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4章 血がつながる者
4-5 共犯者へ ※ククー視点
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◆ククー視点◆
大雪のなか、あの家へと馬車を走らせる。
一月に一回だけというのがもどかしい。本当は何度でも通いたい。俺のギフト『遠見』でレンを見ても、それが事実だとはどうしても思えないからだ。ヴィンセントは鬱陶しいほどレンに纏わりついているが、意外と自由にさせている時間もありそうだ。
「俺、信用ないなあ。まあ、仕方ないかー」
レンが庭先で俺を出迎えてくれた。角ウサギを抱えて、王子も駆けつけてきた。
己をよくわかっているな。
隣国アスア王国の英雄ザット・ノーレン、アンタが俺を騙し続けていたことを忘れることはないからな。騙していたのは俺だけじゃなく、各国の諜報員全員なのだけど。
「レン、冒険者ギルドに行って話し合って来たって聞いたけど」
「ヴィンセントとククーのおかげで大神官長との約束の日時は決まっていたんだけど、その情報が冒険者ギルドには伝わっていなくて予想通り阿鼻叫喚状態だった」
「中抜けするとそうなるよな。冒険者ギルドに日程を連絡するの、俺もすっかり忘れてた」
「さすがは神官様。下々の者はどうでも良いと」
レンが恭しく頭を下げた。
あー、嫌味だ。
神聖国グルシアの国民は信仰心が篤い。そのトップである大神官長との約束の日時を取りつけられないとすると、シアリーの街の冒険者ギルドがカオスな状態になっていたのもわかる。緑苦草を見つけたのに、この仕打ち。傍から見ている人間には笑いしかなかっただろう。
冒険者ギルドの後始末をレンに放り投げたようになってしまったのだから、この嫌味は甘んじて受け入れるしかない。
「ほら、酒だ。コレで許せ」
酒の箱をレンに渡す。
「許す」
あっさり許してもらった。コイツは英雄だからな。アスア王国の国王や宰相、さらには他国の要人をのらりくらりと躱した実績を持っている。冒険者ギルドの人間なんて言葉巧みに誘導するだろうし、話し合いで済めば何の問題もないはずだ。
王子が次は自分の番だと思ってキラキラした目で待っている。
「王子、ほら」
「ククー、ありがとう」
お菓子の詰まった袋を渡すと、ギュッとお菓子の袋を抱きしめた王子に笑顔満載でお礼を言われる。
「アンタもこれぐらい可愛げがあればな」
「オッサンに可愛さを求めるな」
レンのその姿でその台詞を言っても何の説得力もないけど。そもそも、俺より年齢が上のはずなのに、ヴィンセントより若く見えるっていうのが反則だ。ギフトがなくなって若返るなんて話は聞いたことがない。
馬車の荷物を家に運び入れると、レンが白いマントを羽織り、王子がコートを着て待っていた。
「さて、ククー、俺たちの共犯者になる気はないか?」
「うわー、共犯者にする気しかないのに、俺に尋ねるのか?」
「自分の選択で選んだ方が時として気が楽なときもある。毎日のようにこの家を覗いているのは仕事だろうが、お前の仕事に俺を監視するのはまだ含まれていないはずだ。さてさて、お前は俺が何をしているのか、知りたくないか?」
「わー、笑顔だよー。この人、確信犯だよー。完全に俺のギフトを欺いているよー」
レンが王子と目を合わせ笑った。
ああ、でも、この英雄は笑っている方がいい。笑っているフリは似合わない。
「ヴィンセントは?」
「説明したら、今日はこの後ククーとの行動を許してくれたよ、王子もいるしね。まあ、ヴィンセントには少し前に見せたからな」
何をだよ?
だが、ヴィンセントがレンに口で勝てるわけがない。人生経験、交渉術、何を取っても英雄に勝てる要素すらない。
そう、英雄は交渉事でも強かった。
うん、ちょっと待て。交渉はギフトを使っていなかったということか?ソレはソレでこの人の元の能力の高さが怖いんだけど。どこまでが万能と呼ばれたギフトの能力だったんだよ?
