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6.女子会
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私はアイスティー、さなえはカフェオレを持ってテーブルに戻る。今度は千尋が席を立った。
「あきら、飲み物いいの?」
「千尋に頼んだ」
「そっか」
すぐに、千尋がアイスコーヒーのグラスを二つ、持って戻ってきた。
「それで? 鶴本くんもやっぱり大きい方が好きだって?」
「え?」
千尋がにやにやしながら、私の胸を見た。
淡いピンクのニットは胸が強調されるからあまり着ていなかったけれど、今日は女子会だしいいかなと思った。あんまりしまっておくと、傷んでしまう。
何となく、明るい色の服を着たい気分だったのは、鶴本くんが理由じゃない。
「千尋。顔がエロおやじみたいになってる」と、あきらがスパッと言った。
「ひどっ!」
「いいじゃない。大抵の男は大きい方が好きだろうし? 胸が好き、じゃなくて、胸も好き、なら問題ないよ」
さなえが飲み物と一緒に持って来たゼリーをちゅるんとすすった。
「それに、子供を産んだらしぼんじゃうんだから、綺麗なうちに堪能してもらったらいいよ」
私たち三人は、顔を見合わせた。
この前といい、今といい、どうもさなえらしくない。
「ねぇ、さなえ」
私とあきらが言葉を選んでいる間に、千尋が切り出した。こういう時は、やっぱり千尋だ。
「大和のこと、怒ってるの?」
「なんで?」
「この前の飲み会、さなえが帰った後に大和から話を聞いたけど、悩みっていうかストレス溜まってたりしない?」
「……そんなこと……」
さなえが目を伏せる。
「大和、さなえが隠れて泣いてたの、こたえたみたいよ」と、あきらが言った。
その声は、優しい。
「さなえに色々我慢させてるんじゃないかって、気にしてたよ」と、私。
「たまには愚痴を言って、家事ボイコットしてやったらいいんだよ」と、千尋。
さなえの肩が小刻みに震え、泣いているような気がした。
「さなえ?」
「大斗を妊娠してから……シてないの……」
グズッと、さなえが鼻をすすった。
「もうずっと、キスも――」
「え!?」
大学時代の大和とさなえは、仲が良かった。見てる私たちが恥ずかしくなるくらい、いつもひっついていた。
私は、さなえが羨ましかった。
そういう印象が強すぎて、いつまでも変わらない関係なんてないとわかっていても、驚いた。
私はバッグからミニタオルを取り出し、さなえに手渡した。さなえがそれで涙を拭う。
「大和から誘われたりしないの?」
日曜のランチタイムに堂々と話せることではなく、千尋は少し小声で聞いた。
さなえが無言で首を振る。
「さなえからは?」
首を振る。
「寝室は? 一緒?」と、あきらが聞いた。
首を振る。
「大斗の夜泣きとか、私以外を受け付けない時期があって、寝室を別にしたの。それから、ずっと別で……」
「え!? そうなの?」と、思わず声を弾ませてしまった。
「最近の夫婦には多いみたいよ? 寝室を別にして、戻せないままレスになるって」
さなえは興味津々に聞いている。
「あきら、飲み物いいの?」
「千尋に頼んだ」
「そっか」
すぐに、千尋がアイスコーヒーのグラスを二つ、持って戻ってきた。
「それで? 鶴本くんもやっぱり大きい方が好きだって?」
「え?」
千尋がにやにやしながら、私の胸を見た。
淡いピンクのニットは胸が強調されるからあまり着ていなかったけれど、今日は女子会だしいいかなと思った。あんまりしまっておくと、傷んでしまう。
何となく、明るい色の服を着たい気分だったのは、鶴本くんが理由じゃない。
「千尋。顔がエロおやじみたいになってる」と、あきらがスパッと言った。
「ひどっ!」
「いいじゃない。大抵の男は大きい方が好きだろうし? 胸が好き、じゃなくて、胸も好き、なら問題ないよ」
さなえが飲み物と一緒に持って来たゼリーをちゅるんとすすった。
「それに、子供を産んだらしぼんじゃうんだから、綺麗なうちに堪能してもらったらいいよ」
私たち三人は、顔を見合わせた。
この前といい、今といい、どうもさなえらしくない。
「ねぇ、さなえ」
私とあきらが言葉を選んでいる間に、千尋が切り出した。こういう時は、やっぱり千尋だ。
「大和のこと、怒ってるの?」
「なんで?」
「この前の飲み会、さなえが帰った後に大和から話を聞いたけど、悩みっていうかストレス溜まってたりしない?」
「……そんなこと……」
さなえが目を伏せる。
「大和、さなえが隠れて泣いてたの、こたえたみたいよ」と、あきらが言った。
その声は、優しい。
「さなえに色々我慢させてるんじゃないかって、気にしてたよ」と、私。
「たまには愚痴を言って、家事ボイコットしてやったらいいんだよ」と、千尋。
さなえの肩が小刻みに震え、泣いているような気がした。
「さなえ?」
「大斗を妊娠してから……シてないの……」
グズッと、さなえが鼻をすすった。
「もうずっと、キスも――」
「え!?」
大学時代の大和とさなえは、仲が良かった。見てる私たちが恥ずかしくなるくらい、いつもひっついていた。
私は、さなえが羨ましかった。
そういう印象が強すぎて、いつまでも変わらない関係なんてないとわかっていても、驚いた。
私はバッグからミニタオルを取り出し、さなえに手渡した。さなえがそれで涙を拭う。
「大和から誘われたりしないの?」
日曜のランチタイムに堂々と話せることではなく、千尋は少し小声で聞いた。
さなえが無言で首を振る。
「さなえからは?」
首を振る。
「寝室は? 一緒?」と、あきらが聞いた。
首を振る。
「大斗の夜泣きとか、私以外を受け付けない時期があって、寝室を別にしたの。それから、ずっと別で……」
「え!? そうなの?」と、思わず声を弾ませてしまった。
「最近の夫婦には多いみたいよ? 寝室を別にして、戻せないままレスになるって」
さなえは興味津々に聞いている。
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