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第1章 突然の
1-18 惚れるなよ ◆レイン視点◆
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◆レイン視点◆
婆さんがトワイト魔法王国に行くにあたって準備しておいた方が良いものを、ティフィが紙に書いている。
必要な物は向こうでも買えるが、国を跨いで行くので国籍証明等も必要だ。
婆さんも魔導士だから、平民であっても書類を集めるのは楽な方だ。
「その間にお茶でもいれてくるよ」
婆さんが部屋から出ていった。
俺もついていく。
狭い台所でヤカンを火にかける。
「婆さん、」
「、、、お前さんはあの薬屋の中身が誰だか知っているのか?」
「ズィー・エルレガ、トワイト魔法王国の魔導士序列六位。本人は隠したがっているようだから、名前は呼ばないように」
「そりゃ、呼ばない方がいい。お近づきになりたい馬鹿が群がることになる。あの姿の間はティフィか薬屋と呼んでいれば問題ないだろ」
俺は頷く。
トワイト魔法王国魔導士序列六位、人族最高峰の魔導士である。
婆さんだって知っている。
この世界を魔王から救った男だ。
婆さんもまた、孤児を大勢育てるために無理解な者たちから辛酸をなめることも多かったという。
だからこそ、他人を食い物にする輩もまた数多く見てきた。
ほんの一瞬だけ、婆さんに彼の名を言うのを躊躇った。
だが、婆さんなら誰に教えてもいいのか分別はつくはずだ。
「なるほど、アレが六位か」
婆さんがほんの少し微笑む。
「ティフィなら良いが、あの人には惚れるなよ」
「、、、いい男だよなあー。私がもう少し若ければつかまえて離さなかったのに」
もう少しくらいじゃまだまだ婆さんだ。
かなり若くしなければ、俺に対抗できないぞ。
別にズィーは熟女好きってわけでもなさそうだしっ。
俺を見て、婆さんの顔が緩む。
「お前が毎晩通っているのは、あの人のところか」
「そうだ」
嘘を言っても仕方ないので、正直に言う。
それに、ティフィの中身が違うことも婆さんにはわかっているのだから。
「ガワはティフィなのに、あそこまで別人に見えるのも珍しい。双子だったのかとさえ思えるな」
ティフィの中身が別人ということに、あっさりと気づかれるズィー。
少し、彼と関わるだけで、それはわかってしまう。
彼は普通に行動しているだけなのだが、ティフィのように他人に対して高圧的な態度をとることがない。
彼の場合は対等を重んじている気がする。
それだけでも、随分違う。
「注意しな、レイン」
「急に何だ?」
「ティフィはあの顔があるだけでモテる。だが、この界隈でもあの性格から観賞用だと言われている。薬が必要なときは仕方ないが、直接関わり合うのは必要最小限が望ましいとも」
ある意味ひどい話だ。
「だがしかし、あの顔に、好ましいと思う性格がついてきたとしたら?」
「ヤバいことはわかっている」
ギットの件もあるし。
まさか、ギットも中身が別人だと気づいているのか?
