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第2章 波乱含みの
2-25 名を刻む ◆ルアン視点◆
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◆ルアン視点◆
休憩室で手紙を書く。
数打てば当たるわけでもないが、数を書く。
最初の手紙の内容を考えてしまえば、後は少々細かい点を変えるだけだ。
明日、役所から送ろう。
今夜はレインが夜勤なので、二人きりだ。
熱い夜にしようと考えていたが、試練を課された。
試練対策の構想を練りたい気持ちもあるが、あの人との夜はさらに大切だ。
私が今後もあの人とともに暮らすためには。
あの人に私が必要だと思ってもらわなければ。
ズィーと私は異母兄弟。
まだ推測の域とはいえ、可能性としてはほぼ黒だ。
ただの孤児がジルノア王国の王子を恨む理由が他にない。
自分を捨てた親やその親にぬくぬくと育てられている子を恨むのならともかく。
社会全体を恨むなら、ジルノア王国だけの問題ではないだろう。
ただ確定するのが怖くて、本人にいまだ尋ねられない。
確定したところで、私の想いは変わらないのに。
ズィーの対応が変化することが怖いのか。それとも。
この想いは不毛だろうか。
あの人自身とつながりたいという想いが日々募っていく。
兄弟と言っても男同士だから子供が産まれることはない。
血の濃い子供が産まれることはない。
「ルアン王子殿下、店はもう閉めたぞ」
休憩室の扉が開いた。
薬屋は夕方で店じまい。
夜は急ぎの客が来れば薬屋を開けることもあるが、そういう客が来るときはズィーは見透かしたかのように準備をしている。
その客が帰るまで、レインも私も抱かせてもらえない。
「おっと、手紙に封をしたらすぐに食事の準備をする」
「レインはいないんだから、慌てる必要はないし、何か夕食作るの手伝おうか」
今夜の夕食は私が作ると宣言しておいた。
レインがいないときに。
「いや、今夜は貴方のために腕を振るいたい」
「そういうことなら任せるけど、手伝いが必要なら呼んでくれ」
と言って台所から二階に上がっていった。
手紙はさっさと仕上げ、あの人のために料理をする。
こんな幸せがあったのかと思うほど、あの人の喜ぶ顔が見たい。
夕食を食べ終わり、お茶を飲んで一息ついた後、台所でズィーをつかまえて始めてしまった。
二人きりだからできることだ。
テーブルに腕をついている彼の腰を手で押さえ、ガンガンに攻め立てる。
彼は抵抗しない。
「、、、あ、、、ルアン王子殿下、」
私は腰の動きをとめた。
「ルアン王子殿下?」
彼は荒い息とともに艶っぽい目で私を振り返る。
そう、彼はまだ、私のことをルアン王子殿下と呼ぶ。
「ズィー、せめてルアンと呼んでくれ。ルアとか愛称ではなくて良いから」
いつかはルアと呼んでほしいが。
貴方の特別が欲しい。
「、、、嫌だと言ったら?」
ほんの少し意地悪そうに笑う。
レインには絶対に見せない表情だろう。
特別な関係になれたのではないかと錯覚する。
ゾクリとする感覚が支配する。
私は彼の背中を手で撫でる。
「呼んでくれるまで動かない」
私が言うと、彼はちょーっとだけ目を細めた。
「そうか、それだとルアンもキツイだろ、、、ああっ」
思いっ切り腰を打ち付けてしまった。
コレはズィーが悪いと思うが。
「すまない。本能が勝った。もう少しゆっくり」
「、、、ダメ、激しくして」
私の理性を吹っ飛ばす甘い声が聞こえてしまった。
台所のテーブルで、後ろからも前からも味わい、一息ついてからシャワーを浴びて、二階の寝室に行く。
「あっ、はあっ、ああっ」
ズィーはずっと喘いでいる。
休ませてなんてやらない。
激しくしてと頼んだのだから。
「ルアンっ、んっ、そこっ、んんっ」
彼の足がシーツに絡む。
呼び捨てで名を呼ばれることがこんなにも嬉しいことだとは。
彼を自分の体液まみれにしてもまだ足りない。
自分のものにしたい。
ただひたすらズィーを求めた。
「、、、薬屋の開店の時間だぞ」
声が聞こえた。
「んー、レイン?えっ、もうそんな時間っ?」
ガバっと起きるベッドの主。
ああ、まどろみのなかの余韻を楽しみたかった。
「お前こそ役所の出勤時間はいいのか?」
冷ややかな声が降って来た。
「あー、うん」
私はのそのそと起き出して、服を着る。
睡眠時間は短い。
行為に夢中で疲れて途中で寝落ちしたというところか。
「ねえ、今日は薬屋臨時休業にしようよ」
「、、、臨時休業」
ズィーが笑顔を浮かべるレインの甘い誘惑に落ちようとしている。
「ああ、それは良い案かもしれない」
「ズィーっ」
「お前はさっさと役所に行って来い。手紙を出すんだろ」
「くっ」
ズィーに軽く扱われたことがわかっていても、試練をこなすためには必要なプロセスだ。
手紙は早ければ早い方が良い。
それに仕事を放棄すれば、ズィーに失望される。
「ズィー、いってきます」
軽めのキスを交わす。
ズィーの場合、薬屋が臨時休業であったとしても、客に扉を叩かれれば対応可能だ。
ティフィの代わりで薬屋をしているのに、ということも言えないのだろう。
「いってらっしゃい」
身支度を整えて、薬屋を後にする。
後ろ髪を強く引かれる。
