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3章 雪が積もる
3-1 街に向かう
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息が白い。
街に向かう最中、雪がチラついてきた。
家の庭にいた角ウサギがつかず離れず俺の後ろからついて来る。
このまま雪が降り続けば、白いマントだと辺りと同化するだろう。
角ウサギには乗らずに歩き続ける。
ひたすら歩きたい気分だった。
辺りが白く染まるとようやくシアリーの街の北の門が見えた。
角ウサギを待って近くに寄ってくると、小さくして肩にのせる。
「おう、こんな雪のなかご苦労さん。冒険者も大変だな」
冒険者カードを門番に見せ、街の中に入る。
チラホラと戻ってくる冒険者たちがいる。
ダンジョンのなかは窓もないので気づかずに、冒険を切り上げて外に出てみたら白銀の世界と変わっているのを見て驚く。そんな冒険者も多いだろう。
雪というのは日が落ちている状況では動きづらいだけだ。ダンジョンで疲れているのに、街へ戻るのに支障が出てしまう。だからといって、せっかく出てきたのにダンジョンで寝泊まりは極力したくないだろう。いつもはダンジョンまで馬車も出ているはずだが、馬車の轍は雪に残っていない。
北の門からダンジョンに向かう道には、思ったよりも雪に残る足跡が少ない。
近くなので冒険者ギルドに寄る。
俺はこの街の宿屋をあまり知らない。南西のダンジョンに魔物を討伐する前に東の門からほど近くの宿屋に宿泊したが、豪華な宿屋は冒険者には向かないし、俺の手持ちでは一泊でさえ足りないだろう。
「レンさん、こんな時間に来るなんて珍しいですね」
受付嬢メイサが買取窓口で迎えてくれる。
「雪が降るなんて思わなくてね」
手持ちの薬草をカウンターに置く。
「この頃、寒かったですからね。今日もありがとうございます。査定しますので、少々お待ちくださいね。と、どうかされました?」
メイサの瞳が俺を覗く。すぐにフードを伏せた。
「いや、今日は雪でどうしようかと。この近くに今からでも泊まれるほどほどの宿屋はないかな?」
「そうですねー。少し路地に入りますけど、ほどほどの宿屋がありますよ。わかりにくいので、査定中に地図書いてきますね」
メイサがカウンターから離れる。
今の時間なら冒険者ギルドの買取窓口はまだ混んでいてもいいはずなのに、人は疎らだ。
寒かったからか、雪が降る予報でも出ていたのだろうか。雪が降る前に冒険者はダンジョンから引き上げたのだろうか。
「こちらが買取金額です。で、こちらが冒険者にほどほどの人気の宿の地図です。定宿にされている冒険者も多いので、レンさんは可愛いですから絡まれないようにしてくださいね」
「ありがとう」
メイサにお礼を言って受け取る。
そういや、プラスのサービスを受けたときチップを渡すのがこの国のマナーだったっけ?
いくらぐらい払えば良いのかな?
ギフトがないと、こういうとき不便だな。
俺の動作を見て、メイサがとめた。
「冒険者ギルドではチップは受け取らない決まりになっているんです。お言葉だけ受け取ります」
「この国にはまだ慣れてなくて、これからも何かと面倒をかけてしまうと思うが」
「いえいえ。レンさんは状態の良い薬草を納めてくれますから、この街で末永く冒険者をしていただけると助かります」
メイサはにこやかに言った。
俺は外に出て、地図を見ながら宿屋に向かう。
たとえメイサの言葉がお世辞だったとしても、こんな寒い日にはありがたい言葉だった。
メイサの地図のおかげで迷わず宿屋に着き、とりあえず三泊ほどの部屋を取る。一泊二食付きで、頼めば昼食用の弁当も作ってくれる。
居心地が良ければここを俺の定宿とするのもいい。
俺はダンジョンマスターなので、この街の南西のダンジョンの最下層を住み心地の良い空間に造り変えてしまうのも案の一つだろう。閉じこもって暮らすのも悪くない。
薬草が育つのだから、穀類だって野菜だって育つだろう。
今の俺は魔物を肉として見ることができない。