怪しいな。
探りを入れておくか。
「それに、新薬か」
ヤカンのお湯が沸いて、婆さんがお茶をいれる。
婆さんが腰に手を当てる。
なんとなく言いたいことがわかった。
ズィーが腰痛を魔法で治したということ。
婆さんは気づいていたとしても、言葉にしない。
長年、血はつながっていないが母親として慕って見ていたのだからわかる。
それに万能薬とか若返りの薬とかいうものでなければ、治療魔法は薬より遥かに高額だ。
それを婆さんにも俺にも請求しなかった。
「いい男だな」
「いい男だろ」
「お前にはもったいないと言いたいところだが、逃がしたら大後悔するぞっ、しっかり離さずつかんでおけ、レインっ」
そりゃそうだ。
大後悔どころの騒ぎではない。
あの人が名前を呼んでくれるだけで嬉しい。
けれど。
ほんの少し、チリッ、としたものが胸をかすめる。
ティフィの肉体だから、というのはわかるが、彼が他の者たちにまでカラダを許す必要があるのか。
本当は他の誰にも触れさせないでほしい。
元のカラダに戻ったら、独占させてくれるだろうか。
俺だけを愛してくれるだろうか。
そもそも、俺を見てくれるのだろうか。
こんな国で出会ってしまったから、他に頼る者もいないから、協力を求められたのではないか。
この偶然を運命だと言えるほど俺の頭はめでたくない。
こんなにも独占欲の塊になるとは思わなかった。
貴方を閉じ込めてしまいたいと思ってしまうほどに。
それは不可能なことだ。
そんなこと、痛いほどわかっている。
魔法で彼には敵わないということに。
彼が本気になれば、俺などどうにでもなる。
それでも、貴方に恋い焦がれる。
貴方とともに生きていきたい。
貴方のそばにいながら、貴方はそこにはいないのだから。
それに、トワイト魔法王国の聖騎士で良かったと都合よく思ってしまう。
貴方が帰る場所もトワイト魔法王国だから。
婆さんに正体がバレたのがわかったのか、ズィーは魔法を使っているのを隠そうともしなくなった。
「ティフィ、さすがにどうかと思うぞ」
婆さんが多少呆けた声を出した。
「さすがに婆さんが襲われたら、この家は薬屋から少々遠い。後手後手にまわるより、対処していた方が効率いいだろ」
と言って、防御魔法の魔法陣が床や壁、天井等あちらこちらに消えていった。
コレもトワイト魔法王国の国王に請求書つきつけるんですかね?
「私だって最低限の防御魔法は使える」
「うん」
彼はティフィの目で、婆さんを見た。それだけだった。
「はいはい、老婆は若い者に従えばいいんでしょー」
「不貞腐れるな。最低限の防御魔法では太刀打ちできない者の方がこの世には多いだけだ。人質になったら生きていないものと思え」
「人質というのは生きているから意味があるのでは?」
俺は尋ねた。
俺に対する人質ということになる。
確かに人質を殺害しておきながら生きていると思わせて交渉する、ということはあり得るが。
「ジニア聖教国は生易しいことをしない。人質は生きていても洗脳されるか、拷問されるかだ。生きていてもろくなことにならない」
「うっ」
ズィーの指摘に、ジニア聖教国が後ろ暗い国だということを今さらながら思い出す。
五年も離れていたから危機感が失われていた。
聖騎士ですら殺すのだから、一般人をどうしようと心を痛める者たちではない。
彼らは神の名の下に何でもしてしまう。
神にすべてを許されていると勘違いして。
「ところで、ティフィはそういう知識を知らないんじゃないか」
「、、、それもそうだが、お前と婆さんは知っておいた方がいい。狙われるのは不特定多数だというときもある」
それを考えてしまうと、婆さんが育てた子供全員の他にその家族まで対象を広げなくてはならない。
