【ルーズに愛して】私の身体を濡らせたら

深冬 芽以

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【番外編】最後の夜、最初の夜

最初の夜 -3

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「カッコわる……」

 駿介がか細い声で呟く。

「いつまでも落ち込んでる方がカッコ悪いよ」

「……」

「私と駿介、逆だったら駿介は私を嫌いになる?」

 彼がふるふると首を振る。

「けど――」

「――そういうのなし! ほら、一緒に寝よう?」

「まいぃ……」

 弱った声で私を呼ぶと、駿介がベッドに横たわり、私の太腿に顔を突っ伏した。両手でしっかりと腰を抱かれる。

 乾いた彼の髪に指を絡めながら、頭を撫でる。

「嫌いにならないで……」

「ならないよ」

「ウイスキーが飲めなくても?」

「うん」

「酔っぱらって吐いても?」

「うん」

「絶対?」

「うん」

「けど、初夜だったのに……」

 私の膝の上で弱音を吐く駿介が、可愛くて堪らなくて、私の中のSっ気がムクムクと顔を出す。

「じゃあ、私が抱いてあげる」

 髪に触れていた手で耳朶を撫で、反対の手を彼のバスローブの中に滑らせる。

「気分が悪いならやめるよ?」

「……」

 私は滑らかな彼の胸を撫で、小さく尖った乳首を指で弾いた。

 彼の、私の腰を抱く手に力がこもる。

 指の腹で撫でたり、摘まんだり、いつもは私がされていることをする。

「気持ちいい?」

 頷く代わりに、駿介が顔を伏せたまま私の腰ひもを引っ張った。バスローブの合わせ目が緩む。

 彼が顔を上げて、私の胸に唇を寄せた。

「ダメ」

 駿介が私を見上げる。

「なんで?」

「私が駿介を抱くの」

「俺も触れたい」

「だーめ」

 私は身体を離すと、彼の肩をベッドに押し付けた。

「そのまま寝てもいいよ?」

 そう言って、彼の足元に座り直す。

 腰から下だけバスローブを広げて、本人同様に疲れ切って横たわるモノを指で突いた。

「眠っちゃっても、おっきくなる?」

「なる……かな」

「じゃあ、眠ったままセックスできるか試してみようか」

「寝てられないよ」

「どうかな?」

 私は彼の片膝を立てると、足の間にうつ伏せになった。

 目の前のモノに息を吹きかけ、指でなぞる。

 小さく跳ねたり、ちょっとずつ硬くなっていくのが可愛い。

 片手で握ると、一気に大きくなった。

 舌先で裏筋を舐め上げると、更に硬くなる。

「陸に何か言われたの?」

 舐めたり息を吹きかけたりしながら、聞いた。

「なに……を……?」

 甘ったるい彼の声が、私の下腹部を疼かせる。

「ウイスキー飲んだのって、陸のせいでしょう?」

「……」

 駿介が顔の上で腕をクロスさせたから、その表情は見えない。

 先端から口に含み、吸い付きながら引き抜いた。

 これを繰り返すと彼がいつもより早く達してしまうことは、わかっている。

「ここで止めていい?」

「いじわ……るだ」

「教えてくれたら、口でイかせてあげる」

 もう一度、口に含み、吸い付きながら引き抜いた。

 駿介の腰が力むのがわかった。

「ビールで酒の味を知ってる気になってるようじゃ、お子様……だ……って」

「それでウイスキー?」

「あの人には……負けたくない」

「バカだねぇ」

 今度は舌の腹で裏筋を大きく舐め上げた。先端の膨らみに吸い付くと、トロッと蜜が溢れる。

「だ……って、あの人、格好いいじゃん。背が高くて、海外で働いてて、今日だ……って、スーツ姿がキマッてて……。俺の友達も、騒いでた……し……」

 口を離し、手で扱く。

「七年前からそうだったわけじゃないと思うよ?」

「……?」

「それに、あんまり格好良くなられると、心配なんだけどな」

 溢れる蜜で手がベトベトだ。

 きっと、そろそろイキそうなんだとわかった。

「気持ちいい?」

「いい……っ!」

「イキそ?」

「うんっ……!!」

 手で顔を覆ったまま、駿介がコクコクと頷く。

「まいっ! まいっっ――!!」

 縋るように名前を呼ばれて、胸の奥と下腹部が同時にキュウッと切なくなる。

 私は限界まで彼を口に含むと、吸い付きながら、裏筋に舌を押し付けながら引き抜いた。

 繰り返す。
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