く華やかさを持っている。
王女アリシアが横にいても、煌びやかな衣装とともに映える人物である。
しかし、英雄ザット・ノーレンのように愛せるかというと別である。
それでも、政略結婚が常である王族や貴族の子供が夢を見られただけでも幸せだったのだろうか。
月日は流れ、神聖国グルシアのシアリーの街まで行った薔薇騎士団の隊長たちも芳しい情報を得られずに戻ってきた。
そして、アスア王国の公式発表では英雄ザット・ノーレンは仲間であるロイに自分のギフトを譲ったとされているが、巷の噂ではきな臭いものまで出てきている。
新英雄ロイは英雄ザット・ノーレンからギフトを譲られていない。
新英雄ロイが英雄ザット・ノーレンを殺してギフトを奪った。
本当は新英雄ロイではなく、英雄の仲間のジニールが譲られたのではないか。
だから、新英雄ロイは英雄のギフトを使えない。王城から出て来れず姿を現さないのではないか、と。
国王は王女アリシアには、彼は元々平民の冒険者だ。教育を完了するまでは王城の外へは恥ずかしくて出せない。英雄の剣を持つ姿を見たいのだろうが、もうしばらく待ってくれ、と説明した。
王女は真相を確かめるために、新英雄ロイの部屋を訪ねる。
よせばいいのに。
護衛は扉の外に大勢並んでいた。
中から扉を開けたのはキザスである。
「英雄ロイ様と二人だけで話がしたい」
「王女殿下、では失礼致します」
キザスはロイの部屋から出て、扉を閉める。
王女の護衛も締め出されている。
「王女様、俺の部屋までどうしました」
ロイはベッドから起き上がり、やんわりと尋ねる。
「ロイ様、話がしたくて来ました」
「ふーん、話しねえ。何?」
王女に椅子も勧めず、お互い立ったままだ。
アリシアは何度も練習してきた。
ロイに説明しようとした。アリシアが結婚したいと思うのは英雄ザット・ノーレンだということを。婚約というのは国王の祖父の独断だったことを。
ロイを目の前にすると、言葉がうまく出てこない。
自分が愛していたのが違う英雄だということを伝えることが難しい。自分の心を暴露しているようで恥ずかしいのだ。
「へえ、王女様、話と言いながら赤くなって、女の方から夜這いにでも来たのか?まだ夕方にもなっていないのに」
ニヤリと笑ったロイが、アリシアの顎に手をかけてキスをした。
「なっ」
「こういうことをやりに来たんだろ、王女様」
ロイがアリシアをベッドに押し倒した。アリシアが護身術を習っているとはいえ、冒険者として鍛えているロイに敵うわけもない。声を上げて外の者を呼ぼうとしたが、すぐに濃厚な口づけをされる。
「あっ」
アリシアのカラダが跳ねる。
ドレスの下に男の手が忍び込み、下着を下にずらした。そして、そのまま指が入り込む。冷たい液体も触れたが、すぐに熱いものと変わっていく。
「んんっ」
嬲るようなキスをされながら、彼女のなかはトロトロに濡れていく。
唇がようやく離れると、アリシアは股を広げられ、あられもない姿を晒す。アリシアが恥ずかしいと思う間もなく、ロイはアリシアのなかに入り込んだ。
「ああっ」
「力は抜いていろ、王女様。気持ちよくさせてやる」
ずぶずぶに何度も繰り返される行為に、アリシアは気持ち良くなり善がる。
もしも、コレが自分の望んだ英雄との行為だったのならどんなにか、と思う時間もなくただ夢中になった。
ドレスは着たままの行為だった。
ムードもなく、余韻もない。ただ快楽のみがカラダに残る。
「王女様、またやりたくなったら、是非この部屋に」
王女アリシアはロイの部屋から送り出される。
ドレスはほとんどシワになっていなかった。あんなに激しく扱われたのに、とアリシアは思う。けれど、自室に戻ってみると下着もドレスの内側も汚れていた。
それを知ってしまったのはアリシアの筆頭侍女だけである。王女のために即座に湯船を用意した。