「ククー、こっちだよ」
笑顔の王子が俺の手を引いて、庭の外に連れて行こうとする。
王子の笑顔はただ俺と共に出かけられるという笑顔なのだが。
「おい、」
「心配しなくても、この教会の敷地からは出ないぞ」
「だからなあ、俺はまだ」
「ならば、なぜお前は俺にギフトを使う?俺にバレていないと思っているのか。真実を知りたいからこそ、お前は深淵を覗こうとするのだろう?」
レンに口では勝てないのは俺もだ。
そもそも、見透かされている。俺は頭を掻く。
「あーーーーーっ、くそっ。ヴィンセントも共犯なんだろうなっ」
「ある部分では」
「ある部分では?」
共犯だが、共犯でない部分もあるということか?まだ、レンが単独犯である部分も残されているのか。ヴィンセントにはすべてを打ち明けていないということになる。
「人には向き不向きがあるんだよ」
「ああ、アイツは真面目だからな」
「ご理解いただけて、なにより。では、お一人様、ご案内ー」
庭の外はドカ雪が積もっている。王子が俺を引っ張るとその上を歩かされる。
「おい、カラダが雪の中に沈んでいかないぞ」
「足跡つくとマズいからなあ。雪にすら痕跡は残さずに、だ」
おい。
「それに共犯者になれば、教えてやるぞ。なぜ、ギフトが失われているのに、俺が魔法を使えるかを」
レンが俺に手を差し出した。
痛いところを突かれた。俺は好奇心には負けてしまう。
たとえそれが他人に永遠に話せない秘密だとしても、自分が知ることができるのならそれでいいとさえ思ってしまう。
ヴィンセントが教会に提出している報告書には理由はまだ調査中と書いてあるのに、レンの口振りは完全にその理由を知っている。
「よし、共犯者になったからには根掘り葉掘り聞いてやる」
俺はレンの手を取った。
レンはニヤリと笑う。
「聞かない方が良かったと思うことが、山ほどあるぞ」
それこそ願ったり叶ったりだ。
「いやー、あの頃は俺も若かった」
角ウサギとともに広大な畑の間を元気に走っている王子を見ながら言った。
「二十分前の自分を若かったとしみじみ言ったところで、決断は取り消してやらん」
レンと王子に案内されたのはダンジョンだった。
英雄が自分の身を挺してラスボスを倒したとされるダンジョンである。閉鎖したと言われているが、この通り存在している。
ここに来るまでに、背後から仲間に刺されて殺されかけたことから、その仲間に黒い短剣によってギフトを奪われたこと、腰に刺さったまま残されたその短剣で破壊しようとしたダンジョンコアを吸収してしまったこと、そして今のこのダンジョンマスターは自分であることなどを、レンに説明された。。。
「はあー、何でトドメも刺さずに、短剣を残していくんだろうな。アンタの元仲間はアホなのか?」
「ははは」
笑いだけが返された。
なぜレンは笑えるのだろう。運が悪ければ、レンはギフトを奪われただけでなく本当に殺されていた。
レンを見た。
レンが視線を返した。顔を見たら、レンの目は笑っていない。
「アイツらは俺をもっと懲らしめたいと思ったからだよ。魔物に襲われて嬲り殺されたり、水や食べ物を得られず苦しんで死んでもらいたいという憎しみを込めてトドメを刺さなかった」
「な、」
息が止まるかと思った。
殺意が浮かんだ。
英雄をあんな目にあわせておきながら、あの元仲間たちは今ものうのうと生きているのか。
「ククー、俺はお前に復讐の共犯者になってもらいたいわけじゃない」
レンの一段と低くした声が、怒りに支配された俺をほんの少し冷静にする。
「けど、」
「復讐は時間のあるときにでもすればいいし、本人たちが幸福なときに奪われるのが一番堪えるものだ。今はあんな奴らに時間を取られている場合じゃない。まずは王子を生贄にさせないためにどう動くかだ」
レンは復讐をしないとは言っていない。しかも、やるなら一番効果的なときにやると言っているのだ。
大切なものを見誤ってはいけない。今、レンにとってやらなければならないことは復讐ではない。命の恩人を救うことが最優先事項なのだ。
俺は大きく深呼吸をする。
「ああ、わかった。アンタが復讐するときにも、俺は手を貸す。そのときは言ってくれ。ただ、今のアイツらの力を削いでおくことはいいよな?」
「それはククーの判断に任せよう。俺の事実で世に出していいことと悪いことは、ククーの方がわかっているだろう。俺の名前も事実も有意義に使ってくれ」
おい、英雄、悪巧みしているときの方が、イキイキとしていないか?
