【ルーズに愛して】私の身体を濡らせたら

深冬 芽以

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5.濡れない身体

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 私は竿を握る両手を組み、両方の親指を裏筋に添えて、動かした。

「それっ――! ヤ――!!」

 鶴本くんが私の手を掴んで、腰を突き上げると、コンドームの先端が水風船のように膨らみ、彼の腰が数回跳ねた。硬いモノがドクドクと脈打ち、ほんの少し柔らかくなった。

 鶴本くんは目を閉じて、浅い呼吸を繰り返す。

 こんなこと、頼まれて、せがまれて、仕方なくするものだと思ってた。

 自分から、男の人の感じてる顔見たさに、声聞きたさにするなんて、考えたこともなかった。

「麻衣さん。上手すぎてムカつく」

 鶴本くんがテーブルの上のティッシュの箱に手を伸ばす。が、ベッドに座ったままでは届かない。

 私がベッドから降りて取った。

 鶴本くんがゴムを外してティッシュにくるんだ。私はそれを見ないようにして、立ち上がった。

 けれど、鶴本くんに腕を掴まれて、またベッドの上に逆戻り。

「俺の握って、感じた?」

 今度は鶴本くんが私の上に圧し掛かり、私はあえなく押し倒された。

「なにす――」

 両足首を掴まれて、ガバッと広げられた。

「やめて!」

「俺のも見たんだから、見せてよ」

「やだっ!」

 私は太腿に力を入れて足を閉じようと頑張ってみたけれど、鶴本くんが足の間に座ってしまって閉じられない。

 鶴本くんの指が、下着越しに触れた。

 数回、上下に擦る。

 気持ちいいと感じると同時に、ほんの少しの不快感。

「少し濡れてる?」

 確かに、鶴本くんに身体を触られて、気持ちいいと思った。鶴本くんの感じている表情や声に、興奮した。

 だから、濡れていても不思議ではないのかもしれない。



 だけど……。



「確かめていい?」

 鶴本くんが下着をずらし、直に触れた。

 指先が入口に触れた。

 鶴本くんの反応を見るまでもない。

「だから……言ったでしょ」

 わずかに湿ってはいたのかもしれない。けれど、濡れている、といえるほどではない。

 鶴本くんの指先が円を描くように入口を擦るけれど、滑りが悪いのがわかる。

「鶴本くん、もういいから――」

「なにが?」

「え?」

「もう、一年のカウントダウンは始まってるんだよね?」

 鶴本くんが私の足から下着を引き抜く。

「ちょっと!」

「本気で気持ち悪かったら、言って」

 鶴本くんが身を屈め、寝転んだ私の視界から消えた。何をされるか察して、思わず意識がソコに集中する。

 ペロッと舌先が前の膨らみを舐めた。

 見られてなかったからいいようなものの、きっと私はひどい顔をしている。

 緊張と、期待と、恐怖と、恥ずかしさで、顔はくしゃくしゃ。

 鶴本くんも私の反応を気にしてか、恐る恐る舌先をつけては放し、またつける。

「ふっ――」

 もどかしい。

 けれど、ちゃんとされて、濡れなかったらと思うと、されるのが怖い。

「舐められるの、嫌?」

 喋られると、敏感な部分に彼の息がかかってくすぐったい。

 私は胸の上で両手を握り、じっとしていた。

 恥ずかしくてたまらない。

「気持ちいい?」

 彼の舌先が触れる度、声を漏らしそうになる。私は、じっと口を噤んでいた。
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