部屋に戻ってきたキザスがロイに聞いた。
ベッドが乱れている。空の小瓶が横たわっている。体験がまったくない者に強いソレを使ったら、その快楽から逃れられなくなるだろう。自分の意志とは関係なく。
今度から少し多めに薬を発注しておかねばなるまいと、キザスは考えた。
「ロイ、王女を抱いたのか」
「廊下にまで響いていたか?けっこう気持ち良く喘いでいただろ、あの王女様」
「いや、聞こえなかったら良かったものの、結婚前にやったら問題だよ」
「あのぐらいの年齢なら性欲の塊だろ。相手にしてやったんだから感謝してほしいぐらいだよ。ただ寝転がっている女はやっぱり物足りねえな」
「結婚前に妊娠したらどうするんだ」
「心配するな。中出しはしてねえよ。中途半端にやったから、ヤリ足りねえ、キザス、相手しろ。夕食まで時間あるだろ」
ロイはキザスをベッドに引っ張る。
「仕方ないな」
キザスがロイの服に手をかけようとしたが、やめて、服の上から太ももに触れる。
「そうだ、賭けでもしようか。私の抱擁でロイが喘いだらロイの負け。声を出さなかったらロイの勝ち」
「何を賭けるんだ?」
「そうだね。一回何でも言うことを聞く、なんてどう?」
「はは、負けて悔しがるんじゃねえぞ、キザス」
キザスも笑う。キザスの手がロイのカラダを弄り始めた。
賭けの結果はというと、言わずとわかるロイの完敗。
アリシアより激しく喘がされることになった。
そして、アリシアは。
その晩は泣いたが、あの快楽が忘れられず、何日もしない内にロイの部屋へ頻繁に訪れるようになった。
新英雄ロイの王城脱走未遂の回数が減ったことを、国王は王女アリシアが話し相手になっていることが理由だと思った。彼女がロイの部屋を訪れるのは昼から夕方前あたりの少し空いた時間だった。けっして夜ではなかったからというだけで思い込んだ。
ロイの部屋にはロイと王女しかおらず、護衛たちもキザスさえも中には入っていないというのに。王女側の人間は誰も何も確認もしていないというのに。
しかも、王女は脱ぎ着しやすい服で行くようになった。
もう二度と、英雄ザット・ノーレンと会わす顔がないと。
英雄ザット・ノーレンはアリシアの憧れだった。
物心ついたときから活躍を目にしており、自分の祖父の国王に臣下の礼をする英雄は誰よりも美しかった。
アリシアは祖父に会う度ごとにお願い事を口にした。
私を英雄のお嫁さんにして。
幼い頃からの無邪気なお願いだった。
本当なら政略結婚の駒としてしか使われない王女。
祖父は愛する孫娘の願い事を叶えようとした。
英雄の意志を無視して。
ここで注意しておきたいのは、王女アリシアが言う英雄とはザット・ノーレンただ一人。英雄なら誰でも良いわけではなかった。
本来なら英雄は一人しかいない。
注意しなくても、英雄と結婚できると言われれば、相手はザット・ノーレンだけのはずだった。
「え?」
アリシアは挙式当日、いきなり国王に言われた。
「英雄ザット・ノーレンは神聖国グルシアのダンジョンで亡くなった。本日予定していた挙式は新しい英雄ロイとの婚約式となる。予定は変わらないから、恙なく準備しなさい」
国王はにこやかに告げた。
「だって、今日は英雄との結婚式だって」
英雄が今日、神聖国グルシアから戻る予定だった。英雄がアスア王国から出かけている間に結婚式の準備を整えた。国王は英雄には何を伝えていない、サプライズ結婚式だと言っていたが、アリシアはそうは言っても国王がまさかそんなことを本当にするはずがない、実は英雄は自分との結婚を承諾しているものだと思っていた。
英雄が驚く様を演出して、国王が自分を喜ばせたいのだと思っていた。
「すまないなあ、アリシア。さすがに今日英雄となったロイと結婚式というのはさすがに無理がある。ロイは王族のことを何も知らないから教育する期間が必要だ。だが、今晩の婚約式は派手にやってやるから大丈夫だ。お前は二度も結婚式が楽しめると思えば良い」