魔物の肉の料理を食べたこともあるし、家畜として育てると見ればそれはアリなのだろう。
それでも、仲間だと思うと食べられない。
冒険者ではテイマー自体少ない。テイマーのなかには魔物肉を食べられなくなる者が一定数いるということを聞いたことがあるが、そういうことなのだろう。従魔と同じ種類の魔物でなければと割り切って食べる者も多いとは聞くが、冒険中に選り好みしていられない状況もあるだろう。
少し遅い夕食を取りに食堂に行く。冒険者ギルドの受付嬢が紹介してくれた宿屋というだけあって、冒険者が多いようだ。端の席に座ろうとすると、見知った顔が俺を呼んでいる。このまま気づかないフリして座ってしまおうか。
「レン、無視するなよー。登録試験依頼だなー。こっちに座れよ」
試験官をしていた顔は良いが何かが残念なビスタである。俺の腕をつかまえて、ズルズルと自分が座っていたテーブルに俺の席を作ってしまう。早速冒険者に絡まれたー。
ビスタの他に三人の冒険者が座っている。
「コイツらは俺の愉快な冒険者仲間たちー。俺たちここを定宿にしているんだ。レンがこの宿に来るのははじめてじゃないか?他の宿屋から移ってきたのか?」
グイグイと質問してくるビスタ。
他の三人はすでに俺の従魔の角ウサギに夢中である。誰の手から餌を食べるか喧嘩している。角ウサギの方が困惑している。本日、俺についてきたのはタレ耳の角ウサギである。王子はこの個体をタレタと名付けている。わかりやすい名前なので、呼ぶときは王子がつけた名で呼んでいる。名をつけたからといって魔物が王子と契約することにはならない。
「いや、雪が積もってきたから帰るのは面倒だと思ってここに」
俺の返答にビスタの酒を飲む手が止まる。
「深くは追及しないが、外国出ということは聞いている。このぐらいの雪はこの辺じゃ序の口だぞ。これからもっと積もるぞ」
「え?こんなに積もったら普通は家から出ないだろ?」
俺がこの食堂に来る前に部屋の窓から見たところ、降り続く雪はすでにかなり積もっていた。
「ここでそんなこと言ってたら冬は冬眠しなきゃならなくなるぞ。どこの温暖な国からやって来たんだ。金があるんなら、冬の装備を、、、ある程度揃ってそうだな。靴だな、うん、冒険するにはその靴も良いが、外では冬用の靴を使え」
というので、俺は視線を下に向ける。
ビスタも俺と同じような靴を履いている。
「今日はまだ天気が持つと思っていたからな。冬用の靴はゴツイが雪道を歩くには最適だ」
「そうか、明日にでも靴屋に行ってくる」
「うーん、サイズが残ってるかなー?今日の雪で皆、おにゅうを買いに行っただろうし。ねえ、マイサちゃーん」
食堂で料理を運ぶ女性にビスタが話しかけた。
「チッ」
ビスタは客なのに、完全に舌打ちされなかったか?
「マイサさん?ギルドの受付嬢のメイサさんと似ているけど」
「あら、貴方も冒険者なの?私はメイサの姉よ。この宿屋の娘。よろしくね」
「俺はレンと呼んでください。よろしくお願いします」
「うわー、マイサちゃんもメンクイだねー。姉妹揃ってー。俺、妬いちゃう」
「そうじゃなきゃ、メイサもアンタと間違って結婚なんかしなかったでしょうに」
「え?」
俺はビスタを見た。彼らの応答を思い出した。
「ああ、」
「レンー?何を納得したのかなー?」
「間違って、ということは」
「ええ、すでに離婚しているわよ。本当に顔は良いのに残念なのよね、コイツ。冒険者としてもほどほどに腕は立つというのにもったいない」
ビスタは離婚したいほど残念だったのか。
二人は離婚しても良い関係は築いているようだし、言い合える仲だし問題はないのかもしれないな。
「でさー、マイサちゃん、話は戻るけどコイツの冬靴どうにかならない?」
「あー、今日からドカ雪が降っちゃったからねー。靴屋の在庫も一旦切れるだろうね。靴のサイズは?よし、ちょっと待ってな」
俺の靴のサイズを聞くと、マイサは厨房に行ってしまった。
しばらくすると何足か持って靴屋が来ていた。。。申し訳ない。
お金を上乗せして払ってもお釣りが来てしまった。
チップのつもりだったのに、渡し方がマズいのかな?
