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第2章 波乱含みの
2-2 贈り主
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「六位、貴方は死体の送り主が誰だかわかっているのか」
ルアン王子が尋ねてきたので、とりあえず殴っておいた。グーで。
「俺がティフィの中身でいる間はその名で呼ぶな。ティフィと呼べ」
「、、、はい」
素直でよろしい。
ルアン王子が顎を手で押さえている。
そこまで強く殴った覚えはないなあ。
ん、身体強化してたかな、魔法で。無意識って恐ろしいな。
「それに元に戻ったらお前とは赤の他人だ。隣国の王子といえども馴れ馴れしくするな、絶対に」
「それはなんとかどうにかなりませんか」
どうにか?
トワイト魔法王国魔導士序列六位とわかったら、利用したくなるのが世の常だ。
それでも、なぜバラしたか。
「お前は俺に見逃されただけでも感謝しろ。本来ならジルノア王国の債務はあの国王からお前に引き継がれるものだったのだから」
「ジルノア王国の債務?」
「国王夫妻以外知る必要はない。国王に即位するときに枷がつけられるが、それはあの第二王子がふさわしいだろう」
「え?」
初めて聞くとばかりに、俺を見る。
そりゃそうだろうな。ジルノア王国の国王夫妻は他言できない。子供にも部下にも。
それでも彼らの犯した罪は償わなければならない。
一代で償い切れるものではない。
だが、その罪はジルノア王国の国民とは切り離して考えなければならない。
国民に彼らの責任を絶対に押しつけてはいけない。重税なんて課したらもってのほかだ。万死に値する。
偶然ながら、ティフィがこのルアン王子と結婚してルアン王子が国王に即位していたら、当然この二人も枷を負う。
ティフィにはいい迷惑だっただろう。
子供が産まれなくとも、ルアン王子の次に国王となる者もまた枷を負う。
罪が償われるまで、ずっと。
それは非常に長い期間になる。
国民に重税を課せられないのだから、当たり前だ。
国王たちは何世代にも渡って、その罪を償わなければならない。
祖先がしたことじゃないかと反故できないように、ジルノア王国の国王夫妻は枷を代々に渡って嵌められることになったのである。
「ふーん、それで決心が揺らぐか?ルアン王子殿下」
弟一人に責務を負わせられないと考えて、国に戻るのも彼の選択だ。
「だがなあ、大きな黒い箱に死体を詰めて送らせたのは、お前の可愛い弟だぞ。ティフィを貶めるために」
「、、、そうか。父か弟かとは思っていた」
ルアン王子は俯く。
それでも、彼らからティフィを守るとは言わないのか。
ティフィをあの国から追い出したのは、お前の家族で。
この国にいても排除しようとしているのに。
今の俺がティフィじゃないからか。
もしティフィがティフィだったとしたら、ルアン王子は守ると言ったのだろうか。
コイツが家族を優先するのなら、ティフィはシークを選んだ方が良いのではないか。
俺が傷ついた顔をしてはいけない。
傷つく権利があるのはティフィだけだ。
「お前、家族に幻想を抱き過ぎていないか?国王は息子思いの良い父親ではないし、弟はただ兄を思ってティフィと別れさせようとしているわけではないぞ」
ダンっ、とルアン王子が強くテーブルを叩いた。
冷たい沈黙がこの場を支配する。
俺の口から出た言葉は事実だ。
息子からしたらあの父親はいい父親で、弟は兄思いのいい弟に見えるのだろうけど。
それだけが彼らへの評価ではない。
「食事にしよう。腹が減っているとろくな考えが浮かばない」
レインが提案し、俺は用意していた鍋を温め直す。
「シチューか?」
この暑いのに、という言葉が続きそうだ。
部屋を涼しくしてやるから許せ。
レインの表情としては特に嫌がっている様子でもないが。
「俺、煮込み料理が好きなんだよ。城じゃ頻繁に食堂メニューになっていたから嬉しかったのに、今では自分で作らないといけないからなあ。ギルバートのビーフシチューやロールキャベツも好きだったなあ」
作るのなら、やはり自分が好きな料理になってしまうのは世の常。
たとえ、世の中がクソ暑かろうとも。
レインは俺が作った料理は何でも好きだって言ってしまうし、自分の好みを前面に出してくれるとそのメニューを作るのだが。
上手いか下手かは置いておくけど。
「ギ、ギルバートって誰?」
購入してきてくれたお惣菜を皿に盛りつけてくれるレインが慌てて手をとめて問うた。
「城の料理人、、、あ、今は料理長なのか。使用人用の食堂にも顔を出してくれる凄腕の料理人だ」
「ええっと、今まで城の使用人用の食堂を使っていたのかとツッコミたいところはあるけど、とりあえずそこは置いておく。そのギルバートとの関係は?」
「へ?顔見知りぐらいの知り合いか?食堂でも食事を受け取る際にせいぜい二、三言しか話さないぞ」
「、、、本人の自覚なしか」
レインは何が言いたい。
ギルバートは小麦色の肌に金髪の上、程好く鍛えられた体格で確かにコック服が似合って格好良いが、俺が惚れているのは食事だぞ。
確かに嫁にしたいほどの料理の腕前だが。宮廷料理も家庭料理も他国の郷土料理も何でも美味い。
が、俺は彼とは世間話もしたことないし。料理以外の話をした記憶がない。
俺、あの城に長くいるけど、人間関係が超狭いな。
魔法研究ばかりしてないで、もう少し交友関係を広げた方がいいか。
「はっ、そうだ。城から転送魔法で送ってもらおうか。グフタ国王陛下に頼めば、食事を状態保存したまま送ってもらえるっ」
「、、、いや、こっちにいる間はルチタ王国の食事を中心に楽しんだら?総菜も買ってくるし、城に戻ったら、そのギルバートの食事は毎日食べられるんだろ」
「そうだけどさー、あっちに戻ったら城を出てレインと一緒に住みたいと思っていたんだけど、レインが城の方が良いと言うのなら」
「一緒に住みたいっ」
被せ気味に強く言われました。
「レインが一緒に住んでくれるなら、家も探し甲斐があるよ」
嬉しいなー。
ニマニマと顔が笑ってしまう。
戻ったら、レインとトワイト魔法王国で新居探しか。
婆さんも一緒に住むのかな?