どれだけ守ろうとしても守りきれるものではない。
だからこそ、俺は婆さんだけをトワイト魔法王国へ連れて行くことを望んだ。
ズィーが首を横に小さく振った。
「いや、違う。不特定多数というのは、この街全体のこともあり得るということだ」
客観的に冷静な意見だ。
ジニア聖教国は簡単にそういうことをする。
盛大な嫌がらせをする国である。
「ま、そのときはトワイト魔法王国に動いてもらおう」
「国が動いてくれるのか。私の面倒もみてくれるし、至れり尽くせりじゃないか。すばらしいっ」
婆さんがからかうように笑いながら言った。
「トワイト魔法王国の聖騎士にはその価値がある」
ズィーが真顔で言い切った。
言い切ったからこそ、心が痛い。
それはトワイト魔法王国の話だとわかっているのに。
俺の価値はトワイト魔法王国の聖騎士だから、とズィーに言われた気がした。
もしトワイト魔法王国の聖騎士でなければ。
ズィーは俺のことなんか、どうでもいいのだろうか。
婆さんがトワイト魔法王国に行くにあたって準備しておいた方が良いものを、ティフィが紙に書いている。
必要な物は向こうでも買えるが、国を跨いで行くので国籍証明等も必要だ。
婆さんも魔導士だから、平民であっても書類を集めるのは楽な方だ。
「その間にお茶でもいれてくるよ」
婆さんが部屋から出ていった。
俺もついていく。
狭い台所でヤカンを火にかける。
「婆さん、」
「、、、お前さんはあの薬屋の中身が誰だか知っているのか?」
「ズィー・エルレガ、トワイト魔法王国の魔導士序列六位。本人は隠したがっているようだから、名前は呼ばないように」
「そりゃ、呼ばない方がいい。お近づきになりたい馬鹿が群がることになる。あの姿の間はティフィか薬屋と呼んでいれば問題ないだろ」
俺は頷く。
トワイト魔法王国魔導士序列六位、人族最高峰の魔導士である。
婆さんだって知っている。
この世界を魔王から救った男だ。
婆さんもまた、孤児を大勢育てるために無理解な者たちから辛酸をなめることも多かったという。
だからこそ、他人を食い物にする輩もまた数多く見てきた。
ほんの一瞬だけ、婆さんに彼の名を言うのを躊躇った。
だが、婆さんなら誰に教えてもいいのか分別はつくはずだ。
「なるほど、アレが六位か」
婆さんがほんの少し微笑む。
「ティフィなら良いが、あの人には惚れるなよ」
「、、、いい男だよなあー。私がもう少し若ければつかまえて離さなかったのに」
もう少しくらいじゃまだまだ婆さんだ。
かなり若くしなければ、俺に対抗できないぞ。
別にズィーは熟女好きってわけでもなさそうだしっ。
俺を見て、婆さんの顔が緩む。
「お前が毎晩通っているのは、あの人のところか」
「そうだ」
嘘を言っても仕方ないので、正直に言う。
それに、ティフィの中身が違うことも婆さんにはわかっているのだから。
「ガワはティフィなのに、あそこまで別人に見えるのも珍しい。双子だったのかとさえ思えるな」
ティフィの中身が別人ということに、あっさりと気づかれるズィー。
少し、彼と関わるだけで、それはわかってしまう。
彼は普通に行動しているだけなのだが、ティフィのように他人に対して高圧的な態度をとることがない。
彼の場合は対等を重んじている気がする。
それだけでも、随分違う。
「注意しな、レイン」
「急に何だ?」
「ティフィはあの顔があるだけでモテる。だが、この界隈でもあの性格から観賞用だと言われている。薬が必要なときは仕方ないが、直接関わり合うのは必要最小限が望ましいとも」
ある意味ひどい話だ。
「だがしかし、あの顔に、好ましいと思う性格がついてきたとしたら?」
「ヤバいことはわかっている」
ギットの件もあるし。
まさか、ギットも中身が別人だと気づいているのか?