大雪のなか、あの家へと馬車を走らせる。
一月に一回だけというのがもどかしい。本当は何度でも通いたい。俺のギフト『遠見』でレンを見ても、それが事実だとはどうしても思えないからだ。ヴィンセントは鬱陶しいほどレンに纏わりついているが、意外と自由にさせている時間もありそうだ。
「俺、信用ないなあ。まあ、仕方ないかー」
レンが庭先で俺を出迎えてくれた。角ウサギを抱えて、王子も駆けつけてきた。
己をよくわかっているな。
隣国アスア王国の英雄ザット・ノーレン、アンタが俺を騙し続けていたことを忘れることはないからな。騙していたのは俺だけじゃなく、各国の諜報員全員なのだけど。
「レン、冒険者ギルドに行って話し合って来たって聞いたけど」
「ヴィンセントとククーのおかげで大神官長との約束の日時は決まっていたんだけど、その情報が冒険者ギルドには伝わっていなくて予想通り阿鼻叫喚状態だった」
「中抜けするとそうなるよな。冒険者ギルドに日程を連絡するの、俺もすっかり忘れてた」
「さすがは神官様。下々の者はどうでも良いと」
レンが恭しく頭を下げた。
あー、嫌味だ。
神聖国グルシアの国民は信仰心が篤い。そのトップである大神官長との約束の日時を取りつけられないとすると、シアリーの街の冒険者ギルドがカオスな状態になっていたのもわかる。緑苦草を見つけたのに、この仕打ち。傍から見ている人間には笑いしかなかっただろう。
冒険者ギルドの後始末をレンに放り投げたようになってしまったのだから、この嫌味は甘んじて受け入れるしかない。
「ほら、酒だ。コレで許せ」
酒の箱をレンに渡す。
「許す」
あっさり許してもらった。コイツは英雄だからな。アスア王国の国王や宰相、さらには他国の要人をのらりくらりと躱した実績を持っている。冒険者ギルドの人間なんて言葉巧みに誘導するだろうし、話し合いで済めば何の問題もないはずだ。
王子が次は自分の番だと思ってキラキラした目で待っている。
「王子、ほら」
「ククー、ありがとう」
お菓子の詰まった袋を渡すと、ギュッとお菓子の袋を抱きしめた王子に笑顔満載でお礼を言われる。
「アンタもこれぐらい可愛げがあればな」
「オッサンに可愛さを求めるな」
レンのその姿でその台詞を言っても何の説得力もないけど。そもそも、俺より年齢が上のはずなのに、ヴィンセントより若く見えるっていうのが反則だ。ギフトがなくなって若返るなんて話は聞いたことがない。
馬車の荷物を家に運び入れると、レンが白いマントを羽織り、王子がコートを着て待っていた。
「さて、ククー、俺たちの共犯者になる気はないか?」
「うわー、共犯者にする気しかないのに、俺に尋ねるのか?」
「自分の選択で選んだ方が時として気が楽なときもある。毎日のようにこの家を覗いているのは仕事だろうが、お前の仕事に俺を監視するのはまだ含まれていないはずだ。さてさて、お前は俺が何をしているのか、知りたくないか?」
「わー、笑顔だよー。この人、確信犯だよー。完全に俺のギフトを欺いているよー」
レンが王子と目を合わせ笑った。
ああ、でも、この英雄は笑っている方がいい。笑っているフリは似合わない。
「ヴィンセントは?」
「説明したら、今日はこの後ククーとの行動を許してくれたよ、王子もいるしね。まあ、ヴィンセントには少し前に見せたからな」
何をだよ?
だが、ヴィンセントがレンに口で勝てるわけがない。人生経験、交渉術、何を取っても英雄に勝てる要素すらない。
そう、英雄は交渉事でも強かった。
うん、ちょっと待て。交渉はギフトを使っていなかったということか?ソレはソレでこの人の元の能力の高さが怖いんだけど。どこまでが万能と呼ばれたギフトの能力だったんだよ?
