【ルーズに愛して】私の身体を濡らせたら

深冬 芽以

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18.私の身体が濡れたから

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「ねぇ、気持ちいい?」

「きも……ちい――」

「――聞こえないよ?」

「気持ちいい!」

 やけくそのように言い放つと、指の動きはそのままに、再び彼が滑り始めた。

「ああっ、締まる――!」

「ダメッ、あっ! もうっ、ダ――」

 瞼の裏が白くなり、きゅっと背を丸めると腹筋が痙攣した。

 同時に、駿介が最奥で膜越しに熱を吐き出す。

 お互いに肩を上下させて浅い呼吸を繰り返しながら、きつく抱き合っていた。

「くそっ――!」

 彼が乾いた声を絞り出す。

 最近、毎回だ。

 起き上がって、私の膣内から抜き出ると、ゴムを処理する。そして、これも最近はよく聞く一言。

「麻衣、もうフェラ禁止!」

 私も身体を起こし、一時間ほど前まで着ていたパーカーに腕を通す。

「また、そんなこと言って――」

「――マジでっ! 最近、こんなんばっかで――」

「――気持ち良くないの?」

「良過ぎなの!」

「じゃあ、いいじゃない」

 ムキになる彼をベッドに置き去りにして、私はキッチンに水を取りに行く。その後を、駿介が真っ裸でついてくる。 

「良くない! 俺だって麻衣を気持ち良くしたいのに――」

「――気持ちいいよ?」

れる前の話! 俺だって触りたい! 舐めたい!!」

 あまりに明け透けな物言いに、私は思わず声を出して笑った。

 自分のS気質に気づいてから、私はセックスの度に駿介をギリギリまで攻め立てる。私で気持ち良く息を上げる駿介を見るのが楽しくて。で、そのまま挿入。しかも、限界が近い駿介は、彼基準で言えば超特急でイッてしまうらしく、終わってから毎回クレームをつけられる。

 冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出し、半分ほど飲んで渡すと、彼は一瞬で飲み干した。

「もう一回!」

「水?」

「違う!」

「そんなにムキにならなくても――」

 言い終わる前に、彼に腰を抱かれて、ベッドに逆戻り。

「次は俺の番ね」

 パーカーのファスナーを胸の下まで下ろされ、肩から生地が滑り落ちる。腕を抜こうとしたら、ファスナーを上げられた。私の両腕が真横で固定される。肌に食い込むほどではないが、ファスナーが縄のように私の自由を奪った。

「動いたら傷つくから、動かないでね」

 そう言った駿介は、先ほど、私がしていたようにベッドの下で膝たちになり、正面に座る私の足を大きく開かせた。膝裏を持ち上げて、ベッドの上に足を載せさせる。

「ちょ――」

 見せつけるように赤く湿った舌先を出すと、私の目を見たまま茂みに隠れた膨らみに触れた。

「ひゃあっ!」

 さっき飲んだ、冷えたミネラルウォーターのせいで、舌が冷たい。それが、いつも以上の刺激となって、私は思わず腰を引いた。

「三回イッたら挿れてあげるね?」



 嘘――――っ!



 結局、私は攻め立てた以上に攻め立てられ、泣きながらおねだりする羽目になった。
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