レインはズィーとイチャイチャするために臨時休業を勧めたに違いない。
それでも、今日はやらなければならないことがある。
休憩室で手紙を書く。
数打てば当たるわけでもないが、数を書く。
最初の手紙の内容を考えてしまえば、後は少々細かい点を変えるだけだ。
明日、役所から送ろう。
今夜はレインが夜勤なので、二人きりだ。
熱い夜にしようと考えていたが、試練を課された。
試練対策の構想を練りたい気持ちもあるが、あの人との夜はさらに大切だ。
私が今後もあの人とともに暮らすためには。
あの人に私が必要だと思ってもらわなければ。
ズィーと私は異母兄弟。
まだ推測の域とはいえ、可能性としてはほぼ黒だ。
ただの孤児がジルノア王国の王子を恨む理由が他にない。
自分を捨てた親やその親にぬくぬくと育てられている子を恨むのならともかく。
社会全体を恨むなら、ジルノア王国だけの問題ではないだろう。
ただ確定するのが怖くて、本人にいまだ尋ねられない。
確定したところで、私の想いは変わらないのに。
ズィーの対応が変化することが怖いのか。それとも。
この想いは不毛だろうか。
あの人自身とつながりたいという想いが日々募っていく。
兄弟と言っても男同士だから子供が産まれることはない。
血の濃い子供が産まれることはない。
「ルアン王子殿下、店はもう閉めたぞ」
休憩室の扉が開いた。
薬屋は夕方で店じまい。
夜は急ぎの客が来れば薬屋を開けることもあるが、そういう客が来るときはズィーは見透かしたかのように準備をしている。
その客が帰るまで、レインも私も抱かせてもらえない。
「おっと、手紙に封をしたらすぐに食事の準備をする」
「レインはいないんだから、慌てる必要はないし、何か夕食作るの手伝おうか」
今夜の夕食は私が作ると宣言しておいた。
レインがいないときに。
「いや、今夜は貴方のために腕を振るいたい」
「そういうことなら任せるけど、手伝いが必要なら呼んでくれ」
と言って台所から二階に上がっていった。
手紙はさっさと仕上げ、あの人のために料理をする。
こんな幸せがあったのかと思うほど、あの人の喜ぶ顔が見たい。
夕食を食べ終わり、お茶を飲んで一息ついた後、台所でズィーをつかまえて始めてしまった。
二人きりだからできることだ。
テーブルに腕をついている彼の腰を手で押さえ、ガンガンに攻め立てる。
彼は抵抗しない。
「、、、あ、、、ルアン王子殿下、」
私は腰の動きをとめた。
「ルアン王子殿下?」
彼は荒い息とともに艶っぽい目で私を振り返る。
そう、彼はまだ、私のことをルアン王子殿下と呼ぶ。
「ズィー、せめてルアンと呼んでくれ。ルアとか愛称ではなくて良いから」
いつかはルアと呼んでほしいが。
貴方の特別が欲しい。
「、、、嫌だと言ったら?」
ほんの少し意地悪そうに笑う。
レインには絶対に見せない表情だろう。
特別な関係になれたのではないかと錯覚する。
ゾクリとする感覚が支配する。
私は彼の背中を手で撫でる。
「呼んでくれるまで動かない」
私が言うと、彼はちょーっとだけ目を細めた。
「そうか、それだとルアンもキツイだろ、、、ああっ」
思いっ切り腰を打ち付けてしまった。
コレはズィーが悪いと思うが。
「すまない。本能が勝った。もう少しゆっくり」
「、、、ダメ、激しくして」
私の理性を吹っ飛ばす甘い声が聞こえてしまった。
台所のテーブルで、後ろからも前からも味わい、一息ついてからシャワーを浴びて、二階の寝室に行く。
「あっ、はあっ、ああっ」
ズィーはずっと喘いでいる。
休ませてなんてやらない。
激しくしてと頼んだのだから。
「ルアンっ、んっ、そこっ、んんっ」
彼の足がシーツに絡む。
呼び捨てで名を呼ばれることがこんなにも嬉しいことだとは。
彼を自分の体液まみれにしてもまだ足りない。
自分のものにしたい。
ただひたすらズィーを求めた。
「、、、薬屋の開店の時間だぞ」
声が聞こえた。
「んー、レイン?えっ、もうそんな時間っ?」
ガバっと起きるベッドの主。
ああ、まどろみのなかの余韻を楽しみたかった。
「お前こそ役所の出勤時間はいいのか?」
冷ややかな声が降って来た。
「あー、うん」
私はのそのそと起き出して、服を着る。
睡眠時間は短い。
行為に夢中で疲れて途中で寝落ちしたというところか。
「ねえ、今日は薬屋臨時休業にしようよ」
「、、、臨時休業」
ズィーが笑顔を浮かべるレインの甘い誘惑に落ちようとしている。
「ああ、それは良い案かもしれない」
「ズィーっ」
「お前はさっさと役所に行って来い。手紙を出すんだろ」
「くっ」
ズィーに軽く扱われたことがわかっていても、試練をこなすためには必要なプロセスだ。
手紙は早ければ早い方が良い。
それに仕事を放棄すれば、ズィーに失望される。
「ズィー、いってきます」
軽めのキスを交わす。
ズィーの場合、薬屋が臨時休業であったとしても、客に扉を叩かれれば対応可能だ。
ティフィの代わりで薬屋をしているのに、ということも言えないのだろう。
「いってらっしゃい」
身支度を整えて、薬屋を後にする。
後ろ髪を強く引かれる。
レインはズィーとイチャイチャするために臨時休業を勧めたに違いない。
それでも、今日はやらなければならないことがある。
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