【ルーズに愛して】私の身体を濡らせたら

深冬 芽以

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5.濡れない身体

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「え?」

「見せてくれるなら胸は触らない。触っていいなら、見ない」

 そう言いながら、うなじにキスをされ、なんだか上手く考えられない。

 どう答えるのが正解なのか、わからない。

「どっち?」

「どっちもムリ……」

「じゃあ、違うとこ触っていい?」

 私の答えを予想していたように、鶴本くんの手が降下を開始する。

 来た道ではなく、お臍の辺りをくすぐりながら、足の付け根に向かう。

 思わず、力を込めてお腹を凹ませた。

「ふっ――」

 うなじに彼の息がかかる。

「胸とお腹、どっちの方が触られたくない?」

 私がお腹を凹ませたことに気づいて、言っているのだろう。声に出さないようにしても、弾む息で笑っているのがわかる。

 完全に鶴本くんのペースなことに、少しムッとした。

 私は後ろに手を回し、鶴本くんの太腿に触れた。くすぐるように、指先で。

「麻衣さん?」

 それから掌で大きく撫でる。

 鶴本くんが私の手の動きに集中している。その証拠に、私のお腹に触れていた彼の手から力が抜けた。

 私を閉じ込めるように大きく足を開いている彼の内腿に手を滑らせると、硬いモノにも触れてしまった。

「んっ――」

 鶴本くんのイイ声に、いたずら心がくすぐられた。

 掌は太腿を撫で、手の甲は彼のモノを軽く刺激する。

「これ以上はやめておいた方がよくない?」

 この言葉が、鶴本くんを刺激してしまった。

「やめない」

 彼の手が再び私の太腿をくすぐる。そして、仕返しと言わんばかりに、内腿に触れながら、指を曲げて硬い関節の部分で、下着の上から秘部に触れた。

 ゆっくりと上下に動かし、時々グッと押し付ける。



 ん……っ――!



 感じている声は出したくなくて、唇を固く閉じた。

 私もまた、やり返す。

 両手で太腿の上や内側を撫で、時々わざと手の甲で彼に触れ、放し、両手の甲で挟むように触れて、擦ってみたり。

「それっ――」

 鶴本くんが私の肩にもたれ、身震いする。

 どんな夢かは知らないけれど、夢の中から始まって三十分以上も勃起した状態で、ツラいのだと思う。

 手の甲でも、すごく硬いのがわかる。

「もう……、ムリ――」

 艶っぽい声に、身体が熱くなる。

 私はいつも攻められることが多くて、時々鞭で叩いてくれと頼まれたりはしたけれど、それも強制に近くて。だから、こんな風に、攻めるというか、苛めるようなことをしたことがなかった。



 面白い。

 というか、めちゃくちゃ興奮する。



 そう思う自分に驚いた。

 私はパッと手を離し、私に触れる鶴本くんの手を払い除けた。

「麻衣さん?」

 そして、くるっと向きを変え、鶴本くんと向かい合った。

「私を感じさせてくれるんだよね?」

「え?」

 自分でも大胆だと思う。

 一時間後には後悔するかもしれない。いや、すると思う。

 けれど、なぜか、シてみたくなった。

「声、出して」

「はっ?」
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