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4章 血がつながる者
4-1 家族 ※王子視点
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◆王子視点◆
外は大雪になっている。
周辺の森も辺り一面真っ白で、ヴィンセントの魔術によって雪かきされている庭に出ることはできても、庭の外に出るのは不可能だ。
街への道も、ダンジョンへの獣道も、雪に埋もれて全然わからなくなった。
けれど、角ウサギたちは毎日交替しにやってくる。
今日は庭に角ウサギの小さい耳のチイがいるが、あの子は元気いっぱいで雪の中を駆けずり回っている。白いモフモフが雪塗れになっている。小さい黄色い角とウサギの耳が雪からピョコっと生えてくるのでそれはそれで可愛い。
毎日代わる代わる来る角ウサギはそれぞれ個性がある。
変化といえば、ヴィンセントが家のなかに角ウサギを入れても嫌な顔をしなくなった。レンがこの家からいなくなった一週間、ヴィンセントは角ウサギがいるかどうか、確認に何度も何度も庭に出てきたぐらいだ。
ヴィンセントがレンとつながるもの。
と思っているようなのだが、どうもヴィンセントは角ウサギが五匹いるとは思っていない。同じ個体がいつも庭にいると思っている。。。今では僕もレンも、僕が名付けたそれぞれの名前で角ウサギを呼んでいるのに。
僕は台所でレンを手伝いながら、レンの話を聞く。
この家にレンが戻ってきてから、ヴィンセントがずっとレンに纏わりついていた。が、レンが料理したりと動きの邪魔になってくると、笑顔で包丁を持つ手が怪しくなっていったのをヴィンセントも気づいたようで、仕方ないときだけ多少離れている。あくまでも多少だが。
それでも、ヴィンセントに独占されていたレンの時間が空いたので、僕もまた話が聞くことができるようになった。確かにレンとの時間が限りなく少なくなったのは寂しいが、レンの代わりに角ウサギが教育係になって勉強を教えてくれるようになった。五匹とも文字を書くのも僕より上手いし、蓄えている知識量も多い。
角ウサギは人の言葉が話せないので、すべて筆記だ。部屋にあるノートに書くか、庭だったら土に書く。器用に鉛筆や枝を持って文字を書く。
レンに文字を教えてもらっていて本当に良かったと思う。
「王子はククーの話もだけど、聖教国エルバノーンの人形遣いの爺さんの話も好きだよな」
「だって面白いじゃん」
レンの話は大好きだ。僕の知らない世界が広がっている。
レンはここの隣国アスア王国の英雄だった。
冒険者として国中で年中魔物退治をしていた。
国外に行くことは稀だったらしいが、国外の人間はレンに良く会いに来ていたらしい。
ククーと聖教国エルバノーンの人形遣いのお爺さんは、英雄を探る諜報員であった。この二人とレンは直接の面識はなかったそうなのだが、数多くいた諜報員の中でも優秀だったのでレンが逆に詳しく調べた。だから、面白おかしく僕に話してくれる。
人形遣いのお爺さんは複数の人形を使ってレンを追いかけまわしていたらしい。動物の人形も多かったそうだが、夜中に振り返ると女の子の人形の目が光るのはけっこう微妙だったということだ。しかも、それをレンに見えないところで操っているのはお爺さん。
僕だったら夜中にそんな人形に出会いでもしたら、叫ばずにはいられない。その話を聞いた夜は、振り返るのさえ躊躇った。
今、思い出しても怖くなる。
「危ないから、包丁持っているときは抱きついたらダメだよ」
レンが優しく僕を諭してくれる
テーブルの上にのっている角ウサギのツノがうんうん頷いている。レンの代わりにツノを抱きしめておいた。
そう、今日の庭当番はチイなのだが、家のなかにはツノもいる。
昼食を食べたら、レンは出掛けるそうだ。
街へ。
あのレンに対して過保護の、いや、ククー曰く、独占欲の塊のヴィンセントがよく許したと思う。
レンがククーから大神官長の話を聞いた後、しばらくしてからツノを街へ偵察にやった。
