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17.濡れる身体、溺れる心
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「痛い?」
彼の心配そうな声に、涙を止めなければと思うのに、出来ない。首を振るのが精いっぱい。
「ううっ……」
「ごめん、いきなりだったから――」と、駿介が僅かに腰を引いた。
私は彼の腕を掴み、ついでに両足を彼の腰で交差させて、出て行ってしまわないようにしがみついた。
「麻衣?」
「ちがっ――。う、嬉しくて……」
「痛くない?」
誤解されないように、大きく頷く。何度も。
「本当に?」
さらに、頷く。
「良かった……」と、駿介がギュッと私を抱き締めた。
「しゅ、駿介は、痛くない? わ、私、ちゃんと濡れてる?」
声が、震える。
涙が、止まらない。
膣内にピタリと納まる駿介の猛りが、僅かに跳ねた。
「痛くない。気持ちいい。めちゃくちゃ、嬉しい――っ!」
「わたし……も」
駿介と、繋がれた……。
「好きだよ、麻衣」
「うん」
「愛してるよ」
「う……ん」
「もう、絶対放さない――!」
その後はもう、はちゃめちゃだった。
何度か激しく突き揺らされて、イキそうないいところでゴムをしていないことを思い出して中断。駿介は焦ってベッドから落ちちゃうし、ゴムの箱で指を切るしで、甘い雰囲気が台無し。
それでも、私も駿介もちゃんとイケた。
私は気にならなかったけれど、駿介的にはイクのが早かったらしく、「久し振りだったから」とか「麻衣が扱きまくったから」とか必死に言い訳をしていた。私が思わず笑ってしまったことにムッとして、休憩もそこそこに二回目に突入で、今度は私には一切させてくれず、ひたすらに蕩かされて、イカされて、駿介が満足するころにはすっかり夜になっていて、私の声はガラガラで、腰はくたくただった。
汗やらナニやらでシーツはベトベトで、二人でシーツを剥がして洗濯機に放り込み、二人でお風呂に入って、シたがる駿介を説得し、昼の残りのコンビニ弁当を食べて、二人で新しいシーツを敷いた。
楽しくて、幸せで、嬉しくて、幸せな時間。
狭いベッドで抱き合って眠った。何度もキスをして、「好きだよ」って言い合って。
外は雪が降り続き、交通機関が混乱し、除雪作業が追い付かなくて大変だったと知ったのは翌日のお昼。
「帰りたくないな……」と、駿介が窓の外を眺めて言った。
うちのアパートの前の道路は、歩道までちゃんと除雪が入っていて、向いの公園ではスノージャンパーを着こんだ子供たちがかまくら作りをしていた。付き添っている親は足踏みしたり、両手を擦り合わせたりして、寒そうだ。
「帰って欲しくないな」と、私は彼の背中に抱きついた。
今までの私なら、そう思っていたとしても言わなかった。
明日は仕事なんだから仕方がない、って真っ当なことを可愛げなく言っていたと思う。
だけど、それでも、言葉にすることで、駿介と同じ想いを抱えていると伝えたかった。
「仕事……だもんな」と、駿介がいじけた声で言った。
「サボッちゃおうか」と、私は悪魔の囁きを口にした。
「そんな気ないくせに」と、駿介がちょっと投げやりに言った。
ブーちゃんが死んじゃって悲しい、いなくなった千尋が心配、陸の気持ちにちゃんと断れていない。
思うこと、考えることはたくさんあったけれど、今は駿介の愛に溺れていたかった。
彼の心配そうな声に、涙を止めなければと思うのに、出来ない。首を振るのが精いっぱい。
「ううっ……」
「ごめん、いきなりだったから――」と、駿介が僅かに腰を引いた。
私は彼の腕を掴み、ついでに両足を彼の腰で交差させて、出て行ってしまわないようにしがみついた。
「麻衣?」
「ちがっ――。う、嬉しくて……」
「痛くない?」
誤解されないように、大きく頷く。何度も。
「本当に?」
さらに、頷く。
「良かった……」と、駿介がギュッと私を抱き締めた。
「しゅ、駿介は、痛くない? わ、私、ちゃんと濡れてる?」
声が、震える。
涙が、止まらない。
膣内にピタリと納まる駿介の猛りが、僅かに跳ねた。
「痛くない。気持ちいい。めちゃくちゃ、嬉しい――っ!」
「わたし……も」
駿介と、繋がれた……。
「好きだよ、麻衣」
「うん」
「愛してるよ」
「う……ん」
「もう、絶対放さない――!」
その後はもう、はちゃめちゃだった。
何度か激しく突き揺らされて、イキそうないいところでゴムをしていないことを思い出して中断。駿介は焦ってベッドから落ちちゃうし、ゴムの箱で指を切るしで、甘い雰囲気が台無し。
それでも、私も駿介もちゃんとイケた。
私は気にならなかったけれど、駿介的にはイクのが早かったらしく、「久し振りだったから」とか「麻衣が扱きまくったから」とか必死に言い訳をしていた。私が思わず笑ってしまったことにムッとして、休憩もそこそこに二回目に突入で、今度は私には一切させてくれず、ひたすらに蕩かされて、イカされて、駿介が満足するころにはすっかり夜になっていて、私の声はガラガラで、腰はくたくただった。
汗やらナニやらでシーツはベトベトで、二人でシーツを剥がして洗濯機に放り込み、二人でお風呂に入って、シたがる駿介を説得し、昼の残りのコンビニ弁当を食べて、二人で新しいシーツを敷いた。
楽しくて、幸せで、嬉しくて、幸せな時間。
狭いベッドで抱き合って眠った。何度もキスをして、「好きだよ」って言い合って。
外は雪が降り続き、交通機関が混乱し、除雪作業が追い付かなくて大変だったと知ったのは翌日のお昼。
「帰りたくないな……」と、駿介が窓の外を眺めて言った。
うちのアパートの前の道路は、歩道までちゃんと除雪が入っていて、向いの公園ではスノージャンパーを着こんだ子供たちがかまくら作りをしていた。付き添っている親は足踏みしたり、両手を擦り合わせたりして、寒そうだ。
「帰って欲しくないな」と、私は彼の背中に抱きついた。
今までの私なら、そう思っていたとしても言わなかった。
明日は仕事なんだから仕方がない、って真っ当なことを可愛げなく言っていたと思う。
だけど、それでも、言葉にすることで、駿介と同じ想いを抱えていると伝えたかった。
「仕事……だもんな」と、駿介がいじけた声で言った。
「サボッちゃおうか」と、私は悪魔の囁きを口にした。
「そんな気ないくせに」と、駿介がちょっと投げやりに言った。
ブーちゃんが死んじゃって悲しい、いなくなった千尋が心配、陸の気持ちにちゃんと断れていない。
思うこと、考えることはたくさんあったけれど、今は駿介の愛に溺れていたかった。
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