広い方がいいかな?
婆さんも自由に暮らしたいのなら、離れがある家を探した方がいいのかな?
「、、、貴方はレインを選ぶのか?」
イスに座ったままのルアン王子が口を開いた。
重苦しい雰囲気はそのままで。
「違うぞ。レインが俺を選んでくれたんだ」
「何が私は彼より劣る?どうして私を選んでくれない?」
ルアン王子が立ち上って俺に詰め寄ってきた。
なぜ俺にそんな質問をするのだろう。
お前はもう俺の正体がわかったクセに。
俺はティフィではないとわかっただろうに。
「俺はお前を絶対に選ばないが、ティフィはお前を選ぶ可能性はある」
「貴方はどうして」
「俺はお前らジルノア王国の王族を絶対に許さない。それがお前個人とは関係ない恨みだとしても、的外れなものだとしても譲れない。俺がお前らを選ぶことは一生ない」
そこでなぜお前が傷ついた顔をする。
お前はティフィを追って来たのに。
俺ではない。
俺ではないのだ。
そもそも、お前は俺を思い出しもしないのに。
知りもしないくせに。
「二人とも感情的になり過ぎだ。食事にしよう」
レインが料理の皿をテーブルに並べ終わっていた。
さすがだ。
けど、俺はお腹が空き過ぎて苛立っているわけじゃない。
でも、食べる。
自分で作った物は美味しい。
自分好みの味になるからだ。
けれど、誰かに用意してもらった食事も、誰かと食べる食事も美味しい。
それは長年忘れていた感情だ。
ルアン王子が尋ねてきたので、とりあえず殴っておいた。グーで。
「俺がティフィの中身でいる間はその名で呼ぶな。ティフィと呼べ」
「、、、はい」
素直でよろしい。
ルアン王子が顎を手で押さえている。
そこまで強く殴った覚えはないなあ。
ん、身体強化してたかな、魔法で。無意識って恐ろしいな。
「それに元に戻ったらお前とは赤の他人だ。隣国の王子といえども馴れ馴れしくするな、絶対に」
「それはなんとかどうにかなりませんか」
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「ジルノア王国の債務?」
「国王夫妻以外知る必要はない。国王に即位するときに枷がつけられるが、それはあの第二王子がふさわしいだろう」
「え?」
初めて聞くとばかりに、俺を見る。
そりゃそうだろうな。ジルノア王国の国王夫妻は他言できない。子供にも部下にも。
それでも彼らの犯した罪は償わなければならない。
一代で償い切れるものではない。
だが、その罪はジルノア王国の国民とは切り離して考えなければならない。
国民に彼らの責任を絶対に押しつけてはいけない。重税なんて課したらもってのほかだ。万死に値する。
偶然ながら、ティフィがこのルアン王子と結婚してルアン王子が国王に即位していたら、当然この二人も枷を負う。
ティフィにはいい迷惑だっただろう。
子供が産まれなくとも、ルアン王子の次に国王となる者もまた枷を負う。
罪が償われるまで、ずっと。
それは非常に長い期間になる。
国民に重税を課せられないのだから、当たり前だ。
国王たちは何世代にも渡って、その罪を償わなければならない。
祖先がしたことじゃないかと反故できないように、ジルノア王国の国王夫妻は枷を代々に渡って嵌められることになったのである。
「ふーん、それで決心が揺らぐか?ルアン王子殿下」
弟一人に責務を負わせられないと考えて、国に戻るのも彼の選択だ。
「だがなあ、大きな黒い箱に死体を詰めて送らせたのは、お前の可愛い弟だぞ。ティフィを貶めるために」
「、、、そうか。父か弟かとは思っていた」
ルアン王子は俯く。
それでも、彼らからティフィを守るとは言わないのか。
ティフィをあの国から追い出したのは、お前の家族で。
この国にいても排除しようとしているのに。
今の俺がティフィじゃないからか。
もしティフィがティフィだったとしたら、ルアン王子は守ると言ったのだろうか。
コイツが家族を優先するのなら、ティフィはシークを選んだ方が良いのではないか。
俺が傷ついた顔をしてはいけない。
傷つく権利があるのはティフィだけだ。
「お前、家族に幻想を抱き過ぎていないか?国王は息子思いの良い父親ではないし、弟はただ兄を思ってティフィと別れさせようとしているわけではないぞ」
ダンっ、とルアン王子が強くテーブルを叩いた。
冷たい沈黙がこの場を支配する。