冒険者ギルドにこっそり行ったはずのツノはビスタに見つかり、所長からの超膨大なお手紙を携えてレンの元に帰ってきた。
ククーとヴィンセントが神官なので、大神官長との連絡はつつがなく済んでいた。大神官長のシアリーの街の表敬訪問は春になってからで、レンと会う日時を決めたのだが、このことをシアリーの街の冒険者ギルドはまだ知らない。
どうもこのまま放置しておくと、大捜索に発展してしまいそうなので、ヴィンセントが折れた。静かな生活を邪魔されるのは非常に問題だということだ。この敷地に侵入者が増えるのも困る。
冒険者ギルドからの分厚い手紙をレンがヴィンセントにも見せたので、ヴィンセントがレンと一緒に街へ行く許可をくれと、教会に申請したようだが却下されたそうな。
僕も一緒に街に行きたいけど、我慢だ。
今はレンがダンジョンへ連れて行ってくれるだけで満足しないと。
いつか、僕は病気が治ったら、母の元へ帰るのだ。
そして、母さんといっぱい話をする。
こんなことがあったよと。
僕は我慢できたよと。
楽しいこともあったんだよと。
母へ僕の元気な姿をもう一度見せるために。
できることなら皆を紹介する。
僕には母がいて、僕の横には、僕と顔がそっくりの二人がいた。僕は三つ子だった。
見分けがつかないとよく言われた。
僕はキイと呼ばれ、二人をイリア、アルスと呼んでいた。
父親は知らない。
母と僕らの四人で、隙間風が入り込む小さな家で暮らしていた。
生活は豊かだったとは思わないが、四人で一緒にいるのは楽しかった。
確かに兄弟でケンカもしたが、楽しかったのだ。
四歳のとき、その家で母と一緒にククーと会った。兄弟は二人ともそばにはいなかった。
僕は病気で治療のために預けられるということ。
僕の病気は治らない可能性も高いことが、はじめからククーから説明された。
が、神の下で治療を続ければ治る可能性は完全なゼロではないこと。
最後に僕は母に抱き締められた。どこまでも温かく、強く。
「一緒に行けなくてごめんね。キイ、生きてね」
母が泣いていた。僕は今まで涙を流す顔を見たことがなかった。
怒るときは激しいが、笑顔が多い母だった。
その母を泣かせてしまった。
「うん、母さん、治ったら戻ってくるね」
「貴方が少しでも長く生きてくれるだけで、母さんは嬉しいの。私たちのことは心配せずに、しっかり治療に励みなさいね」
母と一緒にいたい気持ちはあるが、兄弟二人もいる。家族全員で一緒に面倒をみてもらうことは難しいのだろう。
僕が病気だということは今まで知らなかった。
他の二人と同じように走り回ったり、母の手伝いをしていたのに。
ククーが馬の鳴き声がした玄関の方を向いた。
時間がないのだろうか。
残念だが、兄弟とは別れの挨拶はできないようだ。
せっかく僕の病気の治療をしてくれるというのに、待たせたら悪い。
あの二人には母が説明してくれるだろう。
僕は思い出が積もるこの家を後にした。
ククーが操るのは、風雨を防ぐために布で覆われている荷馬車だった。かなりの荷物を積んでいるが、僕の荷物は母が持たせてくれた着替え数枚だけだ。僕が横になれるぐらいのスペースは荷台に空いていたが、僕は御者席にククーと一緒に座った。
馬一頭で重い荷馬車を引いているのでのんびりとした旅だった。
旅の初日に泊った宿で、病気の治療のために一日十分ほど魔力を高める訓練を教えてもらった。それをしていれば、長い旅でも問題ないとククーに言われた。
魔物や盗賊に襲われず、ゆったりとした移動だった。
ククーはあまり野営を好まない。次の街や村まで無理をすれば深夜になる前には着きそうだとしても、たとえかなり早い時間でも無理をせず、その街で宿を取り僕を休ませてくれた。完全に僕を無理させない日程で、馬車を走らせてくれているのがわかる。
そして、ククーはたまに絵本を読んでくれるようになり、僕にお菓子をくれるようになった。
長い馬車での移動時間、いろいろと話もした。
ククーは良く隣の国の英雄の話を聞かせてくれた。
こんな日が長く続けば良いのにとさえ思ってしまった。