「いやいや、こんな若い子で、冒険者も駆け出しなんでしょ。お金は大事にしなさいね」
「お金は大事にしますけど。いやいや、俺はこう見えても三十四歳なので」
「え?」
周囲にいた全員が俺を二度見した。
角ウサギに夢中だった三人も俺を見ていた。
「ニ、二十四の間違いじゃ?」
「いえ、」
「俺より年上?外国の人って何でこんなに若く見えるんだろ。って、肌ぴちぴちじゃないかー」
ビスタに手をにぎにぎ触られている。
「ええーっ、どんなお手入れしてるのーっ。ずるーいっ」
マイサさんが叫んだ。ずるいと言われてもどうしようもない。。。
街に向かう最中、雪がチラついてきた。
家の庭にいた角ウサギがつかず離れず俺の後ろからついて来る。
このまま雪が降り続けば、白いマントだと辺りと同化するだろう。
角ウサギには乗らずに歩き続ける。
ひたすら歩きたい気分だった。
辺りが白く染まるとようやくシアリーの街の北の門が見えた。
角ウサギを待って近くに寄ってくると、小さくして肩にのせる。
「おう、こんな雪のなかご苦労さん。冒険者も大変だな」
冒険者カードを門番に見せ、街の中に入る。
チラホラと戻ってくる冒険者たちがいる。
ダンジョンのなかは窓もないので気づかずに、冒険を切り上げて外に出てみたら白銀の世界と変わっているのを見て驚く。そんな冒険者も多いだろう。
雪というのは日が落ちている状況では動きづらいだけだ。ダンジョンで疲れているのに、街へ戻るのに支障が出てしまう。だからといって、せっかく出てきたのにダンジョンで寝泊まりは極力したくないだろう。いつもはダンジョンまで馬車も出ているはずだが、馬車の轍は雪に残っていない。
北の門からダンジョンに向かう道には、思ったよりも雪に残る足跡が少ない。
近くなので冒険者ギルドに寄る。
俺はこの街の宿屋をあまり知らない。南西のダンジョンに魔物を討伐する前に東の門からほど近くの宿屋に宿泊したが、豪華な宿屋は冒険者には向かないし、俺の手持ちでは一泊でさえ足りないだろう。
「レンさん、こんな時間に来るなんて珍しいですね」
受付嬢メイサが買取窓口で迎えてくれる。
「雪が降るなんて思わなくてね」
手持ちの薬草をカウンターに置く。
「この頃、寒かったですからね。今日もありがとうございます。査定しますので、少々お待ちくださいね。と、どうかされました?」
メイサの瞳が俺を覗く。すぐにフードを伏せた。
「いや、今日は雪でどうしようかと。この近くに今からでも泊まれるほどほどの宿屋はないかな?」
「そうですねー。少し路地に入りますけど、ほどほどの宿屋がありますよ。わかりにくいので、査定中に地図書いてきますね」
メイサがカウンターから離れる。
今の時間なら冒険者ギルドの買取窓口はまだ混んでいてもいいはずなのに、人は疎らだ。
寒かったからか、雪が降る予報でも出ていたのだろうか。雪が降る前に冒険者はダンジョンから引き上げたのだろうか。
「こちらが買取金額です。で、こちらが冒険者にほどほどの人気の宿の地図です。定宿にされている冒険者も多いので、レンさんは可愛いですから絡まれないようにしてくださいね」
「ありがとう」
メイサにお礼を言って受け取る。
そういや、プラスのサービスを受けたときチップを渡すのがこの国のマナーだったっけ?
いくらぐらい払えば良いのかな?
ギフトがないと、こういうとき不便だな。
俺の動作を見て、メイサがとめた。
「冒険者ギルドではチップは受け取らない決まりになっているんです。お言葉だけ受け取ります」
「この国にはまだ慣れてなくて、これからも何かと面倒をかけてしまうと思うが」
「いえいえ。レンさんは状態の良い薬草を納めてくれますから、この街で末永く冒険者をしていただけると助かります」
メイサはにこやかに言った。
俺は外に出て、地図を見ながら宿屋に向かう。
たとえメイサの言葉がお世辞だったとしても、こんな寒い日にはありがたい言葉だった。
メイサの地図のおかげで迷わず宿屋に着き、とりあえず三泊ほどの部屋を取る。一泊二食付きで、頼めば昼食用の弁当も作ってくれる。
居心地が良ければここを俺の定宿とするのもいい。
俺はダンジョンマスターなので、この街の南西のダンジョンの最下層を住み心地の良い空間に造り変えてしまうのも案の一つだろう。閉じこもって暮らすのも悪くない。
薬草が育つのだから、穀類だって野菜だって育つだろう。
今の俺は魔物を肉として見ることができない。
魔物の肉の料理を食べたこともあるし、家畜として育てると見ればそれはアリなのだろう。
それでも、仲間だと思うと食べられない。