怪しいな。
探りを入れておくか。
「それに、新薬か」
ヤカンのお湯が沸いて、婆さんがお茶をいれる。
婆さんが腰に手を当てる。
なんとなく言いたいことがわかった。
ズィーが腰痛を魔法で治したということ。
婆さんは気づいていたとしても、言葉にしない。
長年、血はつながっていないが母親として慕って見ていたのだからわかる。
それに万能薬とか若返りの薬とかいうものでなければ、治療魔法は薬より遥かに高額だ。
それを婆さんにも俺にも請求しなかった。
「いい男だな」
「いい男だろ」
「お前にはもったいないと言いたいところだが、逃がしたら大後悔するぞっ、しっかり離さずつかんでおけ、レインっ」
そりゃそうだ。
大後悔どころの騒ぎではない。
あの人が名前を呼んでくれるだけで嬉しい。
けれど。
ほんの少し、チリッ、としたものが胸をかすめる。
ティフィの肉体だから、というのはわかるが、彼が他の者たちにまでカラダを許す必要があるのか。
本当は他の誰にも触れさせないでほしい。
元のカラダに戻ったら、独占させてくれるだろうか。
俺だけを愛してくれるだろうか。
そもそも、俺を見てくれるのだろうか。
こんな国で出会ってしまったから、他に頼る者もいないから、協力を求められたのではないか。
この偶然を運命だと言えるほど俺の頭はめでたくない。
こんなにも独占欲の塊になるとは思わなかった。
貴方を閉じ込めてしまいたいと思ってしまうほどに。
それは不可能なことだ。
そんなこと、痛いほどわかっている。
魔法で彼には敵わないということに。
彼が本気になれば、俺などどうにでもなる。
それでも、貴方に恋い焦がれる。
貴方とともに生きていきたい。
貴方のそばにいながら、貴方はそこにはいないのだから。
それに、トワイト魔法王国の聖騎士で良かったと都合よく思ってしまう。
貴方が帰る場所もトワイト魔法王国だから。
婆さんに正体がバレたのがわかったのか、ズィーは魔法を使っているのを隠そうともしなくなった。
「ティフィ、さすがにどうかと思うぞ」
婆さんが多少呆けた声を出した。
「さすがに婆さんが襲われたら、この家は薬屋から少々遠い。後手後手にまわるより、対処していた方が効率いいだろ」
と言って、防御魔法の魔法陣が床や壁、天井等あちらこちらに消えていった。
コレもトワイト魔法王国の国王に請求書つきつけるんですかね?
「私だって最低限の防御魔法は使える」
「うん」
彼はティフィの目で、婆さんを見た。それだけだった。
「はいはい、老婆は若い者に従えばいいんでしょー」
「不貞腐れるな。最低限の防御魔法では太刀打ちできない者の方がこの世には多いだけだ。人質になったら生きていないものと思え」
「人質というのは生きているから意味があるのでは?」
俺は尋ねた。
俺に対する人質ということになる。
確かに人質を殺害しておきながら生きていると思わせて交渉する、ということはあり得るが。
「ジニア聖教国は生易しいことをしない。人質は生きていても洗脳されるか、拷問されるかだ。生きていてもろくなことにならない」
「うっ」
ズィーの指摘に、ジニア聖教国が後ろ暗い国だということを今さらながら思い出す。
五年も離れていたから危機感が失われていた。
聖騎士ですら殺すのだから、一般人をどうしようと心を痛める者たちではない。
彼らは神の名の下に何でもしてしまう。
神にすべてを許されていると勘違いして。
「ところで、ティフィはそういう知識を知らないんじゃないか」
「、、、それもそうだが、お前と婆さんは知っておいた方がいい。狙われるのは不特定多数だというときもある」
それを考えてしまうと、婆さんが育てた子供全員の他にその家族まで対象を広げなくてはならない。
どれだけ守ろうとしても守りきれるものではない。
だからこそ、俺は婆さんだけをトワイト魔法王国へ連れて行くことを望んだ。
ズィーが首を横に小さく振った。
「いや、違う。不特定多数というのは、この街全体のこともあり得るということだ」
客観的に冷静な意見だ。
ジニア聖教国は簡単にそういうことをする。
盛大な嫌がらせをする国である。
「ま、そのときはトワイト魔法王国に動いてもらおう」
「国が動いてくれるのか。私の面倒もみてくれるし、至れり尽くせりじゃないか。すばらしいっ」
婆さんがからかうように笑いながら言った。
「トワイト魔法王国の聖騎士にはその価値がある」
ズィーが真顔で言い切った。
言い切ったからこそ、心が痛い。
それはトワイト魔法王国の話だとわかっているのに。
俺の価値はトワイト魔法王国の聖騎士だから、とズィーに言われた気がした。
もしトワイト魔法王国の聖騎士でなければ。
ズィーは俺のことなんか、どうでもいいのだろうか。
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