長い旅路のはずだったが、ククーとの別れの日はあまりにも早かったように思えてしまった。
外は大雪になっている。
周辺の森も辺り一面真っ白で、ヴィンセントの魔術によって雪かきされている庭に出ることはできても、庭の外に出るのは不可能だ。
街への道も、ダンジョンへの獣道も、雪に埋もれて全然わからなくなった。
けれど、角ウサギたちは毎日交替しにやってくる。
今日は庭に角ウサギの小さい耳のチイがいるが、あの子は元気いっぱいで雪の中を駆けずり回っている。白いモフモフが雪塗れになっている。小さい黄色い角とウサギの耳が雪からピョコっと生えてくるのでそれはそれで可愛い。
毎日代わる代わる来る角ウサギはそれぞれ個性がある。
変化といえば、ヴィンセントが家のなかに角ウサギを入れても嫌な顔をしなくなった。レンがこの家からいなくなった一週間、ヴィンセントは角ウサギがいるかどうか、確認に何度も何度も庭に出てきたぐらいだ。
ヴィンセントがレンとつながるもの。
と思っているようなのだが、どうもヴィンセントは角ウサギが五匹いるとは思っていない。同じ個体がいつも庭にいると思っている。。。今では僕もレンも、僕が名付けたそれぞれの名前で角ウサギを呼んでいるのに。
僕は台所でレンを手伝いながら、レンの話を聞く。
この家にレンが戻ってきてから、ヴィンセントがずっとレンに纏わりついていた。が、レンが料理したりと動きの邪魔になってくると、笑顔で包丁を持つ手が怪しくなっていったのをヴィンセントも気づいたようで、仕方ないときだけ多少離れている。あくまでも多少だが。
それでも、ヴィンセントに独占されていたレンの時間が空いたので、僕もまた話が聞くことができるようになった。確かにレンとの時間が限りなく少なくなったのは寂しいが、レンの代わりに角ウサギが教育係になって勉強を教えてくれるようになった。五匹とも文字を書くのも僕より上手いし、蓄えている知識量も多い。
角ウサギは人の言葉が話せないので、すべて筆記だ。部屋にあるノートに書くか、庭だったら土に書く。器用に鉛筆や枝を持って文字を書く。
レンに文字を教えてもらっていて本当に良かったと思う。
「王子はククーの話もだけど、聖教国エルバノーンの人形遣いの爺さんの話も好きだよな」
「だって面白いじゃん」
レンの話は大好きだ。僕の知らない世界が広がっている。
レンはここの隣国アスア王国の英雄だった。
冒険者として国中で年中魔物退治をしていた。
国外に行くことは稀だったらしいが、国外の人間はレンに良く会いに来ていたらしい。
ククーと聖教国エルバノーンの人形遣いのお爺さんは、英雄を探る諜報員であった。この二人とレンは直接の面識はなかったそうなのだが、数多くいた諜報員の中でも優秀だったのでレンが逆に詳しく調べた。だから、面白おかしく僕に話してくれる。
人形遣いのお爺さんは複数の人形を使ってレンを追いかけまわしていたらしい。動物の人形も多かったそうだが、夜中に振り返ると女の子の人形の目が光るのはけっこう微妙だったということだ。しかも、それをレンに見えないところで操っているのはお爺さん。
僕だったら夜中にそんな人形に出会いでもしたら、叫ばずにはいられない。その話を聞いた夜は、振り返るのさえ躊躇った。
今、思い出しても怖くなる。
「危ないから、包丁持っているときは抱きついたらダメだよ」
レンが優しく僕を諭してくれる
テーブルの上にのっている角ウサギのツノがうんうん頷いている。レンの代わりにツノを抱きしめておいた。
そう、今日の庭当番はチイなのだが、家のなかにはツノもいる。
昼食を食べたら、レンは出掛けるそうだ。
街へ。
あのレンに対して過保護の、いや、ククー曰く、独占欲の塊のヴィンセントがよく許したと思う。
レンがククーから大神官長の話を聞いた後、しばらくしてからツノを街へ偵察にやった。
冒険者ギルドにこっそり行ったはずのツノはビスタに見つかり、所長からの超膨大なお手紙を携えてレンの元に帰ってきた。