冒険者ではテイマー自体少ない。テイマーのなかには魔物肉を食べられなくなる者が一定数いるということを聞いたことがあるが、そういうことなのだろう。従魔と同じ種類の魔物でなければと割り切って食べる者も多いとは聞くが、冒険中に選り好みしていられない状況もあるだろう。
少し遅い夕食を取りに食堂に行く。冒険者ギルドの受付嬢が紹介してくれた宿屋というだけあって、冒険者が多いようだ。端の席に座ろうとすると、見知った顔が俺を呼んでいる。このまま気づかないフリして座ってしまおうか。
「レン、無視するなよー。登録試験依頼だなー。こっちに座れよ」
試験官をしていた顔は良いが何かが残念なビスタである。俺の腕をつかまえて、ズルズルと自分が座っていたテーブルに俺の席を作ってしまう。早速冒険者に絡まれたー。
ビスタの他に三人の冒険者が座っている。
「コイツらは俺の愉快な冒険者仲間たちー。俺たちここを定宿にしているんだ。レンがこの宿に来るのははじめてじゃないか?他の宿屋から移ってきたのか?」
グイグイと質問してくるビスタ。
他の三人はすでに俺の従魔の角ウサギに夢中である。誰の手から餌を食べるか喧嘩している。角ウサギの方が困惑している。本日、俺についてきたのはタレ耳の角ウサギである。王子はこの個体をタレタと名付けている。わかりやすい名前なので、呼ぶときは王子がつけた名で呼んでいる。名をつけたからといって魔物が王子と契約することにはならない。
「いや、雪が積もってきたから帰るのは面倒だと思ってここに」
俺の返答にビスタの酒を飲む手が止まる。
「深くは追及しないが、外国出ということは聞いている。このぐらいの雪はこの辺じゃ序の口だぞ。これからもっと積もるぞ」
「え?こんなに積もったら普通は家から出ないだろ?」
俺がこの食堂に来る前に部屋の窓から見たところ、降り続く雪はすでにかなり積もっていた。
「ここでそんなこと言ってたら冬は冬眠しなきゃならなくなるぞ。どこの温暖な国からやって来たんだ。金があるんなら、冬の装備を、、、ある程度揃ってそうだな。靴だな、うん、冒険するにはその靴も良いが、外では冬用の靴を使え」
というので、俺は視線を下に向ける。
ビスタも俺と同じような靴を履いている。
「今日はまだ天気が持つと思っていたからな。冬用の靴はゴツイが雪道を歩くには最適だ」
「そうか、明日にでも靴屋に行ってくる」
「うーん、サイズが残ってるかなー?今日の雪で皆、おにゅうを買いに行っただろうし。ねえ、マイサちゃーん」
食堂で料理を運ぶ女性にビスタが話しかけた。
「チッ」
ビスタは客なのに、完全に舌打ちされなかったか?
「マイサさん?ギルドの受付嬢のメイサさんと似ているけど」
「あら、貴方も冒険者なの?私はメイサの姉よ。この宿屋の娘。よろしくね」
「俺はレンと呼んでください。よろしくお願いします」
「うわー、マイサちゃんもメンクイだねー。姉妹揃ってー。俺、妬いちゃう」
「そうじゃなきゃ、メイサもアンタと間違って結婚なんかしなかったでしょうに」
「え?」
俺はビスタを見た。彼らの応答を思い出した。
「ああ、」
「レンー?何を納得したのかなー?」
「間違って、ということは」
「ええ、すでに離婚しているわよ。本当に顔は良いのに残念なのよね、コイツ。冒険者としてもほどほどに腕は立つというのにもったいない」
ビスタは離婚したいほど残念だったのか。
二人は離婚しても良い関係は築いているようだし、言い合える仲だし問題はないのかもしれないな。
「でさー、マイサちゃん、話は戻るけどコイツの冬靴どうにかならない?」
「あー、今日からドカ雪が降っちゃったからねー。靴屋の在庫も一旦切れるだろうね。靴のサイズは?よし、ちょっと待ってな」
俺の靴のサイズを聞くと、マイサは厨房に行ってしまった。
しばらくすると何足か持って靴屋が来ていた。。。申し訳ない。
お金を上乗せして払ってもお釣りが来てしまった。
チップのつもりだったのに、渡し方がマズいのかな?
「いやいや、こんな若い子で、冒険者も駆け出しなんでしょ。お金は大事にしなさいね」
「お金は大事にしますけど。いやいや、俺はこう見えても三十四歳なので」
「え?」
周囲にいた全員が俺を二度見した。
角ウサギに夢中だった三人も俺を見ていた。
「ニ、二十四の間違いじゃ?」
「いえ、」
「俺より年上?外国の人って何でこんなに若く見えるんだろ。って、肌ぴちぴちじゃないかー」
ビスタに手をにぎにぎ触られている。
「ええーっ、どんなお手入れしてるのーっ。ずるーいっ」
マイサさんが叫んだ。ずるいと言われてもどうしようもない。。。
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