俺の口から出た言葉は事実だ。
息子からしたらあの父親はいい父親で、弟は兄思いのいい弟に見えるのだろうけど。
それだけが彼らへの評価ではない。
「食事にしよう。腹が減っているとろくな考えが浮かばない」
レインが提案し、俺は用意していた鍋を温め直す。
「シチューか?」
この暑いのに、という言葉が続きそうだ。
部屋を涼しくしてやるから許せ。
レインの表情としては特に嫌がっている様子でもないが。
「俺、煮込み料理が好きなんだよ。城じゃ頻繁に食堂メニューになっていたから嬉しかったのに、今では自分で作らないといけないからなあ。ギルバートのビーフシチューやロールキャベツも好きだったなあ」
作るのなら、やはり自分が好きな料理になってしまうのは世の常。
たとえ、世の中がクソ暑かろうとも。
レインは俺が作った料理は何でも好きだって言ってしまうし、自分の好みを前面に出してくれるとそのメニューを作るのだが。
上手いか下手かは置いておくけど。
「ギ、ギルバートって誰?」
購入してきてくれたお惣菜を皿に盛りつけてくれるレインが慌てて手をとめて問うた。
「城の料理人、、、あ、今は料理長なのか。使用人用の食堂にも顔を出してくれる凄腕の料理人だ」
「ええっと、今まで城の使用人用の食堂を使っていたのかとツッコミたいところはあるけど、とりあえずそこは置いておく。そのギルバートとの関係は?」
「へ?顔見知りぐらいの知り合いか?食堂でも食事を受け取る際にせいぜい二、三言しか話さないぞ」
「、、、本人の自覚なしか」
レインは何が言いたい。
ギルバートは小麦色の肌に金髪の上、程好く鍛えられた体格で確かにコック服が似合って格好良いが、俺が惚れているのは食事だぞ。
確かに嫁にしたいほどの料理の腕前だが。宮廷料理も家庭料理も他国の郷土料理も何でも美味い。
が、俺は彼とは世間話もしたことないし。料理以外の話をした記憶がない。
俺、あの城に長くいるけど、人間関係が超狭いな。
魔法研究ばかりしてないで、もう少し交友関係を広げた方がいいか。
「はっ、そうだ。城から転送魔法で送ってもらおうか。グフタ国王陛下に頼めば、食事を状態保存したまま送ってもらえるっ」
「、、、いや、こっちにいる間はルチタ王国の食事を中心に楽しんだら?総菜も買ってくるし、城に戻ったら、そのギルバートの食事は毎日食べられるんだろ」
「そうだけどさー、あっちに戻ったら城を出てレインと一緒に住みたいと思っていたんだけど、レインが城の方が良いと言うのなら」
「一緒に住みたいっ」
被せ気味に強く言われました。
「レインが一緒に住んでくれるなら、家も探し甲斐があるよ」
嬉しいなー。
ニマニマと顔が笑ってしまう。
戻ったら、レインとトワイト魔法王国で新居探しか。
婆さんも一緒に住むのかな?
広い方がいいかな?
婆さんも自由に暮らしたいのなら、離れがある家を探した方がいいのかな?
「、、、貴方はレインを選ぶのか?」
イスに座ったままのルアン王子が口を開いた。
重苦しい雰囲気はそのままで。
「違うぞ。レインが俺を選んでくれたんだ」
「何が私は彼より劣る?どうして私を選んでくれない?」
ルアン王子が立ち上って俺に詰め寄ってきた。
なぜ俺にそんな質問をするのだろう。
お前はもう俺の正体がわかったクセに。
俺はティフィではないとわかっただろうに。
「俺はお前を絶対に選ばないが、ティフィはお前を選ぶ可能性はある」
「貴方はどうして」
「俺はお前らジルノア王国の王族を絶対に許さない。それがお前個人とは関係ない恨みだとしても、的外れなものだとしても譲れない。俺がお前らを選ぶことは一生ない」
そこでなぜお前が傷ついた顔をする。
お前はティフィを追って来たのに。
俺ではない。
俺ではないのだ。
そもそも、お前は俺を思い出しもしないのに。
知りもしないくせに。
「二人とも感情的になり過ぎだ。食事にしよう」
レインが料理の皿をテーブルに並べ終わっていた。
さすがだ。
けど、俺はお腹が空き過ぎて苛立っているわけじゃない。
でも、食べる。
自分で作った物は美味しい。
自分好みの味になるからだ。
けれど、誰かに用意してもらった食事も、誰かと食べる食事も美味しい。
それは長年忘れていた感情だ。
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