国王は高らかに笑って、アリシアの部屋を後にした。
そこに残されたのは呆然とする王女アリシア。
長年想い焦がれていた英雄ザット・ノーレンと結婚できると有頂天になっていたのに、思いっ切りどん底に落とされた気分だった。
「英雄なら誰でも良いわけじゃないのに」
小さく言葉が漏れていた。
国王によるアリシアの願いの解釈の違いが出ていた。
アリシアは幼い頃から確かに英雄と口にしていた。名を呼んだことはなかった。
「アリシア様、大丈夫ですか」
護衛で部屋にいた薔薇騎士団の隊長と侍女の二人は、顔色が悪い王女を気遣う。
「え、ええ」
新しい英雄ロイというのは、英雄ザット・ノーレンの仲間だった一人だ。アリシアはその姿を覚えていなかった。英雄の姿に見惚れていて、周りにいる者など歯牙にもかけなかった。
けれど、自分は王女であり、すでに婚約式は今晩に迫っている。
英雄ザット・ノーレンが生きて帰って来ない限り、中止にはならないだろう。
婚約式目前の自分は動けないため、薔薇騎士団に動いてもらい情報を得てもらった。
英雄ザット・ノーレンの遺体はない。
もしかしたら、という希望を持った。
結婚式までに彼が見つかったら、この婚約は解消されるだろう。
淡い期待を抱いた。
更なる情報を得るために、王女アリシアは薔薇騎士団を神聖国グルシアに動かした。
新英雄ロイというのは見目はいい。
赤い髪が揺れ、人の目を引く華やかさを持っている。
王女アリシアが横にいても、煌びやかな衣装とともに映える人物である。
しかし、英雄ザット・ノーレンのように愛せるかというと別である。
それでも、政略結婚が常である王族や貴族の子供が夢を見られただけでも幸せだったのだろうか。
月日は流れ、神聖国グルシアのシアリーの街まで行った薔薇騎士団の隊長たちも芳しい情報を得られずに戻ってきた。
そして、アスア王国の公式発表では英雄ザット・ノーレンは仲間であるロイに自分のギフトを譲ったとされているが、巷の噂ではきな臭いものまで出てきている。
新英雄ロイは英雄ザット・ノーレンからギフトを譲られていない。
新英雄ロイが英雄ザット・ノーレンを殺してギフトを奪った。
本当は新英雄ロイではなく、英雄の仲間のジニールが譲られたのではないか。
だから、新英雄ロイは英雄のギフトを使えない。王城から出て来れず姿を現さないのではないか、と。
国王は王女アリシアには、彼は元々平民の冒険者だ。教育を完了するまでは王城の外へは恥ずかしくて出せない。英雄の剣を持つ姿を見たいのだろうが、もうしばらく待ってくれ、と説明した。
王女は真相を確かめるために、新英雄ロイの部屋を訪ねる。
よせばいいのに。
護衛は扉の外に大勢並んでいた。
中から扉を開けたのはキザスである。
「英雄ロイ様と二人だけで話がしたい」
「王女殿下、では失礼致します」
キザスはロイの部屋から出て、扉を閉める。
王女の護衛も締め出されている。
「王女様、俺の部屋までどうしました」
ロイはベッドから起き上がり、やんわりと尋ねる。
「ロイ様、話がしたくて来ました」
「ふーん、話しねえ。何?」
王女に椅子も勧めず、お互い立ったままだ。
アリシアは何度も練習してきた。
ロイに説明しようとした。アリシアが結婚したいと思うのは英雄ザット・ノーレンだということを。婚約というのは国王の祖父の独断だったことを。
ロイを目の前にすると、言葉がうまく出てこない。
自分が愛していたのが違う英雄だということを伝えることが難しい。自分の心を暴露しているようで恥ずかしいのだ。
「へえ、王女様、話と言いながら赤くなって、女の方から夜這いにでも来たのか?まだ夕方にもなっていないのに」
ニヤリと笑ったロイが、アリシアの顎に手をかけてキスをした。