ククーとヴィンセントが神官なので、大神官長との連絡はつつがなく済んでいた。大神官長のシアリーの街の表敬訪問は春になってからで、レンと会う日時を決めたのだが、このことをシアリーの街の冒険者ギルドはまだ知らない。
どうもこのまま放置しておくと、大捜索に発展してしまいそうなので、ヴィンセントが折れた。静かな生活を邪魔されるのは非常に問題だということだ。この敷地に侵入者が増えるのも困る。
冒険者ギルドからの分厚い手紙をレンがヴィンセントにも見せたので、ヴィンセントがレンと一緒に街へ行く許可をくれと、教会に申請したようだが却下されたそうな。
僕も一緒に街に行きたいけど、我慢だ。
今はレンがダンジョンへ連れて行ってくれるだけで満足しないと。
いつか、僕は病気が治ったら、母の元へ帰るのだ。
そして、母さんといっぱい話をする。
こんなことがあったよと。
僕は我慢できたよと。
楽しいこともあったんだよと。
母へ僕の元気な姿をもう一度見せるために。
できることなら皆を紹介する。
僕には母がいて、僕の横には、僕と顔がそっくりの二人がいた。僕は三つ子だった。
見分けがつかないとよく言われた。
僕はキイと呼ばれ、二人をイリア、アルスと呼んでいた。
父親は知らない。
母と僕らの四人で、隙間風が入り込む小さな家で暮らしていた。
生活は豊かだったとは思わないが、四人で一緒にいるのは楽しかった。
確かに兄弟でケンカもしたが、楽しかったのだ。
四歳のとき、その家で母と一緒にククーと会った。兄弟は二人ともそばにはいなかった。
僕は病気で治療のために預けられるということ。
僕の病気は治らない可能性も高いことが、はじめからククーから説明された。
が、神の下で治療を続ければ治る可能性は完全なゼロではないこと。
最後に僕は母に抱き締められた。どこまでも温かく、強く。
「一緒に行けなくてごめんね。キイ、生きてね」
母が泣いていた。僕は今まで涙を流す顔を見たことがなかった。
怒るときは激しいが、笑顔が多い母だった。
その母を泣かせてしまった。
「うん、母さん、治ったら戻ってくるね」
「貴方が少しでも長く生きてくれるだけで、母さんは嬉しいの。私たちのことは心配せずに、しっかり治療に励みなさいね」
母と一緒にいたい気持ちはあるが、兄弟二人もいる。家族全員で一緒に面倒をみてもらうことは難しいのだろう。
僕が病気だということは今まで知らなかった。
他の二人と同じように走り回ったり、母の手伝いをしていたのに。
ククーが馬の鳴き声がした玄関の方を向いた。
時間がないのだろうか。
残念だが、兄弟とは別れの挨拶はできないようだ。
せっかく僕の病気の治療をしてくれるというのに、待たせたら悪い。
あの二人には母が説明してくれるだろう。
僕は思い出が積もるこの家を後にした。
ククーが操るのは、風雨を防ぐために布で覆われている荷馬車だった。かなりの荷物を積んでいるが、僕の荷物は母が持たせてくれた着替え数枚だけだ。僕が横になれるぐらいのスペースは荷台に空いていたが、僕は御者席にククーと一緒に座った。
馬一頭で重い荷馬車を引いているのでのんびりとした旅だった。
旅の初日に泊った宿で、病気の治療のために一日十分ほど魔力を高める訓練を教えてもらった。それをしていれば、長い旅でも問題ないとククーに言われた。
魔物や盗賊に襲われず、ゆったりとした移動だった。
ククーはあまり野営を好まない。次の街や村まで無理をすれば深夜になる前には着きそうだとしても、たとえかなり早い時間でも無理をせず、その街で宿を取り僕を休ませてくれた。完全に僕を無理させない日程で、馬車を走らせてくれているのがわかる。
そして、ククーはたまに絵本を読んでくれるようになり、僕にお菓子をくれるようになった。
長い馬車での移動時間、いろいろと話もした。
ククーは良く隣の国の英雄の話を聞かせてくれた。
こんな日が長く続けば良いのにとさえ思ってしまった。
長い旅路のはずだったが、ククーとの別れの日はあまりにも早かったように思えてしまった。
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