「ククー、こっちだよ」
笑顔の王子が俺の手を引いて、庭の外に連れて行こうとする。
王子の笑顔はただ俺と共に出かけられるという笑顔なのだが。
「おい、」
「心配しなくても、この教会の敷地からは出ないぞ」
「だからなあ、俺はまだ」
「ならば、なぜお前は俺にギフトを使う?俺にバレていないと思っているのか。真実を知りたいからこそ、お前は深淵を覗こうとするのだろう?」
レンに口では勝てないのは俺もだ。
そもそも、見透かされている。俺は頭を掻く。
「あーーーーーっ、くそっ。ヴィンセントも共犯なんだろうなっ」
「ある部分では」
「ある部分では?」
共犯だが、共犯でない部分もあるということか?まだ、レンが単独犯である部分も残されているのか。ヴィンセントにはすべてを打ち明けていないということになる。
「人には向き不向きがあるんだよ」
「ああ、アイツは真面目だからな」
「ご理解いただけて、なにより。では、お一人様、ご案内ー」
庭の外はドカ雪が積もっている。王子が俺を引っ張るとその上を歩かされる。
「おい、カラダが雪の中に沈んでいかないぞ」
「足跡つくとマズいからなあ。雪にすら痕跡は残さずに、だ」
おい。
「それに共犯者になれば、教えてやるぞ。なぜ、ギフトが失われているのに、俺が魔法を使えるかを」
レンが俺に手を差し出した。
痛いところを突かれた。俺は好奇心には負けてしまう。
たとえそれが他人に永遠に話せない秘密だとしても、自分が知ることができるのならそれでいいとさえ思ってしまう。
ヴィンセントが教会に提出している報告書には理由はまだ調査中と書いてあるのに、レンの口振りは完全にその理由を知っている。
「よし、共犯者になったからには根掘り葉掘り聞いてやる」
俺はレンの手を取った。
レンはニヤリと笑う。
「聞かない方が良かったと思うことが、山ほどあるぞ」
それこそ願ったり叶ったりだ。
「いやー、あの頃は俺も若かった」
角ウサギとともに広大な畑の間を元気に走っている王子を見ながら言った。
「二十分前の自分を若かったとしみじみ言ったところで、決断は取り消してやらん」
レンと王子に案内されたのはダンジョンだった。
英雄が自分の身を挺してラスボスを倒したとされるダンジョンである。閉鎖したと言われているが、この通り存在している。
ここに来るまでに、背後から仲間に刺されて殺されかけたことから、その仲間に黒い短剣によってギフトを奪われたこと、腰に刺さったまま残されたその短剣で破壊しようとしたダンジョンコアを吸収してしまったこと、そして今のこのダンジョンマスターは自分であることなどを、レンに説明された。。。
「はあー、何でトドメも刺さずに、短剣を残していくんだろうな。アンタの元仲間はアホなのか?」
「ははは」
笑いだけが返された。
なぜレンは笑えるのだろう。運が悪ければ、レンはギフトを奪われただけでなく本当に殺されていた。
レンを見た。
レンが視線を返した。顔を見たら、レンの目は笑っていない。
「アイツらは俺をもっと懲らしめたいと思ったからだよ。魔物に襲われて嬲り殺されたり、水や食べ物を得られず苦しんで死んでもらいたいという憎しみを込めてトドメを刺さなかった」
「な、」
息が止まるかと思った。
殺意が浮かんだ。
英雄をあんな目にあわせておきながら、あの元仲間たちは今ものうのうと生きているのか。
「ククー、俺はお前に復讐の共犯者になってもらいたいわけじゃない」
レンの一段と低くした声が、怒りに支配された俺をほんの少し冷静にする。
「けど、」
「復讐は時間のあるときにでもすればいいし、本人たちが幸福なときに奪われるのが一番堪えるものだ。今はあんな奴らに時間を取られている場合じゃない。まずは王子を生贄にさせないためにどう動くかだ」
レンは復讐をしないとは言っていない。しかも、やるなら一番効果的なときにやると言っているのだ。
大切なものを見誤ってはいけない。今、レンにとってやらなければならないことは復讐ではない。命の恩人を救うことが最優先事項なのだ。
俺は大きく深呼吸をする。
「ああ、わかった。アンタが復讐するときにも、俺は手を貸す。そのときは言ってくれ。ただ、今のアイツらの力を削いでおくことはいいよな?」
「それはククーの判断に任せよう。俺の事実で世に出していいことと悪いことは、ククーの方がわかっているだろう。俺の名前も事実も有意義に使ってくれ」
おい、英雄、悪巧みしているときの方が、イキイキとしていないか?
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