「なっ」
「こういうことをやりに来たんだろ、王女様」
ロイがアリシアをベッドに押し倒した。アリシアが護身術を習っているとはいえ、冒険者として鍛えているロイに敵うわけもない。声を上げて外の者を呼ぼうとしたが、すぐに濃厚な口づけをされる。
「あっ」
アリシアのカラダが跳ねる。
ドレスの下に男の手が忍び込み、下着を下にずらした。そして、そのまま指が入り込む。冷たい液体も触れたが、すぐに熱いものと変わっていく。
「んんっ」
嬲るようなキスをされながら、彼女のなかはトロトロに濡れていく。
唇がようやく離れると、アリシアは股を広げられ、あられもない姿を晒す。アリシアが恥ずかしいと思う間もなく、ロイはアリシアのなかに入り込んだ。
「ああっ」
「力は抜いていろ、王女様。気持ちよくさせてやる」
ずぶずぶに何度も繰り返される行為に、アリシアは気持ち良くなり善がる。
もしも、コレが自分の望んだ英雄との行為だったのならどんなにか、と思う時間もなくただ夢中になった。
ドレスは着たままの行為だった。
ムードもなく、余韻もない。ただ快楽のみがカラダに残る。
「王女様、またやりたくなったら、是非この部屋に」
王女アリシアはロイの部屋から送り出される。
ドレスはほとんどシワになっていなかった。あんなに激しく扱われたのに、とアリシアは思う。けれど、自室に戻ってみると下着もドレスの内側も汚れていた。
それを知ってしまったのはアリシアの筆頭侍女だけである。王女のために即座に湯船を用意した。
部屋に戻ってきたキザスがロイに聞いた。
ベッドが乱れている。空の小瓶が横たわっている。体験がまったくない者に強いソレを使ったら、その快楽から逃れられなくなるだろう。自分の意志とは関係なく。
今度から少し多めに薬を発注しておかねばなるまいと、キザスは考えた。
「ロイ、王女を抱いたのか」
「廊下にまで響いていたか?けっこう気持ち良く喘いでいただろ、あの王女様」
「いや、聞こえなかったら良かったものの、結婚前にやったら問題だよ」
「あのぐらいの年齢なら性欲の塊だろ。相手にしてやったんだから感謝してほしいぐらいだよ。ただ寝転がっている女はやっぱり物足りねえな」
「結婚前に妊娠したらどうするんだ」
「心配するな。中出しはしてねえよ。中途半端にやったから、ヤリ足りねえ、キザス、相手しろ。夕食まで時間あるだろ」
ロイはキザスをベッドに引っ張る。
「仕方ないな」
キザスがロイの服に手をかけようとしたが、やめて、服の上から太ももに触れる。
「そうだ、賭けでもしようか。私の抱擁でロイが喘いだらロイの負け。声を出さなかったらロイの勝ち」
「何を賭けるんだ?」
「そうだね。一回何でも言うことを聞く、なんてどう?」
「はは、負けて悔しがるんじゃねえぞ、キザス」
キザスも笑う。キザスの手がロイのカラダを弄り始めた。
賭けの結果はというと、言わずとわかるロイの完敗。
アリシアより激しく喘がされることになった。
そして、アリシアは。
その晩は泣いたが、あの快楽が忘れられず、何日もしない内にロイの部屋へ頻繁に訪れるようになった。
新英雄ロイの王城脱走未遂の回数が減ったことを、国王は王女アリシアが話し相手になっていることが理由だと思った。彼女がロイの部屋を訪れるのは昼から夕方前あたりの少し空いた時間だった。けっして夜ではなかったからというだけで思い込んだ。
ロイの部屋にはロイと王女しかおらず、護衛たちもキザスさえも中には入っていないというのに。王女側の人間は誰も何も確認もしていないというのに。
しかも、王女は脱ぎ着しやすい服で行くようになった。
応援ありがとうございます!
11
お気に入りに追加
263
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる